- オウンゴールの1点は、どっちのチームに入るの?
- シュートがDFに当たって入ったら、オウンゴール?攻撃側の得点?
- スローインやフリーキックが自分のゴールに入ったらどうなる?
- 公式記録や得点ランキングでは、オウンゴールはどう扱われる?
オウンゴールの1点は、ボールを入れてしまった選手の相手チームに入ります。自分のゴールに入れたチームは失点となり、試合はそのチームのキックオフで再開します。この記事では、JFA「サッカー競技規則2026/27」とJリーグの記録基準をもとに、オウンゴールになるかどうかの分かれ目、得点にならない例外、公式記録での書かれ方を整理します。2026年のW杯で過去最多の14点が生まれたことも、フットボール戦士の集計で紹介します。
オウンゴールの得点は相手チームに入る
オウンゴール(own goal、略してOG)は、守備側の選手が触れたボールが自分たちのゴールに入り、得点になることです。1点は相手チームに入ります。Aチームの選手が自陣のゴールに入れたら、スコアはAチーム0点、Bチーム1点です。
競技規則の第10条は、ゴールポストの間とクロスバーの下で、ボールの全体がゴールラインを越えたときに1得点になると定めています。最後に触れたのがどちらのチームの選手かは、得点が認められるかどうかに関係しません。キーパーがはじいたボールがそのまま入った場合も同じです。
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上は競技規則を決めるIFAB(国際サッカー評議会)公式のInstagramで、2026年6月10日に、競技規則をわかりやすく書き直した「Football Rules」を紹介した投稿です。
得点のあとは、第8条により、得点されたチームのキックオフで再開します。オウンゴールをしたチームは失点した側なので、次のキックオフを行うのもそのチームです。なお、VARを使う試合では、ゴールが認められるかどうかもVARの確認の対象です。
シュートがDFに当たったら?オウンゴールになる・ならないの分かれ目
守備側の選手に当たって入ったゴールが、すべてオウンゴールになるわけではありません。ルール上はどちらでも同じ1点ですが、「誰の得点として記録するか」には別に基準があります。
Jリーグの記録基準は「明らかなオウンゴール以外はすべて攻撃側選手の得点とする」と定めています。シュートが守備側の選手に当たってコースが変わった場合は、すべて攻撃側の得点です。シュートが明らかに枠へ飛んでいなくても、攻撃側の「得点しよう」という意図を重く見て、攻撃側の得点にします。
オウンゴールになるのは、シュートではないボール(クロスやパスなど)に守備側の選手がプレーした場合、そうしたボールが偶然当たって入った場合、守備側の明らかなミスの場合です。ポストやバーに当たって跳ね返ったボールは、守備側の選手が意図してプレーしたならオウンゴール、偶然当たっただけなら攻撃側の得点です。最終的な判断は、マッチコミッショナー、主審、実行委員が行います。
FIFAの基準は「枠内へのシュートかどうか」
国際大会の記録については、FIFAが1997年に出した指針が知られています。FIFAが2013年にまとめた資料によると、自分のゴールにボールを直接入れた場合や、相手のシュート・クロス・パスの向きを変えて自分のゴールに入れた場合がオウンゴールです。一方、枠内に飛んでいたシュートが守備側の選手やキーパーに当たって入った場合は、オウンゴールに数えません。
資料の書き方を比べると、枠を外れていたシュートが当たって入った場面の扱いが、FIFAの指針とJリーグの基準で分かれる可能性があります。同じような場面でも、大会によって記録のされ方が違うことがあると覚えておくとよいでしょう。
スローインやフリーキックが直接自分のゴールに入ったら得点にならない
オウンゴールには大きな例外があります。試合を再開するキックやスローインのボールが、ほかの誰にも触れずに自分のゴールへ直接入った場合は、得点になりません。競技規則では、どれも相手チームのコーナーキックで再開すると決まっています。
たとえば、スローインを味方のキーパーに投げ、キーパーが触れないままゴールに入った場合です。第15条は「スローインから直接得点することはできない」とし、スローワーのゴールに入ったときは相手のコーナーキックと定めています。キーパーが一度でも触れてから入れば、「直接」ではなくなるので、通常のオウンゴールとして相手の1点になります。
ドロップボールも、少なくとも2人の競技者が触れないままゴールに入った場合は得点になりません。また、ボールが審判に当たってそのままゴールに入った場合も得点にはならず、ドロップボールで再開します(第9条)。
公式記録ではどう書かれる?オウンゴールは個人の得点にならない
DAZN Japan「アルゼンチン×カーボベルデ|ハイライト」(2026年7月公開)。W杯ラウンド32のアルゼンチン対カーボベルデのハイライトです
日本の公式記録では、オウンゴールは得点者の欄に「オウンゴール」とだけ書き、選手名は載せません。たとえばJリーグ公式サイトの試合ページでは、2026年5月30日の明治安田J1百年構想リーグ、C大阪対FC東京(2-2)で、FC東京の前半36分の得点が「オウンゴール」と表示されています。
Jリーグの記録基準では、得点者は「最後にボールが触れた攻撃側チームの選手」です。オウンゴールは攻撃側の選手の得点ではないため、チームの得点には入っても、誰の個人記録にも付きません。得点ランキングの数字が増える選手もいません。
海外の大会では、ボールを入れた選手の名前もあわせて記録するのが一般的です。FIFAの公式の試合データでも、オウンゴールは得点した側のチームのゴールとして、ボールに触れた選手の名前と一緒に記録されています。
