サッカーの休憩時間は何分?延長戦やPK戦にハーフタイムはある?

サッカーの試合では、前半と後半の間に設けられる「休憩時間」(ハーフタイム)が重要な役割を果たします。試合時間や休憩時間のルールは年代や大会によって異なり、選手や観戦者にとって休憩の過ごし方もポイントになります。

本記事では小学生からプロまで各年代の休憩ルール、延長戦・PK戦時の休憩、休憩時間の歴史的背景、そして選手・観客それぞれのハーフタイムの過ごし方や効果的な休憩方法について詳しく解説します。

各年代のサッカー試合時間と休憩時間のルール

年代・カテゴリ 試合時間(前後半) ハーフタイム 延長戦の時間 延長戦前のインターバル 延長戦ハーフタイム PK戦前の準備時間
小学生(U-12) 15~20分×2
計30~40分
※低学年は短め傾向
10分 5分ハーフ(計10分) 5分 ほぼなし(陣地交代の給水のみ) ごく短時間
(1〜2分程度)
中学生(U-15) 30分×2(計60分) 10分 5〜10分ハーフ(計10〜20分) 5分 ほぼなし(陣地交代の給水のみ) ごく短時間
(1〜2分程度)
高校生(U-18) 40分×2(計80分)
※大会によって45分の場合も
10分 10分ハーフ(計20分) 5分 ほぼなし(陣地交代の給水のみ) ごく短時間
(1〜2分程度)
プロ(大人) 45分×2(計90分) 15分 15分ハーフ(計30分) 5分 ほぼなし(陣地交代の給水のみ) ごく短時間
(1〜2分程度)

各年代のルールはあくまでも一般的な目安であり、大会・リーグ・連盟ごとに細かな違いが存在します。特に小学生・中学生は学年や試合形式(8人制・11人制など)によって試合時間やハーフタイムが異なることもあるので、実際に試合に出場する場合は所属する大会の規定や公式ルールを必ず確認してください。

小学生(少年サッカー・U-12)

前半・後半それぞれ 20分(低学年では15分の場合もあり)、合計40分の試合時間です。ハーフタイム(インターバル)は10分と定められています​。

※8人制の少年サッカーでは3ピリオド制(12分×3)を採用する場合もあり、その場合も各ピリオド間に休憩が入ります​。

中学生(U-15)

前半・後半各30分、合計60分の試合時間が基本です。ハーフタイム(インターバル)は10分 です​。大会規模によっては中学生でも40分ハーフ(計80分)で行われるケースもあります​。

高校生(U-18)

前半・後半各40分、合計80分が基本となります。ハーフタイムは原則10分に設定されています​。

ただし、高校サッカーの大会では季節や大会段階によって例外もあり、夏の大会では35分ハーフ、冬の全国大会では準決勝から45分ハーフ(プロと同じ)といった変則も見られます。

プロ(一般的な大人の公式戦)

前半45分・後半45分の合計90分で行われます。ハーフタイムは15分と定められており​、この間に選手は体を休めたり後半への作戦会議を行います。国際サッカー評議会(IFAB)の定める公式ルールでも、ハーフタイムは最大15分以内と規定されています。

PK戦や延長戦突入時の休憩時間ルール

公式戦のトーナメントなど勝敗を決する必要がある試合では、90分(または規定の試合時間)で決着がつかない場合に延長戦やPK戦が行われます。その際の休憩ルールは以下の通りです。

  • 延長戦前のインターバル: 延長戦に入る前、通常は約5分間のインターバル(休憩)が与えられます​。この休憩はハーフタイムほど長くはなく、選手は基本的にピッチ上に留まって水分補給や作戦確認を行います(大会規定により異なりますが、UEFAの大会では5分と明記されています​)。
  • 延長戦のハーフタイム: 延長戦はプロの場合15分ハーフ(計30分)で行われますが、その間に通常のハーフタイムはありません​。延長前半と後半の間はエンド(コート陣地)を入れ替えるための短い給水時間が設けられる程度で、選手はすぐに後半に臨みます。例えばワールドカップなどでも、延長前半終了時には1分程度の飲水タイムの後にすぐ後半キックオフとなります。
  • PK戦前の休憩: 延長戦でも決着がつかない場合はPK戦に突入しますが、延長戦終了からPK戦開始まではごく短い準備時間しかありません。主審がコイントスでPK戦の先攻・後攻やキッカー側のゴールを決める間に、選手たちはピッチ上で集まり、水を飲んだり気持ちを整えたりします。正式な休憩時間というよりは、間を置かずにPK戦が開始されるイメージです。

