ヴィニシウスの国籍はブラジルとスペイン!2022年に取った理由と代表への影響

記事内に広告を含む場合がございます

こんな疑問を持つ方へ
  • ヴィニシウスは何人?国籍はブラジル?スペイン?
  • いつ、なぜスペイン国籍を取ったの?
  • スペイン国籍があるのに、なぜブラジル代表?スペイン代表にはなれる?
  • 久保建英など日本人選手も同じことができる?

ヴィニシウス・ジュニオール選手の国籍は、ブラジルとスペインの二重国籍です。生まれも育ちもブラジルで、2022年9月2日にスペイン国籍も取りました。代表はブラジル代表のままで、スペイン代表に変わることはできません。

スペイン国籍を取った一番の理由は、スペイン1部リーグ(ラ・リーガ)の「EU圏外の選手は1クラブ3人まで」という登録の決まりです。ブラジル人はスペインに2年住めば申請でき、ブラジル国籍も残せるため、ラ・リーガのブラジル人選手には同じ道を選ぶ人が多くいます。

この記事では、取得の時期と理由、EU圏外枠の仕組み、2年で申請できる制度、代表資格への影響、日本人選手との違いを、2026年10月15日時点の情報で整理します。

ヴィニシウスの国籍はブラジル+スペイン【基本データ】

2000年7月12日ブラジルで生まれる(ブラジル国籍)2018年7月18歳でレアル・マドリードへ。スペインに住む2020年7月スペインに住んで2年(申請の目安)2022年9月2日憲法に宣誓し、スペイン国籍も取得2022年10月28日ロドリゴとミリトンも取得と報道2026年6〜7月W杯にブラジル代表として出場
ヴィニシウス選手の国籍にかかわる年表(レアル・マドリードの発表、報道、英語版Wikipediaをもとにフットボール戦士が作図)

ヴィニシウス選手は2000年7月12日、ブラジルのリオデジャネイロ州サンゴンサロで生まれました。フラメンゴの下部組織で育ち、2017年5月に16歳でプロデビュー。18歳になった2018年7月にレアル・マドリードへ移り、スペインに住み始めました。

スペイン国籍を取ったのは、それから約4年後の2022年9月2日です。レアル・マドリードは9月5日に「ヴィニシウスは9月2日(金)にスペイン憲法に宣誓し、その時点からスペイン国籍も持つ」と発表しました(Goalスペイン版などが発表の文面を報道)。

項目内容
本名ヴィニシウス・ジョゼ・パイション・デ・オリヴェイラ・ジュニオール
生年月日2000年7月12日(26歳)
出身地ブラジル・リオデジャネイロ州サンゴンサロ
国籍ブラジル(生まれたとき)+スペイン(2022年9月2日に取得)
所属クラブレアル・マドリード(2018年7月加入・契約は2032年6月30日まで)
代表ブラジル代表 57試合14得点(2026年10月4日時点・英語版Wikipedia)

なぜスペイン国籍を取った?ラ・リーガの「EU圏外枠」は3人まで

レアル・マドリードのEU圏外枠(1部は3人まで)2022年夏ヴィニシウスロドリゴミリトン空きなし2022年9月2日〜空きロドリゴミリトン1枠空く2022年10月28日〜空き空き空き3枠とも空く※スペイン国籍を取るとEUの選手として登録でき、枠を使わない
レアル・マドリードのEU圏外枠の変化(スペインサッカー連盟の規定、レアル・マドリードの発表と報道をもとにフットボール戦士が作図)

スペイン国籍を取った理由は、選手登録のルールです。スペインサッカー連盟の規定では、1部のクラブがトップチームに登録できるEU圏外の選手は3人までです(2部は2人まで)。ブラジル国籍だけだったヴィニシウス選手は、この3つの枠の1つを使っていました。

2022年夏のレアル・マドリードは、ヴィニシウス選手、ロドリゴ選手、エデル・ミリトン選手のブラジル人3人で枠が埋まっていました。この状態では、EU圏外の選手を新しく獲得できません。

