ブラジルでセグウェイドリブルが禁止に!海外の反応まとめ

サッカー漫画『キャプテン翼』で登場した伝説の技「セグウェイドリブル」に対して、欧州や南米をはじめ世界中のファンや選手から様々な海外の反応が寄せられています。

本記事では、セグウェイドリブルとは何か、誕生の背景から、実際に起きたエピソードと世界のリアクションまでを徹底解説します。

セグウェイドリブルとは?

セグウェイドリブル

まず、「セグウェイドリブル」とは何なのでしょうか?この名称は、日本の人気サッカー漫画『キャプテン翼』シリーズで生まれました。電動二輪車セグウェイに乗っているかのようにボールの上に立ってドリブルする離れ業で、漫画内ではスペイン代表のミカエルが五輪の試合で披露した必殺技です​。

両足でボールに乗り移動する様子からファンが「セグウェイドリブル」と呼び、そのあまりの奇抜さに「もはや再現不能」と驚きをもって迎えられました​。

  • ボールの上に両足で立ってバランスを取りながら前進するドリブル技術
  • 電動立ち乗り二輪車「セグウェイ」に乗っているように見えることが名前の由来
  • 高度なバランス感覚と体幹の強さが要求され、漫画ファンからも「再現不可能」と言われるほど難易度が高い​

このようにセグウェイドリブルは本来フィクション上のファンタジックな技でした。

しかし近年、この幻のスキルが現実のサッカーの場で登場し物議を醸すことになったのです。

現実の試合でセグウェイドリブルが行われた映像

実際の試合ではボールの上に乗って進むことは不可能ですが、ボールの上に乗る行為自体をファンの間ではセグウェイドリブルと呼ぶようになりました。

セグウェイドリブルが脚光を浴びたきっかけは、南米で実際に選手がボールの上に立つパフォーマンスを行ったことでした。

最初の注目すべき事例は2025年3月末、エクアドル開催のU-17南米選手権の試合です​。ブラジル対ボリビア戦の後半、ブラジルのMFルアン・パブロ選手が両足でボールの上に立って相手を挑発しました。

それに触発されたボリビアのMFサントス・ガルシア選手も同様の行為を行い、両者とも審判からイエローカードを受けています​。

この時点では公式に「セグウェイドリブル」という名称こそ使われませんでしたが、実際に選手が漫画さながらの挑発行為をしたとして現地でもちょっとした話題になりました。

さらに決定的だったのが、2025年3月にブラジルで行われたサッカーの試合での出来事です。オランダ代表FWメンフィス・デパイ選手(当時ブラジルの名門コリンチャンス所属)が、ブラジル・サンパウロ州選手権(カンピオナート・パウリスタ)の決勝戦でこのボール乗りドリブルを披露したのです。

デパイ選手は優勝目前の終盤90分、コーナーフラッグ付近で時間稼ぎをする際にボールの上に片足ずつ乗って立ち上がる挑発的なドリブルを敢行しました​。

その瞬間、相手のパルメイラスの選手たちは猛反発し、デパイ選手を突き飛ばそうとして乱闘騒ぎに発展。​

最終的にこの決勝戦では4人の退場者と13枚のイエローカードが飛び交う大荒れの展開となり​、スタジアムは騒然となりました。デパイ選手のチームは辛くも勝利し優勝を飾りましたが、セグウェイドリブルが大きな論争の火種となったのです。

ブラジルでセグウェイドリブルが禁止に

デパイ選手のセグウェイドリブル実演から約一週間後、このプレーに対する明確な規制が打ち出されました。

ブラジルサッカー連盟(CBF)は「ボールの上に両足で乗る行為」を公式戦で禁止し、発見次第イエローカードの対象にすると発表したのです​。

この新方針は南米サッカー連盟(CONMEBOL)のガイドラインを踏まえたもので、違反があれば相手に間接フリーキックが与えられるともされています​。

人気漫画『キャプテン翼』に登場した「セグウェイドリブル」が、皮肉にも現実の競技規則で反則として明文化されることになった瞬間でした​。

CBFがクラブ宛てに出した通達によれば、ボール上に立つ行為は「選手自身の負傷リスクがある上、試合中に混乱を引き起こし、相手への挑発・競技への敬意欠如と見なされる」と説明されています。

つまり、このドリブルは危険でアンスポーツマンシップ(非紳士的行為)だというのが公式な理由です。実際、ブラジル国内でも過去にこうした挑発的プレーで相手チームが激高し試合が荒れるケースは珍しくなく​、南米の熱い気質も相まって大きなトラブルにつながりかねません。

