ワールドカップ3位決定戦の歴代結果まとめ!最多3位の国は?

「ワールドカップの3位決定戦って、本当に必要なの?」——W杯が近づくたびに繰り返されるこの問いは、サッカーファンなら一度は考えたことがあるはずです。準決勝で夢が絶たれた2チームが、消えない疲労と失意を抱えながら戦う試合。それでも「W杯の3位」という栄誉を目指して選手たちは全力を尽くす——その矛盾と感動が、3位決定戦の本質です。

この記事では、ワールドカップ3位決定戦の歴史・歴代全結果・廃止論の背景・注目の記録まで、あらゆる角度から徹底解説します。「意味があるのか?」という疑問への答えも含めて、W杯3位決定戦のすべてをお届けします。


ワールドカップ3位決定戦とは——基本ルールと仕組み

FIFAワールドカップの3位決定戦は、準決勝で敗れた2チームが3位と4位を争う試合です。英語では「Third-place match」または「Third-place play-off」と呼ばれ、決勝戦の前日に行われるのが慣例となっています。

項目 内容
出場チーム 準決勝で敗退した2チーム
試合形式 90分(延長・PK戦あり)
開催タイミング 決勝戦の前日
英語表記 Third-place match / Third-place play-off / Bronze medal game
3位の価値 W杯での表彰(銅メダル相当)・賞金・国際的な評価
1930年大会 3位決定戦なし(FIFAはアメリカを3位、ユーゴスラビアを4位と認定)
初めて実施された大会 1934年イタリア大会

1950年ブラジル大会では決勝リーグ方式が採用されたため3位決定戦は行われず、以降の大会では原則として実施されています(1930年・1950年除き、2022年大会まで全20大会中18大会で実施)。


ワールドカップ3位決定戦 歴代全結果一覧(1934〜2022年)

1934年大会から2022年大会まで、3位決定戦が行われた全大会の結果をまとめました。1950年(決勝リーグ方式)と1930年(実施なし)を除く18大会の記録です。複数資料での確認に基づいて記載しています。

大会年 開催国 3位(勝利チーム) スコア 4位
1934年 イタリア ドイツ 3-2 オーストリア
1938年 フランス ブラジル 4-2 スウェーデン
1954年 スイス オーストリア 3-1 ウルグアイ
1958年 スウェーデン フランス 6-3 西ドイツ
1962年 チリ チリ 1-0 ユーゴスラビア
1966年 イングランド ポルトガル 2-1 ソビエト連邦
1970年 メキシコ 西ドイツ 1-0 ウルグアイ
1974年 西ドイツ ポーランド 1-0 ブラジル
1978年 アルゼンチン ブラジル 2-1 イタリア
1982年 スペイン ポーランド 3-2 フランス
1986年 メキシコ フランス 4-2(延長) ベルギー
1990年 イタリア イタリア 2-1 イングランド
1994年 アメリカ スウェーデン 4-0 ブルガリア
1998年 フランス クロアチア 2-1 オランダ
2002年 日本・韓国 トルコ 3-2 韓国
2006年 ドイツ ドイツ 3-1 ポルトガル
2010年 南アフリカ ドイツ 3-2 ウルグアイ
2014年 ブラジル オランダ 3-0 ブラジル
2018年 ロシア ベルギー 2-0 イングランド
2022年 カタール クロアチア 2-1 モロッコ

※Wikipedia「FIFAワールドカップ」「各大会記事」・サッカーキング・ALLSTARS CLUB等の複数ソースに基づく。1974年・1978年大会は2次リーグ方式のため、グループ2位チーム同士の対戦が3位決定戦に相当。一部スコアは確認できたデータを記載。


3位決定戦で最多3位の国はどこか——国別の3位獲得回数

歴代の3位決定戦を振り返ると、3位を最も多く獲得している国が浮かび上がります。ドイツ(西ドイツ含む)が特に多く、「準決勝では敗れる、3位決定戦では強い」という傾向があります。

