- オフサイドになったら、どこから試合を再開するの?
- 自陣まで戻ってボールに触った「戻りオフサイド」はどこから?
- ゴールエリアの中でオフサイドになったら、どこから蹴るの?
オフサイドの再開位置は、オフサイドポジションにいた選手がプレーに関わった地点です。そこから相手チームの間接フリーキックで再開し、その地点が選手の自陣でも変わりません。パスが出た瞬間に立っていた場所ではない点に注意してください。
この記事では、2026年9月時点で使われているJFA「サッカー競技規則2026/27」の第11条(オフサイド)と第13条(フリーキック)の原文をもとに、再開位置を図で整理します。ゴールエリア内の扱いや、間接フリーキックの手順もまとめました。
オフサイドの再開位置は「プレーに関わった地点」
第11条は、オフサイドの反則があった場合、主審は「その競技者のハーフであっても、反則が起きたところから行われる間接フリーキックを与える」と定めています。つまり大事なのは、反則が起きたのがどこか、です。
オフサイドは2段階で考えます。まず、味方がボールをプレーしたか触れた瞬間に、オフサイドポジションにいたかを見ます。ただ、その位置にいるだけでは反則ではありません。反則になるのは、その選手がそのあとプレーに関わったときです。
そのため再開位置は、パスの瞬間に立っていた場所ではなく、関わった場所になります。ボールに触れたなら触れた地点、相手を妨害したなら妨害した地点です。
競技規則の審判員向けガイドラインでは、主審がプレーを止めたら、副審は旗を使って反則のあった地域を示すとされています。笛のあとの副審の旗に注目すると、再開位置がわかります。
戻りオフサイドは自陣でも「触った場所」から
「戻りオフサイド」は、相手陣内のオフサイドポジションにいた選手が、自陣側へ戻ってボールに触れる場面の呼び名です。競技規則にある言葉ではありません。
位置の判定はパスの瞬間なので、戻ってきてもオフサイドポジションにいた事実は消えません。そして反則が起きたのは戻って触った場所なので、再開もそこからです。第11条の「その競技者のハーフであっても」という一文は、この場面のためにあります。
IFAB(国際サッカー評議会)の公式サイトのQ&Aも、相手陣内のオフサイドポジションから自陣へ戻ってボールをプレーした例に、「プレーした地点」から相手の間接フリーキックと答えています(2021年11月・2025年4月掲載)。
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上は競技規則を決めるIFAB(国際サッカー評議会)公式のInstagramで、2026年6月10日(日本時間)に、競技規則をわかりやすく書き直した「Football Rules」を紹介した投稿です。各ルールには、公式の競技規則の該当箇所へのリンクがついていると説明しています。
2016/17より前は「パスの瞬間にいた場所」だった
「パスが出た瞬間にいた場所から再開」という説明を今も見かけますが、これは2016/17の改正より前の考え方です。
IFABの「Laws of the Game 2016/17」の改正説明によると、それまでは条文が「反則が起きた場所」、解釈の部分が「味方が最後にボールをプレーしたとき、反則した選手がいた位置」となっていて、食い違っていました。2016/17で「反則が起きた場所。その選手の自陣であっても」に統一され、フリーキックは反則が起きた場所で与えるという全体の原則にそろえた、と説明されています。
2026/27の競技規則も同じ内容で、2026/27の改正の対象にも第11条は入っていません。「オフサイド 再開位置 2025」のように年を付けて調べる方もいますが、再開位置の決まりは2016/17の改正のあと変わっていません。
ゴールエリア・ペナルティーエリアの中でオフサイドになったら
ゴール前でオフサイドになると、再開位置が守備側のゴールエリアやペナルティーエリアの中になります。第13条には、この場合の特別な決まりがあります。
守備側チームが自分のゴールエリア内でフリーキックを与えられたときは、そのエリア内のどこから蹴ってもかまいません。オフサイドの間接フリーキックは守備側がもらうので、ゴールエリアの中で触れたオフサイドはこれに当てはまります。IFABのQ&Aも、ゴールエリア内でボールを受けた例について「エリア内のどこからでも」と答えています(2024年3月掲載)。
よく混同されるのが、「ゴールエリアのラインの最も近い地点」から蹴る決まりです。これは相手チームのゴールエリア内で反則があり、攻撃側チームが間接フリーキックを得た場合の決まりです。条文では「反則の起きた地点に最も近いゴールラインに平行なゴールエリアのライン上」から行います。GKが味方のバックパスを手で扱った場合などが当てはまり、オフサイドで守備側が得るフリーキックには、ふつう関係しません。
守備側が自分のペナルティーエリア内からフリーキックを蹴るとき、相手選手はエリアの外にいなければなりません。残った選手がインプレー前にボールに触れたりチャレンジしたりすると、蹴り直しです。
混乱しやすい4つのケースと再開位置
ボールに触れていなくても、妨害した地点から
Jリーグ公式チャンネル(2020年8月29日公開)。ボールから離れたゴール前の選手の位置が、相手を妨害したオフサイドかどうかを話し合った回です
オフサイドポジションの選手が、明らかにGKの視線をさえぎったり、ボールに向かって相手に挑んだりすると、ボールに触れなくても反則です。この場合の再開位置は、相手を妨害した地点です。
IFABのQ&Aには、FWがいったん止まったあと、ボールを守るDFに追いついて挑んだ例があります。答えは「FWがDFにボールを奪いに行った地点」から、DF側チームの間接フリーキックです(2023年11月掲載)。
跳ね返りは「相手が意図的にプレーしたか」で分かれる
シュートがゴールポストやGKのセーブで跳ね返り、オフサイドポジションにいた選手が拾った場合は反則です。再開位置は、そのボールをプレーした地点になります。
