サッカー日本代表の選手入場曲を紹介!入場曲の歴史と変遷

本記事では、日本代表の入場曲がどのように変遷してきたか、その歴史と背景、そして現在の入場曲の詳しい内容や選曲基準、ファンの反応まで詳しく解説します。

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サッカー日本代表の入場曲の歴史と変遷

年代 入場曲 備考
~1993年頃 統一曲なし(クラシック行進曲などを随時使用) 例:ヴェルディ作曲「アイーダ」より凱旋行進曲など
1994年~2001年 FIFAアンセム(旧バージョン) FIFA公式入場曲が導入され世界共通に
2002年 「Anthem」(ヴァンゲリス作曲) 2002年日韓W杯限定で使用された特別アンセム
2003年~2005年 FIFAアンセム(旧バージョン) 2002年大会後は再び従来の曲を使用
2006年~2017年 FIFAアンセム(新バージョン) 2006年ドイツW杯からアレンジが刷新された新バージョン
2018年~ 「Seven Nation Army」(ザ・ホワイト・ストライプス) 2018年ロシアW杯より世界共通の公式入場曲として採用
(国内大会用)
2020年~
「日本サッカーの歌」(坂本龍一作曲) 2020年以降、国内大会ではFIFAアンセムに代わり使用

1993年以前はクラシック曲が主流

1990年代前半まで、サッカー国際試合には統一された公式入場曲がありませんでした。試合ごとに様々な曲が流れており、日本でもクラシック音楽の行進曲が定番でした。その代表例がヴェルディ作曲のオペラ『アイーダ』より「凱旋行進曲」です​。

この曲はスタジアムで観客の士気を高める応援曲として古くから親しまれ、サッカーの試合でも頻繁に演奏されていました​。

当時の日本代表戦でも、入場時に会場のブラスバンドが「アイーダ」を演奏するなど、クラシックの名曲が雰囲気を盛り上げていたと言われます。

一方、日本サッカー協会(JFA)は将来のワールドカップ招致を見据え、早くも1994年に公式のテーマ曲を制作しています。これは「日本サッカーの歌」と名付けられたインストゥルメンタル曲で、作曲は世界的音楽家の坂本龍一氏に委嘱されました。

当時日本は2002年W杯招致活動中であり、この曲は「日本サッカーを象徴する曲」として作られています​。

ただし「日本サッカーの歌」はあくまで国内大会向けのアンセムであり、当初はCD化もされず関係者の間で使われるに留まりました​。

後に天皇杯や高校サッカーなどJFA主催大会で選手入場曲や表彰式音楽として用いられるようになり、日本国内で広く浸透していきます​。しかし国際試合の入場曲は、また別の曲が主役となっていきました。

1994年以降はFIFAアンセムが登場し世界共通の入場行進曲に

1994年、アメリカで開催されたFIFAワールドカップにおいて、初めて統一された公式の選手入場曲が採用されました。それがドイツ人音楽家フランツ・ランベルト作曲の行進曲、「FIFAアンセム」です​。

アメリカW杯開幕戦(ドイツ対ボリビア)で初お披露目される予定でしたが、手違いでスタジアムでは流れずテレビ中継でのみ流れるというハプニングもあったようです​。とはいえ、その大会以降はFIFA主催の公式戦では原則としてこのFIFAアンセムが入場時に使用されることになり、サッカー日本代表の試合でも入場曲として定着していきました​。

FIFAアンセムは重厚なブラスとストリングスによる荘厳なマーチで、歌詞のないインストゥルメンタルです。そのため各国のファンから「いよいよ試合が始まる」という厳かな雰囲気を醸し出す曲として親しまれました。

実際、FIFAアンセムが流れると選手も観客も胸が高鳴るという声が多く、「選手入場の際に流れるあのFIFAアンセムは、聴く者の胸を踊らせ気持ちを高ぶらせる」とファンに評されるほどでし。

まさにサッカーの国際試合に欠かせない一曲となったのです。

1998年にはフランスW杯でもFIFAアンセムが使用され、日本代表が初めて出場したこの大会で、多くの日本のファンもスタジアムやテレビを通じてこの曲を耳にしました。

