- サッカーボールが急に破裂した。原因は何?
- 破裂やパンクしたボールは直せる?買い替えるしかない?
- 破裂させない空気の入れ方と、しまい方を知りたい
- 試合中にボールが破裂したら、プレーはどうなる?
サッカーボールが破裂する主な原因は、空気の入れすぎ、暑い場所への置きっぱなし、汚れたままの屋外放置による劣化、バルブや表皮の傷の4つです。ボールメーカーのミカサは、適正な空気圧を大きく超える入れすぎや、汚れたままの屋外放置が劣化を著しく早め、突然の破裂・破損を引き起こすおそれがあると注意しています。
この記事では、ミカサとモルテンの公式の注意書き・FAQと、JFA「サッカー競技規則2026/27」の原文をもとに、破裂の原因と前兆、対処、空気の入れ方、試合中のルールを2026年9月時点でまとめます。
サッカーボールが破裂する4つの原因と、使う前のチェック
1つ目の原因は、空気の入れすぎです。ミカサは、ボールごとに決めた「適正内圧」を商品や包装に書いており、それを大きく上回る空気の入れすぎは劣化を著しく早め、突然の破裂・破損を引き起こすおそれがあるとしています。適正な空気圧は、モルテンもミカサもバルブの近くに印刷しています。
2つ目は、暑い場所に置くことです。空気は温められると膨らむため、閉めきった車の中ではボールの中の圧力が上がります。モルテンは小学生用ハンドボールの商品説明で、空気を入れたまま車内に放置すると破裂のおそれがあると注意しています。ミカサも、サッカーボールを含む各種ボールについて、直射日光の当たる場所や暑い場所に置きっぱなしにしないよう案内しています。
3つ目は、汚れたまま屋外に置いておくことです。ミカサによると、汚れた状態で屋外に放置すると、入れすぎと同じく劣化を著しく早め、突然の破裂・破損につながるおそれがあります。
4つ目は、バルブや表皮の傷です。モルテンは、空気が抜ける主な理由としてバルブの傷と表皮の傷を挙げています。傷からの空気もれは、いわゆる「パンク」です。
図の下半分は、使う前に見たいポイントです。モルテンは、空気が抜けるときはまず空気圧・バルブ・表皮の3点を確かめるよう案内しています。縫い目の広がりや表皮の裂けは、モルテンが「修理できない」としている状態です。
破裂とパンクの違い:直せるのはバルブの傷だけ
MIKASA公式チャンネル「バルブ交換 貼りサッカーボール篇」(2020年12月公開)。専用工具を使ったバルブの抜き取りと差し込みの手順です
「破裂」と「パンク」は、直せるかどうかが違います。この記事では、表皮やチューブが裂けて一気に空気が抜けるのを破裂、バルブや小さな傷から少しずつもれるのをパンクと呼びます。
表皮ごと裂けたボールは、直せません。モルテンの公式FAQは、縫い糸が広がったボール、糸が切れたボール、表皮が裂けたりはがれたりしたボールは修理できないと答えています。破裂したボールは使うのをやめ、買い替えを考えましょう。
バルブの傷ならメーカーの修理が受けられる
パンクのうち、バルブの傷による空気もれは直せる場合があります。モルテンは公式オンラインショップの「ボールパンク検査依頼」で、モルテンとアディダスのボール(国内正規流通品)のパンク修理とバルブ交換を受け付けています。料金は検査依頼が税込110円、修理が税込1,100円です。
ただし、トップモデルなどはチューブとバルブが一体になっていて、バルブの交換ができません。製造から年数がたったボールは、部品の在庫がなく修理できない場合もあります。
ミカサは、バルブ取替専用具(TL-40)と潤滑剤のスムーズグリセリン(NDLSC)を使って、自分でバルブを交換する手順を公開しています。使うバルブはボールの品番ごとに決まっていて、対応表もあります。難しければ、買ったお店を通じてミカサに有料の修理を頼めます。
気をつけたいのは、バルブをボールの中に落としてしまうことです。モルテンによると、中に落ちたバルブは取り出せません。
破裂したら、使う場所と号数で選び直す
買い替えるときは、号数を間違えないようにします。モルテンの案内では、5号球が中学生以上、4号球が小学生、3号球が小学生低学年以下の目安です。ふだん土のグラウンドで蹴るなら、空気を保ちやすいブチルチューブの土用ボールが向いています。
破裂させない空気の入れ方と保管:5つの手順
手順1では、ボールごとの空気圧を確かめます。競技規則が5号球に定める範囲は0.6〜1.1気圧ですが、実際の目安はボールごとに違います。たとえばミカサの手縫いの検定球5号(SVC502SBC)は推奨内圧0.800kgf/cm²です。
手順2と3は、バルブを傷つけないためのものです。ミカサは、空気注入針に専用のスムーズグリセリンを必ずつけるよう案内し、無理に差し込んでバルブを傷つけると空気もれの原因になるとしています。モルテンは、針を石けん水でよく濡らすよう案内しています。モルテンのボールには、市販の針ではなくモルテン製の空気針を使うよう求めています。
手順4は、入れすぎを防ぐ一番確実な方法です。ミカサは、バルブのまわりに印刷された適正内圧に圧力を合わせて空気を入れるよう案内し、それが「ボールを長持ちさせる秘訣」だとしています。手で押した硬さだけで判断せず、圧力計で測りましょう。
手順5は、しまい方です。ミカサは、使ったあとに汚れや水分を取り、温度変化が少なく風雨にさらされない、通気性のよい場所で保管するよう案内しています。練習のあと、ボールを車に積んだままにしないことが、夏の破裂を防ぐ近道です。