3位獲得回数 国名 3位になった大会年
4回 ドイツ(西ドイツ含む) 1934・1970・2006・2010年
2回 フランス 1958・1986年
2回 ブラジル 1938・1978年
2回 ポーランド 1974・1982年
2回 クロアチア 1998・2022年

注目の記録:クロアチアの2回連続3位(1998・2022年)

クロアチアは初出場となった1998年フランス大会で見事3位を獲得。それから24年後の2022年カタール大会でも再び3位を達成し、2大会での3位入賞という偉業を果たしました。カタール大会の3位決定戦ではアフリカ勢として史上初の4強入りを達成したモロッコと対戦し、2-1で勝利しています。


近年の3位決定戦の試合内容——注目カードを振り返る

2022年カタール大会:クロアチア 2-1 モロッコ

2022年12月17日に行われた3位決定戦では、前回大会準優勝のクロアチアが、アフリカ勢として史上初のW杯4強入りを果たしたモロッコと対戦しました。試合前、メディアから「3位決定戦に意味はあるのか?」という質問が飛んだことに対し、クロアチアのダリッチ監督は「このメダルはクロアチアにとって金メダルに値する」と反論。選手たちも「もちろん、行きたかったのは決勝」と認めながらも、試合終了まで気迫あふれるプレーを見せました。

2018年ロシア大会:ベルギー 2-0 イングランド

欧州の強豪同士の対決となった2018年3位決定戦。ベルギーがイングランドを2-0で下し、1986年メキシコ大会の4位以来の最高成績を更新する3位を獲得しました。イングランドにとっては、地元での自国開催で優勝した1966年大会以来となる3位入りのチャンスでしたが、届きませんでした。

2014年ブラジル大会:オランダ 3-0 ブラジル

準決勝でドイツに7-1という歴史的大敗を喫した直後のブラジルにとって、自国開催でのこの3位決定戦は最も過酷なものでした。オランダに0-3で敗れ、ブラジルはW杯史上唯一「自国開催で4位」という苦い結果に終わりました。サッカーダイジェストも「炭酸の抜けたコーラのような試合も多い3位決定戦では珍しい攻撃的な姿勢」とブラジルの懸命なプレーを伝えています。

2010年南アフリカ大会:ドイツ 3-2 ウルグアイ

2010年大会の3位決定戦は、ゴールの多い好試合となりました。ドイツが3-2でウルグアイを下し、2大会連続(2006・2010年)の3位獲得。大会最多得点をあげたトーマス・ミュラーはこの試合でもゴールを決め、大会得点王(5ゴール)を獲得しました。


「3位決定戦は不要か?」——廃止論の本質と存在理由

W杯の3位決定戦は、繰り返し「廃止すべきでは?」という声が上がる試合です。UEFA欧州選手権(EURO)は1984年大会以降、アジアカップは2019年大会から3位決定戦を廃止しています。なぜW杯ではいまだに行われているのでしょうか。

廃止論の主な理由

① 選手のモチベーション問題

準決勝で夢が断たれた状態で、精神的にも肉体的にも疲弊した選手が「3位になりたい」というモチベーションを持つのは難しい。試合の質が低下しやすい。

② 選手への過剰な負荷

長期間の大会を通じてすでに消耗しているトップ選手が、「意味が薄い」と感じる試合でさらに怪我のリスクを負う必要性への疑問。

③ 「負けた側が最悪な気分」問題

準決勝で敗れ、3位決定戦でも敗れると2連敗で大会を終えることになる。準決勝敗退国の選手・国民にとって精神的ダメージが大きい。

存続論の主な理由

① 小国・新興国にとっての価値

クロアチアのダリッチ監督が語ったように「小国にとってW杯3位は金メダルに値する」。国の歴史に刻まれる誇りを持った試合になる。

② 賞金と具体的インセンティブ

3位と4位では賞金に差がある。2018年大会では3位2400万ドル、4位2200万ドルと200万ドルの差があった(Wikipedia)。賞金差がモチベーションになりうる。

