ワールドカップの略称は「W杯」!3通りの読み方とWCと略さない理由

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こんな疑問を持つ方へ
  • ワールドカップの略称は?「W杯」は何と読むのが正しい?
  • World Cupなのに、なぜ「WC」と略さないの?
  • FIFAの正式な表記や、2026年大会の正式名称は?

ワールドカップの略称は、日本では「W杯」です。「W」はworldの頭文字、「杯」はcupを日本語に訳した字で、新聞の見出しやテレビの字幕で使われます。声に出すときは「ワールドカップ」と読むのが基本で、辞書の見出しは「ダブリューはい」です。

この記事では、2026年9月時点で確かめた辞書・NHK放送文化研究所・FIFA公式資料をもとに、W杯の読み方、「WC」と略さない理由、2026年大会の正式名称までを整理します。

ワールドカップの略称は「W杯」。WはWorld、杯はCup

FIFAの正式な表記 FIFA World Cup™ 英語の商標 日本語の正式な呼び方 FIFAワールドカップ JFA・NHKなど 日本の報道の略称 W杯 新聞の見出し・字幕 ほぼ使われない略 WC トイレの意味がある
FIFAの知的財産ガイドライン(2024年6月版)・JFA・NHKの表記と、デジタル大辞泉をもとにフットボール戦士が作図

小学館のデジタル大辞泉は「W杯」を見出し語にしています。説明は、Wはworldの頭文字、杯はcupの訳語で、意味は「ワールドカップ」です。つまり、英語の頭文字と漢字を1字ずつ組み合わせた略し方です。

「ワールドカップ」はカタカナで7字ですが、「W杯」なら2字で済みます。精選版日本国語大辞典も「ワールドカップ」の項目の最後に「W杯」と添えており、辞書にも載っている言い方です。

なお、W杯はサッカーだけの言葉ではありません。ブリタニカ国際大百科事典(小項目事典)の「W杯」は、ゴルフ・サッカー・スキー・ラグビーのワールドカップを参照先にしています。そのため報道では、サッカー以外は「ラグビーW杯」のように競技名を付けて区別します。

「W杯」の読み方は3通り。放送では「ワールドカップ」と読む

W杯 ① ワールドカップ 放送・会話での読み方(あて読み) ② ダブリューはい デジタル大辞泉の見出しの読み ③ ダブルはい 辞書には載っていない読み方
デジタル大辞泉とNHK放送文化研究所の解説をもとにフットボール戦士が作図

ふだん声に出すなら「ワールドカップ」で問題ありません。NHK放送文化研究所の高橋徹さんは、2023年5月のコラムで、放送では画面に「W杯」と出しても音声では「ワールドカップ」と言うはずだと書いています。字幕は短く、読み上げは分かりやすく、という使い分けです。

同じコラムによると、「W杯」を「ワールドカップ」と読むのは「あて読み」です。「W」の読みはダブリューです。「杯」も常用漢字表では「ハイ」「さかずき」の読みしかなく、字の通りに読めば「ダブリューはい」になります。

コラムには、小学生向けの新聞を音読していた筆者の娘さんが、ネットの「w=笑」の感覚で「W杯」を「ワラハイ」と読んだ話も出てきます。字だけを見ると、読み方に迷う略語だということです。

3つ目の「ダブルはい」は、デジタル大辞泉にもブリタニカにも載っていません。Yahoo!知恵袋にはダブルハイと読むのかを尋ねる質問が複数あり、迷う人がいることは分かります。人前で読み上げるときは「ワールドカップ」にしておくのが無難です。

なぜ「WC」と略さない?分かっていることと推測

「W」で始まる2つの略語 WC water closetの略 意味は便所・トイレ 表示によく使われる 明治の小説にも用例 W杯 worldとcupの略 意味はワールドカップ 天皇杯と同じ「杯」 見出しで大会と分かる
デジタル大辞泉・精選版日本国語大辞典をもとにフットボール戦士が作図

先に結論を書くと、新聞社や通信社が「WCと書かない理由」を公式に説明した資料は、2026年9月25日時点で見つかりませんでした。そのため、ここでは確かな事実と推測を分けて書きます。

