- 2011年W杯で優勝したなでしこジャパンのメンバーは誰?
- 優勝メンバーは今どうしている?まだ現役の選手はいる?
- 国民栄誉賞の記念品の熊野筆や、東日本大震災とのつながりを知りたい
2011年の女子W杯ドイツ大会で優勝したなでしこジャパンの21人のうち、2026年11月時点で今も現役の選手は熊谷紗希・川澄奈穂美・安藤梢ら6人です。ほかの15人の多くは、指導者や協会の役員、解説、普及の仕事などで女子サッカーに関わっています。
2026年は、近賀ゆかりがなでしこジャパンのコーチになり、岩清水梓と福元美穂が引退するなど、優勝メンバーの「今」が大きく動いた年でした。この記事では21人全員の今を一覧表にまとめ、国民栄誉賞の記念品だった熊野筆や、東日本大震災とのつながりも紹介します。
2011年の優勝メンバー21人は今どうしている?現役は6人
2011年の優勝メンバーは、監督の佐々木則夫さんが率いた21人です。キャプテンは澤穂希で、決勝のアメリカ戦は2-2からPK戦を3-1で制し、日本が初めて世界一になりました。決勝の日、最年長の山郷のぞみは36歳、最年少の岩渕真奈は18歳でした。
2026年11月8日時点で、21人の今を分けると図のようになります。現役の選手が6人、指導者が4人、協会やリーグの役員が2人です。背番号の順に、一人ずつの今をまとめると次の表のとおりです。
| 背番号 | 名前(2011年のポジション) | 今(2026年11月) | 代表通算 |
|---|---|---|---|
| 1 | 山郷のぞみ(GK) | 2014年に引退し指導者の道へ。最新の役職は確認できず | 96試合0点 |
| 2 | 近賀ゆかり(DF) | なでしこジャパンのコーチ(2026年5月〜) | 100試合5点 |
| 3 | 岩清水梓(DF) | 2026年5月に引退。東京ヴェルディのクラブアンバサダー | 122試合11点 |
| 4 | 熊谷紗希(DF) | 現役。ウェストハム(イングランド) | 173試合4点 |
| 5 | 矢野喬子(DF) | 帝京平成大学女子サッカー部の監督(2016年就任) | 74試合1点 |
| 6 | 阪口夢穂(MF) | ワールドマスターズゲームズ2027関西の堺市の公式アンバサダー | 124試合29点 |
| 7 | 安藤梢(FW) | 現役。日テレ・東京ヴェルディベレーザ | 126試合19点 |
| 8 | 宮間あや(MF) | JFA女子委員会の副委員長 | 162試合38点 |
| 9 | 川澄奈穂美(FW) | 現役。アルビレックス新潟レディース | 90試合20点 |
| 10 | 澤穂希(MF) | 京都産業大学の特別客員教授。2026年に日本サッカー殿堂入り | 205試合83点 |
| 11 | 大野忍(FW) | INAC神戸レオネッサのコーチ | 139試合40点 |
| 12 | 福元美穂(GK) | 2026年7月に岡山湯郷Belleで引退 | 81試合0点 |
| 13 | 宇津木瑠美(MF) | 現役。日テレ・東京ヴェルディベレーザ | 113試合6点 |
| 14 | 上尾野辺めぐみ(MF) | 現役。アルビレックス新潟レディース | 34試合2点 |
| 15 | 鮫島彩(DF) | 2024年に引退。解説や普及の活動 | 114試合5点 |
| 16 | 田中明日菜(MF) | 2022年の報道では韓国でプレー。最新の近況は確認できず | 39試合3点 |
| 17 | 永里優季(MF) | FC今治レディースのコーチ兼選手(2026年9月〜) | 132試合58点 |
| 18 | 丸山桂里奈(FW) | タレント。テレビや解説で活動 | 79試合14点 |
| 19 | 髙瀬愛実(FW) | 現役。INAC神戸レオネッサ | 61試合9点 |
| 20 | 岩渕真奈(FW) | 2023年に引退。解説や普及の活動 | 89試合37点 |
| 21 | 海堀あゆみ(GK) | なでしこリーグの理事長・WEリーグの理事 | 53試合0点 |
※背番号・ポジションは2011年大会の登録(英語版Wikipediaの大会メンバー一覧)。代表通算はフットボール戦士の集計データ(英語版Wikipediaの選手欄・2026年11月7日時点)。所属は2026年11月6日更新のWEリーグ公式の選手一覧、各クラブ・JFAの発表で確認。
