- CLアンセムの曲名は?だれが、いつ作った曲?
- 何語で歌っている?どんな意味の言葉なの?
- 歌詞の全文やカタカナの読み方は、どこで確かめればいい?
CLアンセムは、1992年にイギリスの作曲家トニー・ブリテンが、ヘンデルの「司祭ザドク」をもとに作ったUEFAチャンピオンズリーグの公式テーマ曲です。英語・フランス語・ドイツ語の3つの言語で、出場チームをたたえる言葉が歌われています。
歌詞は著作物なので、この記事では全文や和訳、カタカナの読み方は載せません。その代わりに、言葉の意味の概要、曲の成り立ち、試合で流れるときのルール、公式に聴ける場所を2026年9月時点の情報でまとめます。
CLアンセムとは?特別な曲名はない大会の公式テーマ曲
この投稿をInstagramで見る
上はUEFAチャンピオンズリーグ公式のInstagramで、2019年11月20日に、ハーランドがCLアンセムについて「目覚ましの音にしていて、毎日それで起きている」と話したことを伝えた投稿です。
CLアンセムは、チャンピオンズリーグの全試合で、キックオフ前の整列のときに流れる曲です。テレビ中継の始まりと終わりにも使われます。UEFAは公式サイトで、特別な曲名はなく「UEFAチャンピオンズリーグ・アンセム」と呼べばよいと説明しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 呼び名 | UEFAチャンピオンズリーグ・アンセム |
| 作った人 | トニー・ブリテン(イギリスの作曲家) |
| できた年 | 1992年(チャンピオンズリーグが始まった年) |
| もとにした曲 | ヘンデル「司祭ザドク」(1727年) |
| 言語 | 英語・フランス語・ドイツ語 |
| 長さ | 全曲で約3分 |
| 最初の録音 | ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ合唱団 |
| 2024年の再録音 | ブリテンが編曲を手直しし、合唱団テネブレと録音 |
スタジアムやテレビで耳にするのは、たいてい全曲のうちサビの部分です。全曲は約3分あり、短い2つのヴァースとサビでできています。
歌詞の全文・和訳を載せない理由と、公式で聴ける場所
UEFA Music(ソニー・ミュージック配信)の公式音源「UEFA Champions League Anthem – 24/25 (Full Version)」(2024年9月12日公開)。2024-25シーズン向けの版を全曲(2分53秒)で聴けます
歌詞の全文を載せないのは、1992年にブリテンが書いた比較的新しい作品で、今も著作権で守られているからです。原文を書き写すことはもちろん、日本語に訳したものやカタカナで読み方を起こしたものを載せることも、歌詞を複製することにあたります。そのため、この記事では言葉の意味を自分たちの言葉で説明するだけにしています。
原文を確かめたいときは、UEFA公式サイトの記事「UEFA Champions League anthem: lyrics, background, facts」(2020年7月30日)を見るのが確実です。権利を持つ側が公開しているページなので、安心して読めます。
曲を聴くなら、上のUEFA Musicの公式音源か、UEFA公式YouTubeチャンネルの動画がおすすめです。UEFAは2020年の記事では「購入や合法的なダウンロードはできない」と説明していました。その後、2022年に「Legacy Anthem」、2024年に「24/25」と題した音源が、UEFA Musicの名義でYouTubeに公開されています。
英語・フランス語・ドイツ語の3言語で歌う理由と言葉の意味
3つの言語で歌うのは、英語・フランス語・ドイツ語がUEFAの公用語だからです。特定の国の言葉にかたよらず、ヨーロッパ全体の大会であることを表しています。
ブリテンは2020年のBBCの取材で、作曲を頼まれたとき、歌詞はまだ決まっていなかったと話しています。UEFAの注文は「公用語の3言語で」ということだけでした。そこでブリテンは、最上級のほめ言葉をいくつも集め、それを3つの言語に訳して組み合わせたそうです。
つまり、物語や情景を歌った歌詞ではありません。ヨーロッパ最高のクラブが集まる大舞台をたたえ、そこに立つチームを「王者」と呼ぶ言葉が、言語を入れ替えながら何度も繰り返されます。意味が分からなくても、響きだけで特別な試合だと伝わるのはこのためです。
