- W杯でイエローカード・レッドカードが一番多い国はどこ?
- 日本代表はW杯で退場したことがある?カードは多いほう?
- W杯のカードは昔より減った?VARで退場は減ったの?
W杯でカードが一番多い国はアルゼンチンです。カードが使われるようになった1970年大会から2026年大会までで、警告150枚・退場9人はどちらも最多でした(退場はカメルーンも9人で並びます)。
一方、日本代表はW杯の8大会・29試合で退場が一度もありません。フットボール戦士では、男子W杯1970〜2026年ののべ1,736試合のカードを国別・大会別に集計しました。20試合以上出た33か国の中で、退場0は日本とイランだけです。
W杯で一番カードが多い国は?警告も退場もアルゼンチンが最多
アルゼンチンは80試合で警告150枚・退場9人でした。警告の合計は2位のドイツ(119枚)を30枚以上引き離しています。退場9人は、26試合しか出ていないカメルーンと並んで最多です。
上位にはオランダ(8人)、メキシコ・ウルグアイ(7人)と、ブラジル・ドイツ・イタリア・フランスなどの強豪が並びます。強い国ほど試合数が多いので、合計の枚数は大きくなりやすい点に注意が必要です。
なお、海外の記録サイトでは「W杯の退場の最多はブラジルとアルゼンチンの11人」とされることがあります。これはカードが無かった1930〜1966年の退場(ブラジル5人など)も含めた数です。この記事は、カードの記録がそろう1970年以降で数えています。
1試合あたりではカメルーンと韓国が多い
試合数の差をならすため、20試合以上出た33か国で1試合あたりの警告を比べました。1位はカメルーンの2.15枚、2位は韓国の2.13枚です。アジアの国が2位に入っているのは意外かもしれません。
カメルーンは退場も26試合で9人と多く、およそ3試合に1人が退場している計算です。逆に少ないのはスコットランド(1.05枚)、イングランド(1.06枚)、ベルギー(1.20枚)でした。
日本代表はW杯29試合で退場0!20試合以上の国では日本とイランだけ
日本代表は1998年の初出場から2026年まで8大会連続でW杯に出て、29試合で退場は0人です。20試合以上出た33か国の中で退場0は、日本(29試合)とイラン(21試合)の2か国しかありません。
87か国の全体では、1つのチームが10試合を戦うと平均0.97人、つまりおよそ1人が退場しています。日本は平均どおりなら3人ほど退場していてもおかしくない試合数ですが、一度もありませんでした。
ただし、警告が少ないわけではありません。日本の警告は29試合で46枚、1試合あたり1.59枚で、33か国の中では20番目です。大会ごとに見ても、1998年・2006年・2010年の7枚から2014年・2026年の4枚まで、毎大会4〜7枚の警告を受けています。「警告はふつう、退場はゼロ」というのが日本の特徴です。
日本戦で退場したのは相手の2人だけ
日本が出た29試合で退場したのは、相手チームの2人だけです。2014年大会のギリシャ戦ではカツラニスが前半38分に2枚目の警告で退場し、試合は0-0の引き分けでした。2018年大会のコロンビア戦では、カルロス・サンチェスが前半3分に香川真司のシュートを手で止めて一発退場となり、日本が2-1で勝っています。
W杯のカードの推移:2006年の警告345枚・退場28人がピーク
大会ごとに見ると、カードが一番多かったのは2006年ドイツ大会です。64試合で警告345枚・退場28人、1試合あたりの警告は5.39枚でした。どれも1970年以降の最多で、2026年大会の104試合でも警告270枚・退場15人と、2006年には届いていません。
1970年代は1試合あたりの警告が1〜2枚台でしたが、1990年代に4枚台まで増えました。その後は2014年に2.92枚まで減り、2026年は2.60枚です。2026年の1試合あたりの警告は、1982年大会(1.90枚)以来の少なさでした。
一番荒れた試合は2006年のポルトガル対オランダ
1試合で一番カードが多かったのは、2006年大会の決勝トーナメント1回戦、ポルトガル対オランダです。主審のワレンティン・イワノフ氏が警告16枚を出し、4人が退場しました。「ニュルンベルクの戦い」と呼ばれる試合です。
| 試合 | 警告 | 退場 |
|---|---|---|
| 2006年 ポルトガル対オランダ(決勝T1回戦) | 16枚 | 4人 |
| 2002年 カメルーン対ドイツ(1次リーグ) | 16枚 | 2人 |
| 2022年 オランダ対アルゼンチン(準々決勝) | 16枚 | 1人 |
| 2010年 オランダ対スペイン(決勝) | 14枚 | 1人 |
※選手への警告で、2枚目のイエローを含みます(Fjelstul World Cup Databaseをもとにフットボール戦士が集計)。2022年のオランダ対アルゼンチンは、ベンチの監督・スタッフへの警告を含めて「18枚」と報じられています。
上位4試合のうち3試合にオランダが出ています。オランダは国別でも退場8人で3番目に多い国です。
VARで退場は減った?2018・2022年は4人ずつ、2026年は15人