確かなのは、「WC」が日本語で先にトイレの意味を持っていたことです。デジタル大辞泉では「WC」はwater closetの略で、意味は便所です。精選版日本国語大辞典は「表示として用いられることが多い」とし、1889〜1891年の末広鉄腸の小説に使われた例を挙げています。

もう1つの事実は、日本では大会やトロフィーの名前に「杯」の字をよく使うことです。サッカーでも「天皇杯」「皇后杯」「高円宮杯」があり、「杯」が付けば大会の名前だと伝わります。

ここからはフットボール戦士の推測です。「WC」だと駅や施設のトイレの表示を思い浮かべる人がいるため、スポーツ面では避けられたと考えられます。一方の「W杯」は2字で済み、「杯」の字で大会のことだと一目で分かります。短さと分かりやすさを両立できる形だったのでしょう。

ちなみにFIFA自身は、2026年大会の公式書体に「FWC 26」という名前を付けています。FIFA World Cupの頭文字を取った形で、英語の側でも「WC」の2文字だけにはしていません。

FIFAの正式表記と、2026年大会の正式名称

FIFA公式チャンネル「This is FIFA World Cup 26™」(2023年5月公開)。2026年大会のロゴと呼び名が発表されたときの映像です

2026年大会の正式名称は「FIFA World Cup 26™」です。FIFAは2023年5月17日(現地時間)、ロサンゼルスでこの呼び名とロゴを含む公式ブランドを発表しました。年は「2026」ではなく「26」と2けたで書くのが、FIFAの正式な表記です。

FIFAが2024年6月に出した知的財産ガイドライン(第2版)には、保護する言葉の一覧があります。そこには「FIFA World Cup 26™」「World Cup™」のほか、スペイン語の「MUNDIAL™」、フランス語の「COUPE DU MONDE™」も並んでいます。一方で「W杯」や「WC」は一覧にありません。W杯はFIFAの呼び名ではなく、日本の報道の略語だということです。

同じガイドラインは、大会を伝える報道での使用は問題ないとしています。日本の主な機関と報道では、2026年大会を次のように書いていました。

書いた側2026年大会の表記
FIFAFIFA World Cup 26™
JFA(日本サッカー協会)FIFAワールドカップ2026
NHK(2026年6月8日の発表)FIFA ワールドカップ 2026
日本経済新聞(特集ページ)サッカーワールドカップ2026 北中米大会
ゲキサカ(特集ページ)2026FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会
サッカーダイジェストWeb(見出し)北中米W杯

※各サイトの2026年9月25日時点の表記。

正式な場では「FIFAワールドカップ」、見出しでは「W杯」という使い分けが、2026年大会でも続いていました。大会は2026年6月11日から7月19日(現地時間)まで、カナダ・メキシコ・アメリカで開かれ、初めて48チームが出場して全104試合が行われました。

海外では何と呼ぶ?WM・Mundial・世界杯

英語 World Cup 大会の英語名そのまま ドイツ語 WM Weltmeisterschaftの略 スペイン語 Mundial 「世界の」という意味 フランス語 Coupe du monde 直訳すると「世界の杯」 イタリア語 Mondiali Coppa del Mondoとも 中国語 世界杯 日本と同じ「杯」の字
各言語版Wikipediaの記事名・略称欄とFIFAの知的財産ガイドラインをもとにフットボール戦士が作図

英語圏では「World Cup」とそのまま書くのが基本です。ドイツ語では世界選手権を意味する「Weltmeisterschaft」を略した「WM」が使われ、ドイツ語版Wikipediaの略称欄にも「WM」とあります。アルファベット2文字の略語という点で、日本の「W杯」と似ています。

スペイン語版Wikipediaは「Copa Mundial de la FIFA」の別名として、単に「Mundial」とも呼ぶと説明しています。FIFAの保護する言葉にも「MUNDIAL™」が入っているほどで、スペイン語圏の実況でよく聞く呼び名です。中国語の「世界杯」は、日本と同じく「杯」の字を使っています。

もともと「ワールドカップ」は、優勝チームに渡すトロフィーの呼び名でもありました。英語版Wikipediaによると、最初のトロフィーは単に「World Cup」「Coupe du Monde」と呼ばれ、のちにFIFA会長の名前から「ジュール・リメ杯」と改められました。「杯」は、大会の象徴であるトロフィーそのものを指す字なのです。

