キリアン・エムバペの年俸推移と契約詳細を徹底解説

パリ・サンジェルマン(PSG)やレアル・マドリード移籍の話題で常に注目を集めるキリアン・エムバペ。その年俸(給与)がキャリアとともにどのように推移してきたのか、詳細に分析します。

モナコ時代からPSGでの巨額契約、そしてレアル・マドリード移籍後の年俸減額の理由まで、契約内容やボーナス、スポンサー収入をわかりやすく解説します。

10代エムバぺ、モナコ時代の最初の年俸

エムバペは10代で頭角を現し、当初は週給わずか60ポンド(約11,400円)ほどの契約だったとされています​。プロ契約後もしばらくは週給2万ポンド(年間104万ポンド=約2億円)の世界的な選手としては控えめな給与でした​。

しかしその才能が開花した2016-17シーズン、モナコでの活躍によって給与は急上昇します。

2017年、ASモナコでプレーをする18歳のキリアン・エムバペ​は、このシーズン、モナコを17年ぶりのリーグ優勝に導いています。

フランス紙の報道によれば、モナコはレアル・マドリードやPSGへの流出を阻止するため、エムバペの月給を約9倍となる70万ユーロ(約1億0,500万円)に引き上げるオファーを提示しました

これは年俸に換算して約840万ユーロ(約120億円)という破格の額で、当時チーム最高給だったラダメル・ファルカオに並ぶ水準です​。

10代にしてこれほどの年俸提示を受けるのは極めて異例であり、エムバペの将来性に対する期待の大きさがうかがえます。

結果的にエムバペはモナコに残留せず、2017年夏にPSGへ移籍する道を選びました(当初はレンタル移籍で、翌年に完全移籍)​。

移籍金は約1億8,000万ユーロ(当時約240億円)にも上り、10代の選手として史上最高額の一人となりました​。

モナコ時代の年俸1億円規模から、この移籍を機にエムバペの収入は桁違いなレベルへと突入していきます。

PSGへ移籍し急激な年俸アップ

モナコからパリ・サンジェルマン(PSG)に移籍したエムバペは、その才能に見合う巨額の年俸を手にすることになりました。移籍直後の2017-18シーズン、エムバペは週給にして約30万ポンド(約5,000万円)、年俸換算で約1,600万ポンド(約24億円)という契約を結んだと報じられています

当時19歳ながら、この額は世界のトップ選手に匹敵する水準で、PSG加入とともに彼の年俸は一気に20倍以上に跳ね上がった計算です​。

PSGでの活躍に応じて、エムバペの年俸は毎年のように上昇しました。2018-19シーズンには週給約31万1,000ポンドに、2019-20シーズンには約37万8,000ポンド、2020-21シーズンには約40万3,000ポンドまで引き上げられています​。

年俸にすると約20億円から30億円超へと増えていったことになり、わずか数年でフランス国内でも最高クラスの高給取りとなりました。

実際、エムバペは10代終盤でありながらネイマールやリオネル・メッシと並ぶチーム最高クラスの年俸を受け取るまでになっていたのです​。

当時報じられた数字として、エムバペの2018-19年の年俸は約2,070万ユーロ(推定)だったともいわれます​。また2019-20年には月給約160万ユーロ(約2億3千万円)に達したとの情報もあり​、PSG加入から数年でエムバペの給与は天文学的なスピードで増加していきました。

クラブも若きスターの流出を防ぐため、契約更新の際に報奨金やボーナスを追加しつつ手厚い待遇を用意していたとされています​。

PSG加入後の推定年俸の推移

  • 2017-18シーズン(19歳): 約1,600万ポンド(約24億円)
  • 2018-19シーズン: 約1,700万ポンド(約25億円)
  • 2019-20シーズン: 約1,970万ポンド(約29億円)
  • 2020-21シーズン: 約2,100万ポンド(約32億円)

こうした推移からも分かる通り、エムバペは20代前半にして世界屈指の高給取りとなっていきました。またPSGとの契約には、メディア対応やスポンサーイベントへの参加などに応じた報酬も含まれており​、名実ともにクラブの顔として扱われていたことがうかがえます。

PSGでの契約延長と史上空前の契約内容

2021-22シーズン終了時、エムバペは契約満了を控えレアル・マドリード移籍の噂が絶えませんでした。

しかし2022年5月、PSGはエムバペとの契約延長に合意し、彼は残留を決断します。この延長契約の内容は「スポーツ史上最大の契約」とも言われる空前絶後の厚遇でした​。

