- オフサイドとは何?どんなときに反則になるの?
- ゴールキックやスローインでもオフサイドになる?
- そもそも、なぜオフサイドという反則が必要なの?
オフサイドとは、相手ゴール前で待ち伏せしている選手へのパスを禁止する反則です。味方がボールに触れた瞬間に、ボールと「相手の後ろから2人目の選手」の両方より前にいた選手が、そのままプレーに関わると反則になります。この記事では、JFAが発行する「サッカー競技規則2026/27」の第11条をもとに、基本の条件、反則にならない場面、ルールが必要な理由、半自動オフサイドなど2026年時点の最新の動きまでを解説します。
オフサイドとは?ゴール前の「待ち伏せ」を禁止するルール
競技規則の第11条では、次の2つを両方満たす選手が「オフサイドポジション(オフサイドの位置)」にいることになります。1つ目は、頭・胴体・足のどこかが相手陣内に入っていることです。ハーフウェーラインの上は含みません。
2つ目は、頭・胴体・足のどこかが、ボールと、相手の後ろから2人目の選手の両方よりも、相手ゴールラインに近いことです。後ろから2人目は、たいていGKの次に後ろにいる守備者です。GKが前に出ていれば、フィールドの選手2人が基準になることもあります。
後ろから2人目と同じ位置にいれば、オフサイドの位置ではありません。手と腕は、GKを含めて全員が判定に使われず、腕の範囲は「脇の下の一番奥まで」と決まっています。
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上は競技規則を決めるIFAB(国際サッカー評議会)公式のInstagramで、2026年6月10日に、競技規則をわかりやすく書き直した「Football Rules」を紹介した投稿です。
よくある誤解が2つあります。1つは「オフサイドの位置にいるだけで反則」というものです。競技規則は、位置にいること自体は反則ではないと明記しています。もう1つは「ボールの位置は関係ない」というものです。ボールより後ろにいる選手は、相手の守備者より前にいてもオフサイドの位置になりません。後ろ向きのパスを受ける選手がセーフなのはこのためです。
反則になるのは「味方がボールに触れた瞬間」の位置でプレーに関わったとき
Jリーグ公式チャンネル「Jリーグジャッジリプレイ2019 #11-1」(2019年5月公開)。パスを出す選手がボールを蹴る、どの瞬間でオフサイドを判定するのかを取り上げた回です
オフサイドかどうかは、味方がボールをプレーした、または触れた瞬間の位置で決まります。パスを受けた瞬間ではありません。競技規則は、ボールに触れた「最初の接触点」を使うと定めています。GKがボールを投げたときだけは、最後の接触点を使います。
その瞬間にオフサイドの位置にいた選手が、次のどれかでプレーに関わると反則になります。
| 関わり方 | たとえば |
|---|---|
| プレーを妨害する | 味方のパスを受ける、ボールに触れる |
| 相手を妨害する | GKの視線をはっきりさえぎる、ボールに向かって相手と競り合う |
| その位置で利益を得る | ポストや相手に当たって跳ね返ったボール、GKがセーブしたボールをプレーする |
※JFA「サッカー競技規則2026/27」第11条2項をもとに作成。
パスが出た後に前へ走り込むのはセーフです。逆に、パスの瞬間に前にいた選手が、いったん線の後ろまで戻ってから受けても反則は消えません。
反則になると、相手チームの間接フリーキックでプレーを再開します。場所は反則が起きたところで、その選手の自陣であっても同じです。
オフサイドにならない場面:ゴールキック・スローイン・コーナーキックと自陣
ゴールキック・スローイン・コーナーキックの3つは、競技規則に「直接受けたときはオフサイドにならない」と書かれた例外です。大事なのは「直接」という点です。スローインを別の味方が触ってから受けた場合は、その味方が触れた瞬間の位置で改めて判断します。
フリーキックは例外に入っていません。フリーキックのときに守備側がラインをそろえて押し上げるのは、オフサイドを取るためです。
パスの瞬間に自陣にいた選手は、「相手陣内にいる」という1つ目の条件を満たさないので対象外です。
相手が意図的にプレーしたボールを受けたときも、利益を得たとはみなされません。相手のパスミスやクリアミスを拾った場面です。ただし、GKなどが意図的にセーブしたボールは別です。シュートのこぼれ球を押し込んだゴールが取り消されるのは、シュートの瞬間にオフサイドの位置にいたからです。
なぜオフサイドが必要なの?ルールの歴史からわかる理由
オフサイドが必要な一番の理由は、ゴール前での待ち伏せを防ぎ、試合を公平でおもしろくするためです。Wikipedia英語版がまとめた記録では、1863年11月の新聞に「ボールより前で待ってパスを受けるのは明らかに不公平だ」という趣旨の記述があります。当時、一部の学校のフットボールでは、待ち伏せは紳士的でない行為とされていました。
もしオフサイドがなければ、FWを相手ゴール前に置いたまま、ロングボールを蹴り込むだけで点が取れます。守る側も、ゴール前に人を残し続けるしかありません。オフサイドがあるからこそ、守備ラインとの駆け引きや、裏への抜け出しといった攻防が生まれます。