以降、日本代表の国際Aマッチ(親善試合や公式大会)では原則としてFIFAアンセムが選手入場曲となり、国内開催の試合でも必ずと言っていいほど流されました​。

なお、国内のJリーグでもサガン鳥栖など一部チームが入場時にFIFAアンセムを使用していた例があります​。

2002年の日韓W杯では特別アンセムが使用される

2002年は日本代表にとって歴史的な年でした。日韓共催でアジア初のFIFAワールドカップが開催され、日本代表もベスト16進出という快挙を成し遂げています。この2002年W杯の入場曲には特別なバージョンが採用されました。

ギリシャ出身の世界的作曲家ヴァンゲリスによる「Anthem – 2002 FIFA World Cup公式アンセム」です​。

ヴァンゲリスは映画『炎のランナー』テーマ曲で有名な音楽家であり、壮大なシンセサウンドのこの曲は大会公式アンセムとして開会式や表彰式などでも使われました。選手入場時にも各試合でこのヴァンゲリス版アンセムが流れ、通常のFIFAアンセムに代わって大会を盛り上げました。

ヴァンゲリスの「Anthem」はそれまでのFIFAアンセムとはまた異なる荘厳さと美しさを持ち、開催国日本のファンにとっても印象深いものとなりました。

特に日本代表が初の決勝トーナメント進出を決めた試合でもこの曲がスタジアムに響き渡り、多くのファンの記憶に刻まれています。

なお、2002年大会終了後は公式入場曲は再び従来のFIFAアンセムに戻され、ヴァンゲリス版は特別な思い出の曲として残ることになりました。

2006年~2010年代はFIFAアンセム新バージョンへ移行

2006年、ドイツで開催されたFIFAワールドカップを機に、FIFAアンセム自体にも新バージョンが登場しました。音響や編曲が刷新され、よりクリアで迫力あるサウンドに生まれ変わったのです​。

実はこの2006年版FIFAアンセムの編曲には日本人アーティストが関わっています。元「Simply Red」のドラマーで音楽プロデューサーの屋敷豪太氏が手掛けており、FIFAアンセムの壮大さはそのままに現代的なアレンジが施されました​。

大会では新バージョンが主に使用されましたが、決勝戦(イタリア対フランス)では旧バージョンが流れる一幕もあり、話題となりました​。

この新アレンジ版FIFAアンセムは、その後の2010年南アフリカW杯や2014年ブラジルW杯でも使用され、世界中のファンにとってお馴染みのサウンドとなっていきます​。

日本代表戦でも同様で、2010年代後半までは入場曲といえば引き続きFIFAアンセム(新バージョン)が定番でした。例えば2011年のAFCアジアカップ(カタール開催)や各種親善試合でも、日本代表入場時にはこの壮麗なマーチがスタジアムに響き渡っています。

FIFAアンセムは約25年にわたり日本代表を含む各国の選手入場シーンを演出する象徴的な楽曲であり続けたのです。

一方、日本国内ではJFA主催大会で使われる「日本サッカーの歌」も徐々に一般に浸透していきます。2002年にようやくCD音源化され、その後2006年には応援団による歌詞付きバージョンも制作されました​。

高校サッカーや全日本ユース大会などでは入場曲としてこの曲が流れ、「FIFAアンセム」に次ぐお馴染みの存在となっていきました。しかし国際舞台では依然としてFIFAアンセムが主役であり、日本サッカーの歌は国内限定のアンセムとして併用されていた形です。

2018年以降はロック曲への大胆な転換

2018年、ロシアで開催されたFIFAワールドカップで入場曲に大きな変化が起こりました。なんと、おなじみだったFIFAアンセムが使用されず、代わりにアメリカのガレージロックバンド「ザ・ホワイト・ストライプス」の代表曲『Seven Nation Army』が全試合で流れたのです

選手入場時に突如流れ出す聞き慣れたロックのリフに、多くの観客が驚きましたが、同時にスタンドからは「オーオーオーオオオ…」という大合唱が巻き起こりました​。

そう、この曲は世界中のサッカーファンが口ずさむ「ファン参加型」のスタジアムアンセムとして既に定着していたのです。

『Seven Nation Army』はもともと2003年にリリースされたロック曲ですが、2006年ドイツW杯で優勝したイタリア代表のサポーターと選手たちがこの曲を合唱したことで一躍有名になりました​。

