鈴木唯人へのファールはなぜ流された?W杯チュニジア戦の判定を解説

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こんな疑問を持つ方へ
  • 鈴木唯人がチュニジア戦で倒されたのに、なぜファールにならなかったの?
  • VARはなぜ入らなかった?あれは誤審だったの?
  • 話題になったのは、いつの、どんな試合の場面?

鈴木唯人へのファールが取られなかったのは、2026年6月20日(日本時間21日)のW杯北中米大会・チュニジア戦で、後半34分ごろに相手2人に腕で押さえられて倒れた場面です。主審は笛を吹かずにプレーを続けさせ、VARも介入しませんでした。競技規則では、ファウルかどうかは主審が判断し、VARが口を出せる場面は4つに限られているため、判定はそのまま残りました。この記事では、報道で確かめられる事実と、競技規則(第12条・VARの実施手順)をもとに、「なぜファールじゃないのか」「誤審だったのか」を整理します。

鈴木唯人のファール騒動とは?W杯チュニジア戦・後半34分の場面

4分 31分 69分 78分 後半34分 83分 鎌田大地のゴールで先制(1-0) 上田綺世が追加点(2-0) 伊東純也のゴール(3-0) 鈴木唯人が途中出場 2人に押さえられて転倒、笛は鳴らず 上田綺世の2点目(4-0)
2026年6月20日(現地)チュニジア対日本の主な出来事(JFAの公式記録と、ゲキサカ・THE ANSWERの報道をもとにフットボール戦士が作図)

話題になったのは、FIFAワールドカップ2026(北中米大会)グループF第2戦のチュニジア対日本です。親善試合ではなく、W杯本大会の試合でした。試合は現地時間2026年6月20日22時(日本時間21日13時)にメキシコのモンテレイスタジアムでキックオフし、日本が4-0で勝っています。

鈴木唯人は、3-0とリードした78分に中村敬斗と代わって途中出場しました(JFAの公式記録)。その直後の後半34分、左サイド深くから中へドリブルで切り込み、チュニジアの選手2人の間を割って入ろうとしたところで、腕で押さえられて倒れました。主審の笛は鳴らず、プレーはそのまま続きました。

日本テレビの中継で解説していた本田圭佑さんは、この場面で「どう見てもファウル」と声を上げました。ベンチ前では森保一監督も両手を広げて抗議し、THE ANSWERは鈴木唯人本人も困惑した様子だったと伝えています。

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本田さんの解説はニュースやSNSで広まり、「鈴木唯人 ファール」「ノーファール」「誤審」といった言葉で検索されるようになりました。なお、競技規則やJFAの表記は「ファウル」ですが、「ファール」と同じ意味です。

※一部の報道は、押さえたチュニジアの選手の名前を挙げています。ただ、JFAの公式記録ではそのうち1人が64分に交代しており、報道と食い違うため、この記事では相手選手の名前を書いていません。

なぜファールじゃない?競技規則(第12条)で見る主審の判断

ファウルに見えた理由 ・相手2人の腕で押さえられて転倒 ・「押さえる」は直接FKの反則(第12条) ・本田圭佑さん、森保監督も抗議 笛が鳴らなかった理由として考えられること ・鈴木も両腕で相手を押さえていた(リプレー) ・FIFAは「通常の接触は罰しない」と事前説明 ・判定は主審の権限(第5条)。公式説明はなし
鈴木唯人の場面をめぐる2つの見方(競技規則、FIFA公式サイト、報道をもとにフットボール戦士が作図)

ファールじゃないとされた理由を、主審や審判団は公表していません。ここでは、競技規則と報道から「そう判断されうる理由」を整理します。

まず、ファウルに見えた側の理由です。競技規則の第12条は、直接フリーキックになる反則として「相手競技者を押さえる」を挙げています。押す・タックルするといった行為は、主審が「不用意に、無謀に、または過剰な力で」行ったと判断したときに反則になりますが、押さえる行為はそれだけで直接フリーキックの反則です。2人に押さえられて倒れたのなら、ファウルの条件はそろっているように見えます。

一方で、審判の判定を専門に取材している石井紘人氏の記事(2026年6月22日)は、リプレー映像では鈴木唯人も両腕で相手を押さえていて、その腕をチュニジアの2人も両腕で押さえていた、と書いています。同じ記事は、スローモーションで見るとよりファウルに見えるとも指摘しています。お互いに腕を使っている競り合いは、主審が「どちらか一方の反則」と見なさず、流すことがある種類の場面です。

大会前にFIFAが示していた「通常の接触は罰しない」方針

FIFAの審判部門の責任者ピエルルイジ・コッリーナ氏は、2026年6月30日のFIFA公式サイトの記事で、大会前に監督と選手へ判定の基準を説明したと振り返っています。そこでは、試合のテンポを上げるため、通常のサッカーの接触は罰しないよう審判に勧めたと書かれています。