③ 記録・歴史的位置づけ

W杯の「3位」という称号は国の誇りとして永遠に記録される。モロッコ(2022年)のように史上初の偉業の場になることもある。

主要大会 3位決定戦の有無 備考
FIFAワールドカップ あり 1934年から継続(一部例外あり)
UEFA欧州選手権(EURO) なし 1984年大会以降廃止
AFCアジアカップ なし 2019年大会から廃止
コパ・アメリカ あり 3位決定戦を継続実施

W杯が廃止しない理由

FIFAワールドカップは全世界を対象とした大会であり、ヨーロッパや南米の強豪国だけでなく、アジア・アフリカ・北中米の国にとっても「W杯での3位」は国家的快挙を意味します。EUROやアジアカップが廃止した背景には、出場国数が少なく試合への意義が薄れやすい構造があります。W杯は出場国が多く、3位は「世界3位」という唯一無二の称号を持つため、廃止論が出てもFIFAは継続しています。2026年大会(48カ国出場)でも3位決定戦は継続が予定されています。


3位決定戦と得点王の関係——知られざるデータ

実は、ワールドカップ3位決定戦には「大会得点王」との興味深い関係があります。サッカーダイジェストの分析によると、W杯の大会得点王は3位のチームから生まれることが多いという傾向が見られます。

なぜかというと、準決勝敗退チームの選手はすでに5〜6試合のゴール機会を積み上げており、3位決定戦でもゴールを狙う動機が強いためです。さらに、3位決定戦では試合が勝敗に直結し、引き分けが決勝進出に影響しない分、より攻撃的な試合展開になりやすいという特性があります。

大会年 得点王 国籍 大会での最終順位
2010年 トーマス・ミュラー(5G) ドイツ 3位
1966年 エウゼビオ(9G) ポルトガル 3位
1994年 ストイチコフ(6G)・サレンコ(6G) ブルガリア・ロシア 4位(ブルガリア)
1982年 パオロ・ロッシ(6G) イタリア 優勝

※サッカーダイジェスト分析(2018年)・JFA等のデータを基に作成。一部の大会は確認できた範囲での記載。

特に2010年大会のトーマス・ミュラーは3位決定戦でもゴールを決め、準決勝からの流れで大会最多5ゴールを達成。得点王のタイトルも手にしました。3位決定戦が得点王争いのラストチャンスになるケースも少なくありません。


「3位のチームを準決勝で倒したチームが優勝する」ジンクス

3位決定戦には、もうひとつ興味深いデータがあります。サッカーダイジェスト(2018年)の分析によれば、3位決定戦で3位を確保したチームを準決勝で破ったチームが、7割超の確率で優勝しているというパターンが見られます。

つまり、「強い3位チームを倒したチームほど決勝でも勝つ」という傾向です。これは3位チームの強さが証明されると同時に、準決勝の対戦結果がその後の優勝予想にも影響するという示唆を与えます。

大会年 3位チーム 3位チームを準決勝で破ったチーム 優勝国
2010年 ドイツ スペイン(ドイツを1-0で撃破) スペイン ✓
2018年 ベルギー フランス(ベルギーを1-0で撃破) フランス ✓
2022年 クロアチア アルゼンチン(クロアチアを3-0で撃破) アルゼンチン ✓

直近3大会で見ると、3位チームを準決勝で撃破したチームがすべて優勝しています。この「ジンクス」は3位決定戦を単なる付録試合ではなく、大会全体の流れを読む上での重要な指標として位置づけることができます。


2026年北中米大会でも3位決定戦は行われる?

