天皇杯とは?出場資格・延長とPKのルール・優勝回数ランキング

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こんな疑問を持つ方へ
  • 天皇杯とはどんな大会?Jリーグやルヴァンカップと何が違う?
  • 出場資格は?出場チームは何チームで、J3や高校のチームも出られる?
  • 引き分けの場合は延長戦?PK戦?外国人枠はある?
  • 天皇杯で一番多く優勝しているチームはどこ?

天皇杯は、日本サッカー協会(JFA)が主催する、プロとアマチュアが同じトーナメントで「サッカー日本一」を争う大会です。2026年は第106回で、J1・J2の40クラブと都道府県代表など88チームが出場し、決勝は2027年1月1日に国立競技場で行われます。

この記事では、第106回大会の大会要項と開催規程をもとに、出場資格・出場チームの内訳、延長戦とPK戦のルール、外国人枠をまとめました。フットボール戦士が集計した優勝回数ランキングと、女子の「皇后杯」も紹介します。

天皇杯とは?プロもアマも出られるサッカー日本一決定戦

JFA公式チャンネル(JFATV)「【ハイライト】第105回天皇杯 FC町田ゼルビア vs.ヴィッセル神戸|決勝」(2025年11月公開)。春秋制で最後の大会となった第105回は、町田が神戸を3-1で破って初優勝しました。

天皇杯の正式名称は「天皇杯 JFA 全日本サッカー選手権大会」です。JFAに「第1種」として登録しているチームなら、プロのJクラブでも、社会人・大学のアマチュアチームでも参加できます。負けたら終わりの勝ち抜き戦(ノックアウト方式)で、最後まで勝ち残ったチームが日本一になります。

始まりは1921年の「ア式蹴球全国優勝競技会」で、100年以上の歴史があります。戦争などで中止になった年があるため、2026年の大会が第106回にあたります。

項目第106回大会(2026〜27年)
正式名称天皇杯 JFA 第106回全日本サッカー選手権大会
主催日本サッカー協会(JFA)・日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)
出場チーム88チーム(J1・J2の40クラブ、都道府県代表47、大学シード1)
試合の方式ノックアウト方式(1試合で勝ち負けを決める)
期間2026年8月19日〜2027年1月1日
決勝2027年1月1日(金・祝)MUFGスタジアム(国立競技場)
前回の優勝FC町田ゼルビア(第105回・2025年)

※JFA「天皇杯 JFA 第106回全日本サッカー選手権大会」大会要項をもとに作成。

同じ国内のカップ戦でも、ルヴァンカップはJリーグが主催し、Jクラブだけが出る大会です。アマチュアのチームがJ1のクラブに挑めるのは天皇杯だけで、これが「下剋上(ジャイアントキリング)」が起きる大会と言われる理由です。

Jリーグの秋春制への移行にあわせて、第106回からは8月に開幕し、元日に決勝を行う日程に変わりました。ラウンドごとの日程は「Jリーグ秋春制で天皇杯はどう変わる?」で詳しく解説しています。

なぜ「天皇杯」という名前なの?

きっかけは、1947年4月3日に明治神宮外苑競技場で行われた東西対抗の試合を、昭和天皇が観戦されたことです。翌1948年に宮内府(今の宮内庁)から天皇杯が贈られ、1951年度の第31回大会から全日本選手権の優勝チームに授与されるようになりました。最初に天皇杯を手にしたのは、慶應義塾のチーム「慶応BRB」です。

優勝チームには天皇杯のほか、JFA杯・FAシルバーカップ・JOC杯・NHK杯・共同通信社杯・ドイツ杯の6つのカップも贈られます。FAシルバーカップは、1919年にイングランドサッカー協会から贈られ、JFAが生まれるきっかけになったカップです。

天皇杯の出場資格:社会人や大学も予選を勝てば出られる

都道府県代表 47 各都道府県の予選で優勝 大学シード 1 筑波大学 1回戦 48チーム 2026年8月19日 24チームが勝ち上がり J1 20 + J2 20 ここから登場 2回戦 64チーム 8月26日 3回戦 32チーム 9月23日・10月7日 ラウンド16〜準決勝 12月9日・23日・27日 決勝 2027年1月1日・国立競技場
天皇杯 第106回の出場の流れ(JFAの大会要項をもとにフットボール戦士が作図)

天皇杯の開催規程(第8条)では、参加できるのは「その年度にJFAへの登録を済ませた第1種のチーム」と、そのチームに登録された選手です。第1種とは年齢制限のない一般のカテゴリーのことで、Jクラブ、JFLや地域リーグの社会人チーム、大学のチームなどが当てはまります。

