- ベリンガムは本当に過大評価なの?
- なぜ「過大評価」と言われるようになったの?
- 得点・アシスト・タイトルなど、数字で見た実際の評価を知りたい
数字で見ると、ベリンガムの成績がはっきり落ちたのはレアル・マドリーでの2年目と3年目(2024-25・2025-26)で、それ以外の時期は高い評価に見合う数字を残しています。「過大評価」と言われた背景には、1年目の23ゴールが基準になったこと、エムバペ加入後の役割の変化、肩の手術とケガが重なったことがあります。この記事では、シーズン別の成績、移籍金と市場価値、批判する側と評価する側の言い分を、出典のある事実だけで並べます。
ベリンガムは過大評価?シーズン別の成績で見た結論
「90分あたりのゴール+アシスト」は、出場時間に対してどれだけ得点に絡んだかを表す数字です。レアル1年目の0.89は、ドルトムント時代の最高(0.53)と比べて飛び抜けていました。2年目の0.56はドルトムント最終年とほぼ同じ水準で、3年目の0.43はそれを下回りました。
| シーズン | 所属 | 試合 | 得点 | アシスト |
|---|---|---|---|---|
| 2020-21 | ドルトムント | 46 | 4 | 4 |
| 2021-22 | ドルトムント | 44 | 6 | 14 |
| 2022-23 | ドルトムント | 42 | 14 | 7 |
| 2023-24 | レアル | 42 | 23 | 13 |
| 2024-25 | レアル | 58 | 15 | 15 |
| 2025-26 | レアル | 40 | 8 | 5 |
| 2026-27 | レアル | 8 | 3 | 3 |
※公式戦の合計。試合数と得点はWikipedia英語版とTransfermarktで一致を確認しました。アシストはTransfermarktの記録で、2023-24〜2025-26は海外メディアの報道とも一致します。2024-25は2025年夏のクラブW杯(6試合1得点1アシスト)を含みます。2026-27は2026年9月20日の試合までです。
「過大評価」の根拠になりやすいのは、2024-25と2025-26の数字です。ただ、1年目の0.89を基準にすると、2年目以降はどうしても見劣りします。つまり、過大評価かどうかは、どの時期を基準にするかで答えが変わります。
そして2026年のワールドカップ(8試合7得点1アシスト)と、2026-27の開幕8試合(3得点3アシスト)では、1年目に近い数字に戻っています。数字だけを見るなら、「落ちたのは2シーズン。いまは戻りつつある」というのが2026年9月時点の現在地です。ただし2026-27はまだ8試合なので、戻ったと言い切るには早い段階です。
理由①:1億300万ユーロの移籍金と市場価値の上下
ベリンガムは2023年6月14日、ドルトムントからレアル・マドリーへ移籍しました。ドルトムントの発表では、移籍金は1億300万ユーロで、出来高によって最大で約30%上乗せされる契約です。当時19歳の選手としては、極めて高い金額でした。レアルも同じ日に、6シーズンの契約で合意したと公式に発表しています。
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移籍情報サイトTransfermarktの推定市場価値は、1年目の2023年12月に1億8000万ユーロまで上がり、2025年6月まで同じ額が続きました。その後は2025年12月に1億6000万ユーロ、2026年6月には1億3000万ユーロまで下がり、W杯後の2026年7月に1億6000万ユーロへ戻っています。
市場価値はサイトの推定値で、実際の移籍金ではありません。それでも「値段に見合っているか」という目で見られやすく、成績が落ちた時期に「過大評価」と言われる土台になりました。
理由②:エムバペ加入で役割が変わり、ゴールが減った
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1年目のベリンガムは、相手ゴールに近い位置でプレーし、リーグ戦で19ゴールを挙げました。この活躍でラ・リーガの年間最優秀選手に選ばれ、チームもリーグとチャンピオンズリーグを制しています。
2024年夏にエムバペが加入すると、点を取る役目はエムバペに移りました。エムバペは2025-26シーズンに公式戦42ゴールを挙げています。ベリンガム本人は2026年1月、「1年目は相手ゴールの近くでプレーして多くの点を取った。でも年に40点取るストライカーが来て、自分がそこまで前にいる必要はなくなった」「後ろめの位置で15点取ったのは悪くない」という趣旨の説明をしています(GOALの報道)。
2026-27シーズンから指揮を執るモウリーニョ監督は、2026年8月に「昨季のベリンガムは、ときどき2人目の左サイドバックのように守っていた。もうそれは見たくないと本人に伝えた」と話しました。エムバペとヴィニシウスが前に残るぶん、ベリンガムが左サイドの守備を埋めていた、という見方です。