一方、相手が意図的にプレーしたボールを受けたときは、オフサイドになりません。ただし「意図的なセーブ」は例外で、GKやDFがゴールを防いだ跳ね返りを拾えばオフサイドです。
ファウルとオフサイドは「先に起きたほう」
オフサイドポジションの選手がボールに向かったものの、プレーする前にファウルされた場合は、ファウルが罰せられます。直接フリーキックで、守備側のペナルティーエリア内ならPKです。
逆に、すでにボールをプレーしたか、ボールに向かって相手に挑んだあとでファウルされた場合は、先に起きたオフサイドが罰せられます。IFABのQ&Aでは、GKのセーブを拾ったあとにエリア内で倒された例も、PKではなくオフサイドの間接フリーキックとしています(2024年10月掲載)。
ディレイやVARで取り消されても、再開はオフサイドの地点
Jリーグ公式チャンネル(2021年3月12日公開)。川崎フロンターレ対セレッソ大阪で、ゴールがその前のオフサイドで取り消された場面を「オフサイドディレイ」の例として振り返っています
際どいオフサイドでは、副審がすぐに旗を上げず、攻撃が終わるまで待つことがあります。「オフサイドディレイ」と呼ばれる運用です。競技規則のVARの実施手順では、明らかな攻撃のチャンスがある場合に限り、旗や笛を遅らせることができるとされています。
この場合、ゴールが決まったあとにオフサイドになることもあります。それでも再開位置はゴールの場所ではなく、オフサイドの反則が起きた地点です。上の動画の場面では、攻撃の起点となった縦パスを受けた選手がオフサイドと判定されました。競技規則どおりなら、再開はゴール前ではなく、そのパスを受けた地点からの間接フリーキックになります。
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上はイギリスの放送局TNTスポーツのサッカー公式のInstagramで、2025年4月12日に、プレミアリーグで半自動オフサイドテクノロジー(SAOT)が初めてオフサイドの判定を下した場面を伝えた投稿です。
間接フリーキックの手順:主審の腕が上がっている間は直接ゴールできない
オフサイドの再開は、必ず間接フリーキックです。反則がペナルティーエリアの中でも、直接フリーキックやPKにはなりません。
ボールは反則の地点に置き、止めておきます。主審は片腕を頭上に上げて、間接フリーキックであることを示します。この腕は「蹴られるまで」ではなく、キックのあと他の選手がボールに触れるか、ボールが外に出るか、直接得点できないとはっきりするまで上げたままです。
相手選手は、ボールがインプレーになるまで9.15m以上離れます。ただし、自分のゴールポストの間のゴールライン上に立つ場合は別です。ボールは、蹴られて明らかに動いた瞬間にインプレーになります。キッカーは、ほかの選手が触れる前にもう一度触れてはいけません。触れると相手の間接フリーキックです。
間接フリーキックが直接相手ゴールに入っても得点にはならず、相手のゴールキックで再開します。自分のゴールに直接入った場合は、相手のコーナーキックです。主審が腕を上げ忘れていて、ボールが直接ゴールに入ったときは蹴り直しになります。
データで見る:「オフサイドの再開位置」はどう調べられている?
フットボール戦士の記事がGoogleの検索結果に表示された回数を、検索語ごとに集計しました。期間は2025年5月22日〜2026年9月21日です。サイト全体で表示回数の多かった上位1,000語のうち、再開位置に関する検索語は9語あり、合計2,406回表示されていました。
いちばん多いのは「オフサイド 再開位置」の1,225回で、2番目は「戻りオフサイド 再開位置」の476回でした。「オフサイドディレイ 再開位置」も171回あります。自陣に戻った場面や、ゴール後の取り消しで迷う方が多いようです。
年を付けた「オフサイド 再開位置 2025」「同 2024」も合わせて218回ありました。この記事で見たとおり、再開位置の決まりは2016/17の改正から2026/27まで同じです。
よくある質問
A. オフサイドポジションにいた選手がプレーに関わった地点から、相手チームの間接フリーキックで再開します。
A. それは2016/17の改正より前の考え方です。今は、反則が起きた場所から再開します。
A. パスの瞬間に相手陣内のオフサイドポジションにいたなら、オフサイドです。再開は、自陣の触った地点からの相手の間接フリーキックです。
A. 守備側は、自分のゴールエリア内のどこから蹴ってもかまいません。「ゴールエリアのライン上の最も近い地点」は、攻撃側が相手のゴールエリア内で間接フリーキックを得たときの決まりです。
A. 得点にはならず、相手のゴールキックになります。自分のゴールに直接入った場合は、相手のコーナーキックです。
まとめ:オフサイドの再開は「関わった地点」から間接フリーキック
- 再開位置は、オフサイドポジションの選手がプレーに関わった地点
- 自陣に戻って触った場合も、自陣の触った地点から再開
- 「パスの瞬間にいた場所」は2016/17より前の考え方
- 守備側のゴールエリア内なら、エリア内のどこから蹴ってもよい
- 再開は必ず間接フリーキック。直接ゴールに入れば相手のゴールキック
オフサイドは「位置はパスの瞬間、反則はプレーに関わった瞬間」と分けて考えると整理できます。次に笛が鳴ったら、その選手がボールに触れた場所を思い出してみてください。そこが再開位置です。
※この記事の情報は2026年9月25日時点のものです。出典:JFA「サッカー競技規則2026/27」(第11条・第13条・VARの実施手順・審判員のための実践的ガイドライン)、IFAB「Laws of the Game 2025/26」Law 11・Law 13と同サイトのQ&A、IFAB「Laws of the Game 2016/17」(Law changes 2016/17)、IFAB「Law changes 2026/27」、Jリーグ公式YouTubeチャンネル、Google Search Console(フットボール戦士の集計)。
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