1992年、ヘンデルの戴冠式の曲をもとに生まれた
もとになった「司祭ザドク」は、ドイツ生まれでイギリスで活躍したヘンデルが、1727年のイギリス国王ジョージ2世の戴冠式のために作った曲です。それ以来、イギリス国王の戴冠式では毎回歌われてきました。王の即位を祝う曲の荘厳さが、CLアンセムの雰囲気のもとになっています。
1991年、UEFAは商業パートナーの会社TEAMに、ヨーロピアン・カップの新しい見せ方を考えるよう頼みました。こうして生まれたのが、星形のボールのロゴ、大会のイメージカラー、そしてアンセムです。翌1992年、大会はチャンピオンズリーグとして生まれ変わりました。
当時のヨーロッパでは、フーリガンが大きな問題になっていました。ブリテンによると、UEFAはサッカーの一番よい面を見せる大会にしたいと考えていました。1990年のW杯イタリア大会で三大テノールが人気を集め、クラシック音楽が注目されていたことも、曲調の決め手になったそうです。
ブリテンはUEFAにクラシックの名曲をいくつか聴いてもらい、UEFA側が気に入ったのが「司祭ザドク」でした。ブリテンは、ヘンデルから借りたのは冒頭の弦の上がっていくフレーズだけで、あとのメロディーは自分で書いたと話しています。全体の仕上げは数週間、作曲そのものは数日だったといいます。
2024-25シーズン、大会は36チームがひとつの順位表で争う新しい方式に変わりました。同じタイミングでUEFAは大会のデザインを一新し、アンセムもブリテン自身が編曲を少し手直しして録音し直しています。ロゴはそのままで、曲も大きくは変わっていません。
アンセムが流れる場面と入場のルール
アンセムを流す手順は、UEFAの大会規定で決まっています。2026/27シーズンの規定第53条では、予選のプレーオフ以降の試合について、選手がトンネルから出て整列するまではUEFAが用意した入場曲、整列したらUEFAが用意したアンセムを流すと定めています。国歌は流しません。
よく「入場曲」とまとめて呼ばれますが、規定の上では入場曲とアンセムは別のものです。整列のあと、選手は相手チームや審判団と握手をします。握手はフェアプレーのしるしとして、試合終了後にも行うよう求められています。
アンセムが流れなかった例もあります。2022年9月、エリザベス女王が亡くなった直後のCLでは、イギリスの会場でアンセムを流しませんでした。UEFAはSky Sportsに、落ち着いた雰囲気で試合前のセレモニーを行うためと説明しています。
アンセムが流れる試合前の整列は、テレビや配信の中継でも見られます。日本では、2026-27シーズンのCLはWOWOWが独占で放送・配信していて、予選プレーオフから決勝まで全試合がライブ配信の対象です(料金はWOWOWの月額2,530円・税込)。
※放送・配信の情報は2026年10月17日時点です。2026年10月からは、WOWOWグループのLemino(Leminoプレミアム・月額1,540円)でもCLの全試合がライブ配信されています。
決勝では生演奏の年も
決勝では、歌手や演奏家がアンセムを生で披露した年があります。UEFA公式サイトがまとめた、主な演奏者は次のとおりです。
| 決勝の年・開催地 | 演奏した人 |
|---|---|
| 2009年 ローマ | アンドレア・ボチェッリ(テノール歌手) |
| 2010年 マドリード | フアン・ディエゴ・フローレス(テノール歌手) |
| 2012年 ミュンヘン | ヨナス・カウフマン(テノール歌手)、デイヴィッド・ギャレット(バイオリン) |
| 2014年 リスボン | マリーザ(ファド歌手) |
| 2016年 ミラノ | アンドレア・ボチェッリ |
| 2017年 カーディフ | アンドレア・ボチェッリ |
| 2018年 キーウ | 2CELLOS(チェロの2人組) |
| 2019年 マドリード | アストゥリア・ガールズ(弦楽四重奏) |
※UEFA公式サイト「UEFA Champions League anthem: lyrics, background, facts」(2020年7月30日)の一覧から抜粋。
直近の決勝では、パリ・サンジェルマン(PSG)が2025年にインテルを5-0で破り、2026年5月30日のブダペストでの決勝ではアーセナルとの1-1からPK戦を4-3で制して2連覇しました。2026-27シーズンの決勝は、2027年6月5日にマドリードのメトロポリターノで行われます。
データで見る:CLアンセムは日本でどれくらい調べられている?