契約期間は2年+1年オプション(選手側の判断で3年目延長可能)という形で​、総額はなんと6億3,000万ユーロ(約921億円)に達すると報じられました​。

以下、その内訳です。

  • 年俸(基本給): 月給600万ユーロ(約8億7,000万円)、年俸にして7,200万ユーロ(約105億円)​。以前の年俸約2,400万ユーロ(約35億円)の3倍に跳ね上がりました。
  • 契約ボーナス: サインオンボーナスとして1億8,000万ユーロ(約263億円)を支払い​。この契約金だけで移籍市場の超大型移籍並みの金額です。
  • ロイヤリティ(忠誠)ボーナス: 契約期間中、毎夏に残留した場合支払われる特別ボーナス。2022年夏に7,000万ユーロ(約102億円)が既に支払われ、2023年9月に8,000万ユーロ(約117億円)、2024年夏に9,000万ユーロ(約131億円)が支給される予定と報じられました​。毎年在籍するだけで巨額の報酬が追加で得られる仕組みです。

以上を全て合計すると、エムバペが2025年6月まで契約満了まで残留した場合に手にする総額は3年で約921億円(税引前)になる見込みでした​。

この金額はフランス国内でも「狂気の沙汰」と伝えられ、PSGの年間予算に占める割合から見ても前例のない負担とされています​。

エムバペ自身もこの契約によって2022年時点で世界最高給のサッカー選手となり、同年の収入は約1億2,800万ドル(約170億円)に達したとForbes誌が報じています​。

この年俸とボーナス構成からは、PSGがいかにエムバペを中心戦力として引き留めたかったかが分かります。実際、契約延長の背景ではフランス大統領まで関与したとされ、クラブの枠を超えた国を挙げての慰留劇となりました。

なお、2022年契約時の条件には他にも細かな取り決めがあったと言われます。例えば「フランスの税率が変わっても手取り額が減らない」条項や​、チームのスポーツプロジェクト(強化方針)にエムバペが一定の発言力を持つといった報道もありました。

真偽は定かでないものの、エムバペがそれだけの影響力と価値を認められた証とも言えるでしょう。

ナイキやウブロなどとの契約によるスポンサー収入も

年俸以外にも、エムバペの収入にはスポンサー契約による巨額の収入が含まれます。

特に代表的なのがスポーツメーカーの「ナイキ(Nike)」と高級腕時計ブランドの「ウブロ(Hublot)」です。

ナイキとの契約

エムバペは2019年にナイキと10年契約を結び、その契約総額は年あたり最低1,400万ポンド(約18億円)にもなると報じられました​。

この数字は米メディアの報道(出典:The U.S. Sun)によるもので、仮に10年継続すれば総額140億円以上という破格の内容です。

ナイキはエムバペのために専用スパイク(マーキュリアルシリーズ)を提供するなど厚遇しており、エムバペは同社のグローバル広告塔として活躍しています。

ウブロとの契約

スイスの高級腕時計メーカー「Hublot」は2018年に当時19歳のエムバペをブランドアンバサダー(広告担当大使)に起用しました​。陸上のウサイン・ボルトに代わる顔として抜擢された形です。

具体的な契約金額は非公開ですが、年間約100万ユーロ(約1億4千万円)とも噂されています​。ウブロは他にもペレやムリーニョ監督と契約していますが、エムバペの若さと実績でその仲間入りを果たしました。

その他のスポンサー

エムバペはこの他にも、スポーツアイウェアブランドのオークリー(Oakley)や、エレクトロニクス・ゲーム分野ではEAスポーツ(FIFAゲームシリーズのカバー選手を担当)など複数の企業とパートナー契約を結んでいます。

2020年には史上最年少でEA社「FIFA」ゲームのカバーを飾り、その知名度が評価されました。

こうしたスポンサー収入は年間約2,000万ドル(約28億円)規模とも言われ​、年俸と合わせてエムバペの総収入を大きく押し上げる要因となっています。

エムバペの商業的価値はフランスの若きスターから世界的アイコンへと飛躍しており、スポンサー企業にとっても魅力的な存在です。

実際、Forbes誌の2022年版「世界で最も稼ぐアスリート」ランキングでエムバペは総収入1億2,000万ドル超で第3位に入っており​、その内訳の相当部分をスポンサー収入が占めていました。今後も彼の活躍次第で、さらなるスポンサー契約や契約金の上積みが期待されます。

レアル・マドリード移籍後の年俸(減額の理由と背景)