この方針が鈴木唯人の場面にどう当てはめられたのかは、公表されていません。ちなみに、この試合で笛が鳴ったファウルはチュニジア8回・日本15回で、イエローカードは両チーム1枚も出ていません(FotMob・ESPNなどの試合記録)。

また、第5条は「プレーに関する事実についての主審の決定は、得点となったかどうか、または試合結果を含め最終である」と定めています。反則があってもされた側に有利なら笛を吹かずに続ける「アドバンテージ」という決まりもありますが、今回の場面がそれに当たるかどうかは、報道からは確かめられません。

VARはなぜ入らなかった?介入は「はっきりとした、明白な間違い」だけ

VARが主審を助けられるのは4つだけ ① 得点かどうか ② PKかどうか ③ 一発退場かどうか ④ 人間違い しかも「はっきりとした、明白な間違い」か 「見逃された重大な事象」のときだけ エリア外・カードなしのファウル判定は対象外 → 主審の判定がそのまま残る
VARが介入できる場面(JFAが公開している「VARの実施手順」をもとにフットボール戦士が作図)

VARの実施手順(JFAが日本語版を公開)によると、VARが主審を助けるのは、図の4つについて「はっきりとした、明白な間違い」か「見逃された重大な事象」があったときだけです。それ以外の判定は、VARがおかしいと思っても口を出せません。

鈴木唯人の場面は、PKを求める場面としては報じられていません。解説の本田さんもリプレーを見ながら「外やったから」と話しており、ペナルティーエリアの外での場面だったとみられます。エリアの外で、カードも出ない「ファウルかどうか」の判定は4つのどれにも当たらないため、VARは介入できません。

仮にエリアの中だったとしても、ハードルは高めです。JFAは、VARは最良の判定を見つけるためではなく、「はっきりとした明白な間違い」をなくすためのシステムだと説明しています。ほとんどすべての人が「明らかに間違っている」と思う場面に限って介入する、という考え方です。お互いに腕を使っていた競り合いは、この基準に当てはまりにくい種類の場面だと考えられます。

鈴木唯人への判定は「誤審」だったのか?言えること・言えないこと

確かめられること ・主審は笛を吹かず、プレーは続いた ・リプレーでは双方が腕を使っていた ・VARが入れる種類の場面ではなかったとみられる 言い切れないこと ・「誤審」かどうか(公式の説明がない) ・主審がどう見て、なぜ流したのか ・3点差だったことが判定に影響したのか
鈴木唯人の場面について、確かめられることと言い切れないこと(2026年9月26日時点のフットボール戦士の調べ)

結論から言うと、「誤審だった」と言い切れる材料はありません。FIFAがこの場面について個別に説明した資料は、2026年9月26日時点で見つけられませんでした。JFAの審判関連の公表資料でも、フットボール戦士が調べた範囲では、この場面を扱ったものはありませんでした。

この試合の主審は、2024-25シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ決勝(パリ・サンジェルマン対インテル)も担当したルーマニアのイシュトヴァン・コヴァーチ氏でした。VARはスイスのフェダイ・サン氏が務めています。

一方で、「ファウルに見えた」という声が多かったのも事実です。Yahoo!知恵袋には試合当日に「なぜファウルを取られなかったのか」という質問が投稿され、回答では「この大会は基準が高めだった」「ボールはすでに鈴木選手のコントロールを離れていた」など、見方が分かれていました。どれも回答者の意見で、公式の説明ではありません。

判定の見え方は、カメラの角度やスロー再生かどうかで変わります。主審はその場の1回、自分の位置から判断しなければなりません。納得できない気持ちは自然ですが、主審個人を責めるより、「なぜその判断になりうるのか」をルールで知っておくと、次に同じような場面を見たときに落ち着いて見られます。

チュニジア戦はどんな試合?4-0の快勝と鈴木唯人のW杯デビュー

FIFA公式YouTubeチャンネル「Highlights | Tunisia 0-4 Japan | FIFA World Cup 2026™」(2026年6月公開)。チュニジア戦のハイライトです。

判定の話題が目立ちましたが、試合そのものは日本の完勝でした。4分に鎌田大地が先制し、31分と83分に上田綺世、69分に伊東純也が決めて4-0。JFAによると、日本のW杯1試合の得点としては過去最多で、2010年大会のデンマーク戦(3-1)の3点を上回りました。この試合は、W杯本大会の通算1,000試合目という記念の一戦でもありました。

日本とチュニジアの通算対戦成績

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フットボール戦士の集計では、日本はチュニジアに通算6試合5勝0分1敗(10得点・3失点)です。W杯本大会では2002年日韓大会(2-0)と2026年大会(4-0)の2回とも勝っていて、唯一の負けは2022年6月のキリンカップ(0-3)でした。

日付大会スコア
2026年6月20日W杯本大会(北中米)4-0 勝ち
2022年6月14日キリンカップ0-3 負け
2015年3月27日親善試合2-0 勝ち
2003年10月8日親善試合1-0 勝ち
2002年6月14日W杯本大会(日韓)2-0 勝ち
1996年10月13日親善試合1-0 勝ち