CBFの狙いは「試合の混乱を抑制すること」にあり、いわばスポーツマンシップと選手の安全を守るための措置と言えるでしょう​。

なお、類似する例として2000年代にブラジルの若手選手ケルロンが編み出した「シール(アザラシ)ドリブル」があります。これはボールを頭の上に乗せて弾みながら突破する離れ業で、守備側からボールを奪われにくい反面、挑発的だとして議論を呼びました​。

実際ケルロンは試合中に肘打ちを受けて負傷し、肘打ちをした相手選手が長期出場停止処分を受けたこともあります​。

この一件を契機に「相手に危険を及ぼす恐れのある場合、審判はフリーキックを与え、挑発的行為には警告を出せる」とのルールが追記されました​。

セグウェイドリブル禁止も、同様に「挑発的な曲芸プレー」に歯止めをかける流れの延長線上にあります。

つまり、セグウェイドリブルが公式に禁止された背景には、

  1. 挑発行為によるスポーツマンシップの欠如 : 相手への敬意を欠き、報復や乱闘の原因になりうる
  2. 選手自身の安全リスク :不安定な体勢で乗ることで負傷したり、怒った相手に危険なタックルを受けかねない​
  3. 試合進行への支障 :過度なパフォーマンスが試合を止め、競技そのものを損ねてしまう恐れがある​

といった理由があります。

一方で、この決定に対しては「サッカーの本質(エンターテインメント性)を損なうのではないか」との反発も各方面から起こりました。

セグウェイドリブル禁止に対するサッカー選手の意見

メンフィス・デパイの意見

今回の決定に真っ先に異議を唱えたのは、他ならぬ当事者であるメンフィス・デパイ選手でした。デパイ選手は自身の行為が発端となったこの禁止令に対し、すぐさまSNS上で不満を表明。​

自身が憧れて来たブラジルの自由奔放なサッカースタイルに水を差す決定だと嘆いています。

メンフィスデパイ
メンフィスデパイ

なぜそんなルールを作るのか理解できない。ピッチ上で喜びや情熱を表現する方法が制限されるべきではない

メンフィスデパイ
メンフィスデパイ

バカげている。本当に集中すべきは他にある。重大な悪質ファウルを見逃しておいて、ボールに乗るなんて些細なことにばかり目くじらを立てるなんて…

メンフィスデパイ
メンフィスデパイ

これではジョガ・ボニート(Jogo Bonito、ブラジル流サッカーの代名詞である『美しいサッカー』)に反するじゃないか

その他のサッカー選手の意見

ネイマール
ネイマール

サッカーがどんどんつまらなくなっていく。文句ばっかりで、面白みが失われている

シャビ
シャビ

自分の現役時代に同じことをされたら怒るかもしれないが、観客を魅了する発想まで禁じてしまうのは極端だ

デニウソン
デニウソン

観客が喜ぶプレーを禁止するなんてナンセンスだ

セグウェイドリブル禁止に対する海外の反応・意見まとめ

肯定的(禁止に賛成)の意見

挑発行為はスポーツマンシップに反するし、乱闘の火種になる。禁止は妥当だ

相手を侮辱するようなプレーにはペナルティがあって然るべきだ

もし自分の贔屓チームの選手がやられたら怒るだろう

この手のプレーは挑発以外の何物でもなく、サッカーの戦術的価値は皆無だ

ブラジルサッカーが無意味な奇技にブレーキをかけた。スタイルや創造性の発露だったものが、一瞬でアンスポーツマンライクな行為と烙印を押された

否定的(禁止に反対)の意見

サッカーは観客を楽しませるショーでもある。ああいうプレーが見られるからこそ面白いのに、それを締め付けるのは興醒めだ

これもテクニックの一つ。できないほうが悪い

挑発と感じるのは余裕のない証拠

深刻なこと以外何にでもすぐ泣き言を言う。ボール乗りくらい大目に見ろ

ついに漫画『キャプテン翼』の技がリアルで禁止される日が来たか。次は空中二段シュートも禁止かな?

セグウェイドリブルに対するSNSの反応

まとめ

セグウェイドリブルとは、『キャプテン翼』発祥のボールの上に立って進む奇想天外なドリブル技です。

実際の試合ではボールに乗って進むことは不可能ですが、ボールの上に乗る行為を指してセグウェイドリブルという言葉が使われることがあります。

南米の試合で実際に選手が行ったことで物議を醸し、ブラジル連盟が公式に禁止する事態に発展しました​。

これにはファンの間でも賛否両論の議論が巻き起こりました。支持派はスポーツマンシップや試合の秩序を重んじ、反対派はエンターテインメント性や創造性を擁護する形で、サッカー文化の多様性が浮き彫りになったと言えるでしょう。