2024年、エムバペはついに念願だったレアル・マドリードへの移籍を実現しました(フリー移籍)。

しかし、その契約内容はPSG時代と比較すると年俸が減額されている点が注目されます。なぜエムバペは全盛期のPSGより低い年俸を受け入れたのでしょうか。

その理由として、財政ルール(リーガの給与制限)やクラブの方針が背景にあります。

レアルは獲得に際し、チームの給与バランスを壊さないことを絶対条件に掲げ、エムバペ側もその指示に従ったと報じられています​。つまり、レアルはチーム内で突出しすぎない給与水準を求め、エムバペはそれを受け入れたのです。

具体的な数字として、レアル・マドリードでのエムバペの年俸は約1,500万ユーロ(約24億円)と伝えられています。

これはPSGでの年俸7,200万ユーロ(約105億円)と比べて大幅に低く、一見「半減以上の減給」に映ります。しかし、ここにはスペイン・リーガエスパニョーラの厳格な財政ルールが関係しています。

スペインリーグではクラブごとにサラリーキャップ(給与総額の上限)が設定されており​、レアルのような強豪でも無尽蔵に選手へ高給を払えるわけではありません。

PSGはオーナー企業の資金力でエムバペに史上最高額を提示できましたが、レアルはリーガの規定内でやり繰りする必要があります。そのため、エムバペも年俸の減額を受け入れざるを得なかったのです​。

もう一つの理由は、レアル・マドリードというクラブの給与体系と方針です。レアルは歴史的にスター選手を多く抱えますが、それでもチーム内のバランスを重視し、特定の選手だけが突出した年俸を得ないよう調整する傾向があります​。

実際報道によれば、エムバペの給与額はチーム最高ではあるものの、トニ・クロースやルカ・モドリッチら主力選手に近い水準に抑えられたといいます​。

その代わりと言ってはなんですが、レアルは巨額の契約ボーナス(サインオン料)を用意しました。スペイン紙の報道では、レアルはエムバペに対し1億5,000万ユーロ超(約250億円以上)の契約金を支払うとされています​。

このボーナスは5年契約の期間中に分割して支払われ、年あたり約2,000万ユーロ相当が上乗せされる計算です​。つまり年俸自体は抑えつつも、移籍金ゼロ(フリー)で獲得できた分を契約金として本人に還元する形を取ったわけです​。

さらに、レアルでの契約には出来高ボーナス(成績に応じたボーナス)も含まれていると報じられています​。

具体的な内容は不明ですが、例えばチャンピオンズリーグ優勝や得点王獲得などで追加報酬が発生する可能性があります。

また肖像権についても交渉があり、エムバペは既存スポンサーからの収入は100%保持しつつ、新規スポンサー契約分の20~30%をレアルがシェアすることで折り合ったとも伝えられます​。

クラブとしては収入面のバランスを図りつつ、選手にとっては総合的なメリットを維持する工夫がされています。

最後にスペイン特有の要因として、税制上の優遇措置が挙げられます。マドリード自治州では高額所得者に対する地域税の大幅減税(いわゆる「エムバペ法」)が検討されており、これが成立すれば同じ額の年俸でも手取りが大きく増える可能性があります​。

具体的には、マドリードに移住して投資を行う外国人は地域税がほぼ免除され、実効税率が半減する制度です​。

もし適用されれば、エムバペのような選手は同じ年俸でも他地域(例えばバルセロナ)所属時より手取りが大幅に増えるため、見かけ上の年俸がPSG時代より低くとも実際の手取り収入にはそれほど差がなくなる可能性があります。

以上のように、PSG時代よりレアル移籍後の年俸が低い理由としては、

  • スペインリーグの財政規則によりクラブが支払える年俸上限が制約されたこと​。
  • レアル・マドリードのチーム内給与バランス方針により、年俸水準を抑えたこと​。
  • その代替として契約ボーナスや将来的な税制優遇を活用し、総収入面で選手に配慮したこと。

が挙げられます。エムバペ自身も「夢」であったレアル・マドリードでプレーするために、短期的な年俸の減額を受け入れる決断をしたとも言えるでしょう​。

フロレンティーノ・ペレス会長も「彼が白いユニフォームを着るために、他の多くの人には想像もできない努力をしてくれた」とその献身を称えています​。​

世界のサッカー選手との年俸比較

エムバペの年俸は若くして突出していましたが、世界には他にも天文学的な報酬を得ているサッカー選手が存在します。

特に近年は中東のクラブによる巨額オファーが話題となり、エムバペ自身もサウジアラビアのクラブから破格のオファー(移籍金3億3,200万ドル、年俸7億7,600万ドルとも報道)を受けたことがあります​。

