プレミアリーグでレッドカードがでたら何試合出場停止?レッドカードのルール

プレミアリーグの試合を大きく左右する要因の一つに「レッドカード」があります。提示された瞬間に選手は即退場となり、チームの戦術や試合の流れが一変するため、サッカーファンにとっては非常に注目度が高いポイントです。

本記事では、プレミアリーグにおけるレッドカードに関する基本的なルールや処分の仕組みはもちろん、歴代のレッドカード数ランキングや有名選手の事例、さらにはVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の導入による最新の動向まで幅広く解説します。

レッドカードに関する基礎知識

プレミアリーグをはじめとするサッカーの試合において、レッドカードは「選手を即退場させる」絶対的な権限を持つカードです。プレミアリーグでは、世界中からトップクラスの選手が集まり試合のレベルが非常に高いため、その分レッドカードが提示される瞬間には大きな注目が集まります。ここでは、レッドカードの起源やプレミアリーグにおける位置づけについて解説します。

レッドカードはなぜ重要?

レッドカードが提示されると、選手はその試合から即退場になります。1人の退場がチーム全体の戦術や攻守のバランスを崩し、試合の流れを大きく変えることも珍しくありません。特にプレミアリーグは世界的に注目度が高く、試合展開のスピードや選手同士の競り合いも激しいため、危険なファウルを行わせない為にも罰則となるレッドカードの重要度は格段に高いと言えます。

レッドカード登場の歴史

レッドカードとイエローカードは、1970年のFIFAワールドカップで正式に導入されました。審判がファウルの重さを視覚的に明示するシステムとして考案され、現在まで世界中のサッカーリーグで採用されています。プレミアリーグ(1992年創設)でも当然ながらカード制度が導入されており、選手への警告・退場処分は国際サッカー評議会(IFAB)の規定に沿って行われます。

プレミアリーグにおけるレッドカードのルールと処分内容

プレミアリーグの試合でレッドカードが提示されると、チームの戦い方や試合展開が一気に変化します。ここでは、そのレッドカードが出される具体的な条件や処分内容、さらに追加処分や罰金の可能性など、プレミアリーグにおけるレッドカードのルールを詳しく解説します。

レッドカードの対象となるプレー

プレミアリーグを含むサッカー競技規則では、以下のような重大な反則行為に対してレッドカードが提示されます。

  • 非常に危険なファウル:スパイクの裏を見せるタックルや、相手選手の身体を危険にさらすタックルなど、危険性が高いラフプレー
  • 暴力的行為(Violent Conduct):審判や相手選手、観客などに対する殴打・蹴り、頭突き、過剰な押しなどの暴力行為
  • 得点機会の阻止(DOGSO:Denial of an Obvious Goal Scoring Opportunity):決定的な得点機会を反則で阻止した場合(ゴール直前のハンドや意図的なファウルなど)
  • 著しく不正な行為:露骨な反スポーツマンシップ行為や、極端なシミュレーション(悪質なダイブ)などが該当する場合も
  • 著しく無礼または侮辱的な発言・行動:審判や相手選手に対する暴言・差別的発言は厳しく処分される

なお、イエローカード2枚でレッドカード(退場)となる「累積退場」のケースもあり、これは規定上「セカンドイエロー」扱いですが、実際の試合では「累積退場」=「レッドカード退場」と同じ扱いになります。

出場停止期間や罰金などの処分について

レッドカードを提示された選手は、通常「1~3試合」の出場停止処分が科されます。ただし、以下のようにファウルの重さや悪質性によって追加制裁が科される場合もあります。

  • 一発レッドカードの場合:3試合の出場停止
  • 1試合の中でイエローカード2枚による累積退場の場合:1試合の出場停止
  • 暴力行為や乱闘などの重大な反則行為:3試合以上の出場停止や、さらに長期にわたる処分が下されることがある
  • 審判への抗議や暴言:チームやリーグへの悪影響が大きいと判断されれば、追加の試合停止が科される可能性もある

暴力行為や差別的な発言などをした場合は、出場停止だけでなくクラブや選手個人に対して金銭的な制裁が科されることがあり、その額はファウルの内容や行った行為によって変化します。

プレミアリーグでは、クラブがFAに対して「明らかに不当なレッドカード」であると証明しようとする場合、試合後にアピールを行うことが可能です。退場自体は有効でも、処分の試合数を短縮してもらうように訴えることができる場合もあり、一定の根拠があれば出場停止が1試合短縮されるなどの例も存在します。

