- バロンドールを受賞した日本人、候補になった日本人はいるの?
- 中田英寿や中村俊輔は何位だったの?
- 2026年の候補30人に日本人は入っているの?
バロンドールを受賞した日本人は、男女を通じてまだ一人もいません。男子で候補に入ったのは、中田英寿、稲本潤一、中村俊輔の3人だけです。この記事では、3人が候補入りした年と順位、2007年を最後に日本人男子の名前が消えた理由、そして毎年のように候補を出している女子の状況までを、2026年9月時点の情報で整理します。
バロンドールを受賞した日本人はいない【候補入りは男子3人・のべ5回】
日本人男子がバロンドールの候補に入ったのは、1998年から2007年までの5回です。当時の候補は50人で、フランス・フットボール誌が選んだリストに名前が載りました。まずは一覧で確認しましょう。
| 年 | 選手 | 当時の所属 | 得票 | その年の受賞者 |
|---|---|---|---|---|
| 1998年 | 中田英寿 | ベルマーレ平塚/ペルージャ | 0点 | ジネディーヌ・ジダン |
| 1999年 | 中田英寿 | ペルージャ | 0点 | リバウド |
| 2001年 | 中田英寿 | ローマ/パルマ | 0点 | マイケル・オーウェン |
| 2002年 | 稲本潤一 | アーセナル/フルアム | 0点 | ロナウド(ブラジル) |
| 2007年 | 中村俊輔 | セルティック | 0点 | カカ |
※各年の投票結果より。日本人男子の候補入りは、この5回がすべてです。
「中田28位」「稲本27位」という順位の正体
ネット上では「中田英寿は2001年に28位」「稲本潤一は27位」「中村俊輔は36位」と紹介されることがよくあります。ただし、この順位には注意が必要です。5回とも、記者からの得票は1点も入っていません。
バロンドールでは、票が入らなかった候補は全員が「同率の最下位グループ」として扱われます。たとえば2002年は、候補50人のうち24人が得票なしでした。その中にはベッカム、カシージャス、ギグスといった名前も並んでいます。つまり「27位」は、得票のあった26人の次、という意味です。
候補入りした3人は何が評価されたのか
3人に共通するのは、ヨーロッパのクラブで主力として目立つ結果を出した年に選ばれていることです。それぞれの背景を見ていきます。
中田英寿(1998年・1999年・2001年)
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中田英寿は、1998年のフランスW杯のあとにイタリア・セリエAのペルージャへ移籍しました。デビュー戦で強豪ユベントスを相手に2得点を決め、一気にヨーロッパで名前が知られます。当時のセリエAは世界最高のリーグと言われており、そこで1年目から中心選手になったことが2年連続の候補入りにつながりました。
2001年は、ASローマでセリエA優勝(スクデット)を経験した年です。優勝を大きく引き寄せたユベントス戦では、途中出場から1得点を挙げ、同点ゴールのきっかけも作りました。3回の候補入りは、いまも日本人最多です。
稲本潤一(2002年)
稲本潤一が選ばれたのは、日韓W杯のあった2002年です。初戦のベルギー戦と、続くロシア戦で2試合連続ゴールを決めました。ロシア戦の得点は、日本代表にW杯初勝利をもたらした決勝点です。日本は初の決勝トーナメント進出を果たし、その立役者として世界の記者の目にとまりました。
当時の所属はイングランドの名門アーセナルで、この年の夏にフルアムへ移っています。W杯での活躍が、そのまま候補入りに結びついた例といえます。
中村俊輔(2007年)
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中村俊輔は、スコットランドのセルティックで選ばれました。2006-07シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)では、マンチェスター・ユナイテッドとの2試合で、どちらもフリーキックを直接決めています。ホームでの一撃は決勝点になり、セルティックは現在のCLの形式になってから初めて決勝トーナメントに進みました。
同じシーズンにはリーグ優勝に貢献し、スコットランドの選手協会が選ぶ年間最優秀選手にも輝きました。2007年が、日本人男子が候補に入った最後の年になっています。
なぜ2007年を最後に日本人は候補に入らないのか
2007年以降、ヨーロッパでプレーする日本人選手は大きく増えました。それでも候補入りが途絶えているのには、はっきりした理由があります。
理由1:候補の人数が50人から30人に減った
中田英寿や中村俊輔の時代、候補は50人でした。2008年からは30人に絞られ、2010年から2015年まではFIFAの賞と統合されて23人になっています。現在は30人に戻りましたが、50人の時代より門はずっと狭くなりました。
理由2:CLやW杯で勝ち上がったチームの主力に集中する
近年の候補リストは、CLの優勝チームとW杯の上位国の選手でほぼ埋まります。2026年の候補30人でも、CLを連覇したパリ・サンジェルマンから最多の選手が選ばれました。W杯で優勝したスペインからも多くの選手が入っています。
日本代表は2026年の北中米W杯で、決勝トーナメントの初戦でブラジルに1対2で敗れました。前半をリードして折り返す健闘でしたが、バロンドールの候補に届くには、ベスト8以上まで勝ち進むインパクトが必要になります。
理由3:得点やアシストの数字が求められる
バロンドールは、昔から攻撃の選手が選ばれやすい賞です。候補に入るには、ヨーロッパの5大リーグやCLで、得点やアシストの目立つ数字を残す必要があります。久保建英や三笘薫もリーグを代表するアタッカーですが、まだ30人のリストには入っていません。
