- ゴールキックとフリーキックは、何がどう違うの?
- 直接フリーキックと間接フリーキックは、どう見分ければいい?
- 2026/27の新ルールで、ゴールキックの何が変わったの?
ゴールキックは「攻撃側が最後に触れたボールがゴールラインを出たとき」、フリーキックは「反則があったとき」に与えられる再開方法です。どちらも止まったボールを蹴りますが、蹴る場所、相手が離れる距離、直接ゴールできるかどうかが違います。
この記事では、JFA発行の「サッカー競技規則2026/27」とIFAB(国際サッカー評議会)の原文をもとに、2つの違いを整理します。2026年のW杯から使われている「ゴールキックの5秒カウントダウン」も解説します。
ゴールキックとフリーキックの違いは「なぜ試合が止まったか」
2つを分ける一番の目安は、試合が止まった理由です。ボールがゴールラインを出て止まったならゴールキックかコーナーキック、反則で止まったならフリーキックかペナルティーキックになります。
ゴールラインを出たボールは、最後に触れた選手で決まります。攻撃側が最後に触れていれば守備側のゴールキック、守備側が最後に触れていれば攻撃側のコーナーキックです。シュートが相手DFに当たって出た場合は、コーナーキックになります。
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上は競技規則を決めるIFAB(国際サッカー評議会)公式のInstagramで、2026年6月10日に、競技規則をわかりやすく書き直した「Football Rules」を紹介した投稿です。
見落としやすいのがオフサイドです。競技規則の第11条は、ゴールキック・スローイン・コーナーキックから直接ボールを受けてもオフサイドにならないと定めています。フリーキックはこの中に入っていないので、蹴った瞬間に相手の最終ラインより前にいた味方がボールを受けると、オフサイドになることがあります。
ゴールキックのルール:ゴールエリアから蹴り、蹴った瞬間にインプレー
ゴールキックは、止めたボールをゴールエリア(ゴール前の小さい四角)の中のどこからでも蹴れます。蹴るのは守備側の選手なら誰でもよく、GKでなくてもかまいません。相手は、ボールがインプレーになるまでペナルティーエリアの外にいなければなりません。
大きく変わったのが2019年です。1936年から続いていた「ボールがペナルティーエリアを出てからインプレー」という決まりがなくなりました。いまは、蹴られて明らかに動いた瞬間にインプレーです。そのため、GKがエリア内のDFに短くつなぐ組み立てができるようになりました。
相手が出る時間がなくエリア内に残っていた場合、主審はプレーを続けさせることができます。ただし、エリア内に残った相手がインプレー前にボールへ向かって触れたり、競り合ったりしたときは蹴り直しです。
ゴールキックから直接相手のゴールに入れば得点です。一方、自分のゴールに直接入った場合は得点にならず、相手のコーナーキックになります。
2026/27の新ルール:ゴールキックを遅らせると相手のコーナーキック
JFATV「サッカー競技規則 2026/27 の改正」(2026年7月公開)。日本サッカー協会による改正点の解説です
2026/27の競技規則で、ゴールキックに「5秒カウントダウン」が加わりました。チームがゴールキックを不当に遅らせていると主審が判断すると、笛を吹いて手を上げ、5秒を数えます。5秒たっても蹴らなければ、相手チームのコーナーキックになります。
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上はFIFA公式のInstagramで、2026年6月10日に、2026年W杯から使われる新しい競技規則を紹介した投稿です。
この改正は、2026年2月28日のIFAB年次総会で決まりました。スローインにも同じ5秒カウントダウンが入り、こちらは時間切れで相手ボールのスローインになります。2026年のW杯から使われ、Jリーグでは2026-27シーズンの開幕(2026年8月)から適用されています。
1つ前の2025/26には、GKがボールを手で8秒を超えて持つと相手のコーナーキックになる決まりも入りました。以前の「6秒を超えると間接フリーキック」から変わっています。時間稼ぎには、フリーキックではなくコーナーキックで罰する流れが続いています。
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上はIFAB公式のInstagramで、2026年7月31日に、新しいシーズンの新しいルールを紹介した投稿です。
直接フリーキックと間接フリーキックの違い
直接フリーキックは、蹴ったボールがそのまま相手ゴールに入れば得点です。相手を不用意にける・押す・つまずかせるといった反則や、ハンドに与えられます。競技規則には「身体的接触を伴う反則は直接フリーキックで罰する」と書かれています。
間接フリーキックは、ほかの選手が触れてからでないと得点になりません。直接相手ゴールに入った場合は、相手のゴールキックで再開します。主審は、キックのあと誰かが触れるか、直接得点できないと分かるまで、腕を上げ続けます。