延長戦の長さ自体も年代によって調整されます。高校生の場合は延長戦が10分ハーフ(計20分)、中学生・小学生では5分ハーフ(計10分)と短く設定されることが多く​、選手の体力に配慮されています。

延長戦やPK戦に臨む際、選手の体力は極限に近づいているため、この僅かな休憩でいかにリフレッシュし戦術を再確認できるかが重要です。

実際、延長戦前のインターバルではコーチが急いで選手に指示を送り、選手同士で士気を高め合う光景がよく見られます。また、PK戦前にはキッカーの順番やGKへの助言など戦術・メンタル両面の準備が短時間で行われます。

サッカーが前後半に分けられハーフタイムができた理由

サッカーの試合が前後半制+ハーフタイムという形式になっているのには、歴史的・競技的な理由があります。

まず、試合時間の設定(45分ハーフ・計90分)自体は、19世紀のイングランドで現在のルールの原型が形作られる中で定着したとされています。選手の体力的に無理がなく、試合として適度な長さが模索された結果、だいたい90分前後が妥当だと考えられました。

また、試合を前後半に分けるのは、一方向の攻撃だけでなくハーフタイムに陣地を交代することで風向きやピッチの傾斜など環境要因の公平を図る目的もあります。この陣地交代のための時間がハーフタイムとなり、同時に選手の休憩時間として機能するようになりました。

ハーフタイムが15分という長さになったのは近代のことで、かつては10分程度が一般的でした。​

実際、1990年代以前は公式戦でもハーフタイムは10分間という例が多く、選手は前半の疲労回復と作戦確認を短時間で行って後半に戻っていました。しかし1990年代に入ってから15分に延長され、現在ではIFABのルールで最大15分と規定されています。この変更には、「テレビ中継でコマーシャルを入れる時間を確保するため」といったメディアの影響があったとも言われます​。

いずれにせよ15分という時間は、選手にとっては体力回復と戦術立て直しに必要な最低限かつ十分な時間であり、観客にとっても退屈せずトイレや売店に行く余裕が持てる程よい長さと言えるでしょう。

歴史的に見ると、ハーフタイムには選手がオレンジを齧って栄養補給をする習慣があったことや、試合展開を振り返って陣形を修正するなど、後半の戦い方を左右する重要な時間として扱われてきました​。

現代でも、例えばワールドカップ決勝やチャンピオンズリーグ決勝などで、ハーフタイムの指示が勝敗を分けた有名な例が数多くあります​。

このように休憩時間は単なるインターバルではなく、試合の流れを変える戦略的な時間として位置付けられているのです。

また、休憩時間が適切に設けられているおかげで、サッカーは試合全体のおおよその所要時間が予測しやすいスポーツでもあります。前後半90分と15分のハーフタイム、そしてアディショナルタイムを含めると、通常約2時間程度で試合が完了します​。

野球のように試合時間が伸びる心配がないため、観戦者はスケジュールを立てやすいという利点もあります​。

サッカー選手のハーフタイムの過ごし方

選手にとってハーフタイムの15分間は、短いながらも後半のパフォーマンスを左右する極めて重要な時間です​。プロの選手たちがハーフタイムに具体的にどのようなことをしているのか、4つのポイントを挙げます。

水分補給とエネルギー補給

前半で大量の汗をかくため、選手は更衣室に戻るとまず水やスポーツドリンクで水分と電解質を補給します。塩分が入った飲料は疲労回復に効果的で、加えてエネルギー源となる糖質(ブドウ糖)も摂取します​。

実際、多くのチームでバナナやエナジージェルなどの軽食が用意されており、選手はすばやくカロリーを補充しています。

適切な水分・糖分補給により血糖値が維持され、後半に向けて集中力を保つ助けとなります。研究によれば、ハーフタイムを含め試合中に適量の炭水化物を摂取すると、後半におけるスプリントやスキルのパフォーマンス低下を防ぐ効果が認められています。