ただし、誰でも本大会にいきなり出られるわけではありません。Jクラブ以外のチームは、各都道府県で行われるサッカー選手権(都道府県予選)で優勝し、その都道府県の代表になる必要があります。大学のチームからは、全日本大学サッカー連盟が選ぶ1チーム(第106回は筑波大学)が「アマチュアシード」として予選なしで出場します。

出場チームは88:内訳と登場するラウンド

区分チーム数登場するラウンド
J1のクラブ202回戦から
J2のクラブ202回戦から
アマチュアシード(筑波大学)11回戦から
都道府県代表471回戦から
合計88―

※JFA 第106回大会要項より。J1・J2の区分は、2025年の成績で決まった2026〜27シーズンの所属です。

1回戦の48チームが24チームに絞られ、2回戦でJ1・J2の40クラブが加わって64チームになります。3回戦は、ACL(アジアの大会)に出ているクラブとその対戦相手だけが9月23日、ほかは10月7日に戦いました。2026年10月21日時点で勝ち残っているのは16チームで、J1が15クラブ、J2は横浜FCだけです。

J3のクラブや高校のチームは出られる?

第106回では、J3のクラブにシード(予選なしの出場枠)はありません。J3のクラブも、アマチュアのチームと同じく都道府県予選を勝ち抜いて代表になれば出場できます。2026年は、鳥取県代表のガイナーレ鳥取(J3)が2回戦でJ1の名古屋グランパスに3-1で勝ちました。

スカパー!国内サッカー公式チャンネル「名古屋グランパス×ガイナーレ鳥取」天皇杯 第106回 2回戦ハイライト(2026年8月公開)。都道府県代表のJ3クラブが、J1のクラブを破った試合です。

高校のチームは、2015年の第95回大会から出場できなくなりました。1996年の第76回からは47都道府県の代表制になり、高校やクラブユースのチームも予選に参加できましたが、2014年11月のJFA理事会で、18歳未満の「第2種」のチームを参加資格から外すことが決まりました。

なお、Jクラブのユースに所属する高校生年代の選手が、「クラブ申請制度」を使い、ユースに登録したままトップチームの一員として天皇杯に出ることはできます(開催規程の補足説明)。出られなくなったのは高校の「チーム」です。

天皇杯の延長戦ルール:引き分けなら延長30分、次にPK戦

試合は90分 前半45分・後半45分 同点なら 5分休憩 → 延長戦30分 前半15分・後半15分(最後まで行う) それでも同点なら PK戦(約1分のインターバル後) まず5人ずつ蹴る 決まらなければ6人目から1人ずつ 再試合はなし。決勝も同じ方式 1試合で必ず次に進むチームが決まる
天皇杯の勝敗の決め方(第106回大会要項「試合の勝敗の決定」をもとにフットボール戦士が作図)

天皇杯の試合は90分(前後半45分ずつ)です。90分で引き分けの場合は、5分の休憩をはさんで30分(前後半15分ずつ)の延長戦を行います。延長戦で勝ち越しても試合はそこで終わらず、30分を最後まで戦います。

延長戦でも決着がつかない場合は、PK戦で次のラウンドに進むチームを決めます。PK戦は5人ずつ蹴り、それでも同点なら6人目から1人ずつのサドンデスです。大会要項には「決勝においても同様の方式で優勝チームを決める」とあり、決勝でも再試合や両チーム優勝はありません。

リーグ戦の場合、Jリーグは90分で引き分けがあり、延長戦はありません(Jリーグの試合時間)。天皇杯はトーナメントなので、どの試合も必ず勝ち負けがつきます。

交代は90分で5人まで、延長に入ると6人目が使える

場面交代できる人数交代できる回数
90分の間5人まで3回まで(ハーフタイムは数えない)
延長戦まで含めて合計6人まで合計4回まで(ハーフタイム・延長の前・延長のハーフタイムは数えない)
脳しんとう(疑いを含む)別枠で1人上の人数・回数に含めない

※JFA 第106回大会要項「選手の交代」より。

PK戦までもつれる試合はどれくらい?