「UEFAチャンピオンズリーグ・アンセム」が日本で調べられた量の推移(日本語版Wikipediaの閲覧数・1日平均を月ごとに集計。出典: Wikimedia Pageviews API/フットボール戦士が集計)
フットボール戦士の集計では、日本語版Wikipediaの「UEFAチャンピオンズリーグ・アンセム」は、2016年に年間14,124回見られました。その後は少しずつ減り、2025年は6,437回、2026年は9月24日までで3,628回です。注目度の目安としては、10年前の半分を下回っています。
1日で最も見られたのは2017年6月3日の416回、次が2016年5月28日の369回でした。どちらもCL決勝が行われた日で、ボチェッリがアンセムを生で歌った年です。決勝が8月にずれた2020年は、8月に1日平均56回まで伸びました。決勝の日に調べる人が増える曲だと分かります。
よくある質問
A. 特別な曲名はありません。UEFAは「UEFAチャンピオンズリーグ・アンセム」と呼べばよいと説明しています。
A. 歌詞は著作物なので、この記事では載せていません。原文はUEFA公式サイトの記事(2020年7月30日)で確かめられます。
A. 最初の録音は、アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ合唱団です。2024年の再録音では、合唱団テネブレが歌っています。
A. 大会規定で入場曲とアンセムを流すと決まっているのは、予選のプレーオフからです(2026/27の規定第53条)。
A. 女子CLは、2021/22シーズンから独自のアンセムに変わりました。それまでは男子と同じアンセムが使われていました。
まとめ:CLアンセムは3言語でチームをたたえる1992年生まれの公式曲
- CLアンセムは1992年にトニー・ブリテンが作った、特別な曲名のない公式テーマ曲
- もとにしたのは、ヘンデルが1727年の戴冠式のために作った「司祭ザドク」
- UEFAの公用語の英語・フランス語・ドイツ語で、最上級のほめ言葉を重ねている
- 予選プレーオフ以降は、入場曲のあと整列してからアンセムを流すと規定で決まっている
- 歌詞は著作物のため、原文はUEFA公式サイト、音源はUEFA公式のYouTubeで確かめる
CLアンセムの言葉は、意味を追うよりも、響きで「特別な試合」を伝えるために作られています。次にCLの試合を見るときは、入場曲からアンセムに切り替わる瞬間に耳を傾けてみてください。
※この記事の情報は2026年9月25日時点のものです。出典:UEFA.com(UEFA Champions League anthem: lyrics, background, facts/2020年7月30日、UEFA unveils new UEFA Champions League brand identity/2024年8月23日、New anthem and logo unveiled for UEFA Women’s Champions League/2021年5月17日)、Regulations of the UEFA Champions League 2026/27 第53条、BBC News(2020年8月22日)、Sky Sports(2022年9月13日)、Wikipedia英語版(UEFA Champions League Anthem・Zadok the Priest・2025/2026 UEFA Champions League final・2026–27 UEFA Champions League)。
フットボール戦士 
