- エムバペはバロンドールを何回受賞しているの?
- あれだけ活躍しているのに、なぜまだ取れていないの?
- 2026年こそ受賞できる可能性はあるの?
エムバペはバロンドールを一度も受賞していません。ワールドカップ優勝、リーグ得点王の常連という実績を持ちながら、最高順位は3位。なぜ世界最高峰の賞に届かないのか。この記事では、歴代順位の一覧、受賞を阻んできた構造的な理由、そして2026年の受賞可能性までを、事実に基づいて整理します。
エムバペのバロンドール受賞回数と歴代順位【結論:受賞0回】
キリアン・エムバペ(レアル・マドリード所属、フランス代表)のバロンドール受賞回数は0回です。2017年に18歳で初めてトップ30の候補入りして以来、ほぼ毎年ランクインを続けていますが、表彰台の中央に立ったことは一度もありません。まずは歴代の順位を一覧で確認しましょう。
歴代順位の一覧表(2017年〜2025年)
| 年 | 順位 | 所属クラブ | その年の受賞者 |
|---|---|---|---|
| 2017年 | 7位 | モナコ/パリSG | クリスティアーノ・ロナウド |
| 2018年 | 4位 | パリSG | ルカ・モドリッチ |
| 2019年 | 6位 | パリSG | リオネル・メッシ |
| 2021年 | 9位 | パリSG | リオネル・メッシ |
| 2022年 | 6位 | パリSG | カリム・ベンゼマ |
| 2023年 | 3位 | パリSG | リオネル・メッシ |
| 2024年 | 6位 | レアル・マドリード | ロドリ |
| 2025年 | 7位 | レアル・マドリード | ウスマン・デンベレ |
※2020年は新型コロナウイルスの影響で選考自体が中止。過去最高順位は2023年の3位です。
こうして並べると、10年近くにわたって世界のトップ10圏内に居続けていることが分かります。これ自体が異常なほどの安定感ですが、裏を返せば「常に候補でありながら、頂点には届いていない」というキャリアでもあります。
2025年は7位。欧州得点王でも届かなかった
2025年9月に発表されたバロンドールでは、パリ・サンジェルマン(PSG)をクラブ史上初のチャンピオンズリーグ(CL)優勝を含む主要タイトル総なめに導いたウスマン・デンベレが初受賞しました。エムバペは7位です。
この結果には少し驚いた方も多いのではないでしょうか。エムバペは2024-25シーズン、レアル・マドリード移籍1年目にしてラ・リーガで31得点を挙げて得点王(ピチーチ賞)に輝き、欧州リーグ全体の得点王に贈られるヨーロピアン・ゴールデンシューまで獲得していたからです。個人成績だけを見れば文句のつけようがありません。それでも順位は7位でした。
実際、この年のレアル・マドリードはラ・リーガもCLもタイトルを逃しています。上位6人のうち3人(デンベレ、ビティーニャ、ハキミ)をCL王者PSGの選手が占めたことが、バロンドールという賞の性格を何よりも雄弁に物語っています。
エムバペがバロンドールを取れない3つの理由
「世界最高の点取り屋がなぜ選ばれないのか」。この疑問への答えは、エムバペの実力不足ではなく、賞の構造とタイミングにあります。大きく3つに分けて解説します。
理由1:個人成績よりも「チームの主要タイトル」が重視される
バロンドールの選考基準は、個人のパフォーマンス、チームとしての成果、フェアプレーの3要素で構成されています。そして近年の受賞者を見ると、事実上の決め手になっているのは「CL優勝またはビッグタイトルの中心選手だったか」です。2024年のロドリはマンチェスター・シティのプレミアリーグ4連覇とスペイン代表のユーロ制覇、2025年のデンベレはPSGのCL優勝を含む4冠が評価の柱でした。
エムバペは得点王のタイトルこそ量産していますが、キャリアを通じてCL優勝が一度もありません。PSG時代の2019-20シーズンに決勝まで進みましたが、バイエルンに敗れて準優勝。ここが受賞者たちとの決定的な差になっています。
理由2:メッシとロナウド、そして「怪物的な優勝チーム」の壁