上の動画は、2026年7月3日(現地時間)のW杯ラウンド32、アルゼンチン対カーボベルデです。2-2で迎えた延長後半の111分にカーボベルデ側のオウンゴールが生まれ、アルゼンチンが3-2で勝ちました。記録上、この決勝点はアルゼンチンの得点です。
データで見る:W杯のオウンゴールは2026年大会が過去最多の14点
フットボール戦士の集計では(W杯本大会の全ゴールの記録から)、1930〜2026年の23大会で生まれた3,028ゴールのうち、オウンゴールは68点(約2.2%)でした。大会別の最多は2026年の14点で、それまでの最多だった2018年の12点を上回りました。
ただし2026年大会は48チームが出場し、試合数は104試合と、それまでの64試合より大幅に増えています。1試合あたりで比べると、2018年は0.19点、2026年は0.13点で、割合では2018年のほうが高くなります。1990〜2014年の7大会は約20試合に1点、2018年以降の3大会は約8試合に1点でした。増えた理由までは、この集計からは分かりません。
2026年の14点は、グループステージで12点、ラウンド32で2点です。最初の1点は6月12日(現地時間)のアメリカ対パラグアイの前半7分でした。カタール対スイス(1-1)では、後半アディショナルタイムのオウンゴールがカタールの同点弾になっています。
日本代表は、1998年から2026年までのW杯29試合で、オウンゴールをしたこともされたこともありません(同じ公開データでの集計)。集計の元データは、フットボール戦士の数字で見るサッカーのルールで公開しています。
※FIFAが2013年にまとめた資料では、2010年大会までのオウンゴールを36点としており、この集計(35点)と1点違います。オウンゴールか攻撃側の得点かの判断が、資料によって分かれる場面があるためと考えられます。
わざと入れたらどうなる?「自殺点」と呼ばなくなった理由
競技規則には、自分のゴールにボールを入れたこと自体を反則とする条文はありません。わざと入れた場合でも、ルール上は相手の1点になります。ただし試合結果を操作する目的なら、八百長などの不正として、協会や連盟が処分を出すことがあります。
よく知られるのが、2002年10月31日のマダガスカルのリーグ戦、ASアデマ対SOレミルヌです。前の試合の判定に抗議したSOレミルヌの選手たちが自陣のゴールに入れ続け、スコアは149-0になりました。試合のあと、マダガスカルのサッカー連盟はSOレミルヌの監督に3年間の資格停止、選手4人に2003年シーズンの出場停止を科しています。
日本ではかつて、オウンゴールを「自殺点」と呼んでいました。1994年のW杯でオウンゴールをしたコロンビア代表の選手が、帰国後の7月2日に射殺される事件が起きました。日本サッカー協会はこの事件をきっかけに、同じ1994年に呼び方を「オウンゴール」へ改めています。
よくある質問
A. チームとしては、相手チームの1点です。選手個人の得点には数えず、日本の公式記録では選手名を出さずに「オウンゴール」とだけ書きます。
A. はい。キーパーも守備側の選手なので、クロスをはじいたボールや手からこぼれたボールが入れば、相手の1点です。ただし、相手のシュートに触れて入った場合は、記録上は攻撃側の選手の得点になるのが基本です。
A. Jリーグの記録基準では、シュートが守備側の選手に当たってコースが変わった場合は、すべて攻撃側の選手の得点です。オウンゴールにはなりません。
A. なりません。スローインから直接得点はできないため、相手のコーナーキックで再開します。途中でキーパーなど誰かが触れてから入った場合は、オウンゴールとして相手の1点です。
A. 競技規則には、オウンゴールそのものへの罰則はありません。ただし、試合結果を操作するためにわざと入れた場合は、不正として協会や連盟から処分を受けることがあります。
まとめ:オウンゴールは相手の1点、個人の記録には付かない
- オウンゴールの1点は相手チームに入り、失点したチームのキックオフで再開する
- シュートが守備側に当たって入った場合は、原則として攻撃側の選手の得点(Jリーグ記録基準)
- キックオフ・フリーキック・スローイン・ゴールキック・コーナーキックが直接自分のゴールに入っても得点にならず、相手のコーナーキック
- 日本の公式記録は「オウンゴール」とだけ書き、個人の得点には数えない
- W杯のオウンゴールは2026年大会の14点が最多。1試合あたりでは2018年大会が最も多い
オウンゴールは、ボールがゴールに入ったという事実だけを見れば、ほかのゴールと同じ1点です。違うのは「誰の得点として残るか」と、再開のキックが直接入ったときの例外です。試合中に守備側に当たったゴールを見たら、シュートだったのか、クロスだったのかに注目すると、記録の結果を予想しやすくなります。
※この記事の情報は2026年9月28日時点のものです。出典:JFA「サッカー競技規則2026/27」(第8・9・10・13・15・16・17条)、Jリーグ「Jリーグ記録基準」(Jリーグ デジタルデータブック)、Jリーグ公式サイトの試合ページ(2026年5月30日 C大阪対FC東京)、FIFA「FIFA World Cup: Milestones, facts & figures」(2013年)、FIFA公式の試合データ、FIFA公式YouTubeチャンネル、Wikipedia英語版「List of FIFA World Cup own goals」「AS Adema 149–0 SO l’Emyrne」、Wikipedia日本語版「オウンゴール」、フットボール戦士「数字で見るサッカーのルール」(国際試合結果の公開データ〈CC0〉による集計)。
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