- 高校サッカー選手権はPK戦が多いって本当?どれくらい?
- なぜPK戦が多いの?何回戦で多い?決勝がPK戦になったことはある?
- 選手権で最長のPK戦は?PK戦に強い高校はどこ?
高校サッカー選手権は、PK戦で決まる試合が多い大会です。第55回(1976年度)から第104回(2025年度)までの50大会では、全2,256試合のうち427試合(18.9%)がPK戦で決着しました。およそ5試合に1試合です。
フットボール戦士は、この50大会の全試合を集計しました。延長戦がある天皇杯との比較、回戦別の割合、決勝のPK戦、最長のPK戦、PK戦に強い高校を図で紹介します。
高校サッカー選手権のPK戦は5試合に1試合(18.9%)
選手権の50大会では、2,256試合のうち427試合がPK戦で決まりました。割合は18.9%で、約5.3試合に1試合です。最近の第104回大会(2025年度)でも、47試合のうち6試合がPK戦でした。
同じ一発勝負のトーナメントでも、天皇杯は違います。フットボール戦士が1993〜2025年の天皇杯(2005・2007年を除く)を集計すると、PK戦で決まった試合は2,412試合中167試合で、6.9%でした。選手権のPK戦の割合は、天皇杯のおよそ2.7倍です。
PK戦が多いのはなぜ?決勝以外は延長戦がないから
選手権でPK戦が多い大きな理由は、ルールにあります。JFAが公開している第104回大会の要項では、開幕戦から準々決勝までは80分、準決勝は90分で、同点ならどちらも延長戦をせずにすぐPK戦です。延長戦(20分)があるのは決勝だけです。
天皇杯は、90分で同点なら30分の延長戦を行い、それでも決まらないときだけPK戦になります(第106回大会要項)。延長戦の30分で決着する試合があるぶん、PK戦まで進む試合は少なくなります。
ただし、選手権と天皇杯は出場チームのレベルも試合数も違います。2つの大会の差のすべてが延長戦の有無で説明できるわけではありません。
PK戦になった試合の約半分は1-1
PK戦になった427試合を、前後半が終わった時点のスコアで分けると、最も多いのは1-1の208試合(48.7%)でした。0-0は125試合(29.3%)、2-2は80試合(18.7%)です。
点が入らずにPK戦になる試合より、点を取り合って同点のままPK戦に入る試合のほうが多いことが分かります。第89回(2010年度)の1回戦では、松商学園と野洲が5-5のままPK戦に入り、野洲がPK4-3で勝ちました。
何回戦でPK戦が多い?3回戦と準決勝は約23%
回戦別に見ると、PK戦の割合が高いのは準決勝の23.2%(99試合中23)と3回戦の23.0%(352試合中81)です。1回戦は18.7%、2回戦は18.1%、準々決勝は16.5%でした。
決勝は50試合中4試合(8.0%)で、ほかの回戦より低くなっています。決勝だけは延長戦があることに加えて、第78回(1999年度)までは延長でも同点なら両校優勝で、PK戦を行わなかったためです。
※3回戦は出場48校の大会だけにあります。1982年度(第61回)までの大会の多くは出場31〜32校でした。
決勝がPK戦で決まったのは4回
決勝がPK戦で決まった最初の大会は、第83回(2004年度)です。鹿児島実と市立船橋は0-0のまま決着がつかず、PK戦4-2で鹿児島実が優勝しました。
その後、第91回(2012年度)の鵬翔、第99回(2020年度)の山梨学院、第103回(2024年度)の前橋育英が、決勝のPK戦を制して優勝しています。第103回の前橋育英と流通経済大柏のPK戦は9-8で、10人目までもつれました。
両校優勝のルールがあった時代には、この50大会で3回(第63回・第70回・第74回)、決勝が延長でも決まらず両校優勝になっています。決勝で必ず1校の優勝校を決めるようになったのは、第79回(2000年度)からです。
選手権のPK戦は増えている?10大会ごとの割合は約15〜22%
10大会ごとに見ると、PK戦の割合は1976〜1985年度の14.8%が最も低く、2006〜2015年度の22.3%が最も高くなりました。直近の2016〜2025年度は18.6%です。ずっと増え続けているわけではなく、2割前後を行ったり来たりしています。
1大会で最も多かったのは、第72回(1993年度)と第91回(2012年度)の16試合です。出場48校の大会で最も少なかったのは、第96回(2017年度)の5試合でした。直近5大会は、第100回7試合、第101回12試合、第102回14試合、第103回8試合、第104回6試合です。
※大会ごとのPK戦の数は、その年の対戦の組み合わせや天候でも変わります。差があることは分かりますが、増えた・減った理由まではこのデータから言えません。
選手権で最長のPK戦は17-16:第97回で38人が蹴った
この50大会でスコアが最も大きいPK戦は、第97回(2018年度)の2回戦、帝京長岡と旭川実の試合です。2-2で前後半を終え、PK戦は17-16で帝京長岡が勝ちました。両校合わせて38人がキッカーを務めたと報じられています(デイリースポーツ・2019年1月2日)。
