この記事ではプロサッカー選手の平均選手寿命について詳しく解説していきます。

サッカー選手のキャリアの長さ(選手寿命)はリーグや地域によって大きく異なります。
一般的に、欧州の主要リーグ(プレミアリーグ、ラ・リーガ、セリエA、ブンデスリーガ、リーグ・アン)ではプロ選手の平均引退年齢はおよそ34~36歳前後とされています。近年はスポーツ科学や栄養管理の進歩により引退年齢が上昇傾向にあり、かつてよりも長く現役を続ける選手が増えました。
一方で、日本のJリーグの平均引退年齢は約26歳と顕著に低く、20代後半で現役を終える選手が多いという現実があります。
これはJリーグ全体で見た場合、トップ選手以外はプロキャリアが短くなりがちなためです。実際、日本のプロ野球の平均引退年齢が約29.8歳と報告されているのに対し、Jリーガーは約26歳であり、欧州トップリーグの選手寿命と大きな差が見られます。
この差の背景には、欧州主要リーグでは実力のあるベテラン選手が30代半ばまで第一線で活躍したり、プレー環境や報酬面が整っているため長く続けやすい一方、Jリーグでは選手層の入れ替わりが激しく契約を維持できない選手が若くして引退するケースが多いことが挙げられます。
またJリーグでは下部リーグ(J2・J3)も含め選手数が多く、結果を残せなかった選手は20代で現役を終えることも珍しくありません。一般のファンから見ると「サッカー選手=30代後半で引退する」というイメージがあるかもしれませんが、実際には半数以上のプロ選手が20代で第二のキャリアに踏み出しているのが現状です。
なお、欧州でも近年はクリスティアーノ・ロナウド(現在39歳)やリオネル・メッシ(36歳)などトップレベルで30代後半まで活躍する選手もいますが、これは例外的な存在です。
欧州主要リーグの統計でも選手の80%以上は21~29歳の間にプレーしており、29歳を過ぎると急激に現役選手数が減少していくことが報告されています。
つまり欧州でも大半の選手は30歳前後でキャリアの終盤を迎えるわけです。日本の「キング・カズ」こと三浦知良選手のように50代まで現役を続けるケースは世界的に見ても極めて稀であり、平均として見ると欧州トップリーグであっても30代半ば前後が引退の目安となっています。
これらの数字からも、Jリーグの選手寿命がいかに短いかが際立っており、若い頃からセカンドキャリアを念頭に置く必要性が高いことが分かります。

プロサッカー選手が引退を決断する主な理由は大きく分けて「パフォーマンス低下(戦力外)」「怪我による挫折」「モチベーション喪失」の3つに集約されます。
中でも一番多いのは、期待されたパフォーマンスを発揮できなくなったことによる戦力外通告や成績不振といった「競技成績に関する理由」です。
サッカーは実力の世界ですから、結果を残せない選手は契約を打ち切られ、やむを得ずスパイクを脱ぐケースが非常に多いのです。
次いで多いのが大怪我や故障の影響です。サッカーは接触プレーも多く、膝や足首の靭帯断裂など選手生命を脅かす重傷を負うリスクがあります。
一度の大怪我でなくとも、慢性的な故障の再発を繰り返す「持病化した怪我」に苦しみ、リハビリと復帰を繰り返す中で心が折れてしまう選手もいます。
たとえばオランダの名ストライカーだったマルコ・ファンバステンは足首の怪我が癒えず30歳で泣く泣く引退しました。
このように度重なる負傷の蓄積は選手の心身を蝕み、早期引退の大きな要因となっています。実際、国際プロサッカー選手会(FIFPro)の調査では約53%の元プロ選手が怪我や健康問題、契約満了など「自分の意思に反して」引退を余儀なくされていたというデータもあります。
つまり、半数以上の選手は理想の形でキャリアを終えることができていないのです。
また、近年注目されているのがメンタル面・モチベーションの問題です。
トップ選手になるほど常に激しい競争と重圧に晒されます。その中でサッカーへの情熱を失ってしまう選手も少なくありません。実際に元ドイツ代表のアンドレ・シュールレや元イングランド代表のデビッド・ベントリーなどは「サッカー自体に疲れた」「情熱がなくなった」として20代後半~30歳前後で早期引退しました。
こうした燃え尽き症候群(バーンアウト)や心身のストレスも、引退を決断させる重要な要因です。特に若くしてスターになった選手ほど、長年のプレッシャーに耐えかねて30歳前後でスパッと現役を退くケースが見られます。
