- ヴィニシウスの国籍はブラジル?それともスペイン?
- スペイン国籍を取ったのに、なぜブラジル代表でプレーしているの?
- 久保建英も同じようにスペイン国籍を取れないの?
ヴィニシウス・ジュニオールの国籍は、ブラジルとスペインの二重国籍です。生まれも育ちもブラジルで、2022年9月2日にスペイン国籍を追加で取得しました。代表チームは変わらずブラジル代表です。この記事では、なぜスペイン国籍を取ったのか、ブラジル人がわずか2年の居住で国籍を取れる理由、そしてスペイン国籍を持っていてもブラジル代表でプレーできる仕組みを、2026年9月時点の情報で解説します。
ヴィニシウスの国籍はブラジルとスペインの二重国籍【基本データ】
まず基本データを一覧にします。国籍の欄が2つあるのがポイントです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本名 | ヴィニシウス・ジョゼ・パイション・デ・オリヴェイラ・ジュニオール |
| 生年月日 | 2000年7月12日 |
| 出身地 | ブラジル・リオデジャネイロ州サンゴンサロ |
| 国籍 | ブラジル(出生)+スペイン(2022年9月2日に取得) |
| 所属クラブ | レアル・マドリー(2018年7月加入、契約は2032年6月まで) |
| 代表 | ブラジル代表(2019年9月にデビュー) |
※スペイン国籍の取得日は、レアル・マドリーの発表と現地報道にもとづきます。
スペインの国籍法は、条件を満たした外国人が元の国籍を持ったまま国籍を取ることを、一部の国の出身者に認めています。ブラジルはその対象国です。ブラジル側も二重国籍を認めているため、ヴィニシウスはブラジル国籍を失うことなくスペイン国籍を手にしました。
なぜスペイン国籍を取ったのか:ラ・リーガの「EU圏外枠」
ヴィニシウスがスペイン国籍を取った最大の理由は、ラ・リーガの登録ルールです。ラ・リーガでは、EU(欧州連合)以外の国籍しか持たない選手を、1クラブにつき3人までしか登録できません。ブラジル国籍だけのヴィニシウスは、この「EU圏外枠」を1つ使っていました。
2022年夏の時点で、レアル・マドリーのEU圏外枠は、ヴィニシウス、ロドリゴ、エデル・ミリトンのブラジル人3人で埋まっていました。この状態では、EU圏外の選手を新しく獲得できません。3人がスペイン国籍を取れば、枠がまるごと空きます。
| 選手 | スペイン国籍の取得 | 枠への影響 |
|---|---|---|
| ヴィニシウス | 2022年9月2日 | EU圏外枠が1つ空く |
| ロドリゴ | 2022年10月28日 | さらに1つ空く |
| エデル・ミリトン | 2022年10月28日 | 3枠すべてが空く |
※取得日は現地報道にもとづきます。ロドリゴとミリトンは同じ日に取得しました。
つまり、スペイン国籍の取得は「スペイン人になりたかった」というより、クラブの補強戦略の一部です。実際、3人の国籍取得でEU圏外枠が空いたことで、レアル・マドリーはその後、ブラジルの若手エンドリッキをEU圏外選手として登録できるようになりました。
ブラジル人はなぜ2年でスペイン国籍を取れるのか
スペインで帰化するには、原則として10年間の合法的な居住が必要です。ところが、ブラジルを含むイベロアメリカ諸国(中南米のスペイン語圏・ポルトガル語圏)、ポルトガル、フィリピンなどの出身者は、この期間が2年に短縮されます。旧植民地とのつながりを重視した特例です。
| 出身 | 必要な居住年数 | 元の国籍 |
|---|---|---|
| 一般の外国人 | 10年 | 原則として放棄が必要 |
| イベロアメリカ諸国・ポルトガル・フィリピンなど | 2年 | 保持したまま取得できる |
| スペイン人と結婚した人 | 1年 | 出身国による |
※スペイン民法の国籍規定の概要です。個別の条件は申請時期や本人の状況で変わります。
居住年数のほかに、スペイン語の試験と、スペインの文化や社会に関する知識の試験に合格する必要があります。ヴィニシウスは2018年7月にスペインへ移り、2021年5月にスペイン語の筆記試験に合格したと報じられました。そこから口頭試験や書類の手続きを経て、2022年9月2日に憲法への宣誓を行い、正式にスペイン国籍を得ています。試験合格から取得まで1年以上かかったのは、行政の手続きが想定より遅れたためと伝えられています。
スペイン国籍を持っていてもブラジル代表なのはなぜ?