以降、欧州を中心にサッカーファンの間で爆発的に広がり、2008年のEURO(欧州選手権)では早くも選手入場曲に採用されています​。

さらにEURO2012や2016でも使われ、サッカーには欠かせない一曲との評価が定着していきました​。

そして満を持して2018年W杯からFIFA公式の入場曲としても起用され、長年のFIFAアンセムに代わって世界共通の入場曲となったのです​。

『Seven Nation Army』への切り替えは、日本のファンにも大きなインパクトを与えました。実際、2018年大会中には「入場曲が変わっているのに気付いた?」という話題がSNS上でも盛り上がり、「聴き馴染んだFIFAアンセムが流れないのは寂しいが、新しい曲の方がテンションが上がる!」といった声も聞かれました。

まさに荘厳さから熱狂へ、入場曲のスタイルが大きくシフトした瞬間でした。

2018年以降、日本代表戦(国際Aマッチ)でもこの流れを踏襲しています。ワールドカップやW杯予選はもちろん、国際親善試合でも選手入場時には基本的に『Seven Nation Army』が使用されるようになりました。FIFAは2018年大会向けにハンス・ジマー&ローン・バルフ作曲の新テーマ「Living Football」も制作しましたが​、実際の選手入場シーンでは世界中でファンに親しまれる『Seven Nation Army』のリフが優先的に使われる傾向が続いています。

FIFAアンセムというクラシック調マーチから、ロックの大合唱曲へ――入場曲は時代に合わせた進化を遂げたと言えるでしょう。

なお、日本国内に目を向けると、2020年に大きな転機がありました。FIFAが旧FIFAアンセムの使用停止を通達し、新テーマ「Living Football」への移行を図ったことを受け​、JFAも2020年10月以降は国内大会でFIFAアンセムを使用しない方針を決定します​。

代替として各種大会では先述の「日本サッカーの歌」を推奨する通達が出されました​。

つまり、今後日本国内の試合(例えば天皇杯決勝など)ではFIFAアンセムに代わり日本サッカーの歌が入場曲として使われるようになっています。長年親しまれたFIFAアンセムが聴けなくなるのは寂しいという声もありましたが、坂本龍一氏作曲のアンセムが改めて脚光を浴びる機会ともなりました。

入場曲の選曲基準とは?

そもそもサッカー日本代表の入場曲(=国際試合の入場曲)はどのような基準や経緯で選ばれているのでしょうか?日本代表固有の事情と、世界共通のルール・方針の両面から見てみます。

国際大会の場合はFIFAの方針と演出意図によって決まる

まず大前提として、サッカー日本代表が参加する国際Aマッチの入場曲は日本が独自に選んでいるわけではありません。FIFA(国際サッカー連盟)や大会主催者が定めた曲が使われます。

つまり選曲基準もFIFAの方針によるものです。具体的には以下のようなポイントが重視されています。

  • 大会や組織のアイデンティティを象徴すること:FIFAアンセムはFIFA自体の公式賛歌でしたし、2018年の「Living Football」もFIFAのスローガンに合わせて作られました​。入場曲を流すことで「これからFIFAの公式試合が始まる」という統一感を出す狙いがあります。例えばオリンピックではオリンピック賛歌が流れるのと同じ発想です。
  • 中立性・普遍性:各国の国歌演奏前に流す曲ですから、特定の国の要素や歌詞が入らないインストゥルメンタルが基本です。FIFAアンセムが歌詞なしの行進曲であったのもそのためです。またジャンル的にも世界中の人が受け入れやすい壮大なクラシック風が選ばれてきました​。『Seven Nation Army』に変わったのは異例ですが、これもすでに世界的に知られた曲だからこそ許容されたと言えます。
  • 曲そのものの知名度・好感度:FIFAが2018年にSeven Nation Army採用を決めたのは、「誰もが知っている盛り上がる曲」だったからです​。逆に言えば無名の曲は採用されません。FIFAアンセムも作曲当初は無名でしたが、1994年の導入後すぐに世界中で繰り返し使われることで定番化しました。つまり一度決めたら継続使用してお馴染みにさせることも基準と言えます。
  • 演出効果と大会テーマへの適合:例えば2002年大会では、開催国日本・韓国のエキゾチックさを演出する狙いもあり、東洋的な音色を持つヴァンゲリスの曲が使われました。また開幕や決勝など節目の試合では特別演出をする場合もあります(2006年決勝で旧版を流したケース等)。基本的にはどの試合も同じ曲ですが、大会のテーマソングや公式アンセムとのバランスも考慮されます。