さらに私生活の変化も引退に影響します。結婚や出産、家族の事情などライフイベントを機に「次の人生に進みたい」と感じる選手もいます。
加えて、トップリーグ以外の選手の場合は収入面の不安から将来を考え早めに引退するケースもあります。
例えばJ2・J3リーグや地域リーグではサッカーだけでは生活が安定しないため、20代半ばで一般企業に転職する選手も少なくありません。

ポジション | 平均引退年齢 | 主な理由・特徴 |
---|---|---|
ゴールキーパー(GK) | 約40歳 | 走行距離が少なく、年齢による身体能力低下の影響を受けにくい |
ディフェンダー(DF) | 約35歳 | センターバックは経験やポジショニングでカバー可能だが、サイドバックは運動量が多く、寿命が短め |
ミッドフィルダー(MF) | 約33歳 | 攻守の負担が多く、運動量低下がパフォーマンスに直結しやすい。ポジション内競争も激しい |
フォワード(FW) | 約32歳 | スピードや瞬発力が求められるため、加齢による衰えが大きく影響する。若手の台頭も早い |
サッカーではポジションによって選手寿命に違いがあることが知られています。一般的に、最も長く現役を続けやすいのはゴールキーパー(GK)で、逆にフォワード(FW)やウイングの選手は比較的早く引退する傾向があります。
国際プロサッカー選手会の調査によれば、平均引退年齢はGKが約40歳、DF(ディフェンダー)が約35歳、MF(ミッドフィルダー)が約33歳、FW(フォワード)が約32歳というデータもあります。
実際、世界的に見ても40歳前後までプレーするGKは珍しくなく、イタリアのジャンルイジ・ブッフォンやイギリスのピーター・シルトンなど40代まで現役を続けた名GKも存在します。一方、前線のアタッカーは30代前半でスピードや瞬発力の衰えに直面し、第一線から退くケースが多く見られます。
このポジションごとの寿命差の理由としては、要求される身体的能力の違いが挙げられます。GKは90分間ピッチを走り回る必要がなく、瞬間的な反応や判断力が重視されるポジションです。そのため年齢を重ねてもプレーに大きな支障が出にくく、他のポジションより長く続けやすいのです。
一方でFWやサイドアタッカー(ウイング、サイドハーフなど)はスプリントの回数が多く、俊敏性や瞬発力への依存度が高いため、加齢によるスピード低下が致命的になります。
実際の統計でも、ウイングの選手は30歳を超えて現役を続ける例が極端に少ないことが示されています(30歳以上のウイングは同年代のストライカーやセンターバックと比べて非常に稀)。
これはサイドの攻撃的ポジションがそれだけ若い肉体能力を要求される「若者のポジション」だという証左です。
ディフェンダーの中でも差があり、サイドバックはウイングと同様に運動量が多いため寿命が短めですが、センターバックは経験やポジショニングでカバーできる部分も大きく、比較的長く活躍できる傾向があります。
実際、センターバックや守備的MFは他のフィールドプレーヤーより衰えが緩やかで、31~32歳頃まではパフォーマンスが大きく落ちにくいという分析もあります。
これに対し、攻撃的MFやウイングは最も年齢の影響を受けやすく、20代後半から衰えが見え始めます。
こうしたポジション別の寿命差を踏まえ、選手によってはポジション転向でキャリアを延命することもあります。
例えば元日本代表の中澤佑二選手は若い頃サイドバックでしたが晩年はセンターバックで長く活躍しましたし、世界的にはハビエル・マスチェラーノがボランチからセンターバックに下がって成功した例があります。
クリスティアーノ・ロナウドも若い頃はウイングでしたが年齢とともに純粋なストライカー的な役割にシフトすることで39歳(2024年現在)でもゴールを量産しています。
このように自分の身体の変化に合わせて最適なポジションを選ぶことも、選手寿命を延ばす重要な戦略と言えるでしょう。
- リバウド – 43歳
- パオロ・マルディーニ – 41歳
- レフ・ヤシン – 41歳
- ローター・マテウス – 40歳
- フェレンツ・プスカシュ – 39歳
- アレッサンドロ・デル・ピエロ – 39歳
- シャビ – 39歳
- デビッド・ベッカム – 38歳
- アンドレア・ピルロ – 38歳
- ディエゴ・マラドーナ – 37歳
- ヨハン・クライフ – 37歳
- ティエリ・アンリ – 37歳