チーム・選手別歴代のレッドカード数ランキング

ここでは、過去の統計データをもとに、レッドカード数が多いチームと選手についてご紹介します。データは年度や集計のタイミングによって多少の差異があるため、「あくまで参考値」である点をご了承ください。

チーム別累積レッドカード数ランキング

1位「エヴァートン」

100枚以上のレッドカードを記録しており、プレミアリーグ全体で“ワースト上位”に位置すると言われることが多いクラブ。過去に激しいプレースタイルやフィジカルに頼るチーム状況があり、レッドカードを受ける機会も比較的多かった。

2位「アーセナル」

こちらも累積レッドカード100枚以上を記録したとされるクラブ。かつてパトリック・ヴィエラやマーティン・キーオンなど、熱い気性を持つ選手が在籍していた時期があり、対マンチェスター・ユナイテッド戦などではバチバチの乱闘劇も有名。

3位「ニューカッスル・ユナイテッド」

90枚前後のレッドカードを受けているとされるクラブ。中盤や最終ラインでのハードタックルが多い時期もあり、レッドカードが増えがちな傾向が指摘されていた。

4位「チェルシー」

タンフォード・ブリッジを本拠地とする名門クラブ。累積レッドカード数80~90枚程度とも言われる。近年は守備的戦術を重視する監督が就任することも多く、接触プレーが多い傾向にある。

5位「ウェストハム・ユナイテッド」

ロンドンに拠点を置く伝統あるクラブで、フィジカルに強い選手が多かった時期などはレッドカードが増加。プレミアリーグの激しい戦いの中で、熱くなりすぎた場面が数多く見られた。

選手別累積レッドカード数ランキング

1位「ダンカン・ファーガソン」

元エヴァートンのストライカーで、通算8枚のレッドカードを受けたと言われる。190cmを超える巨躯を生かしたプレーで相手DFと激しくやり合い、熱くなりすぎるシーンもしばしば。

2位「パトリック・ヴィエラ」

アーセナルのレジェンドMFであり、同じく通算8枚のレッドカード。圧倒的なフィジカルと闘争心でチームを鼓舞する一方、ラフプレーや審判への抗議が過熱することも多かった。

3位「リチャード・ダン」

エヴァートンやマンチェスター・シティなどで活躍したDF。通算8枚とも言われ、自己犠牲的なハードタックルが特徴。オウンゴール数の多さでも有名だが、それと同じくらい警告・退場も多かった。

4位「ロイ・キーン」

マンチェスター・ユナイテッドの元キャプテン。レッドカード通算7枚。気性の激しさとリーダーシップで有名。アーセナルのヴィエラとの乱闘や、因縁のハーランド事件など、伝説的エピソードを数多く残している。

5位「リー・カッターモール」

ミドルズブラやサンダーランドなどでプレーしたMF。レッドカード7枚。守備的MFとしての激しいプレスやタックルで知られ、しばしばカードをもらっていた。

プレミアリーグのレッドカード事情

プレミアリーグでは毎年、新たなルール解釈やテクノロジーの進歩、チームの戦術変化などによって、レッドカードにまつわる事情も移り変わっていきます。ここでは、最新シーズンにおけるレッドカードの傾向や、話題となった事例、そしてVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)による影響について詳しく解説します。

レッドカード判定の精度向上

VARが導入されて以降、主審が映像を確認してからカードを提示する機会が増えました。オンフィールドレビュー(OFR)と呼ばれる手続きにより、曖昧なシーンの再チェックが可能となり、スロー映像で接触の強度や故意性をより正確に確認できるようになりました。

最初はイエローカードが提示されたプレーが、VARの助言を受けてレッドカードに格上げされるケースもあれば、逆にレッドカードがイエローカードに修正されることもあり、これまでよりもジャッジの正当性が保たれるようになりました。

一方で、VARによるレビューは少なからず試合のリズムを中断します。サポーターにとっては「流れが途切れる」「スタジアムで何が起こっているかわかりにくい」という声もあります。

追加処分とアピール事例

試合後のアピールや追加処分の結果も話題になるケースが増えています。

「不当なレッドカード」とクラブが判断した場合、イングランドサッカー協会(FA)の規律委員会に対し、カードの取り消しや処分軽減を求めるアピールを行うことが可能です。

