こんな疑問を持つ方へ
- 上田綺世の名前をニュースでよく見るけれど、何がそんなにすごいの?
- 得点王やワールドカップでの記録について、具体的に知りたい
- なぜあんなに点が取れるのか、プレーの秘密を知りたい
上田綺世のすごいところは、一言でいえば「日本のFW史を塗り替え続けていること」です。2025-26シーズンには日本人として初めてオランダ1部リーグの得点王に輝き、FIFAワールドカップ2026では日本人初の1試合2ゴールを記録しました。この記事では、その実績の中身と「なぜ点が取れるのか」という理屈、そして挫折から始まった意外な経歴まで、データを交えてわかりやすく解説します。
上田綺世がすごいと言われる3つの理由【結論】
まず結論からお伝えします。上田綺世が「すごい」と評価される根拠は、大きく次の3つに整理できます。
2. ワールドカップで日本人初の1試合2ゴールを達成した代表での勝負強さ
3. ベルギー、オランダと国を移りながら結果を出し続ける再現性の高さ
理由1:2025-26シーズンに日本人初のエールディヴィジ得点王
上田綺世は、フェイエノールト・ロッテルダム所属の2025-26シーズン、エールディヴィジでリーグ戦25ゴールを記録し、得点ランキング2位の選手に8ゴールもの大差をつけて得点王に輝きました。エールディヴィジで日本人選手が得点王を獲得したのはこれが史上初です。
欧州の主要リーグ全体に視野を広げても、日本人の得点王は2022-23シーズンにスコットランドのセルティックで27ゴールを挙げた古橋亨梧に続く2人目という快挙です。さらに、過去25年のフェイエノールトの歴史の中で、リーグ戦25得点以上を記録した選手は上田を含めてわずか4人しかいません。オランダといえばファン・バステンやファン・ペルシなど世界的ストライカーを生んできた国です。その国のリーグで「点取り屋の頂点」に立ったことの重みは、数字以上に大きいといえます。
理由2:W杯2026で日本人初の1試合2ゴール
FIFAワールドカップ2026のグループステージ第2節チュニジア戦(2026年6月21日)で、上田は前半31分にペナルティエリア外から右足で突き刺す強烈なミドルシュート、後半38分には右サイドからのクロスに頭で合わせるヘディングと、まったく異なる形で2ゴールを記録しました。ワールドカップの1試合で日本人選手が2得点を挙げたのは大会史上初のことで、上田はこの試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチにも選出されています。
この活躍を受けて、イングランドのメディアが「決定力はハーランドやケインに匹敵する」と評したことも報じられました。日本のストライカーが世界最高峰のFWと並べて語られること自体が、かつてはほとんどなかった光景です。
理由3:国とリーグが変わっても点を取り続ける再現性
一発屋のシーズンなら、幸運が重なれば起こり得ます。上田のすごさは、環境が変わっても結果を出し続けている点にあります。ベルギー1部のセルクル・ブルッヘでは2022-23シーズンに22ゴールを挙げて得点ランキング2位となり、ベルギーリーグにおける日本人のシーズン最多得点記録を打ち立てました。その後移籍したオランダでも、前述のとおり得点王に到達しています。リーグのレベルも守備の質も異なる2つの国で「シーズン20得点超」を再現したことは、彼の得点力が本物であることの何よりの証明です。
上田綺世のすごさを支える4つの武器|プレースタイル解説
実績を確認したところで、次は「なぜそんなに点が取れるのか」という理屈の部分を見ていきます。上田のプレーは派手なドリブルで沸かせるタイプではありません。むしろ、注意して見ていないと気づかないところにすごさが詰まっています。
武器1:相手の視界から「消える」オフ・ザ・ボール
上田の最大の武器は、ボールを持っていないときの動き(オフ・ザ・ボール)です。ゴール前で相手ディフェンダーの視野からすっと消え、味方がパスを出せる体勢になった瞬間に、シュートを打てる場所へ現れます。マークを外すために相手から離れる「プルアウェイ」と呼ばれる動きを使いこなし、気づいたときにはフリーでボールを受けている。これが上田のゴールの多くに共通するパターンです。
元日本代表DFの中澤佑二が、鹿島アントラーズ時代の上田の「観察眼」を絶賛したことがあるように、この動きは単なる運動能力ではなく、相手の重心や視線を読み取る認知の力に支えられています。ハイライト映像では「簡単なゴール」に見えるシュートの多くが、実はその数秒前の駆け引きで勝負がついているのです。
武器2:腰の回転で打ち抜く強烈なシュート
