- サッカーボールの空気を抜く手順と、必要な道具を知りたい
- 硬すぎるボールを、どこまで抜けばいいか知りたい
- しまう前や持ち運ぶ前に、空気は抜いたほうがいいの?
サッカーボールの空気は、潤滑剤をつけた空気針をバルブの中心にゆっくり垂直に差し、ボールを押せば抜けます。抜く量の目安は、バルブのそばに書いてある空気圧までです。ただし、貼りボールや熱接合のボールは、メーカーが「空気を入れたままの保管・輸送」を求めています。この記事では、モルテンとミカサの公式の案内をもとに、手順と抜く量、ボールの種類による違いをまとめます。
サッカーボールの空気の抜き方:道具3つと5ステップ
空気の抜き方は、空気を入れるときと同じ道具で済みます。モルテンはよくある質問(ドッジボールの質問への回答)で「空気針をバルブに刺していただき、本体を押して空気を抜いてください」と案内し、針を入れる前に潤滑剤か石けん水で滑りをよくするよう求めています。用意するものは、空気針・潤滑剤・(あれば)圧力計の3つです。
いちばん大事なのは2と3です。モルテンは「何もつけずに差し込むと、針がバルブを傷つけ、空気漏れの原因となります」と書いています。針は、折れたり曲がったり、勢いよく差して裏側のチューブまで突き抜けたりしないよう、ゆっくり垂直に抜き差しします。
どこまで抜くかは、目的とボールの種類で決まります。答えを先にまとめると、下の表のとおりです。
| 目的 | 抜く量の目安 | 根拠 |
|---|---|---|
| 硬すぎるので調整したい | バルブのそばの表示の空気圧まで | モルテン・ミカサの案内 |
| しまう・持ち運ぶ(貼り・熱接合のボール) | 抜かない(空気を入れたまま) | たたむとシワが残る(モルテン・ミカサ) |
| しまう(ゴムのボール) | 使い終わったら抜く | 膨張・変形を防ぐ(ミカサ) |
用意するもの:空気針・潤滑剤・圧力計
空気針は、ボールやポンプのメーカーのものを使います。モルテンは「市販の空気針は使用できますか」という質問に「できません。弊社製の空気針を必ずご使用ください」と答えています。曲がったり先がつぶれたりした針は、バルブを傷めるので交換しましょう。
潤滑剤は、ミカサもモルテンもグリセリンの専用品を出しています。ミカサは空気を入れるとき「空気注入針スムーズグリセリンを必ずつけましょう。無理に挿入してバルブを傷つけると空気漏れの原因になります」と案内しています。なければ石けん水で代わりになりますが、モルテンは「水は空気針が錆びる要因となるので避けて」としています。
ミカサの「空気注入針スムーズグリセリン(NDLSC)」は、グリセリン約5gに空気針(NDL-2)が1本ついて、ミカサ公式で550円です。針だけなら「空気注入針2本セット(NDL-2)」が275円です(どちらも2026年10月15日時点の公式サイトの価格)。
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「砂防止バルブ」も針は入る
バルブに「砂防止バルブ」と書いてあり、穴が見えないボールもあります。モルテンによると、外からはふさがって見えても、完全にはふさがっていません。バルブの中心に針の先を当て、そのまま差し込みます。針を抜けば、元どおりにふさがります。
抜く量の目安:「表示の空気圧まで」が基本
硬すぎるボールを調整するなら、ゴールは「そのボールの推奨空気圧」です。モルテンは「ボールバルブ付近に適切な空気圧が記載されています」と案内し、単位はBAR(バール)かHPA(ヘクトパスカル)で書かれています。ミカサも、空気注入口のまわりに適正内圧を印刷しています。0.8barと800hPaは同じ空気圧です。
フットボール戦士が2026年9月28日にミカサ公式サイトのサッカーボール22種を調べたところ、JFA検定球10種の推奨は0.61〜0.90kgf/cm²でした。一方、軽量の4号・3号球は0.35、ゴムボールは0.32〜0.42と、検定球よりかなり低いものもあります。同じ「サッカーボール」でも、目標の数字はかなり違います。
競技規則(2026/27)の第2条は、試合球の空気圧を「海面の高さの気圧で、0.6〜1.1気圧」と定めています。ただ、この幅はとても広いので、実際にはボールごとの表示に合わせるのが確実です。くわしくはサッカーボールの適正な硬さの記事でまとめています。
圧力計で測りながら、少しずつ抜く
手で押した硬さで決めると、抜きすぎやすくなります。メーカーの公式の案内にも、手で押したときの目安は見当たりませんでした。少し抜いては圧力計で測る、をくり返すのが確実です。抜きすぎたら、ポンプで戻します。
ミカサの「エアーゲージ付きダブルアクションハンドポンプ(AP-AG)」は、空気を入れながら圧力を測れるポンプで、公式価格は3,080円です。測るだけなら、モルテンの「ボール専用圧力計(PGA10)」があります。測れるのは1.0bar(1000hPa)までで、モルテンは「簡易計測用」としています。
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なお、空気圧は気温でも変わります。モルテンは、通販で届いたボールの空気量が輸送中の気温・気圧で変わることがあると説明しています。暖かい部屋で合わせたボールは、寒い屋外ではやわらかく感じることがあるので、使う場所でもう一度測ると確実です。
