- ワールドカップのノックアウトステージとは?決勝トーナメントとは違う?
- 2026年大会のノックアウトステージは、どんな組み合わせと結果だった?
- 延長戦やPK戦になったのは何試合?日本代表はどこで負けた?
ワールドカップのノックアウトステージとは、負けたらその場で大会が終わる勝ち抜き戦のことです。日本でいう「決勝トーナメント」と同じ意味です。2026年の北中米大会では32チームがラウンド32から戦い、スペインが決勝でアルゼンチンに延長戦の末1-0で勝って優勝しました。この記事では、FIFAの大会規則にもとづく仕組みと、2026年大会の実際の結果をまとめます。
ノックアウトステージとは?「決勝トーナメント」と同じ意味
Al Jazeera English「FIFA World Cup 2026 explained」(2026年6月1日公開)。大会前に48チームの新しい形式を解説した動画です
ワールドカップは、総当たりのグループステージと、勝ち抜き戦のノックアウトステージの2段階で行われます。ノックアウト(knockout)は「負かして大会から外す」という意味です。1試合で必ず勝ち負けを決め、負けたチームはそこで大会を去ります。
FIFAの大会規則では、2026年大会のノックアウトステージを「ラウンド32・ラウンド16・準々決勝・準決勝・3位決定戦・決勝」と決めていました。日本のテレビや新聞が使う「決勝トーナメント」は、これをまとめた呼び方です。
| 回戦 | チーム数 | 試合数 | 2026年の日程(現地) |
|---|---|---|---|
| ラウンド32 | 32 | 16 | 6月28日〜7月3日 |
| ラウンド16 | 16 | 8 | 7月4日〜7日 |
| 準々決勝 | 8 | 4 | 7月9日〜11日 |
| 準決勝 | 4 | 2 | 7月14日・15日 |
| 3位決定戦 | 2 | 1 | 7月18日 |
| 決勝 | 2 | 1 | 7月19日 |
※FIFAの大会規則(2026年5月版)とWikipedia英語版の試合記録をもとに作成。合計32試合。
2022年のカタール大会までは32チームが出場し、ノックアウトステージはラウンド16から始まっていました。2026年大会は出場が48チームに増え、ラウンド32が新しくできました。優勝までに戦う試合は、グループの3試合とノックアウトの5試合で計8試合です。
そのため「ベスト16」の意味も変わりました。2026年大会では、グループを突破してもラウンド32で負けると「ベスト32」です。ベスト16に入るには、ノックアウトステージで1勝する必要があります。
組み合わせの決め方:1位・2位と「3位の上位8チーム」
2026年大会では、12組の1位と2位の24チームに、3位の上位8チームを足した32チームがノックアウトステージに進みました。3位の12チームは組が違うので、次の順番で比べます。
- 勝ち点
- 得失点差
- 総得点
- 警告・退場の少なさ(イエローカード1枚でマイナス1点などの計算)
- FIFAランキング
ラウンド32の16試合は、大会前に試合番号ごとに枠が決まっていました。難しいのは、3位のチームがどの1位と当たるかです。どの組の3位が勝ち上がるかで相手が変わるため、大会規則の付属書に495通りの組み合わせ表が載っていました。
2026年大会で3位から勝ち上がったのは、B・D・E・F・I・J・K・L組の8チームです。このうちラウンド32を勝ったのは、ドイツにPK戦で勝ったパラグアイだけでした。
2026年大会のトーナメント表と結果(ラウンド32〜決勝)
2026年大会の優勝はスペインで、2010年以来2回目です。7月19日にニュージャージー州のメットライフ・スタジアムで行われた決勝は、90分を0-0で終えました。延長後半が始まってすぐの106分にフェラン・トーレスが決め、スペインが1-0で勝ちました。
準決勝は、スペインがフランスに2-0で勝ちました。アルゼンチンはイングランドに先制されましたが、85分と90+2分に決めて2-1で逆転しました。どちらの準決勝も延長戦にはなっていません。3位決定戦は、イングランドが6-4でフランスに勝ちました。
ラウンド32とラウンド16の結果は次のとおりです。勝ったチームを太字にしています。
| 日付(現地) | 試合と結果 | 延長・PK |
|---|---|---|
| ラウンド32 | ||
| 6月28日 | 南アフリカ 0-1 カナダ | |
| 6月29日 | ブラジル 2-1 日本 | |
| 6月29日 | ドイツ 1-1 パラグアイ | PK戦3-4 |