上田のシュートは、鋭い腰の回転と踏ん張りから生み出されるのが特徴で、エリア内でボールを収めると高い確率で枠内に強いシュートを飛ばします。法政大学時代には、打ちづらい場所にパスが来てもシュートまで持っていく癖をつける実戦的なトレーニングを重ねていたことが知られており、「どんなボールでも一定水準のシュートに変換できる」技術は、この積み重ねの産物といえます。W杯チュニジア戦の1点目のような、エリア外からのミドルシュートを打ち切れる思い切りの良さも持ち味です。
武器3:頭でも足でも決められる万能性
25ゴールを積み上げた2025-26シーズンの得点パターンを見ると、裏抜けからのシュート、ワンタッチでの流し込み、ヘディング、反転からのシュートと、非常に多彩です。得点パターンが多いということは、相手が対策を立てにくいということでもあります。「この形さえ消せば止められる」という弱点がないストライカーは、シーズンを通して安定して点を取り続けられます。8ゴール差という圧倒的な差で得点王に立てた背景には、この万能性があります。
武器4:点取り屋なのに守備をサボらない
意外に思われるかもしれませんが、上田は前線からの守備でも高く評価されています。フェイエノールトの地元サポーターの間でも、得点という結果を出しながらチームのために体を張り続ける姿勢への賛辞が多く見られました。エースが守備の先頭に立つチームは全体の強度が上がるため、監督からの信頼も厚くなります。「点も取るし、走る」。現代サッカーが求めるFW像を体現している点も、上田のすごさの重要な一部です。
挫折から欧州得点王へ|上田綺世の経歴
上田のキャリアは、順風満帆どころか挫折から始まっています。この背景を知ると、実績の見え方が変わってくるはずです。
ユース昇格を逃した15歳の挫折
1998年8月28日生まれ、茨城県水戸市出身の上田は、中学時代を鹿島アントラーズノルテ(アカデミー)で過ごしました。しかし当時は身長170cm程度と体格が発展途上だったこともあり、憧れていた鹿島ユースへの昇格は叶いませんでした。エリート街道から一度外れた上田は、鹿島学園高校へ進学し、さらに法政大学でプレーを続ける道を選びます。
大学在学中に日本代表へ、9年半ぶりの「大学生A代表」
法政大学では1年目から頭角を現し、2年次には全日本大学サッカー選手権の優勝に貢献。そして2019年5月、大学在学中にコパ・アメリカに臨む日本代表へ初選出されます。大学生がA代表に選ばれたのは約9年半ぶりのことでした。同年7月には、2021年からの加入が内定していた鹿島アントラーズへ前倒しで加入し、プロのキャリアをスタートさせます(大学はその後2020年度に卒業しています)。
鹿島からベルギー、そしてオランダの名門へ
鹿島で得点を重ねた上田は、2022年7月にベルギー1部のセルクル・ブルッヘへ完全移籍。1年目からリーグを代表するストライカーとなり、2023年8月、オランダの名門フェイエノールトへ約900万ユーロの移籍金で完全移籍を果たしました。契約は2028年6月末までの5年契約です。
ただし、フェイエノールト1年目の2023-24シーズンは、当時の絶対的エースだったサンティアゴ・ヒメネスの存在もあって出場機会が限られ、リーグ戦5ゴールにとどまりました。それでもシーズン終盤に訪れたチャンスで3試合連続ゴールを決めて評価を高め、チームのKNVBカップ(オランダのカップ戦)優勝にも貢献。ここから序列を覆し、得点王にまで駆け上がったのです。壁に当たるたびに乗り越えてきたキャリアそのものが、上田綺世という選手の強さを物語っています。
| 時期 | 所属・出来事 |
|---|---|
| 2014年頃 | 鹿島アントラーズのユース昇格が叶わず、鹿島学園高校へ進学 |
| 2017年 | 法政大学に進学、1年目から活躍 |
| 2019年5月 | 大学在学中に日本代表初選出(コパ・アメリカ) |
| 2019年7月 | 鹿島アントラーズへ前倒しで加入 |
| 2022年7月 | セルクル・ブルッヘ(ベルギー1部)へ完全移籍 |
| 2023年8月 | フェイエノールト(オランダ1部)へ完全移籍 |
| 2023-24 | KNVBカップ優勝に貢献 |
| 2025-26 | エールディヴィジ得点王(リーグ戦25ゴール、日本人初) |
| 2026年6月 | W杯チュニジア戦で日本人初の1試合2ゴール |
データで見る上田綺世|古橋亨梧との得点王比較
「日本人2人目の欧州主要リーグ得点王」という文脈で必ず名前が挙がるのが、古橋亨梧です。2人の得点王シーズンを並べてみましょう。
| 項目 | 上田綺世 | 古橋亨梧 |
|---|---|---|
| 得点王のシーズン | 2025-26 | 2022-23 |
| リーグ | エールディヴィジ(オランダ) | スコティッシュ・プレミアシップ |
| 所属クラブ | フェイエノールト | セルティック |