最終的にエムバペはこれを断りましたが、この提示額はスポーツ界全体でも前例がない規模でした。

2024年時点の世界のサッカー選手の年俸・収入ランキング(Forbes発表)を見てみると、エムバペはトップ5に入っています。

しかし順位としては第5位(約9,000万ドル=約130億円)であり​、サウジアラビアに渡ったクリスティアーノ・ロナウド選手などが彼を上回っています。以下に主な選手の例を挙げます。

  • クリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル): 総収入2億8,500万ドル(約400億円)で1位​。年俸約2億2,000万ドルに加え、スポンサー収入約6,500万ドルと報じられ、サッカー史上最高額の収入を得ています。
  • リオネル・メッシ(インテル・マイアミ): 総収入1億3,500万ドル(約190億円)で2位​。MLS移籍後もアップルやアディダスとの提携契約により商業収入が大きく、米国でもトップクラスの収入です。
  • ネイマール(アル・ヒラル): 総収入1億1,000万ドル(約154億円)で3位​。2023年にサウジに移籍し、高年俸を得ています。
  • カリム・ベンゼマ(アル・イテハド): 総収入1億400万ドル(約146億円)で4位​。彼もサウジへ移籍し、全盛期を過ぎても欧州時代を上回る巨額契約を手にしました。
  • キリアン・エムバペ(レアル・マドリード): 総収入9,000万ドル(約126億円)で5位​。欧州所属選手としては最高クラスですが、サウジ勢に次ぐ位置づけです。

過去を振り返れば、エムバペは2022年には世界1位の高収入サッカー選手でした​(推定収入1億2,800万ドル)。しかしその後、サウジアラビアの参入やメッシの米国移籍などで2023年は4位に順位を下げ​、2024年には上記のように5位となっています。

とはいえ、エムバペはまだ25歳(2024年時点)と若く、今後も契約次第では収入トップの座を再び狙えるポテンシャルを秘めています。

例えばレアル・マドリードでの活躍次第では将来的にさらなる契約延長や年俸アップが考えられますし、サウジや他リーグからのオファーも将来に渡って途切れることはないでしょう。現にエムバペがサウジのオファーを断った際、同国リーグからは「いつかぜひプレーしてほしい」とラブコールが公言されており、マーケットとしての注目度は依然として非常に高いです。

総じて、エムバペの年俸はキャリアとともに爆発的に増加し、PSGでの契約延長時にはスポーツ史に残る巨額となりました。

その後レアル・マドリード移籍で数値上は減額したものの、クラブ間の財政ルールの違いや契約ボーナスによる調整で、彼自身の手取りや総収入は依然として世界屈指です。

加えてスポンサー収入も含めれば、エムバペは今なお「最も稼ぐフットボーラー」の一人であり続けています。

今後も彼の動向や活躍によって契約内容は変化しうるため、ファンとしては引き続きその推移に注目したいところです。

エムバペのようなスター選手の年俸は、単なる金額以上にサッカー界の潮流やビジネスモデルを映し出す鏡でもあります。

彼がこれからどんな舞台でプレーし、どんな契約を手にしていくのか—その行方はサッカー界のみならず世界中のスポーツビジネス関係者が注視しています。

まとめ

エムバぺの年俸の推移をまとめると以下のようになります。

シーズン 年俸 (ユーロ) 年俸 (円換算, 約140円/ユーロ) 所属クラブ
2016-17 (モナコ) 1,000,000 140,000,000円 モナコ
2017-18 (PSG) 16,000,000 2,240,000,000円 PSG
2018-19 (PSG) 17,000,000 2,380,000,000円 PSG
2019-20 (PSG) 19,700,000 2,758,000,000円 PSG
2020-21 (PSG) 21,000,000 2,940,000,000円 PSG
2021-22 (PSG) 24,000,000 3,360,000,000円 PSG
2022-23 (PSG) 72,000,000 10,080,000,000円 PSG
2023-24 (PSG) 72,000,000 10,080,000,000円 PSG
2024-25 (レアル・マドリード) 15,000,000 2,100,000,000円 レアル・マドリード

PSGからレアル・マドリード移籍で数値上は減額していますが、その他のボーナスやスポンサー契約などにより実際の手取りは大きく変化していない可能性が高いです。

いずれにせよ、その活躍に応じて天文学的な数字で年俸が跳ね上がっていっているのがわかります。

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