- ロナウジーニョ – 37歳
- ファビオ・カンナバーロ – 37歳
- ペレ – 36歳
- カルレス・プジョル – 36歳
- ロナウド – 34歳
- ジネディーヌ・ジダン – 34歳
- フランツ・ベッケンバウアー – 33歳
- ミシェル・プラティニ – 32歳

サッカー選手のキャリアの長さを他のスポーツと比較してみると、競技特性による違いが浮かび上がります。一般にサッカー選手(Jリーグ)の平均引退年齢は26歳前後とされていますが、これはスポーツ界全体で見ると決して高い方ではありません。以下に主なスポーツの平均引退年齢をまとめました。
- サッカー(Jリーグ):平均約26~27歳(※トップ選手は34~35歳までプレー)
- 野球:平均約29~30歳(日本プロ野球で約29.8歳。MLBでは約29.5歳)
- バスケットボール:平均約28~30歳(NBAでは平均28歳前後)
- ラグビー:平均約33歳(プロラグビー選手。肉体的負荷が大きいが30代後半までプレーする例もあり)
- アメリカンフットボール(NFL):平均約27~28歳(最も短命。平均27.6歳と報告)
- テニス:平均約35歳(男女差あり。近年はトップ選手の高年齢化が進む)
- 競馬(騎手):平均約40歳(体重管理など特殊要因あり)
※上記は概算の目安であり、競技やリーグによって差があります。
例えばNBAではルーキー契約から平均5年程度で引退し30歳前にキャリアを終える選手が多い一方、欧州バスケットボールや日本のBリーグでは30代半ばまでプレーする選手もいます。またラグビーは怪我のリスクが高いものの、イングランドのプロリーグでは平均引退年齢が34歳とのデータもあります。
逆にNFLは選手寿命が極端に短く、平均約3~4年のキャリアで20代後半には引退する選手が大半です。
こうして見ると、サッカー選手の平均寿命(26~27歳)は他のメジャースポーツと比べても決して長くなく、むしろ野球やラグビーより短いことが分かります。
特に日本においてはサッカー選手の平均引退年齢26歳はプロ野球(約29歳)より若く、体操・柔道(28歳)よりも若い水準です。
これにはサッカーが選手数の多い競技で競争が激しいこと、契約社会で実力主義が徹底していることなどが影響しています。一部のスーパースターやゴールキーパーなどを除けば、「サッカー選手は20代でピークを迎え、30代前半でユニフォームを脱ぐ」というのがスポーツ界における一般的なキャリアパターンと言えるでしょう。
他方、競技ごとの身体的負荷の違いも寿命に影響します。例えば野球は瞬発力より技術や戦略が重視される場面が多く、40代まで現役を続ける選手もいます(投手の岩瀬仁紀氏は43歳まで、打者の福留孝介氏は44歳までプレー)。
バスケットボールやラグビーはサッカー以上に激しい当たりやジャンプを繰り返すため、膝・足首への負担が大きく長期キャリアが難しい傾向があります。
NFLは装備こそあるものの衝突の強度が桁違いで、平均引退年齢が20代に留まるのも頷けます。テニスは個人競技ですが、近年はビッグ4(フェデラー、ナダル、ジョコビッチ、マレー)のように30代半ばまでトップを維持する例が増えています。
このように、スポーツによって選手寿命は千差万別です。サッカーは世界的に見れば平均的かやや短めの部類であり、特に日本のサッカー選手は早く次のキャリアを考えなければならないケースが多いと言えるでしょう


最も多いのがサッカーとは異なる一般企業に就職するケースです。
不動産業や保険会社の営業職など、元アスリートの行動力や有名度を活かせる営業職に就く例が多い傾向があります。営業は結果次第で高収入も望めるため、現役時代以上の収入を得て成功する人もいれば、逆に苦労する人もいます。
この道を選ぶ選手は早めに引退を決断することも多く、20代後半でスーツ姿に変わる元Jリーガーも珍しくありません。特にJ2・J3など収入の少ないカテゴリーの選手にとっては、引退後に安定した職を得ることが急務であり、「プロサッカー選手から会社員へ」という転身はごく当たり前の選択肢となっています。
次に多いのは、やはりサッカー関連の仕事に就くケースです。現役時代に培った経験や知名度を活かし、監督やコーチなど指導者を目指す選手は少なくありません。
実績のあるスター選手であれば引退後すぐにプロチームのコーチや監督に就任することもありますし、そこまで名の知れた選手でなくとも地元の少年サッカースクールのコーチ、学校の体育教員、地域クラブの指導者など幅広いレベルで指導に携わる道があります。
