サッカーで一番難しいポジションはどこ?GKと言われる理由と難易度【2026年】

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こんな疑問を持つ方へ
  • サッカーで一番難しいポジションはどこ?
  • GK・ボランチ・FWは、それぞれ何が難しいと言われている?
  • 初心者や子どもにとって、楽なポジションはある?

サッカーで一番難しいポジションとしてよく名前が挙がるのは、ゴールキーパー(GK)です。1チームに1人しか置けない専門職で、手を使える代わりに決まりごとが多く、1つのミスがそのまま失点になりやすいからです。

ただし、「難しさ」を走る量や点を取る重圧で測ると、答えは中盤やサイド、FWに変わります。この記事では、競技規則、試合中の走りを測った研究、移籍金やバロンドールの記録、日本代表698人のデータをもとに、2026年9月時点で各ポジションが難しいと言われる理由を整理します。

サッカーで一番難しいポジションはGKと言われることが多い

相手ゴール FW 点を取る重圧 サイドMF スプリント最多 サイドバック 攻守の上下動 中盤(ボランチ) 走る距離が最長 センターバック ミスが失点に直結 GK 1チーム1人の専門職 自分のゴール
ポジションごとに「難しい」と言われる主な理由(IFAB競技規則、Di Salvoらの研究2007年・2010年などをもとにフットボール戦士が作図)

GKが特別なのは、難しさの種類が他と違うからです。フィールドの選手は、誰かがミスをしても味方がカバーできます。GKはゴールの一番近くにいるため、1つの判断ミスが失点に結びつきやすいと言われます。

一方で、ほかのポジションにも別の難しさがあります。試合中に一番長い距離を走るのは中盤の選手で、全力で走る回数が一番多いのはサイドの選手だという研究があります。FWは、1試合に3点ほどしか入らない競技で点を取ることが仕事です。

つまり「一番難しいポジション」は、何を難しさと考えるかで変わります。ここからは、その理由を1つずつ見ていきます。

GKが特別に難しいと言われる3つの理由

Sky Sports News(2025年8月公開・英語)。GKがボールを8秒より長く持つと相手のコーナーキックになるなど、2025/26シーズンからのルール変更を解説しています

1チームに1人だけで、代わりがきかない

国際サッカー評議会(IFAB)の競技規則では、1チームは最大11人で、そのうち1人がGKと決まっています。試合に出られるGKは1人だけです。フィールドの選手のように、隣の味方が同じ仕事を分け合うことはできません。

手を使える代わりに、決まりごとが多い

GKが手を使えるのは、自分たちのペナルティーエリアの中だけです。エリアの外では、ほかの選手と同じく手で触れると反則になります。

エリアの中でも、手を使えない場面があります。味方が足で意図してパスしたボールと、味方のスローインを直接受けたボールです。これは1992年に取り入れられた「バックパスルール」で、GKにも足でボールを扱う技術が必要になりました。

時間の決まりもあります。2025/26シーズンからは、GKがボールを手で8秒より長く持つと、相手のコーナーキックになりました。それまでは6秒を超えると相手の間接フリーキックでした。PKでは、ボールが蹴られるまでゴールライン上にいなければなりません。

専門の練習と指導者が必要

日本サッカー協会(JFA)は、子ども向けの資料でGKを「専門性の高いポジション」と説明しています。JFAは1998年のW杯で世界との差を知り、GKの養成が急務だとして技術委員会にGKプロジェクトをつくりました。1999年からは、GKだけを集めたナショナルGKキャンプを開いています。

データで見る:日本代表698人のうちGKは55人だけ

ポジション 人数(698人中) 平均身長 GK 55人(7.9%) 183.4cm DF 189人(27.1%) 178.2cm MF 244人(35.0%) 174.6cm FW 177人(25.4%) 176.6cm 不明 33人(4.7%) ― 平均身長はWikidataに身長の記載がある人で計算
日本代表経験者のポジション別の人数と平均身長(フットボール戦士「サッカー日本代表 選手データベース」2026年9月24日更新分をもとにフットボール戦士が集計・作図)

フットボール戦士の集計では、日本代表経験者698人のうちGKは55人で、全体の7.9%でした。MFの244人、DFの189人、FWの177人と比べると、ずっと少ない人数です。1試合でピッチに立てるGKは1人だけなので、代表に選ばれるGKの人数そのものが少なくなります。

