エムバペのスペイン語はなぜ流暢?15歳から続けた夢への準備

こんな疑問を持つ方へ

  • フランス人のエムバペが、なぜスペイン語を流暢に話せるのか気になる
  • 入団発表やインタビューで話していたスペイン語は、どのくらいのレベルなのか知りたい
  • いつから、どんなきっかけで勉強を始めたのか、具体的なエピソードを知りたい
  • スペイン語以外に何ヶ国語話せるのかも合わせて知りたい

エムバペがスペイン語で堂々とスピーチする姿を見て、「フランス人なのに、なぜ?」と驚いた方は多いはずです。実は彼のスペイン語は、思いつきの付け焼き刃ではなく、10代の頃から夢のために積み重ねてきた「準備」の結晶でした。この記事では、その実力ときっかけ、そして歩みをエピソードとともに解説します。

エムバペはスペイン語を話せる?結論は「通訳なしで会見できるレベル」

まず結論からお伝えすると、キリアン・エムバペはスペイン語を通訳なしで話せます。単語を並べる程度ではなく、記者会見での質疑応答や数万人の観衆を前にしたスピーチを、すべてスペイン語でこなせるレベルです。ここでは、その実力が世界に知れ渡った代表的な場面を紹介します。

8万人のベルナベウで披露した、通訳なしのスピーチ

エムバペのスペイン語が世界的な話題になったのは、2024年7月16日、レアル・マドリードの入団セレモニーです。本拠地サンティアゴ・ベルナベウに集まった8万人を超えるファンの前で、彼は通訳を介さず、スペイン語でスピーチを行いました。「夢が叶った」と語りかけ、クラブの合言葉である「アラ・マドリー(Hala Madrid、頑張れマドリーの意)」で締めくくると、スタジアムは大歓声に包まれました。

続く記者会見でも、スペイン語での質問にそのままスペイン語で回答。スペイン語をどこで学んだのかと問われると、「学校では優等生ではなかったけれど、スペイン語には全力を注いだ。レアル・マドリードでプレーする夢があったから」という趣旨の言葉を残しています。新加入の外国人選手が母国語や英語であいさつだけ済ませるケースが多い中、最初から最後までスペイン語で通したこの姿は、スペイン国内でも大きく報じられました。

メッシも認めた「完璧なスペイン語」

エムバペのスペイン語力を裏付ける証言として有名なのが、リオネル・メッシの言葉です。メッシがパリ・サンジェルマン(PSG)に加入した2021年、フランスのサッカー専門誌のインタビューで、メッシはエムバペについて「彼のような選手と仲良くするのは簡単だよ。彼は完璧なスペイン語を話せるので、ピッチの外でもたくさん話をした」と語りました。

メッシはアルゼンチン出身のスペイン語ネイティブです。そのメッシが「完璧」と表現したのですから、あいさつ程度の語学力でないことは明らかでしょう。当時のPSGにはスペイン語を話す選手が多く在籍しており、エムバペにとってロッカールームが生きた実践の場になっていたことがうかがえます。

SNSでの反応

入団セレモニーや会見の映像が拡散された際には、SNS上でも「フランス人なのにスペイン語が流暢すぎる」「どうやって学んだのか」と驚きや称賛の声が多く見られました。サッカーの実力だけでなく、語学力そのものが世界中のファンの関心を集めた、珍しい事例だと言えます。

なぜ話せる?エムバペがスペイン語を学んだきっかけと歩み

それでは、フランスのパリ近郊で生まれ育ったエムバペが、なぜここまでスペイン語を習得できたのでしょうか。鍵になるのは「動機」と「継続」です。

きっかけはレアル・マドリードへの憧れ

エムバペは少年時代からレアル・マドリードの大ファンで、当時同クラブに所属していたクリスティアーノ・ロナウドに憧れて育ちました。子ども部屋にポスターを貼り、「いつかレアル・マドリードでプレーする」という夢を公言していたことはよく知られています。

スペイン語学習の出発点は、まさにこの夢でした。憧れのクラブはスペインにある。ならば、その国の言葉を話せるようになっておこう。多くの子どもが夢を「見る」だけで終わるところを、エムバペは夢のために「準備」を始めたのです。前述の入団会見での発言、「スペイン語には全力を注いだ。レアル・マドリードでプレーする夢があったから」は、この背景を本人の口から語ったものです。