21人の代表通算を足すと2,206試合になります。歴代最多出場と最多得点はどちらも澤穂希の205試合83点で、2011年のメンバーには歴代の上位に入る選手が多くいます。この世代は2012年のロンドン五輪で銀メダル、2015年のW杯カナダ大会で準優勝と、数年にわたって世界のトップを争いました。「澤穂希時代」「全盛期メンバー」と呼ばれるのは、おもにこのころのチームです。
今も現役の6人:最年長は44歳の安藤梢
2011年の優勝から15年たった今も、6人が選手としてプレーしています。5人は国内のWEリーグ、1人はイングランドのリーグです。
最年長は44歳の安藤梢です。2026年6月に三菱重工浦和レッズレディースとの契約を終え、7月に日テレ・東京ヴェルディベレーザへ完全移籍しました。安藤は浦和での最後のあいさつで「年齢はただの数字」と話し、選手としてピッチに立ち続ける考えを示しています(サッカーキング 2026年6月29日)。
川澄奈穂美と上尾野辺めぐみは、ともにアルビレックス新潟レディースでプレーしています。2人は同学年で、小学生のころからのチームメートです。2026年6月23日にそろって2026-27シーズンの契約を更新しました。川澄は自身の投稿で、上尾野辺が新潟と契約しなかったら、自分も契約を解除して引退するつもりだったと明かしています(デイリースポーツ 2026年6月24日)。
宇津木瑠美はフランスやアメリカのクラブを経て、2021年9月に約11年ぶりに国内のベレーザへ戻りました。髙瀬愛実はINAC神戸の生え抜きで、2021年9月のWEリーグの開幕戦でリーグの第1号ゴールを決めました。
熊谷紗希は2026年9月4日、イングランド女子スーパーリーグのロンドン・シティ・ライオネスからウェストハムへ1年契約で移りました。2026年6月6日の南アフリカ戦にも出場しており、6人の中で2026年に日本代表の試合に出ているのは熊谷です。熊谷は2027年のW杯について「本当に最後だなと思っている」と話しています(共同通信 2026年7月14日)。
指導者・協会の6人:近賀ゆかりはなでしこジャパンのコーチに
なでしこジャパン(日本女子代表)コーチに近賀ゆかり氏が就任 #jfa #nadeshiko #みんななでしこ #daihyo https://t.co/36aK0cTE2e pic.twitter.com/A0uonZXFTD
— 日本サッカー協会 (@JFA) 2026年5月18日
日本サッカー協会のXの投稿(2026年5月18日)。なでしこジャパンのコーチに近賀ゆかりさんが就いたことを知らせる投稿です。
優勝メンバーの中で、今のなでしこジャパンに一番近いところにいるのが近賀ゆかりです。2024-25シーズンにサンフレッチェ広島レジーナで引退し、2025年8月には女性で初めてJFAのロールモデルコーチになりました。狩野倫久監督の就任会見があった2026年5月18日、内田篤人さんとともになでしこジャパンのコーチに就任しました(JFA 2026年5月18日)。
大野忍はINAC神戸レオネッサのコーチです。永里優季は2025年3月に引退を発表したあと、2026年9月に四国リーグのFC今治レディースへ、ストライカーを育てるコーチ兼選手として加わりました(NHK 2026年9月2日)。矢野喬子は2016年に帝京平成大学女子サッカー部の監督に就任し、2021年1月の全日本大学女子サッカー選手権でチームを初優勝に導きました。2023年の皇后杯でも監督として指揮を執っています。
協会やリーグの運営に回った人もいます。宮間あやはJFA女子委員会の副委員長です(JFA 2026年8月14日)。本人は2026年6月の寄稿で、選手が活動しやすい環境づくりを支えていると書いています(現代ビジネス 2026年6月1日)。GKだった海堀あゆみは、なでしこリーグの理事長とWEリーグの理事を務めています(JFA 2026年3月11日)。
近賀コーチが加わったなでしこジャパンは、2026年11月29日に広島、12月5日に岡山でブラジルと親善試合を行います。
澤穂希は今なにをしている?殿堂入りと大学の特別客員教授
日テレスポーツ【公式】「【長谷川唯&澤穂希】W杯で惜敗の男子日本代表に「本当にキツい。一緒に戦って見ていた」…」(2026年7月公開)。澤穂希さんと今のなでしこの中心選手・長谷川唯の著書刊行記念トークです。
2011年のキャプテンだった澤穂希は、2015年に現役を引退しました。2026年は2つの大きな出来事がありました。