チューブの素材でも、空気の減り方は変わります。モルテンによると、土用のボールはブチルチューブ(人工ゴム)、芝用はラテックスチューブ(天然ゴム)です。ラテックスは空気を通しやすく、芝用の空気が早く減るのは不良ではありません。こまめに足すぶん、手順2〜4が大切になります。
試合中にボールが破裂したら?競技規則第2条のルール
Reuters Connect(2026年4月公開)。1946年4月のFAカップ決勝、ダービー・カウンティ対チャールトンのニュース映像です(当時のゴーモン・ブリティッシュのニュース映画)
試合中にボールが破裂したら、プレーを止めてドロップボールで再開します。JFAの「サッカー競技規則2026/27」第2条は、ボールに欠陥が生じた場合の扱いを次のように決めています。
| 欠陥が生じたとき | 再開のしかた |
|---|---|
| プレー中 | プレーを止め、ドロップボールで再開 |
| キックオフ、ゴールキック、コーナーキック、フリーキック、ペナルティーキック、スローインのとき | その再開をやり直す |
| PKやPK戦で、ボールが前に動いたあと、競技者・クロスバー・ゴールポストに触れる前 | ペナルティーキックを蹴り直す |
※JFA「サッカー競技規則2026/27」第2条「欠陥が生じたボールの交換」をもとに作成。
ドロップボールは第8条のとおりです。ペナルティーエリア内なら守備側のゴールキーパーに、エリアの外なら、ボールを保持し続けた(または保持したであろう)と主審が判断したチームの競技者1人にドロップします(判断できなければ最後に触れたチーム)。
また第2条は、試合中のボールは主審の承認を得ずに交換できないとしています。予備のボールはフィールドの周りに置けますが、使うのは主審の管理のもとです。
FAカップ決勝では2年続けて破裂
大舞台での破裂の例として知られるのが、イングランドのFAカップ決勝です。1946年4月27日の決勝、ダービー・カウンティ対チャールトン・アスレティックでは、90分の終了間際にダービーのジャッキー・スタンプスが放ったシュートの途中でボールが破裂しました。スタンプスは新しいボールで延長戦に2点を決め、ダービーが4-1で勝っています。
翌1947年4月26日の決勝、チャールトン対バーンリーでも、試合中にボールが破裂しました。チャールトンが延長の末1-0で勝った試合です。Wikipedia英語版によると、2度の破裂は、のちに第二次世界大戦後に手に入った革の質が悪かったためとされました。
データで見る:「サッカーボール 破裂」はどれくらい検索されている?
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よくある質問
A. 表皮ごと裂けたボールは直せません。モルテンは、縫い糸が広がったり切れたりしたボールや、表皮が裂けたりはがれたりしたボールは修理できないとしています。直せる可能性があるのは、バルブの傷による空気もれ(パンク)です。
A. 芝用のボールに多いラテックスチューブは空気を通しやすく、抜けが早いのは不良ではないとモルテンは説明しています。それ以外なら、バルブの傷か表皮の傷を疑います。
A. 避けてください。空気は温められると膨らみ、ボールの中の圧力が上がります。ミカサは、暑い場所や直射日光の当たる場所に置きっぱなしにしないよう案内しています。
A. バルブの近くに書かれた数字に合わせます。競技規則の5号球の範囲は0.6〜1.1気圧ですが、目安はボールごとに違うので、圧力計で測りながら入れましょう。
A. 競技規則第2条では、ボールに欠陥が生じたらプレーを止め、ドロップボールで再開します。PKやPK戦で、蹴ったボールが競技者やゴールの枠に触れる前に欠陥が生じた場合は、蹴り直しです。
まとめ:破裂の多くは空気圧と置き場所で防げる
- 破裂・パンクの主な原因は、空気の入れすぎ、暑い場所への放置、汚れたままの屋外放置、バルブや表皮の傷の4つ
- 表皮ごと裂けた破裂は直せない。バルブの傷によるパンクは、メーカーの修理や自分でのバルブ交換で直せる場合がある
- モルテンのパンク検査・修理(検査110円・修理1,100円)は、公式オンラインショップから申し込める(2026年9月28日時点)
- 空気はバルブ近くの表示に合わせ、針を濡らしてから差し、圧力計で測って入れる
- 試合中に破裂したら、プレーを止めてドロップボールで再開。PKは蹴り直し
ボールが破裂するのは、突然のように見えても、入れすぎや暑さ、傷みが重なった結果であることが多いです。空気を入れる前に表示を見て、使ったら涼しい所にしまう。この2つを習慣にするだけで、破裂の心配はぐっと減らせます。
※この記事の情報は2026年9月27日時点のものです。出典:JFA「サッカー競技規則2026/27」第2条・第8条、ミカサ公式サイト「ボール製品を安全にご使用いただくためのお願い」「ボールメンテナンス」「バルブ交換方法」(PDF)・商品情報(SVC502SBC-WBK)、MIKASA公式YouTubeチャンネル、モルテン公式オンラインショップ「よくあるご質問」「ボールパンク検査依頼代金」・商品情報(小学生ハンドボール1号球 RH1R ほか)、Wikipedia英語版「1946 FA Cup final」「1947 FA Cup final」、Reuters Connect、Googleサーチコンソール(フットボール戦士)。
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