一方で、ルールは点の取りやすさを調整する役目も果たしてきました。1925年に「相手3人」から「相手2人」に変わると、イングランドのフットボールリーグでは、同じ1,848試合で総得点が4,700点から6,373点に増えたと記録されています。1990年の「同じ位置ならセーフ」への変更も、攻撃側を後押しするためでした。
2026/27の最新ルールと半自動オフサイド(SAOT)
2026/27の競技規則でも、オフサイドの条件そのものは変わっていません。変わったのは判定を助ける技術の扱いです。第5条に、オフサイドの判定に半自動オフサイドテクノロジー(SAOT)を使えることが書き込まれました。
SAOTは、カメラで選手の体の位置を追い、オフサイドの位置にいたかどうかの情報をすぐ審判に送る技術です。2022年のW杯で使われ、FIFAは2026年のW杯で改良版を初めて使うと発表しました。FIFAによると、改良版でははっきりしたオフサイドが副審に直接伝わり、すぐに旗を上げられます。出場する全選手の体も3Dで計測するとしています。ただしSAOTが判断するのは位置だけで、プレーに関わったかどうかは今も審判が判断します。
プレミアリーグは2025年4月12日の第32節からSAOTを導入しました。Jリーグは2023年シーズンから、J1の全試合などで、VARの確認に3Dのオフサイドラインを使っています。
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上はイギリスの放送局TNTスポーツのサッカー公式のInstagramで、2025年4月12日に、プレミアリーグでSAOTが初めて判定に使われた場面を伝えた投稿です。
ルールそのものを変える試験も始まっています。FIFAは2026年3月31日、カナダ・プレミアリーグの2026年シーズン(4月4日開幕)で「デイライト(隙間)」方式を試すと発表しました。図のように、体が少しでも重なっていればセーフになります。競技規則2026/27の前書きでも、IFABは「オフサイドの新たな考え方」の検討に力を入れるとしています。ただし、2026年9月時点で正式なルールにはなっていません。
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上はBBCスポーツのサッカー公式(bbcfootball)のInstagramで、2026年4月19日に、カナダ・プレミアリーグで試験中の「デイライト」方式によって、初めてゴールが認められた場面を伝えた投稿です。
データで見る:オフサイドは日本でどれくらい調べられている?
「オフサイド」が日本で調べられた量の推移(日本語版Wikipediaの閲覧数・1日平均を月ごとに集計。出典: Wikimedia Pageviews API/フットボール戦士が集計)
フットボール戦士の集計では、日本語版Wikipedia「オフサイド」の閲覧数は、W杯のたびに大きく増えています。2022年カタール大会の期間は1日平均354回で、大会前90日(16回)の21.9倍でした。2026年北中米大会の期間も1日平均46回と、大会前90日(7回)の6.2倍です。
2026年9月23日までの直近30日は、1日平均9回でした。ふだんはあまり調べられない言葉が、大きな大会のときに一気に調べられています。判定が試合を左右する場面を見て、仕組みを確かめたくなる人が多いと考えられます。
よくある質問
A. ゴール前での待ち伏せを禁止する反則です。味方がボールに触れた瞬間に、ボールと相手の後ろから2人目の選手より前にいた選手が、プレーに関わると反則になります。
A. オフサイドではありません。後ろから2人目の選手と同じ位置ならセーフです。1990年のルール変更で決まりました。
A. なります。例外はゴールキック・スローイン・コーナーキックから直接受けた場合だけです。
A. オフサイドではありません。GKを含めて、手と腕は判定に使いません。腕の範囲は脇の下の一番奥までです。
A. いります。SAOTが判断するのはオフサイドの位置だけで、プレーに関わったかどうかは審判が判断します。
まとめ:オフサイドは「待ち伏せ禁止」、判断は味方がボールに触れた瞬間
- オフサイドは、相手ゴール前で待ち伏せする選手へのパスを禁止する反則
- ボールと相手の後ろから2人目の選手の両方より前にいると、オフサイドの位置になる
- 位置にいるだけでは反則ではなく、プレーに関わったときに反則になる
- ゴールキック・スローイン・コーナーキックから直接受けたときと、自陣にいたときは対象外
- 2026/27の競技規則で条件は変わらず、SAOTの使用が明記された。「隙間」方式は試験中
オフサイドは、待ち伏せを防ぎながら、攻撃と守備のバランスを保つためのルールです。次に試合を見るときは、パスが出る瞬間の守備ラインと、FWが走り出すタイミングに注目してみてください。
※この記事の情報は2026年9月24日時点のものです。出典:JFA「サッカー競技規則2026/27」(第5条・第11条)、JFA「2026/27年サッカー競技規則 変更の概要と詳細」、FIFA(2026年3月31日・6月3日発表)、プレミアリーグ公式サイト、Jリーグ公式サイト(2023年2月1日)、Wikipedia英語版「Offside (association football)」、Jリーグ公式YouTubeチャンネル。
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