- サッカー日本代表の選手は何月生まれが多いの?
- 早生まれ(1〜3月生まれ)の代表選手は本当に少ないの?
- 早生まれはサッカーで不利なの?
サッカー日本代表でいちばん多いのは4月生まれで、早生まれは少なめです。フットボール戦士が、生年月日の分かる日本代表(男子)の経験者651人を調べたところ、早生まれは134人、全体の20.6%でした。生まれる日が1年のどこでも同じなら25.0%(163人)になるはずなので、29人少ない計算です。
この記事では、この差を月別・生まれた年代別・ポジション別に掘り下げます。あわせて「早生まれは不利なのか」を、研究や日本サッカー協会(JFA)の取り組みから見ていきます。データは2026年9月24日時点のものです。
日本代表でいちばん多いのは4月生まれ、少ないのは3月生まれ
生まれ月を学年の順(4月から3月)に並べると、最も多いのは4月生まれの75人でした。暦どおりなら53.5人のところなので、1.40倍います。最も少ないのは3月生まれの39人で、暦どおりの0.71倍です。
早生まれ134人は、暦どおりの163人より29人少ない数です。たまたまこうなった可能性も確かめました。生まれ月がまったく関係ない場合、651人のうち早生まれが134人以下になる確率は約0.5%です。偶然のばらつきだけでは説明しにくい差だといえます。
※「暦どおり」は各月の日数から出した人数です。うるう年は4年に1回として、2月を28.25日で計算しました。早生まれは1月1日〜4月1日生まれを指します。今回の651人に4月1日生まれはいなかったため、早生まれ=1〜3月生まれの人数と同じです。
4〜6月生まれは1〜3月生まれの1.4倍いる
学年の始まりにあたる4〜6月生まれは188人、学年の最後にあたる1〜3月生まれは134人です。4〜6月生まれは1〜3月生まれの1.40倍います。暦どおりなら、この2つはほぼ同じ数(1.01倍)になるはずです。
7〜9月生まれも185人と多く、学年の前半(4〜9月生まれ)だけで全体の57.3%を占めます。学年の早いほうに生まれた選手ほど多い、という並び方です。
同じ傾向はJリーグでも報告されています。Jリーグの日本人選手の生まれ月を調べた研究では、2018年の1,410人のうち1〜3月生まれは16.1%、4〜6月生まれは33.1%でした(Sasanoら、Sports Medicine – Open、2020年)。
日本の赤ちゃんの生まれ月と比べると、差はもっと大きい
ここまでの「暦どおり」は、赤ちゃんが1年中同じペースで生まれるという前提でした。ところが実際の日本の出生には、季節による偏りがあります。厚生労働省の人口動態統計によると、1955年に生まれた赤ちゃんの29.7%は1〜3月生まれでした。1980年は24.8%、2000年は24.7%です。
そこで、1947年以降に生まれた代表経験者508人について、それぞれが生まれた年の出生の割合から「本来いるはずの人数」を計算し直しました。1〜3月生まれは、出生どおりなら25.8%のところ18.9%です。4〜6月生まれは24.4%のところ30.7%でした。暦で比べたときより、差はさらに大きくなります。
※人口動態統計の月別出生数は、1947年、1950〜2000年の5年ごと、2001〜2008年の毎年の表を使いました(代表経験者で最も若いのは2006年生まれ)。表の無い年は、いちばん近い年の表で代用しています。
生まれた年代別:1970〜80年代生まれで差が最も大きい
生まれた年代で分けると、1949年以前に生まれた代表経験者の早生まれは25.8%で、暦どおりと変わりません。1950〜69年生まれでは19.3%と暦どおりを下回り、1970〜89年生まれでは16.4%まで下がります。この世代では、4〜6月生まれが1〜3月生まれの2.09倍いました。
1990年以降生まれの早生まれは22.0%で、差は小さくなっています。ただしこの世代は、まだ代表に選ばれている途中です。人数も150人なので、数字はこれから変わる可能性があります。
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先ほどのJリーグの研究でも、生まれ月の偏りは1993年から2018年にかけて小さくなったと報告されています。著者は、少子化や競技の人気といった社会的な要因が関係しているかもしれないと述べつつ、はっきりした理由は分からないとしています。フットボール戦士のデータからも、理由までは分かりません。
ポジション別:FWとDFで早生まれが少なく、GKは逆
ポジション別に見ると、早生まれが少ないのはFWの15.5%とDFの15.9%でした。MFは23.8%です。1970年以降に生まれたFWに絞ると、早生まれは67人中8人(11.9%)だけで、4〜6月生まれは1〜3月生まれの3.12倍いました。
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反対にGKは、51人中17人(33.3%)が早生まれでした。ただしGKは人数が少なく、数人の違いで割合が大きく動きます。1970年以降生まれのGKでは21人中6人(28.6%)です。「GKは早生まれが多い」と言い切れるほどの人数はなく、GKでは早生まれが少ない傾向が見られない、という程度に受け取るのが安全です。