一方で、悪質なプレーや暴力行為の場合、処分がむしろ重くなる「付加的な試合出場停止」や罰金増額を科されることがあります。

試合中にVARを使って判定されたケースでも、試合後の精査によって最終的にカードが取り消しになることも稀に発生しており、ルールとテクノロジーが複雑に絡み合っている状況です。

プレミアリーグのレッドカードに関するみんなの話題

プレミアリーグのレッドカードに関するよくある質問(FAQ)

プレミアリーグでレッドカードをもらった場合、出場停止は何試合になるの?
一発レッドカードが提示された場合は3試合の出場停止、1試合の中でイエローカード2枚による退場の場合は1試合の出場停止が科されます。ただし、「暴力行為や乱闘」「審判への侮辱行為」「著しく危険なプレー」などの重大な違反と認定された場合、出場停止が3試合以上に延びることもあります。

また、イングランドサッカー協会(FA)の規律委員会が追加処分を検討し、結果的に更なる試合停止や罰金が科されるケースもある点に注意が必要です。
レッドカードはVARで取り消しになる場合があるの?
近年導入されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)によって、試合中の判定が変わる可能性は十分にあります。主審が映像を確認(オンフィールドレビュー/OFR)した結果、イエローカードに変更されたり、逆にイエローからレッドに格上げされるケースも出てきました。
イエローカードの累積とレッドカードの扱いはどう違うの?
イエローカードが試合中に2枚積み重なると、自動的にレッドカード(退場)に相当する扱いとなり、その試合から退場しなくてはなりません。また、プレミアリーグではイエローカードの累積枚数(5枚、10枚、15枚など)ごとに出場停止が科されるルールもあります。
レッドカードを受けた選手はカップ戦や欧州大会にも出場できないの?
通常、プレミアリーグのレッドカードによる出場停止は、プレミアリーグの次の試合から適用されます。ただし、罰則内容によってはFAカップなどの国内カップ戦にも処分が適用される場合があります。一方、欧州大会(UEFA主催のチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグなど)については、通常は別大会扱いとなるため、処分がそのまま欧州大会に適用されることはまれです。

ただし、審判への暴言や差別行為などの重大な違反があった場合は、国内リーグだけでなく欧州大会や国際大会にも出場停止が拡大される可能性があります。
レッドカードはどんなプレーや行動が対象になる?
サッカーの国際ルール(IFAB規則)において、レッドカードが提示される主な行為は以下のとおりです。

危険なファウルや暴力行為
相手選手への故意の踏みつけや蹴り、暴行など。
・得点機会の阻止(DOGSO)
ゴール目前の決定的チャンスをファウルによって妨害した場合。
・暴言や侮辱行為
審判や相手、観客への差別発言や激しい侮辱。
・意図的に試合を妨害する反スポーツマンシップ行為
過度なラフプレーや手を使った deliberate handball など。
レッドカードが出たあと、チームメイトはどんな影響を受けるの?
レッドカードが出て1人退場になると、その試合中は数的不利となり、チームの戦術や守備・攻撃のバランスが大きく変わります。

・守備的にシフトする場合が多いため、攻撃面のインパクトが弱くなる
・逆に攻撃的に行くなら、後ろの人数が不足してカウンターを受けやすくなる
・チーム全体の士気が落ち込む場合もあれば、「1人少なくても勝ち切ろう」と結束力が高まるケースもあり、試合展開がドラマチックに変化することもしばしば

まとめ

レッドカードは、プレミアリーグの試合展開を大きく左右する重要な要素であり、選手・チーム・サポーターの熱いドラマを生み出すきっかけにもなります。ルールや処分内容、歴代のレッドカード数ランキング、レジェンド選手の逸話を振り返ると、その背後にはチームや選手たちの並々ならぬ闘志や戦術的思考、クラブへの愛、そしてサッカーそのものへの情熱が詰まっていることがわかります。

近年はVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の導入や戦術の変化も相まって、従来とは異なるタイミングや場面でレッドカードが提示されるケースも増えています。試合後のアピールや追加処分の議論も含め、レッドカードをめぐるストーリーは複雑さとドラマ性を増すばかりです。

本記事を通じて、プレミアリーグのレッドカードに関するさまざまな観点を知り、サッカー観戦がいっそう奥深く、エキサイティングなものに感じられたら幸いです。ぜひ今後の試合でも、レッドカードをきっかけに生まれるプレーの変化や選手・監督の判断、そしてサポーターの反応まで含め、プレミアリーグの熱き戦いを存分に楽しんでください。

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