スペインはEUの加盟国なので、スペイン国籍を取ればEUの選手として登録できます。ヴィニシウス選手が9月2日に取得して1枠が空き、ロドリゴ選手とミリトン選手も2022年10月28日に国籍を取ったと報じられ、3枠とも空きました。

手続きの遅れで補強に影響も

国籍の取得は、2022年夏の移籍の時期に間に合いませんでした。Goalスペイン版(2022年9月)は、間に合っていればレアル・マドリードはEU圏外の選手をもう1人獲れた、ガブリエウ・ジェズス選手の獲得はこの理由で見送られた、と伝えています。

ポイント:スペイン国籍の取得は「スペイン人になりたいから」というより、クラブの選手登録の事情によるものです。メッシ選手もアルゼンチンとスペインの二重国籍です。

ブラジル人はなぜ2年でスペイン国籍を申請できる?

スペイン国籍に必要な居住年数(民法22条)一般の外国人10年難民5年ブラジルなど2年スペイン人と結婚1年※「ブラジルなど」=中南米の国・ポルトガル・フィリピン・ 赤道ギニア・アンドラの出身者など。元の国籍を捨てなくてよい
スペイン国籍を「居住」で取るのに必要な年数(スペイン民法22条をもとにフットボール戦士が作図)

スペインに住んで国籍を取るには、原則10年の居住が必要です。ただしスペインの民法22条は、中南米の国(イベロアメリカ諸国)やポルトガル、フィリピン、赤道ギニア、アンドラの出身者などは2年でよいと定めています。ブラジルはこの「中南米の国」に入ります。

居住は「合法で、続けて、申請の直前まで」のものでなければなりません。ヴィニシウス選手は2018年7月にスペインへ移ったので、2年の条件に届いたのは2020年夏です。そこから実際の取得まで、さらに2年ほどかかりました。

元のブラジル国籍を捨てなくてよい

スペイン国籍を取るときは、原則として元の国籍を捨てると宣言します(民法23条)。ただし、中南米の国やポルトガルなどの出身者はこの宣言をしなくてよいと定められています。

ブラジル側も、2023年10月の憲法改正で「ほかの国籍を取っただけではブラジル国籍を失わない」と明記しました。ヴィニシウス選手は改正前の2022年に取得しましたが、ブラジル国籍を残したまま二重国籍になったと報じられています。

試験と宣誓も必要

年数のほかに、スペイン社会への「統合」を示す必要があります。セルバンテス協会の、憲法や社会の知識を問う試験(CCSE)などに合格し、最後に国王への忠誠と憲法を守ることを宣誓します。ヴィニシウス選手の「9月2日の宣誓」はこの最後の手続きです。

スペイン国籍でもブラジル代表なのはなぜ?スペイン代表にはなれない

この投稿をInstagramで見る

スペイン国籍があっても、ヴィニシウス選手がスペイン代表になることはできません。国籍と代表資格は別のルールで決まるからです。

FIFAの規定では、一度ある国の代表で公式戦に出た選手は、原則として別の国の代表に移れません。2020年の改正で例外ができましたが、「A代表の公式戦は21歳になる前の3試合まで」「W杯や大陸選手権の本大会に出ていない」「最後の出場から3年たっている」といった条件がすべて必要です。ヴィニシウス選手は、少なくとも下の2つに当てはまりません。

代表を変えられる条件(FIFA)ヴィニシウス選手
W杯や大陸選手権の本大会に出ていない×(2021年コパ・アメリカ決勝、2022年・2026年W杯に出場)
最後の公式戦から3年たっている×(2026年W杯に出場)

※FIFAの代表資格の規定(2020年改正)の要点から、ヴィニシウス選手に当てはまらない条件を抜き出しました。A代表デビューは2019年9月10日のペルー戦(親善試合)。

本人もブラジル代表の中心選手です。2026年W杯では背番号7をつけ、初戦のモロッコ戦で代表50試合目を迎えてゴールを決めました。グループリーグ3試合すべてで得点し、ブラジルの選手では5人目の記録です。ラウンド32では日本に2-1で勝ち、ラウンド16でノルウェーに1-2で敗れました。

