- サッカーで点が入りやすい(失点しやすい)時間帯はいつ?
- 「魔の時間帯」と言われる試合開始直後や終了間際は、本当に点が入りやすい?
- アディショナルタイムが長くなって、終了間際のゴールは増えた?
サッカーで点が入りやすい時間帯は、15分ごとに区切ると前半の31〜45分です。フットボール戦士が2018年以降のW杯3大会(232試合・649点)を集計すると、31〜45分のゴールが全体の18.2%で一番多く、後半の46〜60分(17.4%)が続きました。前半と後半で比べると、90分までのゴールの約6割(59.3%)は後半に入っています。
もう一つ目立つのが、試合の最後です。90分と後半アディショナルタイムに入ったゴールは全体の11.9%で、1990〜2014年の大会(5.6%)の約2倍になりました。この記事では、W杯のゴールを5分ごと・大会ごとに数え直し、「魔の時間帯」と言われる時間が本当に危ないのか、日本代表はいつ失点しているのかも見ていきます。
サッカーで点が入りやすい時間帯は?W杯は31〜45分が最多
2018年ロシア大会、2022年カタール大会、2026年北中米大会のゴールを15分ごとに分けると、一番多いのは31〜45分の118点(18.2%)でした。この区切りには、前半のアディショナルタイムに入ったゴールも含まれます。2位は後半の立ち上がりを含む46〜60分の113点(17.4%)、3位は61〜75分の103点(15.9%)です。
逆に少ないのは16〜30分(10.0%)と1〜15分(11.6%)で、最初の30分は点が入りにくい時間です。前後半で分けると、延長戦を除く634点のうち後半が376点(59.3%)でした。1990〜2014年も後半が57.9%で、後半に点が多いのは昔から変わりません。ゴールは片方の得点で、もう片方の失点なので、「失点しやすい時間帯」も同じ答えになります。
5分ごとに見ると?最後の「90分+アディショナルタイム」に77点
同じ634点を5分ごとに数えると、ふつうの5分で一番多いのは66〜70分の43点です。それより飛び抜けて多いのが、一番下の「90分+アディショナルタイム」の77点で、1つの区切りに全ゴールの1割以上が集まっています。
31〜45分が多かった理由も、5分ごとに見ると分かります。31〜35分と36〜40分がどちらも34点で、1〜30分の5分ごと(6〜10分の35点を除けば19〜22点)より多めです。前半の終わりの数分だけが多いのではなく、30分を過ぎたあたりからペースが上がっていました。
1990〜2014年の大会では31〜45分は14.7%にとどまり、一番多かったのは76〜89分(18.7%)でした。前半の終わりのほうにゴールが増えた理由は、このデータだけでは分かりません。
90分以降のゴールは2018年以降に2倍の11.9%
大会ごとに「90分以降のゴール」の割合を並べると、2018年で段がついています。1990〜2014年の7大会は3.1〜8.2%で平均5.6%でしたが、2018年は13.6%、2022年は9.9%、48チームに増えた2026年は12.0%です。3大会の平均は11.9%(649点中77点)で、それまでの約2倍になりました。
時期が重なるのが、試合の時間の計り方です。FIFAの審判委員長ピエルルイジ・コッリーナ氏は2022年11月、FIFAの公式サイトで、2018年ロシア大会のときから審判にアディショナルタイムをより正確に計るよう求めていたと説明しています。カタール大会ではさらに、負傷の手当て・VARのチェック・ゴールの喜びなどで失われた時間を正確に足すよう、具体的な指針を審判に渡しました。最後に戦う時間が延びれば、そこで入るゴールも増えます。ただし、このデータで言えるのは「時期が重なる」ことまでです。
Jリーグ公式チャンネル「アディショナルタイムにまつわるヒミツ?!『審判員から見た時間の世界』」(2021年10月公開)。プロフェッショナルレフェリーの荒木友輔さんが、主審が試合の時間をどう計っているかを話しています。
一方、76分以降(アディショナルタイムを含む)をまとめた割合は、1990〜2014年が25.0%、2018年以降が25.2%とほぼ同じでした。終盤のゴールの割合は変わらず、そのうち「90分を過ぎてから」の分が増えた形です。
90分以降のゴールで勝ち負けが変わった試合も増えました。2018年以降の232試合のうち、90分以降のゴールで「引き分け→勝ち」「負け→引き分け」のように結果が変わったのは29試合(12.5%)で、1990〜2014年の25試合(424試合中5.9%)の倍以上です。8試合に1試合は、最後の数分で結果が変わっています。
「魔の時間帯」は本当?開始直後は少なく、終了間際は2.8倍
点を取られやすいと言われる時間を「魔の時間帯」と呼ぶことがあります。決まった定義はありませんが、よく挙がるのは開始直後、前半の終わり、後半の立ち上がり、終了間際、点を取った直後です。2018年以降のW杯で、5分あたりの平均(634点÷18=約35点)と比べました。
試合開始直後(1〜5分)は21点で平均の0.6倍でした。1990〜2014年も0.7倍で、数字の上ではむしろ点が入りにくい時間です。
前半の終わり(41〜45分+アディショナルタイム)は50点で1.4倍、後半の立ち上がり(46〜50分)は32点で0.9倍でした。前半の終わりはアディショナルタイムの分だけ5分より長く数えているので、差は割り引いて見る必要があります。
試合終了間際(86〜90分+アディショナルタイム)は100点で2.8倍と、はっきり多くなりました。時間が長い点は同じですが、1990〜2014年の2.0倍から上がっていて、「終了間際は危ない」はデータでも言えます。
点を取った直後はどうでしょうか。1990年以降のW杯で、ゴールの後の5分間に取られた側がすぐ取り返したのは、対象の1,303点のうち71回(5.4%)でした。1チームがふつうの5分間に点を取る割合(6.4%)より低く、取り返されやすい傾向は見えません(ゴール後は再開まで時間が止まるので、少し低めに出ます)。