この投稿をInstagramで見る
「スペイン国籍を取ったならスペイン代表になれるのでは」と思う方もいるかもしれません。答えは「なれない」です。理由は2つあります。
1つ目は、国籍と代表資格が別のルールで決まることです。FIFAの規定では、ある国のA代表として公式戦(ワールドカップ予選や大陸選手権など)に出場した選手は、原則として他の国の代表に変更できません。ヴィニシウスは2019年9月10日のペルー戦でブラジル代表デビューし、2021年のコパ・アメリカにも出場しています。この時点でブラジル代表に「固定」されました。
2つ目は、本人にその意思がないことです。ヴィニシウスは2026年ワールドカップでブラジルの背番号7を背負い、初戦のスコットランド戦で代表50試合目に到達しました。大会ではグループリーグ3試合すべてで得点し、通算4ゴール1アシストを記録しています。チームはラウンド16でノルウェーに敗れましたが、ブラジル代表の中心選手であることに変わりはありません。
久保建英が同じことをできない理由
ヴィニシウスのスペイン国籍取得が日本で注目されたのは、当時レアル・マドリーに所属していた久保建英の去就に関わると報じられたからです。2021年ごろ、「ヴィニシウスがスペイン国籍を取ればEU圏外枠が空き、久保がレアルに戻りやすくなる」という見方がありました。
では、久保自身がスペイン国籍を取れば話が早いのでは、と思うかもしれません。しかし、これはできません。日本は二重国籍を認めておらず、日本人が自分の意思で外国籍を取得すると、日本国籍を失います。日本国籍を失えば日本代表でプレーできなくなるため、久保がスペイン国籍を取る選択肢は事実上ありません。
| 選手 | 出身国の二重国籍 | スペイン国籍を取ると |
|---|---|---|
| ヴィニシウス(ブラジル) | 認められる | ブラジル国籍を保持したまま二重国籍に |
| 久保建英(日本) | 認められない | 日本国籍を失い、日本代表でプレーできなくなる |
※日本の国籍法では、自分の志望で外国籍を取得した場合、日本国籍を失うと定められています。
ブラジル人選手がスペインのクラブで重宝される背景には、この「2年で国籍が取れて、EU圏外枠を消費しなくなる」という事情もあります。日本人選手は、ヨーロッパでプレーする限りずっとEU圏外選手のままです。久保がラ・リーガのクラブで枠の問題と無縁でいられないのは、このためです。
出身はリオデジャネイロ州サンゴンサロ:ブラジルで育った生粋のブラジル人
国籍の話に戻ると、ヴィニシウスは生まれも育ちもブラジルです。生まれたのはリオデジャネイロ州のサンゴンサロという街で、リオデジャネイロ市の対岸にあります。幼い頃からフラメンゴの下部組織で育ち、2017年5月13日に16歳でトップチームデビューしました。
レアル・マドリーは2017年5月、まだ16歳だったヴィニシウスの獲得を発表します。移籍金は4500万ユーロと報じられ、当時の10代の選手としては破格でした。ブラジルの法律で18歳になるまで海外移籍ができないため、実際にマドリードへ移ったのは18歳の誕生日を迎えたあとの2018年7月です。スペイン国籍の申請に必要な2年の居住は、ここから数えて2020年夏に満たしています。
データで見る:ヴィニシウスとメッシは日本でどれくらい注目されている?
フットボール戦士では、ヴィニシウスの日本語版Wikipediaの閲覧数を毎日集計しています。2015年7月以降で最も見られたのは2026年6月29日で、1日に40,091回でした(2026年9月時点)。下のカードの数字は毎日自動で更新されます。
フットボール戦士が毎日集計している「サッカー選手 日本での注目度ランキング」のデータです(日本語版Wikipediaの閲覧数)。
フットボール戦士では、メッシの日本語版Wikipediaの閲覧数を毎日集計しています。2015年7月以降で最も見られたのは2022年12月18日で、1日に177,640回でした(2026年9月時点)。下のカードの数字は毎日自動で更新されます。
フットボール戦士が毎日集計している「サッカー選手 日本での注目度ランキング」のデータです(日本語版Wikipediaの閲覧数)。
よくある質問
A. ブラジル人です。2022年9月にスペイン国籍も取得したため、正確にはブラジルとスペインの二重国籍ですが、生まれも育ちも代表チームもブラジルです。
A. ラ・リーガの「EU圏外選手は3人まで」という登録ルールに対応するためです。ヴィニシウス、ロドリゴ、ミリトンの3人がスペイン国籍を取ったことで、レアル・マドリーのEU圏外枠が3つとも空きました。
A. ありません。ブラジルA代表として公式戦に出場済みのため、FIFAの規定で他国の代表には変更できません。
A. スペインの国籍法が、ブラジルを含むイベロアメリカ諸国などの出身者に対して、必要な居住年数を10年から2年に短縮しているためです。元の国籍を放棄する必要もありません。
A. 取ること自体は制度上あり得ますが、日本は二重国籍を認めていないため、日本国籍を失います。日本代表でプレーしたい選手にとっては現実的な選択肢ではありません。
まとめ:ヴィニシウスの国籍はブラジル+スペイン、代表はブラジルのまま
- ヴィニシウスの国籍はブラジルとスペインの二重国籍。スペイン国籍は2022年9月2日に取得した
- 取得の理由はラ・リーガの「EU圏外選手は3人まで」というルール。ロドリゴ、ミリトンも同じ年に取得し、レアル・マドリーの枠が空いた
- ブラジル人はスペインに2年住めば申請でき、元の国籍も保持できる。一般の外国人は10年
- A代表の公式戦に出場済みのため、スペイン代表には変更できない。2026年ワールドカップもブラジル代表で4ゴール
- 日本は二重国籍を認めていないため、久保建英が同じ方法を使うことはできない
「国籍がスペイン」と聞くと意外に感じますが、中身はクラブの登録ルールへの対応です。ヴィニシウスは今もこれからも、ブラジル代表の背番号7として見るのが正しい理解です。
※この記事の情報は2026年9月22日時点のものです。国籍取得の日付は当時の報道、代表資格のルールはFIFA規約の一般的な内容にもとづきます。
フットボール戦士 