| 6月29日 | オランダ 1-1 モロッコ | PK戦2-3 |
| 6月30日 | コートジボワール 1-2 ノルウェー | |
| 6月30日 | フランス 3-0 スウェーデン | |
| 6月30日 | メキシコ 2-0 エクアドル | |
| 7月1日 | イングランド 2-1 コンゴ民主共和国 | |
| 7月1日 | ベルギー 3-2 セネガル | 延長 |
| 7月1日 | アメリカ 2-0 ボスニア・ヘルツェゴビナ | |
| 7月2日 | スペイン 3-0 オーストリア | |
| 7月2日 | ポルトガル 2-1 クロアチア | |
| 7月2日 | スイス 2-0 アルジェリア | |
| 7月3日 | オーストラリア 1-1 エジプト | PK戦2-4 |
| 7月3日 | アルゼンチン 3-2 カーボベルデ | 延長 |
| 7月3日 | コロンビア 1-0 ガーナ | |
| ラウンド16 | ||
| 7月4日 | カナダ 0-3 モロッコ | |
| 7月4日 | パラグアイ 0-1 フランス | |
| 7月5日 | ブラジル 1-2 ノルウェー | |
| 7月5日 | メキシコ 2-3 イングランド | |
| 7月6日 | ポルトガル 0-1 スペイン | |
| 7月6日 | アメリカ 1-4 ベルギー | |
| 7月7日 | アルゼンチン 3-2 エジプト | |
| 7月7日 | スイス 0-0 コロンビア | PK戦4-3 |
※スコアは延長戦を含み、PK戦を含まない。Wikipedia英語版「2026 FIFA World Cup knockout stage」「2026 FIFA World Cup round of 32」の試合記録(FIFAの試合報告にもとづく)から作成。
延長戦とPK戦のルール:90分で同点なら30分の延長へ
FIFA公式チャンネル「Highlights | Spain 1-0 Argentina」(2026年7月19日公開)。延長戦で決まった2026年大会の決勝のハイライトです
ノックアウトステージで90分を終えて同点なら、延長戦に入ります。FIFAの大会規則では、5分以内の休憩のあと、15分ハーフの延長戦を行うと決めています。それでも同点なら、PK戦で勝ち上がるチームを決めます。
| 段階 | 時間 | 選手交代 |
|---|---|---|
| 通常の試合 | 90分+アディショナルタイム | 5人まで・3回まで(ハーフタイムは回数に数えない) |
| 延長戦 | 15分×2(間に1分以内の給水) | さらに1人・1回増える |
| PK戦 | 5人ずつ蹴り、同じならサドンデス | なし |
※FIFA「Regulations for the FIFA World Cup 26」第14条・第36条、IFABの競技規則第10条をもとに作成。脳しんとうの疑いがあるときの交代枠は、これとは別に1人まで。
PK戦の前には、審判がコイントスでどちらのゴールを使うかを決めます。もう一度コイントスをして、勝ったチームが先に蹴るか後に蹴るかを選びます。5人ずつ蹴っても同じ数なら、1人ずつ蹴って差がついたところで終わります。
なお、PK戦になった試合は、通算成績では引き分けとして数えるのが一般的です。
延長戦の形は、昔から同じだったわけではありません。W杯では1998年と2002年の大会で、延長戦で先に点を取った瞬間に試合が終わる「ゴールデンゴール」が使われ、4試合がこれで決まりました。国際サッカー評議会(IFAB)が2004年に廃止を決め、2006年大会からは30分をすべて戦う今の形に戻っています。
データで見る:2026年大会は32試合中9試合が延長戦、4試合がPK戦
フットボール戦士が、2026年大会のノックアウトステージ32試合を1試合ずつ数えました。90分で決着したのが23試合、延長戦に入ったのが9試合です。延長戦の9試合のうち5試合は延長中に点が入って決まり、4試合はPK戦までもつれました。
延長戦に入った9試合は、1大会で最も多い数です。ただしノックアウトの試合が16試合から32試合に増えたためで、割合は28.1%と、2022年大会(16試合中5試合・31.3%)より少し低くなりました。
PK戦の数字は、フットボール戦士の集計(W杯本大会の全ゴールの記録から)でも見られます。W杯のPK戦は2026年大会までで39回あり、先に蹴ったチームが勝ったのは17回(43.6%)でした。国際Aマッチ全体では、先攻が分かる260回中136回(52.3%)です。「先攻が有利」とよく言われますが、W杯では先攻の勝ちが半分に届いていません。