日本代表がW杯で失点しやすい時間帯は後半の46〜60分
日本代表(男子)のW杯本大会は、1998年フランス大会から2026年大会まで29試合で、得点33・失点38です。失点を15分ごとに分けると、一番多いのは46〜60分の10失点で、61〜75分の8失点、76〜89分の7失点が続きます。38失点のうち29失点(76.3%)が後半で、W杯全体の59.3%より後半に偏っていました。
得点も46〜60分の9点が最多ですが、90分以降は得点0・失点4です。29試合と数が少ないので傾向とまでは言えませんが、日本のW杯の名場面には「最後の数分」が多く含まれています。
| 大会 | 試合 | 失点の時間 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 2006年 | オーストラリア戦 | 90+2分(アロイージ) | 1-3(84分・89分にも失点) |
| 2014年 | コロンビア戦 | 90分(ハメス・ロドリゲス) | 1-4 |
| 2018年 | ベルギー戦(ベスト16) | 90+4分(シャドリ) | 2-3(2-2から決勝点) |
| 2026年 | ブラジル戦(ラウンド32) | 90+5分(マルチネッリ) | 1-2(1-1から決勝点) |
※時間は英語版Wikipediaの各大会の試合記録とJFAの試合記録による。2026年の決勝点を「90+6分」と書く報道もあります。
2018年のベルギー戦は2-0から追いつかれ、後半アディショナルタイムに日本のコーナーキックからのカウンターで決勝点を許しました。2026年のブラジル戦も、29分に佐野海舟選手のゴールで先制しながら、56分に同点、90+5分に勝ち越されています。
DAZN Japan「【FIFAワールドカップ2026】ブラジル vs 日本 : ラウンド32 │ MATCH RECAP」(2026年6月公開)。90+5分の決勝点までの流れを見られます。
試合の経過や敗因は、日本対ブラジルの敗因は?W杯1-2の経過・スタッツと田中碧のミスで詳しくまとめています。
データについて
集計に使ったのは、各国代表の国際試合の結果と得点者をまとめた公開データ(martj42/international_results・CC0)です。フットボール戦士の数字で見るサッカーのルールと同じデータで、W杯本大会は1930年から2026年7月19日の決勝まで1,068試合・3,028点が入っています(全大会で得点者の記録の数と合計得点が一致)。
元のデータでは、ゴールの時間が「分」の数字だけで記録されています。前半アディショナルタイムのゴールは「45分」(例:2022年イングランド対セネガルのケイン選手の45+3分)、後半アディショナルタイムのゴールは「90分」(例:2022年オランダ対アルゼンチンのベグホルスト選手の90+11分)にまとめられ、91分以上は延長戦です。そのため「90分以降」には90分ちょうどのゴールと後半アディショナルタイムが入ります。アディショナルタイムの長さは元のデータに無いので、1分あたりのゴール数は正確には出せません。
1980年代より前の大会は時間の記録が大まかなので、比べたのは1990年以降の大会です。「2018年以降」は3大会だけで、2026年大会は48チーム・104試合と、それまでの64試合より多くなっています。この記事は時間帯ごとのゴール数の差を見たもので、原因を調べたものではありません。Jリーグや欧州のリーグでは違う結果になる可能性があります。
よくある質問
A. 2018年以降のW杯を15分ごとに分けると、31〜45分(前半アディショナルタイムを含む)が18.2%で最多です。5分ごとに見ると、90分と後半アディショナルタイムに全体の11.9%が集まっています。
A. 同じです。ゴールは片方の失点でもあるからです。日本代表のW杯29試合では、46〜60分の10失点が最多でした。
A. W杯のデータでは違います。2018年以降の1〜5分のゴールは21点で、5分あたりの平均(35点)の0.6倍でした。数字の上では点が入りにくい時間です。
A. 増えています。W杯で90分以降に入ったゴールの割合は、1990〜2014年の5.6%から、2018年以降は11.9%になりました。FIFAが2018年大会から審判にアディショナルタイムをより正確に計るよう求めた時期と重なります。
A. 後半です。2018年以降のW杯では、90分までのゴールの59.3%が後半に入りました。1990〜2014年でも57.9%で、昔から後半のほうが多くなっています。
まとめ:点が入りやすいのは31〜45分と後半、そして最後の数分
- 2018年以降のW杯3大会(649点)を15分ごとに分けると、31〜45分が18.2%で最多、46〜60分が17.4%で2位
- 90分までのゴールの59.3%は後半。1990〜2014年も57.9%で、後半が多いのは昔から
- 90分以降のゴールは1990〜2014年の5.6%から11.9%に倍増。結果が変わった試合も424試合中25から232試合中29に増えた
- 「魔の時間帯」は、開始直後(0.6倍)は当てはまらず、終了間際(2.8倍)は当てはまる。点を取った直後に取り返されやすい傾向も見えない
- 日本代表はW杯29試合で38失点。46〜60分の10失点が最多で、90分以降は失点4・得点0
点が入りやすいのは、後半と、アディショナルタイムを含む最後の数分でした。今のW杯では、90分の表示が出てからが一番点の入る時間です。最後まで目を離さずに見てください。
※この記事の情報は2026年11月8日時点のものです。ゴールの時間は公開データ(martj42/international_results)のW杯本大会の記録(2026年7月19日まで)をもとにフットボール戦士が集計しました。
フットボール戦士 