| リーグ得点数 | 25ゴール | 27ゴール |
| 特記事項 | 2位に8ゴール差の独走 | 日本人初の欧州主要リーグ得点王 |
単純な得点数では古橋がわずかに上回りますが、上田の場合は2位に8ゴール差という圧倒的な独走だった点、そして同シーズンのフェイエノールトが2026-27シーズンのチャンピオンズリーグ本戦ストレートインを決めるうえで中心的な役割を果たした点が際立ちます。どちらが上という話ではなく、日本のストライカーが欧州で頂点を取る時代が来たこと自体が、大きな変化だといえるでしょう。
日本代表での上田綺世|批判をはね返してつかんだエースの座
代表初ゴールまで15試合かかった
意外な事実ですが、上田は代表デビューから初ゴールまで15試合を要しています。2019年のコパ・アメリカでは決定機を外す場面が続き、厳しい声を浴びました。初ゴールが生まれたのは2023年6月のエルサルバドル戦。そこからは堰を切ったように得点を重ね、2023年11月のミャンマー戦では代表初のハットトリック、AFCアジアカップ2023(2024年1月開催)ではチーム最多の4ゴールを記録しました。
「決められないFW」という批判を受けた選手が、数年後にワールドカップの歴史に名を刻む。この振れ幅の大きさこそ、上田のキャリアで最もドラマチックな部分かもしれません。
W杯2026、父の背番号「18」を背負って
FIFAワールドカップ2026で、上田は憧れだった父親がつけていた背番号18を背負ってプレーしました。日本はオランダ、スウェーデン、チュニジアと同居したグループFを1勝2分の勝ち点5で2位通過。上田はグループステージの試合に先発を続け、前述のチュニジア戦での歴史的な2ゴールでチームを牽引しました。決勝トーナメント1回戦では強豪ブラジルに1-2で逆転負けを喫し、日本の挑戦はベスト32で幕を閉じましたが、上田自身は大会を通じて「世界基準のストライカー」であることを証明しています。
世間と海外の反応|「引き抜かないでくれ」と言われるエース
上田に対する評価は、日本国内よりもむしろ現地オランダで熱を帯びています。2025-26シーズン中から、フェイエノールトのサポーターの間では「夏の移籍市場で引き抜かれたくない」「クラブのレジェンドになってほしい」といった声が多く見られました。得点だけでなく、守備で体を張る姿勢への賛辞が目立つのも特徴です。
日本のSNSでも、得点王決定時やW杯チュニジア戦の際には「決定力が別格」「メンタルの強さを感じる」といった称賛の声が多く見られました。また、W杯での活躍後の2026年6月には、プレミアリーグやブンデスリーガのクラブが関心を寄せているという移籍の報道も出ており、その去就は欧州レベルの関心事になっています。批判された時期を知るファンほど、この状況を感慨深く受け止めているようです。
よくある質問
オランダ1部エールディヴィジのフェイエノールト・ロッテルダムに所属し、背番号9を背負っています(2025-26シーズン時点)。契約期間は2028年6月末までですが、2026年夏にはプレミアリーグやブンデスリーガのクラブからの関心が報じられています。最新の去就は公式発表をご確認ください。
ワールドカップ2026で上田がつけた背番号18は、サッカー選手だった父親が背負っていた番号です。憧れの存在だった父と同じ番号を背負い、日本人初のW杯1試合2ゴールを達成しました。
2022年2月に、モデルの由布菜月さんとの結婚を自身のSNSで発表しています。
はい、エールディヴィジ(オランダ1部)では日本人初です。欧州の主要リーグ全体では、2022-23シーズンにセルティック(スコットランド)で得点王となった古橋亨梧に続く2人目となります。
茨城県水戸市の出身です。鹿島学園高校から法政大学へ進学し、大学在学中の2019年に日本代表初選出、同年7月に鹿島アントラーズへ加入しました。大学は2020年度に卒業しています。
まとめ|上田綺世のすごさは「歴史を塗り替える力」
上田綺世のすごさを、最後に整理します。実績の面では、日本人初のエールディヴィジ得点王(2025-26シーズン、25ゴール)と、ワールドカップでの日本人初の1試合2ゴールという2つの「史上初」を成し遂げました。技術の面では、相手の視界から消えるオフ・ザ・ボールの動きと多彩なフィニッシュ、そして守備を厭わない献身性が、その得点力を支えています。
そして何より、ユース昇格の失敗や代表での15試合無得点といった挫折を、そのたびに乗り越えてきた歩みこそが、上田綺世という選手の本質です。日本のストライカーの歴史は、いま彼によって書き換えられている最中です。次にゴール前で上田がふっと消える瞬間を、ぜひ注意して見てみてください。数秒後、ネットが揺れているはずです。
フットボール戦士 