身長にもはっきり差が出ています。身長が分かるGK43人の平均は183.4cmで、DFの178.2cm、FWの176.6cm、MFの174.6cmより高くなりました。GK43人のうち33人が180cm以上です。GKには技術だけでなく体の大きさも求められやすいことが、数字に表れています。

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上はパルマ公式のInstagramで、2026年W杯のチュニジア戦で、日本代表のGK鈴木彩艶が無失点に抑えたことを伝えた投稿です。

※集計方法:サッカー日本代表 選手データベース(Wikidataの記載をもとにしたフットボール戦士のデータ)から日本代表経験者698人を取り出し、Wikidataに最初に書かれたポジションで分けました。1人の選手が複数のポジションを持つ場合は最初の1つだけを数えています。身長はWikidataの記載値で、公式発表と違う選手もいます。

走る量で見ると、きついのは中盤とサイド

走る距離(2007年の研究・300人) 中盤(MF) 最も長い DF・FW 中盤より短い スプリント回数(2010年の研究・717人) 1 サイドMF(ウイング) 2 FW・サイドDF(同じくらい) 3 中央のMF 4 センターバック どちらもフィールドの選手が対象で、GKは含みません
ポジション別の走りの違い(Di Salvoら「Int J Sports Med」2007年、「J Sports Sci」2010年の論文要旨をもとにフットボール戦士が作図)

体力的なきつさでは、中盤とサイドの名前が挙がります。スペインリーグ20試合とチャンピオンズリーグ10試合で300人を測った2007年の研究では、中盤の選手の走る距離がDFやFWより長いという結果でした。ボランチは攻めと守りの両方に関わるため、走る量が多くなりやすいポジションです。

全力で走る回数(スプリント)は、別の形になります。2002〜2006年の欧州の大会で717人を調べた2010年の研究では、サイドのMFが最も多く、FWとサイドのDFが同じくらいで続きました。センターバックが一番少ない結果です。

なお、Jリーグでは時速25km以上で1秒以上走ることをスプリントと数えています(2022年までは時速24km以上)。センターバックは走る回数が少ないぶん、1対1で負けられない重さを背負うポジションです。

点を取る難しさと、評価されにくい難しさ

移籍金の歴代上位50件のポジション FW 24件 MF 20件 DF 5件 GK 1件 GKの最高額はケパの8,000万ユーロ(2018年) バロンドール69回のうち、GKの受賞は1回だけ
移籍金の上位50件とバロンドールの受賞(英語版Wikipediaの一覧〈2026年9月1日更新〉のポジション欄をフットボール戦士が数えて作図)

FWの難しさは、点がなかなか入らない競技で点を取ることです。フットボール戦士がW杯本大会の全ゴールの記録を集計したところ、2026年大会の得点は1試合平均2.96点でした。1990年大会は2.21点です。チャンスが少ないなかで結果を求められるため、点が取れない時期は批判を受けやすいポジションです。

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上はレアル・マドリード公式のInstagramで、2026年7月20日に、W杯で10得点を挙げて2大会連続の得点王になったエムバペを祝った投稿です。

その一方で、点に絡む選手ほど高く評価される傾向もあります。英語版Wikipediaの移籍金の上位50件を数えると、FWが24件、MFが20件で、DFは5件、GKは1件でした。歴代1位は2017年のネイマールの2億2,200万ユーロ(約400億円)です。GKの最高額は2018年のケパの8,000万ユーロ(約144億円)でした。

個人賞でも同じ傾向があります。1956〜2025年のバロンドール69回のうち、GKの受賞は1963年のヤシンだけです。DFの受賞は2006年のカンナバーロが最後で、2024年には守備的MFのロドリが受賞しました。守備の選手は、失点を防いだ場面が数字に残りにくいのが難しさだと言われます。

※日本円は2026年9月25日の為替(1ユーロ=約180円)で換算。移籍金は多くが非公表で、報道にもとづく額です。

初心者や子どもに「楽なポジション」はある?