15歳、モナコ時代に本格的な学習をスタート

エムバペがスペイン語の授業を本格的に受け始めたのは15歳の頃、ASモナコの下部組織に在籍していた時期とされています。プロデビュー前の、まだ何者でもない少年の段階で外国語学習に時間を投資していたわけです。

ここで押さえておきたいのは、フランス語とスペイン語がともにラテン語由来の「ロマンス語」で、文法や語彙に共通点が多いという事実です。フランス語話者にとってスペイン語は比較的学びやすい言語ではあります。とはいえ、聞き取りや発音の壁は当然あり、記者会見レベルまで到達するには継続的な学習が欠かせません。「学びやすい条件」と「学び続けた本人の努力」の両方が揃った結果と言えるでしょう。

PSG時代に実践で磨かれた6年間

2017年にPSGへ移籍すると、エムバペのスペイン語は教室の外で鍛えられていきます。PSGには南米やスペイン出身の選手が常に多く在籍しており、メッシやネイマールともスペイン語でコミュニケーションを取っていたことが知られています(ブラジル出身のネイマールの母語はポルトガル語ですが、スペインでのプレー経験からスペイン語も話します)。

教科書で学んだ言葉を、世界最高レベルの選手たちとの日常会話で毎日使う。この環境が約6年続いたのですから、上達しないほうが不思議です。語学学習の理想とされる「学習と実践の往復」を、エムバペはキャリアの中で自然に実現していました。

エムバペとスペイン語の歩み(年表)

時期 出来事
少年時代 レアル・マドリードとクリスティアーノ・ロナウドに憧れ、同クラブでのプレーを夢見る
15歳の頃(モナコ在籍時) スペイン語の授業を本格的に受け始める
2017年〜 PSGでスペイン語圏の選手たちと日常的に会話し、実践力を磨く
2021年 加入したメッシが「完璧なスペイン語を話せる」と証言
2024年7月16日 レアル・マドリード入団セレモニーで、8万人超の観衆を前に通訳なしのスペイン語スピーチを披露
2024-25シーズン以降 スペインでの試合後インタビューや会見をスペイン語でこなす日常に

エムバペは何ヶ国語話せる?語学力の全体像

スペイン語ばかりが注目されがちですが、エムバペの語学力はそれだけにとどまりません。

フランス語・英語・スペイン語の3言語

エムバペは母語のフランス語に加えて、英語とスペイン語を流暢に話します。英語はフランス国外でのプレー経験がないうちから、海外メディアのインタビューに通訳なしで応じられるレベルに達しており、国際的な場での受け答えも安定しています。それぞれの言語の位置づけを整理すると、次のようになります。

言語 レベル 主な使用場面
フランス語 母語 フランス代表、家族や母国メディアとのやり取り
英語 流暢 国際メディアのインタビュー、CL(チャンピオンズリーグ)など国際舞台
スペイン語 流暢(通訳なしで会見可能) レアル・マドリードでの会見・スピーチ、チームメイトとの日常会話

語学力はピッチ上の武器にもなる

サッカー選手にとって語学は、単なる教養ではなく実利のあるスキルです。監督の戦術指示を正確に理解できる、チームメイトと信頼関係を築きやすい、移籍先の生活にすぐ順応できる、メディアやファンに自分の言葉で語りかけられる。こうした積み重ねが、ピッチ上のパフォーマンスと選手としての評価に直結します。

実際、レアル・マドリード移籍が決まった時点で言葉の壁が存在しなかったことは、エムバペの適応を大きく助けたと考えられます。新天地1年目の2024-25シーズンから、彼はエースとしての結果を残しました(詳細は後述します)。

エムバペのスペイン語から学べる、語学学習のヒント

エムバペの事例は、語学を学ぶ私たちにも示唆を与えてくれます。特別な才能の話として消費するのはもったいないので、再現可能なポイントを2つ挙げます。

「夢」と「言語」をセットにする

エムバペのスペイン語学習は、「レアル・マドリードでプレーする」という具体的な夢と直結していました。語学学習が続かない最大の原因は動機の曖昧さだとよく言われます。「いつか役に立ちそうだから」ではなく、「この言語ができたら、あの夢に近づく」という因果関係を自分の中に作れると、学習は一気に「夢の一部」になります。エムバペにとってスペイン語の勉強は、シュート練習と同じ「夢への準備」だったわけです。