フットボール戦士が1993〜2025年の天皇杯(2005・2007年を除く)を集計したところ、PK戦で決まった試合は2,412試合中167試合で、全体の6.9%でした。おおよそ15試合に1試合の割合です。

2026年の第106回は、3回戦までの72試合のうち5試合がPK戦になりました。3回戦では、ガイナーレ鳥取と東京ヴェルディが0-0のままPK戦に入り、東京ヴェルディが4-3で勝っています。決勝でも、2022年はJ2のヴァンフォーレ甲府がサンフレッチェ広島に1-1からのPK戦5-4で、2023年は川崎フロンターレが柏レイソルに0-0からのPK戦8-7で優勝しました。2023年のPK戦は10人目までもつれています。

天皇杯の外国人枠は?Jクラブは試合のメンバーに5人まで

Jクラブ (J1・J2・J3) 大会への登録 制限なし 1試合のメンバー 5人まで アマチュア (JFL・社会人・大学など) 大会への登録 5人まで 1試合のメンバー 3人まで タイ・ベトナムなど東南アジア7か国の選手は 外国籍として数えない(Jリーグ提携国枠)
天皇杯の外国人枠(第106回 開催規程 第10条をもとにフットボール戦士が作図)

天皇杯の外国人枠は、開催規程の第10条で決められています。J1・J2・J3のクラブは、外国籍選手を何人でも大会に登録でき、1試合のメンバー(エントリー)に入れられるのは5人までです。JFLや社会人・大学などのアマチュアのチームは、登録が5人まで、1試合のメンバーは3人までです。

タイ・ベトナム・ミャンマー・カンボジア・シンガポール・インドネシア・マレーシアの国籍の選手は「Jリーグ提携国枠」として、外国籍選手に数えません。J1のリーグ戦の外国人枠については「Jリーグの外国人枠は何人まで?」で解説しています。

累積警告は2枚で1試合の出場停止、準々決勝のあとに消える

天皇杯で警告(イエローカード)が2枚たまった選手は、天皇杯の次の試合に出られません。準々決勝が終わった時点で警告が1枚の場合、その警告は準決勝に持ち越さずに消えます。警告の数はリーグ戦とは別に数え、大会が終わると効力がなくなります。Jリーグやルヴァンカップとの違いは「Jリーグの累積警告は何枚で出場停止?」にまとめています。

「ベストメンバーで戦う」という決まりもある

開催規程の第9条には、参加チームは「その時点における最強のチーム(ベストメンバー)」で試合に臨まなければならない、という決まりがあります。そのほか、1チームが大会に申し込める選手は40人までで、天皇杯に一度出場した選手は、移籍しても別のチームで天皇杯に出ることはできません。

天皇杯の優勝回数ランキング:最多は慶應義塾大学の9回

天皇杯の優勝回数(第1〜105回) Jクラブ(前身を含む) 大学関係のチーム 慶應義塾大学9回 浦和レッズ8回 横浜F・マリノス7回 関西学院大学7回 ガンバ大阪5回 東京ヴェルディ5回 鹿島アントラーズ5回 ジェフ千葉4回 セレッソ大阪4回 早稲田大学4回 前身・同じ学校の別名チームも含む
天皇杯の優勝回数 上位10チーム(英語版・日本語版Wikipediaの各大会の記事(CC BY-SA)からフットボール戦士が集計・2026年10月20日更新)

フットボール戦士の集計では、天皇杯で最も多く優勝しているのは慶應義塾大学の9回です。慶應は戦前から1950年代にかけて、「慶応BRB」「慶応クラブ」などの名前で優勝を重ねました。Jクラブで最多は浦和レッズの8回(前身の三菱重工時代を含む)で、横浜F・マリノスの7回(日産自動車時代を含む)が続きます。

この回数は、前身の企業チームや、名前の違う同じ学校のチームの優勝もまとめて数えたものです。「慶応BRB」と「慶應義塾大学」を分けて数える資料では慶応BRBを8回とするなど、数え方によって回数が少し変わります。

天皇杯の歴代優勝(2016〜2025年)

年(回)優勝準優勝
2025年(第105回)FC町田ゼルビアヴィッセル神戸
2024年(第104回)ヴィッセル神戸ガンバ大阪
2023年(第103回)川崎フロンターレ柏レイソル
2022年(第102回)ヴァンフォーレ甲府サンフレッチェ広島
2021年(第101回)浦和レッズ大分トリニータ
2020年(第100回)川崎フロンターレガンバ大阪
2019年(第99回)ヴィッセル神戸鹿島アントラーズ
2018年(第98回)浦和レッズベガルタ仙台
2017年(第97回)セレッソ大阪横浜F・マリノス
2016年(第96回)鹿島アントラーズ川崎フロンターレ

※年は大会の年度。元日に決勝を行った大会は、決勝の日付が翌年になります。JFA「歴代優勝チーム一覧」より。

この10年では、浦和・川崎・神戸が2回ずつ優勝しています。2022年は当時J2だったヴァンフォーレ甲府が優勝し、2025年は町田が初優勝しました。1921年からの全大会の優勝チームはJFAの「歴代優勝チーム一覧」で、1993年以降の全試合の集計はフットボール戦士の「高校サッカー選手権・天皇杯データベース」で見られます。