久保建英など日本人選手が同じ方法を使えない理由

スペイン国籍を取ったら?ブラジル人(ヴィニシウス)住んで2年で申請できるブラジル国籍も残る代表はブラジルのままクラブではEUの選手に日本人(久保建英など)原則10年住む必要がある日本国籍を失う日本代表でプレーできないだから取らない=枠を使う
ブラジル人と日本人がスペイン国籍を取る場合の違い(スペイン民法、日本の国籍法、FIFAの規定をもとにフットボール戦士が作図)

日本人選手は、ヴィニシウス選手と同じ方法でEU圏外枠から外れることはできません。日本の国籍法11条は、自分の意思で外国の国籍を取った人は日本国籍を失うと定めているからです。

日本国籍を失えば、日本代表でプレーできなくなります。そもそも日本はスペインの「2年でよい国」に入っていないため、居住で取るなら原則10年かかります。日本人選手はスペインでプレーする限り、ずっとEU圏外の選手として枠を1つ使うことになります。

この枠の問題は、久保建英選手の移籍にも関わりました。レアル・マドリード時代の久保選手は、ヴィニシウス選手・ロドリゴ選手・ミリトン選手で枠が埋まっていたこともあり、トップチームの公式戦に出られず、期限付き移籍を重ねました。2022年7月にレアル・ソシエダへ完全移籍し、その約1か月半後にヴィニシウス選手がスペイン国籍を取っています。

よくある質問

Q1. ヴィニシウスは何人ですか?

A. ブラジル人です。2022年9月2日にスペイン国籍も取ったので、正確にはブラジルとスペインの二重国籍ですが、生まれも育ちも代表もブラジルです。

Q2. スペイン国籍を取ったのはいつですか?

A. 2022年9月2日です。この日にスペイン憲法に宣誓し、レアル・マドリードが9月5日に発表しました。チームメイトのロドリゴ選手とミリトン選手は、2022年10月28日に取得したと報じられています。

Q3. なぜスペイン国籍を取ったのですか?

A. ラ・リーガ1部の「EU圏外の選手は3人まで」という登録ルールのためです。スペイン国籍があればEUの選手として登録でき、クラブはEU圏外の枠を別の選手に使えます。

Q4. スペイン代表になる可能性はありますか?

A. ありません。ブラジルA代表としてW杯やコパ・アメリカの本大会に出ているため、FIFAの規定で別の国の代表には移れません。

Q5. 日本人選手もスペイン国籍を取れますか?

A. 制度の上では、原則10年住めば申請できます。ただ、日本は自分の意思で外国籍を取ると日本国籍を失うため、日本代表でプレーしたい選手には現実的ではありません。

まとめ:ヴィニシウスの国籍はブラジル+スペイン、代表はブラジルのまま

  • ヴィニシウス選手の国籍はブラジルとスペインの二重国籍。スペイン国籍は2022年9月2日に取得した
  • 理由はラ・リーガ1部の「EU圏外の選手は3人まで」の登録ルール。ロドリゴ選手・ミリトン選手も同じ年に取得し、レアルの枠が3つとも空いた
  • ブラジルなど中南米の国の出身者は、スペインに2年住めば申請でき、元の国籍も捨てなくてよい(一般は10年)
  • W杯やコパ・アメリカの本大会に出ているため、FIFAの規定でスペイン代表には移れない
  • 日本は自分の意思で外国籍を取ると日本国籍を失うため、日本人選手は同じ方法を使えない

「国籍がスペイン」と聞くと意外に感じますが、中身はクラブの選手登録への対応です。ヴィニシウス選手は2026年W杯でもブラジルの背番号7としてプレーしており、これからもブラジル代表の選手です。

※この記事の情報は2026年10月15日時点のものです。出典:レアル・マドリードの発表(2022年9月5日・Goalスペイン版の報道による)、TUDN・NTN24(2022年10月28日)、スペインサッカー連盟の1部・2部の大会規定(2023年6月)、スペイン民法22〜24条、ブラジル憲法改正131号(2023年10月3日)、日本の国籍法、FIFAの代表資格の規定、英語版Wikipedia、ブラジル代表公式Instagram(2026年6月)。