2番目は第65回(1986年度)の準々決勝で、室蘭大谷が宇都宮学園にPK15-14で勝ちました。3番目は第103回(2024年度)の1回戦で、札幌大谷が寒川にPK12-11で勝っています。この試合は計28人が蹴り、札幌大谷の14人目が決めて決着しました。
427試合のうち、どちらかが6本以上決めた(6人目以降の1人ずつの勝負までもつれた)PK戦は、少なくとも77試合(18.0%)ありました。
※集計は全国大会(本大会)だけです。都道府県予選のPK戦は含みません。
PK戦に強い高校は?青森山田は12勝5敗
この50大会でPK戦の勝ちが最も多いのは青森山田の12勝(5敗)です。PK戦を13回以上戦った11校の中で、勝率(70.6%)も最も高くなっています。帝京と四日市中央工も9勝5敗です。
PK戦の回数が最も多いのは、青森山田・丸岡・星稜の17回です。反対に、この50大会で5回優勝している市立船橋は、PK戦では4勝11敗でした。静岡学園も3勝8敗です。勝ち上がる力のある学校でも、PK戦の成績はばらばらです。
第94回(2015年度)の3回戦で、青森山田は桐光学園と2-2からのPK戦を5-4で制しています。この試合で桐光学園の小川航基選手(のちの日本代表)は、試合中のPKとPK戦の2本を外しました。
優勝校の半分以上は、PK戦を勝ち抜いている
この50大会の単独優勝47回のうち、勝ち上がりの途中でPK戦を1回以上勝った優勝校は25回(53.2%)でした。選手権で優勝するには、PK戦を勝ち抜く場面がたびたびあるということです。
最も多いのは第91回(2012年度)の鵬翔で、1回戦・2回戦・準決勝・決勝の4試合をPK戦で勝って初優勝しました。直近10大会でも、10回のうち6回は優勝校がPK戦を1回以上勝っています。
データについて:1976年度以降の50大会・2,256試合
試合結果は、日本語版Wikipediaの各大会の記事(CC BY-SA)をもとに、フットボール戦士の「高校サッカー選手権・天皇杯データベース」が集めたものです。回戦別・年代別・学校別のPK戦の数は、この記事のために集計しました(2026年10月22日時点のデータ)。
- 3位決定戦と不戦勝の試合は数えていません。第100回(2021年度)は準決勝の1試合が出場辞退で行われず、この大会の試合数は46です
- 決勝のPK戦は、延長戦のあとのPK戦です。延長戦があったかどうかの記録はデータに抜けがあるため、集計に使っていません
- 天皇杯は、データベースの照合で試合の記録に食い違いが見つかった2005年と2007年を除いています。天皇杯の延長戦の決まりは第106回大会要項のもので、すべての年が同じだったかは確かめていません
- PK戦の先攻・後攻と、何人目で決まったかはデータにありません。「6人目以降」はスコアから分かる試合だけを数えています
よくある質問
A. 多いです。1976年度以降の50大会では2,256試合中427試合(18.9%)がPK戦で決まり、およそ5試合に1試合です。延長戦がある天皇杯(1993〜2025年)は6.9%でした。
A. 決勝だけです(第104回大会要項)。準決勝までは、同点ならすぐPK戦になります。決勝は90分で同点なら20分の延長戦、それでも同点ならPK戦です。
A. 1976年度以降の全国大会では、第97回(2018年度)2回戦の帝京長岡と旭川実のPK戦17-16が最もスコアの大きいPK戦です。両校合わせて38人が蹴りました。
A. 4回あります。第83回(2004年度)の鹿児島実、第91回(2012年度)の鵬翔、第99回(2020年度)の山梨学院、第103回(2024年度)の前橋育英が、決勝のPK戦を制して優勝しました。
A. 2026年12月28日に開幕し、決勝は2027年1月11日の予定です。日程は高校サッカー選手権2026の日程の記事にまとめています。
まとめ:選手権のPK戦は5試合に1試合
- 1976年度以降の50大会で、PK戦で決まった試合は2,256試合中427試合(18.9%)。天皇杯(6.9%)の約2.7倍
- 決勝以外は延長戦がなく、同点ならすぐPK戦になるルールが大きく関わっている
- PK戦の割合は準決勝23.2%・3回戦23.0%が高く、延長戦のある決勝は8.0%
- 最長のPK戦は第97回の帝京長岡と旭川実の17-16。決勝のPK戦は4回
- PK戦の勝ちが最も多いのは青森山田の12勝5敗。優勝校の53.2%はPK戦を勝ち抜いている
選手権の勝ち上がりは、80分(準決勝は90分)で決まらなければすぐPK戦です。第105回大会を見るときは、PK戦まで見据えた選手交代やGKの起用にも注目すると、試合の見え方が変わるはずです。延長戦がある天皇杯のルールは天皇杯とは?出場資格・延長とPKのルールの記事で解説しています。
※この記事の情報は2026年10月22日時点のものです。試合結果は日本語版Wikipediaの各大会の記事(CC BY-SA)をもとにフットボール戦士が集計しました(第104回大会まで)。ルールは第104回全国高等学校サッカー選手権大会の大会要項(JFA)によります。
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