JFA「8人制サッカーをしよう!」より 1 GKは専門性の高いポジション 2 だから固定せず、多くの子に経験を 3 いろいろなポジションに挑戦しよう
JFAが小学生年代の指導者・保護者向けに出している資料の考え方(JFA「8人制サッカーをしよう!」をもとにフットボール戦士が要約・作図)

公式に「楽なポジション」と決められたものはありません。どのポジションにも、ここまで見てきたような別々の負担があります。JFAは小学生年代について、GKを1人に固定せず、多くの子どもに経験させるよう呼びかけています。

JFAの資料は、GKにもフィールドの選手と同じような技術が求められるようになったとしています。GKとフィールドの両方を経験しておくことが、才能の発掘にもサッカーの理解にも役立つという考え方です。子どものうちは「難しいから避ける」より、いろいろな場所を試すことが勧められています。

大人から始める場合は、自分の特徴に合う場所を選ぶのが近道です。背が高く声を出せる人はGKやセンターバック、長く走れる人は中盤、足の速い人はサイドやFWが候補になります。ポジションごとのけがの傾向も知っておくと安心です。

よくある質問

Q1. サッカーで一番きつい(運動量が多い)ポジションはどこですか?

A. 走る距離なら中盤、全力で走る回数ならサイドのMFです。欧州の試合を測った2007年と2010年の研究で、そうした結果が出ています。センターバックは、スプリントの回数が最も少ないポジションでした。

Q2. GKはどこでも手を使えるのですか?

A. 手を使えるのは自分たちのペナルティーエリアの中だけです。味方が足でパスしたボールや、味方のスローインを直接受けたときは、エリアの中でも手を使えません。2025/26シーズンからは、手で8秒より長く持つと相手のコーナーキックになります。

Q3. 不人気なポジションはどこですか?

A. ポジションの人気を比べた公式の調査は見当たりません。ただ、JFAは子どもの年代でGKを1人に固定せず、多くの子に経験させるよう呼びかけています。GKを経験する子を増やしたいという考えの表れと言えます。

Q4. 初心者が楽にできるポジションはありますか?

A. 楽なポジションはありません。走る量、スプリント、1対1、点を取る重圧と、それぞれに違う難しさがあります。背の高さや足の速さ、スタミナなど、自分の得意に合う場所から始めるのがおすすめです。

Q5. GKに向いているのはどんな人ですか?

A. 体の大きさは有利になりやすいです。フットボール戦士の集計では、日本代表のGK経験者(身長が分かる43人)の平均は183.4cmでした。JFAは、GKにもフィールドの選手と同じような足の技術が必要になったとしています。

まとめ:一番難しいポジションは「何を難しさと考えるか」で変わる

  • 一番難しいポジションとしてよく挙がるのはGK。1チーム1人の専門職で、ミスが失点に直結しやすい
  • GKは手を使える代わりに、エリアの外では手が使えないなどの決まりが多い。2025/26シーズンから8秒ルールも始まった
  • 日本代表経験者698人のうちGKは55人(7.9%)で、平均身長は183.4cmとほかより高い
  • 走る距離なら中盤、スプリントの回数ならサイドのMFが一番多いという研究がある
  • FWは点を取る重圧、DFやGKは活躍が数字に残りにくいという別の難しさを抱えている

どのポジションにも、ほかにはない難しさがあります。試合を見るときは、ボールから少し目を離して、GKの立ち位置やボランチの首の振り方、サイドの選手の上下動にも注目してみてください。それぞれの難しさが見えてくると、サッカーはもっと面白くなります。

※この記事の情報は2026年9月25日時点のものです。出典:IFAB「Laws of the Game」(Law 3・12・14、2025/26・2026/27の改正点)、IFAB「The IFAB tackles time-wasting by goalkeepers」(2025年3月1日)、JFA「8人制サッカーをしよう!」「ゴールキーパープロジェクトとは」「ナショナルGKキャンプ」、Jリーグ公式サイト(スプリントの定義)、Di Salvo V, et al. Int J Sports Med 2007;28:222-7、Di Salvo V, et al. J Sports Sci 2010;28:1489-94、英語版Wikipedia(「Ballon d’Or」「List of most expensive association football transfers」「Back-pass rule」)、Sky Sports News(YouTube)、フットボール戦士「サッカー日本代表 選手データベース」「数字で見るサッカーのルール」。