こうした守備の仕事は、得点やアシストの数字には表れません。「数字が落ちた=実力が落ちた」と言い切れないのは、このためです。
理由③:肩の手術とケガが重なった2025-26シーズン
2025年7月16日、レアルはベリンガムが左肩の手術を受けたと発表しました。2023年11月から抱えていた脱臼の治療で、復帰まで10〜12週の見込みでした。実際には9月20日、本拠地ベルナベウでのエスパニョール戦で、予定より早く復帰しています。本人は試合後、スタジアムの声援とリハビリ中の支えに感謝する投稿をしました。
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10月にはユベントス戦とクラシコで決勝ゴールを決めました。しかしチームは2026年1月11日のスーペルコパ決勝でバルセロナに敗れ、翌12日にシャビ・アロンソ監督がチームを去ります。14日にはコパ・デル・レイで2部のアルバセテに敗退しました。直後の1月17日のレバンテ戦では、本拠地ベルナベウのファンからベリンガムとヴィニシウスにブーイングが起きています。
1月28日のチャンピオンズリーグでベンフィカに2-4で敗れると、スペイン紙マルカはベリンガムについて「創造性、フィジカル、加入直後のダイナミズムを欠いた」と批判しました(サッカーキングの報道)。さらに2月1日のラージョ戦で太もも裏を痛め、3月下旬まで離脱。チームは無冠に終わり、ベリンガム自身も40試合8得点5アシストと、レアルで最も少ない数字でした。
イングランド代表でも立場は揺れました。トゥヘル監督のもとで、アストン・ヴィラのモーガン・ロジャースが同じポジションで起用される試合が増えます。2025年12月には元イングランド代表のフィル・ジョーンズ氏が、自分ならW杯の10番はロジャースにする、という趣旨の発言をしています。W杯直前の2026年6月にも、トゥヘル監督は「彼は先発組の1人だが、先発候補は14〜15人いる」と話し、先発を約束していません。
評価する側の言い分:W杯7ゴールとタイトル・個人賞
FIFA公式チャンネル「Jude Bellingham Goal | Norway 1-2 England | FIFA World Cup 2026™」(2026年7月公開)。準々決勝ノルウェー戦でのベリンガムのゴール映像です。
評価する側がまず挙げるのが、2026年のワールドカップです。ベリンガムは8試合で7ゴール。メキシコシティのアステカ・スタジアムで行われたラウンド16のメキシコ戦(3-2)と、準々決勝のノルウェー戦(延長2-1)で2ゴールずつ決め、ノルウェー戦は前半アディショナルタイムの同点弾と延長の決勝弾でした。
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7ゴールは、1986年大会のリネカー(6ゴール)を上回るイングランドの1大会最多記録です。イングランドサッカー協会によると、W杯とEUROを通じて1大会7ゴールを決めたイングランドの選手は初めてです。イングランドは3位に入り、ベリンガムは得点ランキング3位の選手に贈られるブロンズブーツを受賞しました。
| 年 | タイトル・個人賞 |
|---|---|
| 2021年 | DFBポカール優勝(ドルトムント) |
| 2023年 | ゴールデンボーイ、コパ・トロフィー(21歳以下の最優秀選手) |
| 2023-24 | ラ・リーガ優勝、CL優勝、ラ・リーガ年間最優秀選手 |
| 2024年 | バロンドール3位、UEFAスーパーカップ優勝、インターコンチネンタルカップ優勝 |
| 2025年 | バロンドール23位 |
| 2026年 | W杯3位・ブロンズブーツ、バロンドール候補30人に選出 |
※主なものだけを載せています。バロンドールの順位は各年の公式発表にもとづきます。
2023年のコパ・トロフィーは、ドルトムント最後のシーズンの活躍が評価されたもので、レアル加入後の2023年10月にバロンドールの授賞式で発表されました。
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専門家の声も、批判ばかりではありません。W杯直前にトゥヘル監督の発言が出た際、元イングランド代表のギャリー・ネヴィル氏は「ベリンガムは控えじゃない。スターだ」と反論しました。2026年8月には、元メキシコ代表のハビエル・エルナンデス氏(チチャリート)が「過小評価されている選手ならベリンガム。ここ3、4年の彼は世界最高のMFの1人だ」と話しています。
両方の言い分を並べると、次のようになります。
| 批判する側の根拠 | 評価する側の根拠 |
|---|---|
| 1億300万ユーロの移籍金 | 1年目に23得点13アシスト、リーグとCLで優勝 |
| 2025-26は40試合8得点5アシスト | W杯で8試合7ゴール、イングランド新記録 |
| 2025年のバロンドールは23位 | 2024年は3位、2026年も候補30人 |
| 代表でロジャースと先発を争った | 守備の穴埋めなど数字に出ない仕事をしていた |
データで見る:ベリンガムは日本でどれくらい調べられている?