使う場面を先に確保する

もう1つの鍵は、PSG時代の6年間にわたる実践です。メッシやネイマールと毎日スペイン語で雑談できる環境は特別ですが、「学んだ言葉を実際に使う場を持つ」こと自体は、オンライン会話サービスや言語交換アプリで誰でも再現できます。インプットとアウトプットの往復こそが、教科書のスペイン語を「会見で使えるスペイン語」に変えたのです。

ポイント:エムバペの語学力は「明確な動機(夢)」と「日常的な実践の場」の掛け算で生まれたもの。どちらも、規模は違えど一般の学習者が取り入れられる要素です。

スペイン語が支えたレアル・マドリードでの活躍

最後に、スペイン語という土台の上でエムバペがスペインで残した成績を見ておきましょう。言葉の壁がない状態でのスタートが、いかにスムーズな適応につながったかがわかります。

2024-25シーズン:1年目でリーガ得点王

レアル・マドリード1年目の2024-25シーズン、エムバペはラ・リーガで31ゴールを記録し、得点王(ピチーチ賞)を獲得。さらに欧州リーグ全体の得点ランキング1位に贈られるゴールデンシュー(欧州ゴールデンブーツ)もキャリアで初めて受賞しました。レアル・マドリードの選手としてこの賞を手にしたのは、ウーゴ・サンチェス、クリスティアーノ・ロナウドに続く3人目です。憧れたロナウドと同じ記録に名を連ねたことになります。

2025-26シーズン:2年連続の得点王

続く2025-26シーズンもエムバペの得点力は衰えず、ラ・リーガで2シーズン連続の得点王に輝きました。新しい国、新しいクラブで初年度から連続でリーグ最多得点を記録できた背景には、本人の実力はもちろん、言葉の面で一切のハンデなくチームに溶け込めた環境があったと言えるでしょう。10代の頃に始めたスペイン語学習が、10年越しに競技面の成果としても実を結んだ形です。

よくある質問

Q1. エムバペはいつからスペイン語を勉強しているのですか?
A. 本格的にスペイン語の授業を受け始めたのは15歳の頃、ASモナコの下部組織に在籍していた時期とされています。本人も学生時代から学んでいたことを入団会見で明かしており、レアル・マドリードでプレーする夢が学習の動機だったと語っています。
Q2. エムバペのスペイン語はネイティブレベルなのですか?
A. スペイン語ネイティブのメッシが「完璧なスペイン語を話せる」と評したほか、記者会見や数万人を前にしたスピーチを通訳なしでこなしています。厳密な意味でのネイティブとは異なりますが、公の場で問題なく使いこなせる高いレベルにあることは確かです。
Q3. エムバペはスペイン語以外に何ヶ国語話せますか?
A. 母語のフランス語、流暢な英語、スペイン語の3言語を話します。英語は国際メディアのインタビューに通訳なしで対応できるレベルです。
Q4. レアル・マドリードの入団発表は本当に通訳なしだったのですか?
A. はい。2024年7月16日にサンティアゴ・ベルナベウで行われた入団セレモニーでは、8万人を超える観衆を前にスペイン語でスピーチを行い、その後の記者会見でもスペイン語で質疑に応じました。
Q5. フランス人にとってスペイン語は覚えやすい言語なのですか?
A. フランス語とスペイン語はどちらもラテン語をルーツとするロマンス語で、文法や語彙に共通点が多いため、フランス語話者にとって比較的学びやすい言語とされています。ただし発音や聞き取りの違いは大きく、会見をこなせるレベルに到達するには、エムバペのような長期間の学習と実践が必要です。

まとめ

エムバペのスペイン語について、要点を整理します。エムバペは通訳なしで記者会見やスピーチができるレベルのスペイン語を話し、その実力はネイティブのメッシが「完璧」と証言するほどです。学習を始めたのは15歳の頃のモナコ時代で、動機は少年時代からのレアル・マドリードへの憧れでした。PSGでの6年間にスペイン語圏の選手たちとの会話で実践を積み、2024年の入団セレモニーでは8万人の前で夢の実現をスペイン語で語りました。そして移籍後は2季連続でラ・リーガ得点王に輝いています。

流暢なスペイン語は、才能の産物である以上に「夢のために10年前から準備を続けた」結果です。エムバペのプレーをこれから見るとき、そのスペイン語の裏にある少年時代からの物語も、ぜひ思い出してみてください。