以上から分かるように、入場曲はFIFA等の主催者側が総合的な演出プランの中で決定するものです。

日本代表だからといって日本的な曲が選ばれるわけではなく、全参加国共通です。

強いて言えば、開催国が独自色を出すため大会ごとに変更される可能性がある程度ですが、近年はW杯単位ではなく長期的に同じ曲を使う傾向があります(FIFAアンセム然り、Seven Nation Army然り)。

日本代表固有のケース(国内大会やJFAの選曲)

国際試合以外で日本代表や日本サッカー界に関わる入場曲の選曲基準についても触れておきましょう。代表的なのは「日本サッカーの歌」です。これは前述のようにJFAが自主的に制作した曲で、日本サッカー界の公式行進曲という位置づけがあります​。

選曲基準(制作意図)は「2002年W杯招致を盛り上げ、日本サッカーの発展を象徴する曲が欲しい」というものでした​。

作曲者に坂本龍一氏という世界的アーティストを起用したのは、「日本から世界に発信できるクオリティ」を求めたからでしょう。実際、重厚なインスト曲でありながら和太鼓風のリズムも感じさせる独特の仕上がりで、日本らしさと国際性を両立しています。

JFAはこの曲を国内主要大会の式典音楽や入場曲として活用してきました​。

選曲基準は一言で言えば「自国開催の大会を自前の音楽で演出する」ことです。例えば天皇杯決勝では国歌演奏前の選手入場時に日本サッカーの歌が流れ、優勝チームの表彰式でも同じ曲が流れます​。

国際大会ではないのでFIFAアンセムに縛られず、日本独自のアンセムでセレモニーを統一しているのです。

Jリーグでは各クラブが独自の入場曲を持つケースがありますが、JFA主催の大会ではこの曲に統一することで権威付けと一体感を出す狙いがあります。

総じて、日本代表の入場曲選定は国際試合ではFIFA等の意向、国内イベントではJFAの演出方針によって決まります。いずれも「観る者・聴く者の心を動かす曲」であることが重んじられており、その時代や場面にふさわしい曲が選ばれてきたわけです。

サッカー日本代表入場曲に対するみんなの意見・口コミ

まとめ

以上、サッカー日本代表の入場曲について歴史から現在まで詳しく見てきました。

1994年のFIFAアンセム導入から始まり、2002年の特別アンセム、2018年のSeven Nation Armyへの転換と、その変遷はサッカー界の変化とリンクしています。

その選定には「ファンを熱狂させ、世界が一体となれる曲を」という明確な基準がありました。

日本代表に限らず、入場曲は各国共通であるものの、それをどう受け止め活用するかは国やファン次第です。ブラジルのサンバ、ドイツやイングランドの大合唱、日本の手拍子応援など、入場曲+アルファの文化が各地で花開いています。

入場曲は試合の結果に直接影響を与えるものではありませんが、選手と観客の心を動かし、サッカー観戦の体験を彩る重要な要素です。

今後も時代とともに入場曲が変わる可能性はあります。例えば将来のワールドカップで新たなアンセムが登場するかもしれませんし、地域大会ごとに特色ある曲が使われるかもしれません。

しかし、どんな曲であれサッカー日本代表の戦いを盛り上げる“音の主役”であることに変わりはありません。スタジアムでその曲が流れた瞬間、私たちファンは胸を高鳴らせ、選手たちはピッチに向かって歩み出すのです。

入場曲はこれからもサッカーの感動を演出し続けることでしょう。