データで見る:検索では「ワールドカップ」が「W杯」の約37倍

検索結果に表示された回数(検索語の表記別) 「ワールドカップ」を含む語(264語) 214,736回 「W杯」を含む語(20語) 5,825回 「WC」を含む語 0語(上位1,000語に1つもなし)
フットボール戦士のGoogleサーチコンソール(過去16か月・上位1,000語、2026年9月24日取得)をもとにフットボール戦士が作図

書くときは「W杯」が便利ですが、検索するときは違うようです。フットボール戦士の記事がGoogleの検索結果に表示された回数を、検索語の表記ごとに集計しました(2026年9月24日に取り出した過去16か月分の上位1,000語)。

「ワールドカップ」を含む検索語は264語で、表示回数は合計21万4,736回でした。「W杯」を含む検索語は20語で5,825回にとどまり、差は約37倍です。「WC」を含む検索語は、上位1,000語に1つもありませんでした。

この記事自体も、「ワールドカップ 略称」という検索で3,793回表示され、平均掲載順位は6.5位でした。略称を調べる人も、検索窓には「W杯」ではなく「ワールドカップ」と打っていることが分かります。ただし、これは当サイトの記事が表示された検索に限った集計です。

よくある質問

Q1. ワールドカップの略称は何ですか?

A. 日本では「W杯」です。Wはworldの頭文字、杯はcupの訳語で、デジタル大辞泉にも見出し語として載っています。FIFAの正式な表記は「FIFA World Cup™」です。

Q2. 「W杯」は何と読むのが正しいですか?

A. 声に出すときは「ワールドカップ」と読むのが一般的で、NHK放送文化研究所も放送では「ワールドカップ」と言うはずだと解説しています。辞書の見出しの読みは「ダブリューはい」です。「ダブルはい」は辞書に載っていません。

Q3. なぜ「WC」と略さないのですか?

A. 新聞社などが理由を公式に説明した資料は見つかりませんでした。「WC」は明治時代からトイレの意味で使われてきた略語なので、混同を避けたと考えられます。「杯」を使えば、天皇杯と同じように大会の名前だと伝わる利点もあります。

Q4. 2026年大会の正式名称は何ですか?

A. FIFAの正式名称は「FIFA World Cup 26™」です。日本ではJFAが「FIFAワールドカップ2026」と書き、報道の見出しでは「北中米W杯」などが使われました。

Q5. 「W杯」とだけ書かれていたらサッカーのことですか?

A. 日本の報道では、多くはサッカーのワールドカップを指します。ただしW杯はラグビーやスキーなどにも使う言葉なので、ほかの競技では「ラグビーW杯」のように競技名を付けて書かれます。

まとめ:W杯は書くための略称、読むときは「ワールドカップ」

  • ワールドカップの略称は「W杯」。Wはworldの頭文字、杯はcupの訳語
  • 読み方は、放送や会話では「ワールドカップ」、辞書の見出しは「ダブリューはい」。「ダブルはい」は辞書にない
  • 「WC」と略さない理由の公式な説明は見つからない。WCが明治時代からトイレの意味で使われていることは辞書で確かめられる
  • FIFAの正式表記は「FIFA World Cup™」、2026年大会は「FIFA World Cup 26™」。W杯はFIFAの呼び名ではない
  • フットボール戦士の検索データでは、「ワールドカップ」を含む検索語の表示回数が「W杯」の約37倍だった

「W杯」は、限られた字数で大会の名前を伝えるための、日本の書き言葉の工夫です。字幕や見出しでは「W杯」、声に出すときは「ワールドカップ」と覚えておけば、どの場面でも迷いません。

※この記事の情報は2026年9月25日時点のものです。出典:小学館 デジタル大辞泉・精選版日本国語大辞典・ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典(コトバンク)、NHK放送文化研究所「5月5日に思うこと」(2023年5月)、FIFA「FIFA World Cup 26™ Intellectual Property Guidelines」(2024年6月 第2版)、FIFA Annual Report 2023、JFA公式サイト、NHKプレスリリース(2026年6月8日)、各言語版Wikipedia、フットボール戦士のGoogleサーチコンソール。