W杯でVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が初めて使われたのは2018年ロシア大会です。同じ32か国・64試合の大会で比べると、VAR前の1998〜2014年は10試合で2.94人(両チームの合計)が退場していましたが、2018年と2022年はどちらも4人で、10試合で0.62人まで減りました。
ただし、VARのせいで退場が減ったとは言い切れません。FIFA審判委員会のピエルルイジ・コッリーナ委員長は、2018年大会の1次リーグ後の会見で、レッドカードが少ないのは選手が相手を尊重してプレーしている表れだ、という趣旨の説明をしています(FIFA公式サイト)。退場は2010年の17人から2014年の10人へ、VARの前からすでに減っていました。
そして48か国・104試合になった2026年大会では、退場が15人(うち一発退場13人)に増えました。10試合あたり1.44人で、2018・2022年の2倍以上です。アメリカのノースイースタン大学の分析(2026年7月6日・退場13人の時点)は、VARの映像で警告から退場に変わった場面が3回あったことや、相手に口を隠して話すことを禁じた新しいルールでの退場が2回あったことを挙げ、VARへの依存とルールの厳しい運用を理由に挙げています。
まとめると、VARのある大会でも退場は4人の大会と15人の大会があり、「VARでカードが減った」とは数字からは言えません。はっきりしているのは、警告は1試合あたり4.14枚(1998〜2014年)から2.60枚(2026年)へ減り続けていることです。
イエローカードとレッドカードはいつから?W杯では1970年大会から
イエローカードとレッドカードは、1970年メキシコ大会で初めて使われました。考えたのは、1966年大会で審判を取りまとめていたイングランドのケン・アストン氏です。1966年のイングランド対アルゼンチンで、アルゼンチンのラティンが退場を言い渡されてもピッチを去らず、判定が言葉の壁で伝わりにくかった騒ぎがきっかけで、信号機の黄色と赤から思いついたとされています。
1970年大会では開幕戦でソ連のアサティアニに最初のイエローカードが出ましたが、退場は1人もいませんでした。W杯で初めてレッドカードが出たのは1974年大会で、チリのカルロス・カセリが西ドイツ戦で退場しています。カードが無かった時代にも退場はあり、最初は1930年の第1回大会のペルーのプラシド・ガリンドです。
データについて
1970〜2022年は「Fjelstul World Cup Database」(Joshua C. Fjelstul作・CC BY-SA 4.0)のカードの記録を使いました。このデータは2022年大会までなので、2026年大会はFIFA公式サイトの全104試合の試合記録から数えています。2026年の退場15人は、海外メディアの集計とも一致しました。
西ドイツはドイツに合算し、監督・スタッフへのカード(2026年大会は15枚)とカードの無かった1930〜1966年の退場は含めていません。そのため、他のサイトの「通算退場数」とは数が違うことがあります。日本代表の数字や大会ごとの記録は、W杯データベースでも見られます。
よくある質問
A. 1970〜2026年の合計では、アルゼンチンが警告150枚・退場9人で最多です(退場はカメルーンも9人)。
A. ありません。1998〜2026年の8大会・29試合で退場は0人です。警告は46枚受けています。
A. 2006年ドイツ大会で、64試合で警告345枚・退場28人でした。
A. 警告は減っていますが、退場は2018・2022年の4人ずつから2026年は15人に増えました。VARが原因と言い切れる記録はありません。
A. 1974年大会のチリのカルロス・カセリです。カードを初めて使った1970年大会では、退場が出ませんでした。
まとめ:W杯のカードはアルゼンチンが最多、日本は29試合で退場0
- 1970〜2026年の合計で、警告・退場ともアルゼンチンが最多(警告150枚・退場9人)
- 退場はカメルーンも9人。1試合あたりの警告はカメルーンと韓国が多い
- 日本代表は8大会・29試合で退場0。20試合以上の33か国で退場0は日本とイランだけ
- 大会別では2006年の警告345枚・退場28人がピーク。2026年の1試合あたりの警告2.60枚は1982年以来の少なさ
- VARの2018・2022年は退場4人ずつだったが、2026年は15人。VARで減ったとは言い切れない
日本代表は、警告の数ではほかの国とあまり変わらない一方で、W杯の舞台で一度も退場者を出していません。次のW杯でもこの記録が続くのか、カードの数にも注目して見てみてください。
※この記事の情報は2026年10月14日時点のものです。1970〜2022年はFjelstul World Cup Database(CC BY-SA 4.0)、2026年はFIFA公式サイトの試合記録をもとにフットボール戦士が集計しました。
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