しまう・持ち運ぶときに抜くかは、ボールの種類で決まる
「しまう前は空気を抜く」と思いがちですが、多くのサッカーボールは抜かないほうがよいとされています。ミカサは人工皮革などの貼りボールについて「たたんだ状態で保管、輸送しますと空気を入れた後も表皮にシワが残ります。空気を入れた状態での保管、輸送をお願いします」と書いています。モルテンも、熱接合(アセンテック)のボールに同じ注意を出しています。
反対に、ゴムのボールは抜くのが正解です。ミカサは「空気は使用前に注入し、使用後は必ず空気を抜いて下さい。空気圧を使用時のままにしておくとボールが膨張したり、変形する可能性があります」と案内しています。縫いボールについては、両社とも空気を抜く指示は出しておらず、保管場所の注意だけです。
見分け方と、保管場所の注意
パネルの境目に糸の縫い目が見えれば縫いボール、継ぎ目に凹凸があまりなければ貼り・熱接合のボールです(モルテンの説明)。表面がゴムそのものなら、ゴムボールです。
どの種類でも、直射日光が当たらず、湿気がなく、温度が上がらない場所にしまいます。モルテンは、夏場の車のトランクのような高温多湿の場所では、変形したり劣化が早まったりすると注意しています。持ち運びには、ボールネットを使うと便利だとしています。
ゴムボールを抜いて持ち出したときや、遠征先で硬さを合わせたいときは、持ち歩けるポンプがあると困りません。モルテンの「ペンタゴンDX(HPGDXSL)」は、ホースと針を本体にしまえるハンドポンプで、公式の説明には「ビニールボールや浮き輪をかたづけるときに便利」ともあります。
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JOINTEX-TV「モルテン ハンドポンプ HPGDXSL」(2014年8月公開)。モルテンのハンドポンプ HPGDXSL(ペンタゴンDX)の動画です
うまく抜けない・壊したときの対処法
針が入らないときは、たいてい潤滑剤が足りないか、バルブの中心から外れています。いったん抜いて潤滑剤をつけ直し、中心に垂直に当て直します。力で押し込むと、針が曲がったり、バルブやチューブを傷めたりします。曲がった針は、メーカーの空気針に替えてください。
気をつけたいのが、バルブのゴムをボールの中に押し込んでしまう失敗です。モルテンは「バルブがボール内部へ落下した場合、取り除く事は残念ながらできません」と答えています。ゆっくり垂直に差すことが、いちばんの予防です。
抜いていないのに空気が減るとき
何もしていないのに空気が減るなら、抜き方ではなく空気漏れを疑います。モルテンは「空気圧は適正か」「バルブ部分から漏れていないか」「表皮に外傷はないか」を確かめ、初期不良が疑われるときは購入店に連絡するよう案内しています。
なお、モルテンによると、ボールを水に沈めると、パネルの継ぎ目や縫い目から泡が出ます。パネルとチューブの間の空気が出てくるためで、新しいボールでも起きます。泡だけで穴だと決めつけないようにしましょう。破裂や穴の見分け方は、サッカーボールが破裂する原因の記事で紹介しています。
よくある質問
A. 抜けます。潤滑剤をつけた空気針をバルブに差し、ボールを押せば空気が出ます。ただ、抜きすぎたときに戻せないので、ポンプも手元にあると安心です。
A. ボールの種類によります。貼り・熱接合のボールは、たたむとシワが残るため、モルテンとミカサは空気を入れたままの保管・輸送を求めています。ゴムボールは、ミカサが「使用後は必ず空気を抜いて」と案内しています。
A. 水だけは避けてください。モルテンは、水は空気針が錆びる原因になるとしています。潤滑剤がなければ石けん水を使います。
A. バルブのそばに書いてある空気圧(barやhPa)まで抜きます。ミカサのJFA検定球は0.61〜0.90kgf/cm²が推奨で、軽量球やゴムボールはもっと低めです。圧力計で測りながら少しずつ抜くと失敗しません。
A. 貼り・熱接合のボールは、メーカーが空気を入れた状態での輸送を求めているので、抜かずにボールネットなどで持ち運ぶのがおすすめです。抜いて運べるのは、ゴムボールなど抜く前提のボールです。
まとめ:潤滑剤をつけて、ゆっくり垂直に
- 空気針に潤滑剤(なければ石けん水)をつけ、バルブの中心にゆっくり垂直に差して、ボールを押す
- 何もつけずに差すと、バルブを傷めて空気漏れの原因になる(モルテン)
- 抜く量は、バルブのそばに書いてある空気圧まで。圧力計で測りながら少しずつ
- 貼り・熱接合のボールは、しまうとき・運ぶときも空気を入れたまま
- ゴムボールは、使い終わったら空気を抜く(ミカサ)
空気を抜く作業は1分ほどで終わりますが、潤滑剤をつけるかどうかと、抜いていいボールかどうかで結果が変わります。空気を入れる道具をそろえるなら、こちらの記事も参考にしてください。
※この記事の情報は2026年10月15日時点のものです。出典:モルテン公式オンラインショップ「必見!サッカーボール、バスケットボールなどを長く愛用いただくために」(2025年4月1日)・よくあるご質問・商品ページ、ミカサ「ボールメンテナンス」・商品ページ、JFA「サッカー競技規則2026/27」第2条。価格は各社公式サイトの表示で、変わることがあります。
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