※ポジションはWikidataに記載された最初のポジションで分けました。記載の無い26人は、この図から外しています。
早生まれは不利なのか?同じ学年の中の「最大364日」の差
日本の学年は、4月2日生まれから翌年の4月1日生まれまでです。法律上は誕生日の前日に1つ年を取るため、4月1日生まれは前の学年に入ります。同じ学年の中でも、年齢は最大で364日違います。
6歳の子にとって364日は、年齢の約16.6%にあたります。12歳では約8.3%、18歳では約5.5%です。子どものころほど、同じ学年の中の差は大きくなります。
同じ学年で早く生まれた子が有利になりやすいことは「相対年齢効果」と呼ばれます。早稲田大学の鳥居俊教授は、幼いころに年齢の集団の中で力を出せた子が正選手になる機会を得て、その経験が有利に働く可能性を指摘しています(Web医事新報、2024年)。ただし、原因は1つに決まっているわけではありません。
JFAも、この差を意識した取り組みをしています。2019年の「JFAエリートプログラムU-14フューチャーキャンプ」は、2005年9月以降に生まれた選手だけを集めて開かれました。JFAの城和憲ユース育成ディレクターは、12〜13歳のトレセンでは4〜6月生まれが多い一方、A代表まで広げると生まれ月は平均的になると話しています(サカイク、2026年3月)。フットボール戦士の集計では、1990年以降生まれで差は縮まってきたものの、代表経験者全体では差が残っています。
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早生まれでも日本代表で活躍した選手
もちろん、早生まれだから代表になれないわけではありません。651人のうち134人は早生まれです。よく知られた選手を何人か挙げます。
| 選手 | 生年月日 | ポジション |
|---|---|---|
| 三浦知良 | 1967年2月26日 | FW |
| 中田英寿 | 1977年1月22日 | MF |
| 長谷部誠 | 1984年1月18日 | MF・DF |
| 香川真司 | 1989年3月17日 | MF |
| 遠藤航 | 1993年2月9日 | MF |
| 伊東純也 | 1993年3月9日 | MF・FW |
| 南野拓実 | 1995年1月16日 | MF・FW |
| 塩貝健人 | 2005年3月26日 | FW |
※生年月日はWikidataの記載を報道・公式プロフィールで確認したもの。
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データについて
対象は、日本語版Wikipediaの「サッカー日本代表選手」カテゴリに入っている人と、Wikidataで日本代表(男子)に所属したと記載のある人を合わせた698人です。このうち、生年月日が日まで分かる651人(1889年〜2006年生まれ)を集計しました。生年月日の記載が無い36人と、年や年月だけの11人は除いています。
生年月日とポジションはWikidata(CC0)の記載です。記載の誤りが少し混ざる可能性があります。海外で生まれた選手(ブラジル生まれの帰化選手など)も含みますが、日本生まれに絞っても早生まれは628人中121人(19.3%)で、結果はほぼ同じでした。出生との比較には、厚生労働省「人口動態統計」の月別出生数(e-Stat)を使っています。
一人ひとりの生年月日・出身地・身長は、フットボール戦士のサッカー日本代表 選手データベースで見られます。
よくある質問
A. 4月です。生年月日が分かる代表経験者651人のうち75人が4月生まれで、暦どおりの1.40倍でした。いちばん少ないのは3月生まれの39人です。
A. 651人中134人、20.6%です。暦どおりなら25.0%(163人)なので、29人少なくなっています。
A. なれます。三浦知良、中田英寿、長谷部誠、遠藤航、南野拓実なども早生まれです。割合として少ないというだけで、代表経験者の約5人に1人は早生まれです。
A. 法律上、人は誕生日の前日に1つ年を取るからです。4月1日生まれの子は3月31日に6歳になるため、その年の4月に小学校へ入ります。
A. FW(15.5%)とDF(15.9%)です。GKは33.3%と逆に多いものの、51人と人数が少なく、数字がぶれやすい区分です。
まとめ:日本代表は4月生まれが多く、早生まれは20.6%
- 生年月日が分かる日本代表経験者651人のうち、早生まれは134人(20.6%)。暦どおりなら25.0%
- いちばん多いのは4月生まれ(75人)、少ないのは3月生まれ(39人)
- 4〜6月生まれは1〜3月生まれの1.40倍。日本の実際の出生と比べると差はさらに大きい
- 差が最も大きいのは1970〜89年生まれ(早生まれ16.4%)。1990年以降生まれは22.0%と縮まっている
- ポジション別ではFW・DFで早生まれが少なく、GKは人数が少ないため参考程度
日本代表の生まれ月には、学年の早い選手ほど多いという偏りがはっきり出ています。一方で、差はここ30年ほどで小さくなってきており、早生まれで代表に上り詰めた選手もたくさんいます。お子さんが早生まれでも、この数字だけで将来を決めつける必要はありません。
※この記事の情報は2026年9月25日時点のものです。代表経験者のデータは2026年9月24日時点で、新しく選ばれた選手が増えると数字は変わります。
フットボール戦士 