天皇杯の女子サッカー版は「皇后杯」:2027年元日に同じ国立で決勝

JFA公式チャンネル(JFATV)「天皇杯・皇后杯 決勝 元日(2027年1月1日)同日開催決定!【告知映像】」(2026年9月公開)。

女子サッカーの日本一を決める大会は、天皇杯ではなく「皇后杯 JFA 全日本女子サッカー選手権大会」です。2026年は第48回で、WEリーグの12クラブ、なでしこリーグ1部の12クラブ、全国9地域から選ばれた24チームの計48チームが出場します。

ラウンド日程(第48回・2026〜27年)
1回戦2026年11月14日(土)・15日(日)
2回戦(WEリーグのクラブが登場)11月28日(土)
3回戦12月6日(日)
準々決勝12月13日(日)
準決勝12月20日(日)
決勝2027年1月1日(金・祝)MUFGスタジアム(国立競技場)

※JFAの発表(2026年9月18日)より。

第48回の決勝は、天皇杯の決勝と同じ2027年1月1日に、同じ国立競技場で行われます。JFAによると、天皇杯と皇后杯の決勝を同じ日に行うのは第33回大会以来15年ぶりです。前回の第47回(2026年1月1日決勝)は、サンフレッチェ広島レジーナがINAC神戸レオネッサを2-1で破って初優勝しました。

よくある質問

Q1. 天皇杯とルヴァンカップの違いは何ですか?

A. 天皇杯はJFAなどが主催し、Jクラブとアマチュアの88チームが出る大会です(第106回)。ルヴァンカップはJリーグが主催し、Jクラブだけが出る大会です。アマチュアのチームがJ1のクラブと公式戦で戦えるのは天皇杯だけです。

Q2. 天皇杯で引き分けの場合はどうなりますか?

A. 90分で同点なら、5分休憩のあと30分の延長戦を行います。延長でも同点ならPK戦(5人ずつ、決まらなければ6人目から1人ずつ)で勝者を決めます。再試合はなく、決勝も同じ方式です。

Q3. 高校のチームは天皇杯に出られますか?

A. 2015年の第95回大会から、高校などの第2種(18歳未満)のチームは出場できません。参加できるのは第1種のチームだけです。ただし、Jクラブのユースの選手が、クラブ申請制度でトップチームの一員として出場することはできます。

Q4. 天皇杯で優勝するとどうなりますか?

A. 第106回の開催規程では、優勝チームにチーム強化費1億5,000万円(税別)が贈られます。JFAの2026年8月の発表では、第106回の優勝クラブは2027/28シーズンのACL Two(アジアの大会)に出場します。

Q5. 天皇杯の決勝はテレビで見られますか?

A. JFAの発表では、2027年1月1日の天皇杯決勝と皇后杯決勝は、NHK総合で生中継される予定です。

まとめ:天皇杯はプロもアマも出られる日本一決定戦

  • 天皇杯は1921年に始まった、プロとアマチュアが同じトーナメントで戦うサッカー日本一の大会。2026年は第106回
  • 出場資格はJFAの第1種登録チーム。第106回はJ1・J2の40クラブ、都道府県代表47、大学シード1の88チーム。J3のクラブは都道府県予選から
  • 90分で同点なら30分の延長戦、それでも同点ならPK戦。再試合はなく、決勝も同じ。PK戦で決まった試合は1993年以降6.9%
  • 外国人枠はJクラブが1試合5人まで、アマチュアは3人まで。累積警告は2枚で1試合の出場停止
  • 優勝回数は慶應義塾大学の9回が最多。Jクラブでは浦和レッズの8回が最多
  • 女子は「皇后杯」。第48回の決勝は天皇杯と同じ2027年1月1日に国立競技場で行われる

天皇杯は、J1のクラブが都道府県代表やJ3のクラブに負けることもある一発勝負の大会です。決勝は2027年1月1日、国立競技場で行われます。ルールと出場チームの仕組みを知っておくと、12月9日のラウンド16から元日の決勝まで、勝ち上がりを追いやすくなります。

※この記事の情報は2026年10月21日時点のものです。出場チーム・ルールはJFAの第106回大会要項・開催規程(2026年7月1日施行)、皇后杯はJFAの2026年9月18日の発表、優勝回数はフットボール戦士の集計にもとづきます。最新の情報はJFAの公式サイトでご確認ください。