※公開データ(国際試合結果のデータセット)をもとにしたフットボール戦士の集計です。JFAの公式記録と数え方が違う場合があります。全対戦国の成績は日本代表 戦績データベースで見られます。

日本はグループFを2位で通過しましたが、決勝トーナメント1回戦(ラウンド32)でブラジルに1-2で敗れ、大会を終えました。

鎖骨骨折からの復帰戦がW杯デビューだった

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鈴木唯人にとって、チュニジア戦はW杯デビュー戦でした。ゲキサカによると、2026年5月上旬に鎖骨を骨折してW杯出場が危ぶまれ、5月31日のアイスランド戦も出場を回避していたため、いきなりの復帰戦でもありました。本人のInstagramには、試合後に勝ち点3とデビューを報告する投稿が残っています。

6月22日の練習後の取材では「久しぶりにアドレナリンが出た」と話し、3-0の状況だったのでボールを持ったら全部仕掛けるつもりだったと振り返っています。判定について本人が語った言葉は、確認できた範囲では報じられていません。この場面でケガをしたという報道もありません。

データで見る:鈴木唯人はチュニジア戦の日にどれだけ調べられた?

6/17 6/18 6/19 6/20 6/21 6/22 6/23 6/24 6/25 6,723 48,607 17,163 ← チュニジア戦の日 前日の約7.2倍
日本語版Wikipedia「鈴木唯人」の日別閲覧数(2026年6月17〜25日・日付はUTC)。Wikimedia Pageviews APIをもとにフットボール戦士が集計・作図

フットボール戦士が集計している日本語版Wikipediaの閲覧数を見ると、「鈴木唯人」の記事は試合の日の2026年6月21日に48,607回見られました。前日(6月20日)の6,723回の約7.2倍で、2026年9月24日までの集計では最も多い日です。W杯デビューと判定の場面が同じ日に重なったため、どちらがきっかけで調べられたのかは、閲覧数だけでは分けられません。

2026年9月時点でも、1日あたり約2,044回見られています。集計している839人の中で7位にあたる数字です。

フットボール戦士が毎日集計している「サッカー選手 日本での注目度ランキング」のデータです(日本語版Wikipediaの閲覧数)。

※閲覧数は注目度の目安で、人気や実力を表すものではありません。

よくある質問

Q1. 鈴木唯人のファール騒動は、いつの試合ですか?

A. 2026年6月20日(日本時間21日)に行われた、FIFAワールドカップ2026(北中米大会)グループF第2戦のチュニジア戦です。親善試合ではありません。78分に途中出場した直後、後半34分ごろの場面です。

Q2. なぜファールじゃないのですか?

A. 主審がファウルと判断しなかったためです。理由は公表されていませんが、リプレーでは鈴木唯人も両腕で相手を押さえていたこと、FIFAが大会前に「通常の接触は罰しない」基準を説明していたことが、判断の背景として考えられます。

Q3. 大差がついていたから流したのですか?

A. 競技規則には、点差によってファウルの基準を変える決まりはありません。この判定に点差が影響したかどうかを示す公式の説明もありません。

Q4. VARで判定を変えられなかったのですか?

A. VARが介入できるのは、得点、PK、一発退場、人間違いの4つに関わる「はっきりとした、明白な間違い」などに限られます。ペナルティーエリアの外で、カードも出ないファウルの判定は対象外です。

Q5. 鈴木唯人へのファールは誤審と認められましたか?

A. 2026年9月26日時点で、FIFAなどがこの場面を誤審と認めた発表は見つかっていません。誤審かどうかは、公式の見解がない以上、言い切れません。

まとめ:鈴木唯人へのファールが取られなかったのは主審の判断、VARの対象外

  • 騒動の場面は、2026年6月20日(日本時間21日)W杯チュニジア戦の後半34分ごろ。途中出場直後の鈴木唯人が2人に押さえられて倒れたが、笛は鳴らなかった
  • 「相手を押さえる」は第12条の直接フリーキックの反則。ただしリプレーでは鈴木唯人も腕を使っていた
  • FIFAは大会前、テンポを上げるため「通常の接触は罰しない」基準を監督・選手に説明していた
  • VARが介入できるのは4つの場面だけ。エリア外のファウルかどうかの判定は対象外
  • 公式の説明はなく、「誤審」とは言い切れない。試合は日本が4-0で勝ち、鈴木唯人のW杯デビュー戦になった

「どう見てもファウル」に見える場面でも、競技規則では最後は主審の判断で、VARが覆せる範囲も限られています。判定に疑問を持ったときは、「どの反則に当たるか」「VARの4つの場面に入るか」を順に考えると、なぜ判定が残ったのかが見えてきます。

※この記事の情報は2026年9月26日時点のものです。試合の事実はJFAの公式記録と報道、ルールはJFAが公開している競技規則とVARの実施手順をもとにしています。判定の理由について公式の説明が出た場合は、内容が変わることがあります。