1つ目は、2026年7月に京都産業大学の経営学部で特別客員教授になったことです。秋学期の新しい授業「マネジメント特講(スポーツ)」に登壇し、チームマネジメントやリーダーシップの経験を学生に伝えます。2つ目は、2026年8月3日に第22回日本サッカー殿堂への掲額が決まったことです。この年度から始まった女子部門の投票で選ばれ、9月1日に式典が開かれました(JFA 2026年8月3日)。
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澤は2011年のW杯で大会最優秀選手と得点王(5点)に選ばれ、その年のFIFA女子最優秀選手にも輝きました。フットボール戦士の集計では、このときの得票率は28.51%で1位でした。2012年も4位に入っています。
2026年に引退した岩清水梓と福元美穂
WEリーグ公式チャンネル「【日本女子サッカー界のレジェンド】岩清水梓選手 独占インタビュー」(2026年5月公開)。WEリーグ最後の試合を終えた岩清水梓のインタビューです。
2026年は、優勝メンバーのうち2人が現役生活を終えました。
岩清水梓は、中学生のころからベレーザ一筋でプレーしてきたDFです。2026年4月27日に2025-26シーズン限りでの引退が発表されました。その2日後のクラシエカップ決勝では、PK戦のキッカーを務めてベレーザの初優勝に貢献しています。5月16日のホーム最終戦ではキャプテンマークを巻いて先発し、試合後に引退セレモニーが開かれました。
現役生活を終えました。
— 岩清水梓 (@iwashi_azu1014) 2026年5月25日
改めて言葉にしましたので、よかったら読んでください pic.twitter.com/xx7RNPnxnL
岩清水梓のXの投稿(2026年5月25日)。岩清水梓さん本人が、現役生活を終えたことを報告した投稿です。
引退後の2026年7月6日には、東京ヴェルディのクラブアンバサダーに就任しました。男女のチームの垣根をこえて、クラブを広める活動をしています(サッカーキング 2026年7月6日)。
GKの福元美穂は、2026年7月31日に岡山湯郷Belleで引退しました。42歳でした。2016年に湯郷を離れたあと、2025年に9年ぶりに復帰し、最後は湯郷でプレーしました。「一日一日を大切に過ごしてきたので、後悔はありません」とコメントしています(デイリースポーツ 2026年7月31日)。10月25日の引退セレモニーには、佐々木則夫さんらが駆けつけました。今後の予定は白紙で、女子サッカーの普及につながる仕事ができればと話しています。
解説やイベントで会える岩渕真奈・鮫島彩・丸山桂里奈・阪口夢穂
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引退したメンバーの中には、テレビの解説やイベントで今も姿を見せる人が多くいます。2022年12月には、優勝メンバー18人が名前入りの代表ユニフォームを着て集まり、岩渕真奈がその写真を公開しました。
岩渕真奈は2023年9月に30歳で引退し、サッカーの楽しさを広めるための一般社団法人を立ち上げました。2026年10月のなでしこジャパンの欧州遠征(ハイチ戦・ドイツ戦)では、ABEMAの中継で解説を務めています。鮫島彩は2024年5月に引退を発表し、2025年6月に結婚と出産を公表しました。できる範囲で仕事に戻り、サッカーやスポーツの普及に力を入れたいと話しています。2026年4月にはABEMAのなでしこ対アメリカ戦で解説を担当しました。
丸山桂里奈はタレントとして活動し、元日本代表GKの本並健治さんとの結婚を2020年に公表しています。2025年12月には全日本高校女子サッカー選手権の応援サポーターになりました。阪口夢穂は出身地の堺市で、2027年に関西で開かれる生涯スポーツの国際大会「ワールドマスターズゲームズ2027関西」の公式アンバサダーを務めています。
直接会える機会もあります。2027年5月19日には大阪府堺市のJ-GREEN堺で、この大会の期間中に元なでしこのメンバーが参加するフットサルのエキシビションマッチが予定されています。参加予定は岩清水梓・岩渕真奈・阪口夢穂・鮫島彩・宮間あやの5人で、全員が2011年の優勝メンバーです(堺市の発表 2026年10月30日)。
国民栄誉賞はいつ・なぜ?記念品は熊野筆の化粧筆
なでしこジャパンは2011年8月18日、首相官邸で国民栄誉賞を受けました。授与は8月2日に政府が決め、団体が受けるのは初めてでした(JFA 2011年8月2日)。授与式では、菅直人首相から記念の盾が手渡されています。