またサッカースクールを自ら設立して起業する元選手もいます。
指導者以外にも、クラブのフロントスタッフ(強化部や広報担当など)として雇用されるケースもあります。
例えば元Jリーガーが古巣クラブの運営スタッフや強化担当スカウトになる例は珍しくありません。サッカー界に残れば自身の経験を直接活かせるため魅力的ですが、その分ポストの数も限られ競争も続きます。
特にテレビ解説やメディア露出の多い「サッカー解説者・評論家」は、日本代表クラスの一部スターだけに与えられる狭き門であり、昨今は元選手の数が増えたことで解説の仕事自体も飽和気味です。
とはいえJリーグの試合数拡大により需要もあるため、フルタイムではなくとも週末だけ副業的に解説を務める元選手も少なくありません。
総じて、サッカー指導者・スタッフの道は元選手にとって最も直感的で合理的な選択肢ですが、その中で成功できるのは一握りであるため、指導者を志すなら勉強や資格取得など新たな努力も必要となります。
引退を機に自分でビジネスを始める選手もいます。
飲食店の開業やアパレルブランドの立ち上げ、あるいは家業を継ぐなど形態は様々です。
有名な例では元日本代表の中田英寿さんが引退後に「JAPAN CRAFT SAKE COMPANY」を設立し、地域産業(日本酒)のプロデュースで成功を収めています。
他にも地域のスポーツジム経営や、知名度を活かしたタレント事務所の設立など、セカンドキャリアで起業家に転身するアスリートは少なくありません。
起業は成功すれば現役時代以上の充実感や収入を得られますが、その逆のリスクも伴います。引退後に企業経営に失敗し負債を抱える元選手の話も時折聞かれるため、事前の準備や信頼できるパートナーの存在が鍵となります。
一部の人気選手は芸能タレント的な活動に軸足を移すこともあります。
現役時代から知名度が高くトーク力に長けた人物であれば、スポーツ番組のコメンテーターだけでなくニュース番組のキャスターやバラエティ番組への出演、CM契約などメディア業界で活躍する道も開けます。
この道で成功すれば現役時代に匹敵するかそれ以上の収入を得るケースもあります。
日本では元サッカー日本代表の前園真聖さんや城彰二さんなどがバラエティ番組で活躍しています。
ただしタレント業は本人のキャラクター性や人気に大きく依存するため、誰もが選択できる道ではありません。いわば超一流のごく一部に限られた特権的なキャリアと言えるでしょう。
上記以外にも、全く別分野に挑戦する元選手もいます。
例えば警察官や消防士、公務員に転職した例、大学に入り直して教員になった例、はたまた僧侶になったという異色の経歴まで、多様なセカンドキャリアが存在します。「スポーツしか知らない自分」に不安を感じ、引退後にゼロから学び直して新たな専門職に就く人もいます。

サッカー選手の寿命、すなわち現役期間は、平均的に見て決して長いとは言えません。特にJリーグでは欧州主要リーグに比べて引退年齢が早く、多くの選手が20代でキャリアを終えます。その背景には、競争の激しさや契約面での厳しさがあり、多くの選手が若いうちに次の人生の選択を迫られています。
また、サッカー選手が引退を決意する主な理由は、パフォーマンス低下による契約満了や怪我の影響、精神的な負担などが挙げられます。特にポジション別に見ると、ゴールキーパーは比較的長く活躍できる一方、スピードや瞬発力が求められるフォワードやサイドプレーヤーは寿命が短くなる傾向があります。
他のスポーツと比較しても、サッカー選手の平均寿命は決して長い方ではなく、特に激しい運動量が求められることや身体的負担が大きいことがその背景にあります。
引退後のキャリアとしては、指導者や解説者などサッカー界に残る道もありますが、その門戸は狭く、一般企業への就職や起業、メディア出演、全く異なる分野への挑戦など、多様な選択肢があります。
フィジカル面や健康管理技術が向上しているとはいえ、身体的なピークは20代後半までであり、その後は徐々に衰えが訪れます。そのため、現役時代から自分の身体のケアや将来を見据えたキャリアプランを立てておくことが重要です。
サッカー選手の寿命が短いという現実を受け止めつつも、限られた現役期間を最大限に生かし、その後の人生に役立つ経験や人脈を築くことが、より充実したセカンドキャリアにつながるでしょう。