ストレッチとボディケア

ハーフタイムでは一旦体を休めますが、完全に体を冷やしきってしまわないよう、適度に体を動かしたりストレッチを行います。ロッカールームではトレーナーが選手の足をマッサージしたり、張っている筋肉をほぐすストレッチをサポートします​。筋肉の柔軟性を保つことで後半の動きをスムーズにし、ケガの予防にもつながります​。

また、夏場の試合では冷却シートやアイスバス(氷水浴)で深部体温を下げる選手もいます​。体をクールダウンさせることで暑熱環境下でも後半バテにくくする狙いがあります。

ただし冷やし過ぎは筋肉の温度を下げ過ぎてしまうため短時間で切り上げ、後半開始前には再び軽くジョギングするなどして体を温め直す工夫も重要です。

戦術ミーティング(作戦会議)

ハーフタイムは前半の戦いを分析し後半の戦略を練り直す時間でもあります​。監督やコーチ陣は前半の相手チームの戦術や自チームの課題を素早く分析し、選手たちに修正点を伝えます​。必要に応じてフォーメーションの変更やマークの受け渡しの指示など具体的な戦術再構築が行われます​。

近年ではタブレット端末で前半の映像を選手に見せながら指示を送るケースもあり​、視覚的に問題点を確認することで選手も後半に向けた意識を高めています。

場合によっては控え選手の交代準備もこの時点で指示され、ウォーミングアップに出る選手もいます。ハーフタイムでの適切な戦術修正は、試合の流れを一変させる力を持っています。

メンタルリセット

前半の内容が良くても悪くても、一度気持ちをリセットして後半に臨むことが大切です。

選手は更衣室で水を飲んだり座って休む中で呼吸を整え、集中力を回復させます。チームによってはリラックス効果のあるアロマオイルを炊いていたり、簡単な冗談で選手をリラックスさせる工夫をする指導者もいます​。

精神的に落ち着きを取り戻すことで、後半に冷静な判断とプレーがしやすくなります。

休憩時間中のエネルギー補給と効果的な体力回復法

ハーフタイムや延長戦前のインターバルなど、休憩時間中の栄養補給は選手の体力を回復させ、後半のパフォーマンスを維持する上で極めて重要です。短い時間で何を摂取すれば効果的なのか、科学的な視点も交えて解説します。

水分・電解質の補給

まず最優先は水分補給です。人は喉が渇く感覚の有無に関わらず汗をかいて水分と塩分を失っています。

スポーツドリンクのように適度な塩分(ナトリウム)を含んだ飲料は、純水よりも体内への吸収が速く、また汗で失われた電解質を補えるため理想的です​。塩分が入ることで喉の渇きも癒えやすく、筋肉の痙攣(けいれん)予防にも役立ちます。

短い休憩時間でも少しずつこまめに飲むことがポイントです(胃に一気に流し込むと動きづらくなるため)。プロ選手はハーフタイムに500ml前後のドリンクを摂取することも多いですが、自分の体調に合わせて量を調整しましょう。

糖質(カーボハイドレート)の補給

ハーフタイムのように15分程度の休憩でも、糖質の補給は有効です。

前半の運動で筋肉内のグリコーゲン(エネルギー源)はかなり消費されています。そこで吸収の早い糖質を補ってあげると、血糖値が安定し後半にエネルギー切れを起こしにくくなります。

具体的には、バナナ1本やスポーツ用ゼリー飲料1つ、エネルギーバー少量などが適しています​。これらは消化に負担をかけず素早くエネルギーになります。

研究ではハーフタイム中に約30~60gの炭水化物(糖質)を摂取すると後半の高強度走行距離を維持できるとされています​。

実際、多くのトップチームでハーフタイムに選手へスポーツドリンクやエナジージェルを配布するのが一般的です。ただし、脂っこいものや食物繊維の多い食品は消化に時間がかかるため避けましょう(例えば菓子パンやスナック菓子は不向き)。

短時間で効果を出すには糖質+カフェインも有効と言われます。カフェイン入りのエナジージェルやタブレットを摂取すると脳が活性化し、後半の集中力維持に役立つ可能性があります。ただしカフェインは利尿作用もあるため、水分とセットで摂ることが大事です。