同じ集計では、2018年大会以降のW杯のゴールのうち、延長戦に生まれたのは2.3%でした。日本代表のPK戦は12回で5勝7敗です。W杯では2010年のパラグアイ戦と2022年のクロアチア戦で、どちらも負けています。
※データの詳細はフットボール戦士の「数字で見るサッカーのルール」(2026年9月24日更新)。W杯の大会ごとの延長戦・PK戦の数はWikipedia英語版「List of FIFA World Cup penalty shoot-outs」で確認。
日本代表とノックアウトステージ:5回挑んで勝ちはまだない
FIFA公式チャンネル「Highlights | Brazil 2-1 Japan」(2026年6月30日公開)。日本代表が敗れた2026年大会のラウンド32のハイライトです
日本代表のW杯ノックアウトステージは、2026年大会で5回目でした。まだ1度も勝てていません。
| 大会 | 回戦 | 相手 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 2002年 | ラウンド16 | トルコ | 0-1 |
| 2010年 | ラウンド16 | パラグアイ | 0-0(PK戦3-5) |
| 2018年 | ラウンド16 | ベルギー | 2-3 |
| 2022年 | ラウンド16 | クロアチア | 1-1(PK戦1-3) |
| 2026年 | ラウンド32 | ブラジル | 1-2 |
※Wikipedia英語版「Japan at the FIFA World Cup」をもとに作成。
2026年大会の日本は、グループFでオランダと2-2、チュニジアに4-0、スウェーデンと1-1の1勝2分けでした。2位で突破し、ラウンド32でC組1位のブラジルと当たりました。
ブラジル戦は前半29分に佐野海舟のゴールで先制しました。しかし後半56分にカゼミーロ、90+5分にマルティネッリに決められ、1-2で逆転負けしました。
グループFの残り2チームも、ラウンド32で姿を消しました。1位のオランダはモロッコにPK戦で敗れ、3位で勝ち上がったスウェーデンはフランスに0-3で負けています。
よくある質問
A. 同じものです。FIFAが英語で使う「ノックアウトステージ」を、日本では「決勝トーナメント」と呼んできました。
A. 90分で同点なら、15分ハーフの延長戦を行います。それでも同点ならPK戦で勝ち上がるチームを決めます。2026年大会では32試合中9試合が延長戦になり、4試合がPK戦になりました。
A. 2026年大会では、12組の3位のうち上位8チームが進めました。勝ち点、得失点差、総得点の順に比べます。
A. ラウンド32のドイツ対パラグアイ、オランダ対モロッコ、オーストラリア対エジプトと、ラウンド16のスイス対コロンビアの4試合です。勝ったのはパラグアイ、モロッコ、エジプト、スイスでした。
A. 入ります。準決勝で負けた2チームが戦い、2026年大会は7月18日にイングランドが6-4でフランスに勝ちました。
まとめ:ノックアウトステージは負けたら終わりの勝ち抜き戦
- ノックアウトステージは「決勝トーナメント」と同じ意味の勝ち抜き戦
- 2026年大会は32チームが出場し、ラウンド32から決勝まで32試合
- 90分で同点なら延長戦30分、それでも同点ならPK戦
- 2026年大会は延長戦が9試合、PK戦が4試合。優勝はスペイン
- 日本代表は5回目の挑戦でもノックアウトステージで勝てなかった
2026年大会から、ノックアウトステージは1試合増えて5試合になりました。日本代表がベスト8に入るには、2試合続けて勝つ必要があります。2030年大会で形式が変わったら、この記事も更新します。
※この記事の情報は2026年9月25日時点のものです。出典:FIFA「Regulations for the FIFA World Cup 26」(2026年5月版)、IFAB競技規則、Wikipedia英語版「2026 FIFA World Cup knockout stage」「2026 FIFA World Cup round of 32」「2026 FIFA World Cup final」「List of FIFA World Cup penalty shoot-outs」「Golden goal」「Japan at the FIFA World Cup」、フットボール戦士「数字で見るサッカーのルール」。
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