エムバペがトップレベルに到達した2017年以降だけでも、メッシが3回受賞しています。史上最高と呼ばれる2人が投票の常連だった時代に、キャリアの前半が重なってしまったことは不運としか言いようがありません。さらにメッシとロナウドの時代が終わった後も、シティの国内4連覇、PSGのCL連覇といった「歴史的な優勝チーム」が毎年のように現れ、その中心選手に票が集中する流れが続いています。個で突出するだけでは票が集まりにくい時代になっているのです。
理由3:選考期間とW杯のタイミングの巡り合わせ
バロンドールの選考対象期間は、暦の1年ではなく「前年8月から当年7月まで」のシーズン単位です(2022年に変更)。エムバペにとって象徴的だったのが2022年のカタールW杯でした。決勝でハットトリックを達成し、大会得点王(8得点)にも輝く歴史的な活躍を見せましたが、W杯優勝はアルゼンチンのもの。その活躍が対象となった2023年の選考では、優勝の立役者メッシが受賞し、エムバペは3位に終わりました。
2018年のロシアW杯では優勝を経験しましたが、当時19歳のエムバペは4位。この年は最優秀若手選手に贈られるコパ・トロフィーの初代受賞者となったものの、本家のバロンドールはモドリッチの手に渡りました。「W杯で勝った年は若すぎた、円熟期のW杯では準優勝」という巡り合わせの悪さも、無冠が続く一因といえます。
バロンドールの選考の仕組みを簡単に整理
受賞可能性を考える前に、選考の仕組みを押さえておきましょう。ポイントは次のとおりです。
- 主催:フランス・フットボール誌。2024年からはUEFA(欧州サッカー連盟)との共催体制になっています。
- 対象期間:前年8月から当年7月までのシーズン単位(2026年は2025年8月3日〜2026年7月19日)。W杯開催年は、大会の結果が丸ごと選考対象に含まれます。
- 投票:男子はFIFAランキング上位国の記者が1国1名の代表として投票し、候補30名から順位をつけて選びます。
- 評価基準:個人の成績と決定的な活躍、チームの成果、フェアプレー精神の順に考慮されます。
つまりW杯イヤーのバロンドールは、クラブでの1シーズンに加えて「夏のW杯で何をしたか」が大きな比重を占めることになります。これが2026年のエムバペにとって重要な意味を持ちます。
2026年バロンドールでエムバペは受賞できるのか
2026年のバロンドールは、2025年8月3日から2026年7月19日までの活躍が対象です。2025-26シーズンのクラブでの成績と、2026年夏の北中米W杯がまとめて評価されます。エムバペは2026年9月8日に発表された候補30人に入りました。材料を一つずつ見ていきましょう。
2025-26シーズン:ラ・リーガとCLで得点王、それでもチームは無冠
エムバペは2025-26シーズンのラ・リーガで25得点を挙げ、2季連続の得点王(ピチーチ賞)に輝きました。チャンピオンズリーグ(CL)でも15得点で得点王です。公式戦では44試合で42得点を記録しました。2025年12月には、クリスティアーノ・ロナウドが持つレアル・マドリードの暦年最多得点記録(59ゴール)にも並んでいます。
一方で、チームは苦しいシーズンでした。ラ・リーガはバルセロナが2連覇し、レアル・マドリードは2位。CLは準々決勝でバイエルンに合計4-6で敗れました。スーペルコパは準優勝、国王杯はベスト16で、主要タイトルは一つも取れていません。「個人は圧巻、チームは無冠」という、これまでエムバペを表彰台から遠ざけてきた形がまた繰り返されました。
2026年W杯:得点王と通算最多得点、ただしフランスは4位
W杯でのエムバペは、記録の面では文句のつけようがありません。10得点4アシストで、史上初となる2大会連続の得点王(ゴールデンブーツ)を獲得しました。W杯の通算得点は22となり、メッシ(21得点)を抜いて歴代単独1位です。大会の優秀選手では3番手にあたるブロンズボールにも選ばれました。
ただし、フランスは準決勝でスペインに0-2で敗れました。3位決定戦もイングランドに4-6で敗れ、4位で大会を終えています。エムバペは3位決定戦で2得点1アシストを記録しましたが、チームの結果はついてきませんでした。決勝はスペインが延長戦の末にアルゼンチンを1-0で破って優勝し、大会最優秀選手のゴールデンボールはスペインの主将ロドリが受賞しています。
データで見る:W杯の年にバロンドールを取ったのはどの国の選手?