身体のクールダウンとリカバリー

休憩時間中に体力を回復させる方法として、体を冷却することと軽い運動で再始動することのバランスも重要です。

特に炎天下の試合では、ハーフタイムに首筋に氷のうを当てたり冷たいドリンクで身体内部から冷やすことで、体温上昇を抑え後半のバテを軽減できます​。

近年の研究でも、ハーフタイムにクーリングベスト(冷却ベスト)を着用したところ高温下での後半の走行パフォーマンスが向上したという報告があります。

逆に寒い時期は上着を羽織るなどして体を冷やし過ぎない工夫が必要です。一方、休憩後に再び全力で動けるよう、後半開始前には簡単な再ウォームアップも欠かせません。ハーフタイム終了直前に室内で軽いストレッチやその場ジョギングを行うことで、休んでいた筋肉に再度刺激を入れ、心拍数を試合モードに戻します​。

この「休む⇔動く」のメリハリをつけた体力回復法により、後半の立ち上がりから全開でプレーできるようになるのです。

メンタルのリフレッシュ

栄養面・身体面と並んで、休憩時間中に心のケアも忘れられません。前半ミスをして落ち込んでいる選手にはコーチが励ましの声をかけたり、逆に興奮しすぎている場合は深呼吸させて落ち着かせたりします。

プロの世界ではメンタルトレーナーがハーフタイムに選手へ声掛けを行うこともあります。

自分自身でもポジティブなイメージトレーニングをしたり、「まだいける、大丈夫」とセルフトークで気持ちを整えると良いでしょう。精神的なリセットは肉体の回復と同じくらい大切です。

サッカーの練習中における休憩時間について

最後に、練習中の「短い休憩」の活用についてです。子どもから大人まで長時間ぶっ続けでトレーニングするより、合間に小休止を挟んだ方が効果的だとされています​。その理由を改めて整理しましょう。

人間の集中力や全力を出せる持続時間には限りがあります。

例えば全力疾走や高強度の反復練習は、せいぜい数分もすれば疲労で質が落ちてきます。そこで短い休憩を挟むことで心拍数と呼吸を整え、筋肉中に酸素を再供給してあげると、次のセットでもまた高い強度で取り組めるようになります。これがインターバルトレーニングの考え方です。

休憩を入れずだらだら練習を続けると、疲れてフォームが崩れたまま反復することになり非効率です。それよりは「しっかり動く⇔少し休む」を繰り返した方が、毎回質の高い動きを再現できて上達も早く、怪我のリスクも減るのです。

特にジュニア年代では、練習中に水を飲んだり小休止するとサボっているように思われるかもしれませんが、それは誤解です。科学的にも子どもは大人より早く疲労する傾向があり、適切な休憩を挟まないと集中力が持たないことが分かっています​。

実際、休憩をはさみながら指導したグループの方が、最後まで意欲的に練習を続けられたという報告もあります。

また休憩中にコーチが内容を整理して説明したり、子ども同士で「今のプレー良かったね!」と声を掛け合うことで、理解とモチベーションが上がる副次的効果もあります​。

社会人のサッカーサークルや部活でも同様です。練習メニュー間に2~3分でも休息と水分補給を挟めば、その後の練習の動きが明らかに良くなるのを感じるでしょう。

「疲れた体に鞭打ってやる根性練習」が時に必要なこともありますが、毎回それではパフォーマンスが落ち怪我も増えてしまいます。短い休憩を上手に取り入れてこそ、練習全体を通して質を高く保てるのです。

まとめ

以上、サッカーの休憩時間に関するルールや活用法を総合的に解説しました。適切な休憩は選手の体力回復と戦術調整に不可欠であり、観客にとっても観戦体験を快適にする大切な時間です。

休憩時間の長さや取り方は長年の歴史を経て合理的に決められており、それをうまく活用することでサッカーはさらに面白く、また安全に楽しむことができます。

これからサッカー観戦に行く方も、試合に臨むプレイヤーの方も、ぜひ休憩時間の意義や過ごし方に注目してみてください。15分という時間に凝縮されたドラマや戦略、そしてリフレッシュの知恵が、サッカーというスポーツを支えているのです。