2026年の候補30人にも日本人男子はゼロ
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2026年のバロンドール候補30人は、2026年9月8日に発表されました。前回受賞者のウスマン・デンベレをはじめ、ハリー・ケイン、ラミン・ヤマル、キリアン・エムバペ、アーリング・ハーランドらが名を連ねています。日本人選手は入っていません。今回はアジアの選手も一人も選ばれませんでした。
ちなみに、アジア人の過去最高順位は、韓国代表ソン・フンミンの11位(2022年)です。プレミアリーグで得点王になったシーズンが評価されました。アジアの選手にとって、トップ10の壁はまだ破られていません。
授賞式は2026年10月26日にロンドンで開かれます。
女子は日本人が毎年のように候補入りしている
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男子とは対照的に、女子では日本人選手がたびたび候補に選ばれています。女子のバロンドールは2018年に始まりました。これまでの日本人候補は次のとおりです。
| 年 | 候補に入った日本人選手 |
|---|---|
| 2018年 | 熊谷紗希 |
| 2023年 | 長谷川唯、宮澤ひなた |
| 2024年 | 長谷川唯 |
| 2026年 | 長谷川唯、松窪真心、谷川萌々子 |
2026年は一度に3人が選ばれ、日本人としては過去最多になりました。長谷川唯はマンチェスター・シティでリーグ優勝に貢献し、イングランドの年間ベストイレブンにも入っています。松窪真心は2025年のアメリカ女子1部リーグで11得点を挙げ、年間最優秀MFに選ばれました。谷川萌々子はバイエルンでリーグ戦8得点を記録しています。
澤穂希は「バロンドール受賞者」なのか
2011年に澤穂希が受賞したのは「FIFA女子年間最優秀選手賞」です。男子のFIFAバロンドールと同じ式典で表彰されたため、「澤はバロンドールを取った」と言われることがあります。
正確には、バロンドールとは別の賞です。当時は女子のバロンドールがまだ存在せず、この賞が女子の世界一を決める最高の個人賞でした。メッシと並んで壇上に立った澤穂希は、日本サッカーで唯一「世界一の選手」に選ばれた人物です。価値としては、バロンドールに並ぶ快挙といえます。
日本人がバロンドール候補に入るための条件
ここまでの流れをふまえると、日本人男子が再び候補に入るための条件は見えてきます。
- CLで上位に進むクラブの主力になる:候補の大半は、CLのベスト4以上に進んだクラブの選手です。
- W杯で日本代表がベスト8以上に進む:2002年の稲本潤一のように、W杯の活躍は世界中の記者の目に直接届きます。
- 得点やアシストで目に見える数字を残す:投票するのは世界100か国の記者です。ふだん試合を見ていない記者にも伝わる実績が必要になります。
いまの日本代表には、ヨーロッパの上位クラブでプレーする選手が何人もいます。中田英寿の時代より、条件を満たせる位置にいる選手はずっと多くなりました。次のW杯は2030年です。それまでに4人目の名前が出てくる可能性は十分にあります。
データで見る:中田英寿は日本でどれくらい注目されている?
フットボール戦士では、中田英寿の日本語版Wikipediaの閲覧数を毎日集計しています。2015年7月以降で最も見られたのは2018年6月29日で、1日に24,298回でした(2026年9月時点)。下のカードの数字は毎日自動で更新されます。
フットボール戦士が毎日集計している「サッカー選手 日本での注目度ランキング」のデータです(日本語版Wikipediaの閲覧数)。
よくある質問
A. いません。男子で候補に入ったのは中田英寿(3回)、稲本潤一(1回)、中村俊輔(1回)の3人で、いずれも得票はありませんでした。女子でも受賞者はまだ出ていません。
A. 記録上は稲本潤一の27位(2002年)、中田英寿の28位(2001年)などと紹介されます。ただし5回とも得票は0点で、票が入らなかった候補どうしの同率扱いです。順位そのものに大きな差はありません。
A. 男子の候補30人に日本人はいません。女子の候補30人には、長谷川唯、松窪真心、谷川萌々子の3人が選ばれています。
A. 澤穂希が2011年に受賞したのは「FIFA女子年間最優秀選手賞」で、バロンドールとは別の賞です。ただし当時の女子では世界最高の個人賞でした。
A. いません。アジア人の最高順位は、韓国代表ソン・フンミンの11位(2022年)です。
まとめ:日本人のバロンドール候補は3人、次の4人目を待つ段階
- バロンドールを受賞した日本人は、男女ともにまだいない
- 男子の候補入りは中田英寿(1998年・1999年・2001年)、稲本潤一(2002年)、中村俊輔(2007年)の3人・のべ5回
- 「28位」「27位」などの順位は、得票0点どうしの同率扱い。価値があるのは世界の50人に選ばれた事実そのもの
- 2008年以降は候補が30人に減り、CLとW杯の上位チームに集中するため、日本人男子は選ばれていない
- 女子は2018年以降たびたび候補入りしており、2026年は過去最多の3人が選ばれた
2007年の中村俊輔から、もう20年近くが過ぎました。それでも、ヨーロッパの上位クラブで主力を張る日本人は確実に増えています。4人目の候補が生まれる日を、楽しみに待ちましょう。
※この記事の情報は2026年9月22日時点のものです。候補と得票はフランス・フットボール誌の各年の発表にもとづきます。
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