授与の理由は、東日本大震災で国民がとても苦しい状況にあるなか、女子W杯で初優勝し、爽やかな感動と困難に立ち向かう勇気を与えたことでした。
記念品として選手に贈られたのが、広島県熊野町の名産「熊野筆」の化粧筆です。作ったのは熊野町の竹田ブラシ製作所で、筆の1本1本に選手の名前が入り、桐の箱に収められていました。同じ形の一般向けのセットは基本の7本の組み合わせで、リス・ヤギ・イタチの天然の毛を使っています。授与のあとは製作所に問い合わせが相次いだと報じられました(J-CAST 2011年8月20日)。
2011年の優勝チームは、2023年には日本サッカー殿堂にもチームとして掲額されました。
東日本大震災と2011年のなでしこ:ドイツ戦の前に見た映像
WEリーグ公式チャンネル「【ワールドカップ 開幕!】2011年優勝メンバー座談会!レジェンド4人が語るワールドカップ」(2023年7月公開)。澤穂希・海堀あゆみ・安藤梢・近賀ゆかりの4人が、優勝できた理由や大会中の思い出を話しています。
2011年のなでしこジャパンと東日本大震災は、切り離して語れません。3月11日は、チームがポルトガルでのアルガルベカップから帰国した日でした。監督の佐々木則夫さんは、しばらくはW杯の準備よりも社会の状況を確かめることが先だったと振り返っています。
チームは毎試合、会場に向かう前にやる気を高めるための映像を見ていました。選手の重圧を考え、ふだんは震災の映像を入れませんでしたが、準々決勝のドイツ戦と準決勝の前だけは、被災地で復興に取り組む人たちや、避難所で作業するスポーツクラブの様子を入れたそうです。
ドイツ戦の延長戦で決勝点を決めた丸山桂里奈は、東京電力の女子サッカー部「マリーゼ」でプレーしていた選手です。マリーゼは震災の影響で休部しました。丸山は「サッカーで恩返しするしかない」という思いで練習を重ねたと、佐々木さんは書いています(JFA「東日本大震災から10年」リレーコラム 2021年3月12日)。
大会中には、NHKの募集に被災地の避難所からも応援のメッセージが届き、選手の力になりました。大会中、選手たちは世界からの支援に感謝する横断幕「To our friends around the world – thank you for your support」を掲げました。
よくある質問
A. 2026年11月時点で、熊谷紗希(ウェストハム)、川澄奈穂美・上尾野辺めぐみ(アルビレックス新潟レディース)、安藤梢・宇津木瑠美(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、髙瀬愛実(INAC神戸レオネッサ)の6人です。永里優季もFC今治レディースでコーチ兼選手を務めています。
A. 近賀ゆかりが2026年5月からなでしこジャパンのコーチを務めています。選手では熊谷紗希が2026年6月の代表の試合に出場しました。
A. 広島県熊野町の竹田ブラシ製作所が作った熊野筆の化粧筆です。筆の1本1本に選手の名前が入り、桐の箱に入っていました。
A. 2011年7月17日にドイツのフランクフルトでアメリカと対戦し、宮間あやと澤穂希のゴールで2度追いついて2-2。PK戦を3-1で制して初優勝しました。
A. 決勝の日の年齢で、最年長はGKの山郷のぞみ(36歳)、最年少はFWの岩渕真奈(18歳)でした。
まとめ:なでしこジャパン2011年の優勝メンバーの今
- 2011年W杯の優勝メンバー21人のうち、2026年11月時点で現役は6人。最年長は44歳の安藤梢
- 近賀ゆかりはなでしこジャパンのコーチ、大野忍はINAC神戸のコーチ、永里優季はFC今治レディースのコーチ兼選手
- 宮間あやはJFA女子委員会の副委員長、海堀あゆみはなでしこリーグの理事長
- 澤穂希は2026年に日本サッカー殿堂入りし、京都産業大学の特別客員教授になった
- 2026年に岩清水梓と福元美穂が引退。国民栄誉賞の記念品は名前入りの熊野筆の化粧筆だった
優勝から15年がたち、21人の立場はさまざまになりました。それでも多くのメンバーが、選手、指導者、運営、解説と形を変えながら女子サッカーに関わり続けています。2027年のW杯ブラジル大会に向かう今のなでしこジャパンを、かつての優勝メンバーがどう支えていくのかにも注目です。
※この記事の情報は2026年11月8日時点のものです。所属や役職は変わることがあります。最新の情報は各クラブ・JFA・WEリーグの公式発表で確認してください。
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