間接フリーキックになるのは、オフサイド、危険な方法でのプレー、接触なしで相手の進行を妨げること、異議などです。GKがエリア内で味方から意図的に足でパスされたボールを手で扱ったときも、間接フリーキックになります。
直接フリーキックになる反則を自分のペナルティーエリア内で犯すと、ペナルティーキック(PK)になります。間接フリーキックの反則はエリア内でもPKにはならず、その場所からの間接フリーキックです。相手のゴールエリア内で得た間接フリーキックは、ゴールラインと平行なゴールエリアの線上まで下げて蹴ります。
フリーキックの壁は9.15m、攻撃側は壁から1m
フリーキックでは、相手はボールから9.15m以上離れなければなりません。これは10ヤードをメートルに直した長さです。例外として、自分のゴールライン上のゴールポストの間に立つ選手は、9.15mより近くてもかまいません。
守備側が3人以上で壁を作ったときは、攻撃側の選手も壁から1m以上離れる決まりです。2019年に加わりました。攻撃側が壁に入り込んで押し合う場面をなくすためで、違反すると相手の間接フリーキックになります。
蹴る側がすばやく再開し、9.15m離れていなかった相手がボールをカットした場合、主審はそのままプレーを続けさせます。一方、すばやい再開をわざと邪魔した選手は、再開を遅らせたとして警告されます。なぜ9.15mという半端な数字なのかは、下の記事で詳しく解説しています。
データで見る:ゴールキックのルールはW杯のたびに調べられる
「ゴールキック」が日本で調べられた量の推移(日本語版Wikipediaの閲覧数・1日平均を月ごとに集計。出典: Wikimedia Pageviews API/フットボール戦士が集計)
フットボール戦士の集計では、日本語版Wikipediaの「ゴールキック」の記事は、W杯の期間に大会前の5倍以上見られています。2018年ロシア大会は5.2倍、2022年カタール大会は5.9倍、2026年北中米大会は5.3倍でした(大会前90日の1日平均との比較)。
これまでで最も見られた月は2018年6月で、1日平均91回です。3番目は、ゴールキックの改正が始まった2019年6月(1日平均55回)でした。ふだん試合を見ない人も、W杯のときに「いまのは何のキック?」と調べていることがうかがえます。
よくある質問
A. いいえ。競技規則は「守備側チームの競技者」が蹴ると定めているだけなので、フィールドの選手が蹴ってもかまいません。プロの試合ではGKが蹴ることがほとんどです。
A. ゴールキックと直接フリーキックは、相手ゴールに直接入れば得点です。間接フリーキックは、誰かが触れてから入らないと得点にならず、相手のゴールキックになります。どれも自分のゴールに直接入った場合は得点にならず、相手のコーナーキックです。
A. なりません。ゴールキック・スローイン・コーナーキックから直接ボールを受けた場合は、オフサイドの反則になりません。フリーキックはこの例外に入っていないので、オフサイドになることがあります。
A. 2026/27の競技規則で加わった決まりです。ゴールキックを不当に遅らせると主審が5秒を数え、それまでに蹴らなければ相手のコーナーキックになります。2026年のW杯から使われ、Jリーグでは2026-27シーズンから適用されています。
A. 主審の腕を見ます。間接フリーキックのときは、主審が片腕を頭の上に上げ、キックのあと誰かが触れるまで下ろしません。腕が上がっていなければ直接フリーキックです。
まとめ:ゴールキックは「ラインを出た」、フリーキックは「反則があった」
- ゴールキックは、攻撃側が最後に触れたボールがゴールラインを出たときの再開方法(第16条)
- フリーキックは、反則があったときに反則の場所から蹴る再開方法(第13条)
- ゴールキックは2019年から、蹴って動いた瞬間にインプレー。オフサイドにはならない
- 2026/27からは、ゴールキックを5秒以上遅らせると相手のコーナーキック
- 直接フリーキックはそのまま得点になり、間接フリーキックは誰かが触れてからでないと得点にならない
試合でキックの種類に迷ったら、まず「ボールが出て止まったのか、笛で止まったのか」を考えてみてください。そのあと主審の腕が上がっているかを見れば、直接か間接かまで見分けられます。
※この記事の情報は2026年9月24日時点のものです。出典:JFA「サッカー競技規則2026/27」(第11条・第12条・第13条・第16条)、JFA「2026/27年サッカー競技規則 変更の概要と詳細」「2026/27サッカー競技規則の適用開始日について」(2026年5月28日)、IFAB公式サイト(Laws of the Game 2026/27)、FIFA公式サイト(2026年2月28日のIFAB年次総会の発表)、Wikipedia英語版(Goal kick、Free kick (association football))、JFATV(YouTube)、Wikimedia Pageviews API。
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