フットボール戦士が毎日集計している「サッカー選手 日本での注目度ランキング」のデータです(日本語版Wikipediaの閲覧数)。
フットボール戦士の集計では、ベリンガムの日本語版Wikipediaの閲覧数は、2024年の合計309,988回から2025年は178,645回に減り、2026年は9月23日までで528,171回に増えました。成績が落ちた年に減り、W杯の年に増えるという、評価の波とよく似た形です。
これまでで最も見られたのは2026年7月12日で、1日に60,513回でした。日本時間のこの日の朝に、W杯準々決勝のノルウェー戦で2ゴールを決めています。2026年9月時点の直近30日は1日あたり約658回で、集計している98人の中で30位です。閲覧数は日本での注目度の目安で、実力や人気の順位ではありません。
よくある質問
A. 数字が大きく落ちたのは2024-25と2025-26の2シーズンです。レアル1年目と2026年のW杯、2026-27の開幕後は高い数字を残しています。どの時期を基準にするかで評価が分かれる、というのが数字から言えることです。
A. 公式戦で、1年目が42試合23得点13アシスト、2年目が58試合15得点15アシスト、3年目が40試合8得点5アシストです。2026-27は9月20日までの8試合で3得点3アシストです。
A. 2024年夏のエムバペ加入で、得点を取る役目がエムバペに移ったことが大きな理由です。2025-26は左肩の手術で出遅れ、2月には太もも裏も痛めました。モウリーニョ監督は、昨季のベリンガムが左サイドの守備を埋めていたと話しています。
A. 8試合で7ゴールです。イングランドの1大会最多記録で、ブロンズブーツ(得点ランキング3位)も受賞しました。イングランドは3位でした。
A. 2026年9月8日に発表された候補30人に入っています。発表は2026年10月26日にロンドンで行われる予定です。受賞の予想は、ここでは控えます。
まとめ:ベリンガムの「過大評価」は、どの時期を見るかで答えが変わる
- 90分あたりのゴール+アシストは、レアル1年目0.89、2年目0.56、3年目0.43と下がった
- 下がった背景は、エムバペ加入後の役割の変化と、肩の手術・太もも裏のケガ
- 推定市場価値は1億8000万ユーロから1億3000万ユーロまで下がり、W杯後に1億6000万ユーロへ戻った
- 2026年W杯は8試合7ゴールでイングランド新記録、ブロンズブーツを受賞
- 2026-27は開幕8試合で3得点3アシスト。バロンドール候補30人にも入った
「過大評価」という言葉は、2024-25と2025-26の数字にはあてはまる面があります。一方で、1年目とW杯の数字を見れば、世界のトップにいる選手であることも確かです。2026-27シーズンの数字が1年目に近いまま続くかどうかで、この議論の答えははっきりしていくはずです。
※この記事の情報は2026年9月25日時点のものです。成績はWikipedia英語版とTransfermarkt、市場価値はTransfermarktの推定値、発言は各メディアの報道にもとづきます。
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