W杯の結果はバロンドールの投票にどこまで響くのでしょうか。フットボール戦士のバロンドール・データベースで、W杯が選考対象になった17回の受賞者を、その国のW杯の成績で分けてみました。
優勝国の選手が受賞したのは17回中7回で、最も多くなっています。ただ、4位の国から受賞した例も1回あります。1994年のフリスト・ストイチコフ(ブルガリア)です。ストイチコフはこの大会で6得点を挙げ、得点王に並びました。
大会の得点王(並んだ選手を含む)がその年のバロンドールも取った例は、1970年のゲルト・ミュラー、1982年のパオロ・ロッシ、1994年のストイチコフ、2002年のロナウドの4回です。チームが4位で得点王というエムバペの形は、ストイチコフとよく似ています。とはいえ、残りの13回は得点王以外の選手が受賞しており、得点王だけで決まるわけではありません。
ライバルは誰か:オッズで見る本命と対抗
米国の「スポーツ・イラストレイテッド」が2026年9月10日に伝えたブックメーカーのオッズでは、本命はハリー・ケインでした。エムバペはロドリと並ぶ3番手です。オッズは配当の倍率(小数点の倍率に直したもの)で、低いほど有力と見られています。
| 選手 | 倍率 | 2025-26シーズンとW杯の主な実績 |
|---|---|---|
| ハリー・ケイン(バイエルン) | 約1.6倍 | 国内3冠、ブンデスリーガ得点王(36得点)、公式戦61得点、W杯3位 |
| ラミン・ヤマル(バルセロナ) | 約4.5倍 | ラ・リーガ2連覇、W杯優勝 |
| エムバペ(レアル・マドリード) | 約8倍 | ラ・リーガとCLの得点王、W杯得点王(10得点)、W杯4位 |
| ロドリ(マンチェスター・シティ) | 約8倍 | W杯優勝の主将、大会最優秀選手(ゴールデンボール) |
| リオネル・メッシ(インテル・マイアミ) | 約23倍 | MLS優勝、W杯準優勝(8得点4アシスト) |
※スポーツ・イラストレイテッド(2026年9月10日)が掲載したオッズ(米国式)を、小数点の倍率に直して丸めたもの。オッズは日々変わります。
ケインは国内でリーグ・カップ・スーパーカップの3冠を取り、公式戦61得点はバイエルンの21世紀の最多記録です。W杯でもイングランドを3位に導きました。対するエムバペは、W杯とCLの両方で得点王という個人の記録で上回ります。ただ、チームの成績ではケインやW杯王者スペインの選手に一歩譲るのが現実です。
発表はいつ?2026年の授賞式は10月26日にロンドンで
2026年のバロンドール授賞式は、2026年10月26日(月)にロンドンのロンドン・パラディウムで開かれます。70回目の節目の授賞式で、ロンドンで開くのは初めてです。エムバペが初受賞するとすれば、3位決定戦で敗れたイングランドの首都でトロフィーを受け取ることになります。
データで見る:エムバペは日本でどれくらい注目されている?
フットボール戦士では、エムバペの日本語版Wikipediaの閲覧数を毎日集計しています。2015年7月以降で最も見られたのは2022年12月18日で、1日に135,764回でした(2026年9月時点)。下のカードの数字は毎日自動で更新されます。
フットボール戦士が毎日集計している「サッカー選手 日本での注目度ランキング」のデータです(日本語版Wikipediaの閲覧数)。
よくある質問
A. 受賞回数は0回です。2017年から2025年までに8回トップ10入りしていますが、受賞には至っていません。過去最高順位は2023年の3位です。
A. パリ・サンジェルマンのウスマン・デンベレが初受賞しました。クラブ史上初のCL優勝を含む主要タイトル制覇の中心選手だったことが評価されました。エムバペは7位でした。
A. 確実ではありません。実際、2018年はW杯優勝メンバーのエムバペが4位で、受賞したのは準優勝クロアチアのモドリッチでした。ただし近年は2023年のメッシのように「W杯優勝の立役者」が受賞する流れが強く、優勝すれば最有力候補になるのは間違いありません。
A. 2026年10月26日(月)にロンドンで授賞式が開かれます。候補30人は2026年9月8日に発表され、エムバペも入っています。選考の対象は2025年8月3日から2026年7月19日までで、2026年W杯の結果も含まれます。
A. エムバペが上です。2026年W杯でエムバペは10得点、メッシは8得点を挙げ、通算ではエムバペが22得点、メッシが21得点になりました。エムバペは3位決定戦の2得点でメッシを抜き、W杯の歴代単独最多得点者になっています。
A. スポーツ・イラストレイテッドが2026年9月10日に伝えたオッズでは、本命はハリー・ケインでした。2番手がラミン・ヤマル、エムバペはロドリと並ぶ3番手です。結果は10月26日の授賞式で発表されます。
まとめ:エムバペのバロンドールは「時間の問題」か
最後に、この記事の要点を整理します。
- エムバペのバロンドール受賞回数は0回。過去最高順位は2023年の3位で、2025年は7位だった
- 受賞を阻んできたのは、チームタイトル重視の選考傾向、メッシらとの時代の重なり、W杯とのタイミングの巡り合わせという3つの構造的要因
- 2025-26シーズンはラ・リーガとCLで得点王になったが、レアル・マドリードは無冠に終わった
- 2026年W杯では史上初の2大会連続得点王(10得点)と通算最多22得点を達成した一方、フランスは4位だった
- W杯の年に4位の国から受賞した例は、1994年のストイチコフ(得点王タイ)の1回だけ
- 2026年9月時点のオッズではケインが本命で、エムバペは3番手。授賞式は10月26日にロンドンで開かれる
個人としての実力に疑いの余地はなく、足りないのは「チームの栄冠」というピースです。2026年W杯では得点王と通算最多得点という記録を残しましたが、優勝には届きませんでした。投票した記者が記録を選ぶのか、チームの結果を選ぶのか。答えは10月26日のロンドンで分かります。
※この記事の情報は2026年10月9日時点のものです。出典:英語版Wikipedia(2026 Ballon d’Or、2026 FIFA World Cup、Kylian Mbappé、Harry Kane)、Sports Illustrated「Ballon d’Or 2026: Ranking the Favorites to Win, Latest Odds」(2026年9月10日)、フットボール戦士「バロンドール・データベース」。
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