2026年大会は史上初の48カ国出場・3カ国共催(アメリカ・カナダ・メキシコ)という大会です。出場国が48カ国に増え、試合数も64試合から104試合に増加しますが、3位決定戦は引き続き実施される予定です

項目 2022年大会まで 2026年大会
出場国数 32カ国 48カ国
総試合数 64試合 104試合
3位決定戦 実施 実施継続(予定)
決勝までの試合数 7試合 8試合
開幕日 2022年11月20日 2026年6月11日

2026年大会は8カ国が出場枠を持つ欧州勢をはじめ、アジア(日本を含む8.5枠)・アフリカ(9.5枠)など各大陸からより多くの国が参加します。日本代表はすでに出場が確定しており、今大会でのベスト8入りが目標となっています。

2026年W杯の日本時間でのキックオフ情報はこちら。
2026年ワールドカップ北中米は日本時間何時キックオフ?日本との時差は?|フットボール戦士


よくある疑問——ワールドカップ3位決定戦Q&A

Q. ワールドカップの3位決定戦はいつ行われますか?

A. 決勝戦の前日に行われるのが慣例です。準決勝から数日のインターバルを置いて実施されます。2022年カタール大会では12月17日(決勝は12月18日)に実施されました。

Q. ワールドカップの3位決定戦が最初に行われたのはいつですか?

A. 1934年イタリア大会が最初です。第1回大会(1930年ウルグアイ)では実施されず、FIFAがアメリカを3位、ユーゴスラビアを4位と認定しました。1950年ブラジル大会も決勝リーグ方式のため実施されませんでした(Wikipedia「FIFAワールドカップ」より)。

Q. ワールドカップ3位決定戦で一番得点の多かった試合はどれですか?

A. 歴代スコアの中で特に得点が多かったのは1958年スウェーデン大会の3位決定戦で、フランスがドイツ(西ドイツ)を6-3で下しました。フランスのジュスト・フォンテーヌはこの試合で2ゴールを決め、大会通算13ゴールという今も破られていない記録を樹立しました(1試合平均2.17点という驚異的な数字)。

Q. ワールドカップで3位を最も多く獲得している国はどこですか?

A. ドイツ(西ドイツ含む)が1934年・1970年・2006年・2010年と計4回で最多です。「準決勝では惜しくも敗れる、3位決定戦では勝つ」という傾向があり、「3位の常連国」といえます。

Q. 3位決定戦はEUROやアジアカップでも行われていますか?

A. EUROは1984年大会以降廃止、アジアカップは2019年大会から廃止されています(文化放送サッカーレポートより)。コパ・アメリカは継続実施中です。W杯は現在も継続しており、2026年大会でも実施予定です。

Q. 開催国がワールドカップ3位決定戦に出場したことはありますか?

A. はい。Goal.comのデータによると、開催国が3位決定戦に進出したことは過去に5度あります。1990年イタリア大会では開催国イタリアが3位決定戦でイングランドを下して3位を獲得しました。

Q. 2026年W杯の3位決定戦の日程はいつですか?

A. 2026年大会は2026年7月19日が決勝戦の予定ですので、3位決定戦はその前日(7月18日ごろ)に行われる見通しです。詳細な日程は公式発表をご確認ください。


まとめ——3位決定戦は「意味がない」のか?

この記事のまとめ

  • W杯3位決定戦は1934年大会で初めて実施(1930年・1950年を除く18大会で実施)
  • 歴代最多3位はドイツ(西ドイツ含む)で計4回(1934・1970・2006・2010年)
  • EUROは1984年以降、アジアカップは2019年以降廃止。W杯は継続
  • 廃止論の主な理由は「選手のモチベーション」「過剰な負担」「連敗による精神的ダメージ」
  • 存続論の根拠は「小国にとっての価値」「賞金差」「世界3位という称号の重み」
  • 3位を決めたチームを準決勝で倒したチームが直近3大会すべてで優勝している
  • 大会得点王が3位チームから生まれるケースが多い(2010年ミュラーなど)
  • 2026年北中米大会でも3位決定戦は継続実施予定

「3位決定戦は意味がない」と感じるのは、優勝を争う視点から見た場合です。しかし「世界3位」という称号は、サッカー史に永遠に刻まれる記録。1998年フランス大会で3位を獲得したクロアチアは国の歴史に誇りを刻み、2022年にも再び3位を達成しました。モロッコが2022年にアフリカ勢初の4強として3位決定戦の舞台に立ったことも、まさにサッカーの歴史に新しいページを加えた瞬間でした。その輝きは本物であり、3位決定戦にはそれを証明する場としての価値があります。

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