Jクラブの赤字は何クラブ?コロナの2020年度は35、2025年度は18

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こんな疑問を持つ方へ
  • Jリーグのクラブは、どれくらい赤字なの?
  • コロナのときは何クラブが赤字になった?いまは回復した?
  • 赤字や債務超過が多いのはJ1・J2・J3のどれ?2025年度はどこが赤字?

Jクラブで赤字(当期純損失)だったのは、2025年度は決算が分かる54クラブのうち18クラブ(33.3%)でした。一番多かったのはコロナ禍の2020年度で、56クラブ中35クラブ(62.5%)が赤字になっています。

この記事では、Jリーグが毎年公表している「クラブ決算一覧」の2005〜2025年度の数字を、フットボール戦士がすべて集計しました。赤字のクラブ数の移り変わり、コロナで何が起きたか、J1・J2・J3の違い、債務超過のクラブ数、売上の伸びを順に見ていきます。

Jクラブの赤字は何クラブ?2025年度は18、最多は2020年度の35

赤字だったJクラブの数(年度別)決算が分かるクラブ赤字のクラブ0204060200514201020157232020352025182020年度は56クラブ中35(62.5%)、2025年度は54クラブ中18赤字=当期純損失。年度はJリーグの決算一覧の区分
赤字だったJクラブの数(Jリーグ「クラブ決算一覧」2005〜2025年度をもとにフットボール戦士が集計)

Jクラブの赤字の数は、年によって大きく変わります。コロナ前の2015年度は52クラブ中7クラブ(13.5%)しかありませんでしたが、2019年度は55クラブ中23クラブに増え、2020年度は35クラブまで増えました。

そのあとは2021年度22クラブ、2022年度21クラブ、2023年度26クラブ、2024年度23クラブと、20クラブ台で推移しています。2025年度は18クラブで、コロナ前の2019年度(23クラブ)より少なくなりました。

なお、2025年度は6月決算に切り替えた湘南・札幌・鳥取・讃岐・高知・北九州の6クラブの決算がまだ出ていないため、60クラブ中54クラブでの数字です。ニュースで報じられる「先行発表」の数字は3月決算のクラブを含まないため、この記事の数字と1〜2クラブずれることがあります。

コロナの2020年度はなぜ赤字が増えた?入場料収入が6割減

Jクラブの入場料収入の合計(億円)010020030020152016201720182162019842020117202120222023202430320252020年度は前の年度の39%に減った(216億→84億円)決算が分かるJ1〜J3クラブの合計
Jクラブの入場料収入の合計(Jリーグ「クラブ決算一覧」をもとにフットボール戦士が集計。決算が分かるJ1〜J3クラブの合計)

2020年度に赤字が一気に増えた一番分かりやすい理由は、入場料収入の落ち込みです。Jクラブの入場料収入の合計は、2019年度の216億円から2020年度は84億円に減りました。前の年度の39%しか入らなかったことになります。

2020年はリーグ戦が長く中断し、再開後も入場者数に上限がありました。J1だけで見ても、入場料収入は2019年度の166.7億円から2020年度は54.9億円に減っています。J1では18クラブ中12クラブが赤字で、黒字だったのは柏・神戸・清水・湘南・横浜FC・横浜FMの6クラブでした。

入場料収入は2021年度に117億円、2022年度に175億円と戻り、2023年度には238億円でコロナ前を超えました。2025年度は303億円で、集計した21年度の中で最も多くなっています。

J1・J2・J3で赤字の多さは違う?J3は半分が赤字

カテゴリ別、赤字だった割合2014〜2025年度の合計(J3ができてから)J130.8%221件中68件J227.0%259件中70件J351.1%184件中94件2025年度だけで見るとJ1 5/19クラブJ2 4/19クラブJ3 9/16クラブ件=クラブ×年度。2025年度は決算が分かるクラブだけ
カテゴリ別に赤字だった割合(Jリーグ「クラブ決算一覧」2014〜2025年度をもとにフットボール戦士が集計。1クラブの1年度を1件として数えた)

J3ができた2014年度から2025年度までをまとめると、赤字だった割合はJ1が30.8%、J2が27.0%、J3が51.1%でした。J3は2件に1件が赤字で、J1・J2よりはっきり多くなっています。

J3はクラブの規模が小さく、2025年度の平均売上は8.8億円です。J1の66.7億円と比べると約8分の1です。2025年度も、赤字の18クラブのうち9クラブがJ3でした。

一方、J1とJ2の赤字の割合はほとんど変わりません。売上が大きいJ1でも、3クラブに1クラブ近くは赤字の年があるということです。J1とJ2のお金の差は、別の記事でくわしくまとめています。

2025年度に赤字だったクラブは?神戸・名古屋の赤字が大きい

クラブカテゴリ当期純損失2025年の順位
ヴィッセル神戸J17.3億円5位
名古屋グランパスJ16.8億円16位
ザスパ群馬J33.1億円14位
FC琉球OKINAWAJ32.8億円16位
徳島ヴォルティスJ22.6億円4位
横浜FCJ12.1億円18位
福島ユナイテッドFCJ32.0億円10位
鹿島アントラーズJ11.5億円1位

※2025年度の赤字が大きかった8クラブ。Jリーグ「クラブ決算一覧」(2025年度・2026年7月24日更新)をもとにフットボール戦士が集計。順位は2025シーズンの最終順位。

2025年度に赤字だったJ1クラブは、神戸・名古屋・横浜FC・鹿島・浦和の5クラブです。赤字の額が一番大きかったのは神戸の7.3億円で、名古屋の6.8億円が続きます。

J1で優勝した鹿島も1.5億円の赤字でした。売上がJ1で一番多い浦和(113.1億円)も1.0億円の赤字です。赤字だからといって、成績が悪いとは限りません。逆に、赤字の額が大きいからといって、すぐに経営が危ないというわけでもありません。

その年度に選手の補強やスタジアムまわりにお金を使えば、一時的に赤字になることがあります。会社としての体力は、次に見る「純資産」(債務超過かどうか)でも確かめる必要があります。

債務超過のクラブは何クラブ?2025年度は開示分で0

債務超過だったJクラブの数純資産がマイナスのクラブ(年度別)0510157200567981020101191120201500001020201267402025コロナの特例で、ライセンスの判定に使わなかった年度2015〜2019年度は0。2025年度は開示された54クラブで0
債務超過だったJクラブの数(Jリーグ「クラブ決算一覧」2005〜2025年度をもとにフットボール戦士が集計。特例の期間はゲキサカ・サカノワの報道による)

債務超過は、借金などの負債が資産より多く、純資産がマイナスになっている状態です。1年だけの赤字よりも重い状態で、Jリーグのクラブライセンス制度では「債務超過」と「3期連続の赤字」が、ライセンスをもらえなくなる財務の基準になっています。

この制度は2012年に始まり、財務の基準には2014年度までの猶予期間がありました。集計すると、債務超過のクラブは2013年度に11クラブありましたが、2014年度は2クラブに減り、2015〜2019年度は0クラブでした。

コロナで状況が変わります。2020年度は10クラブ、2021年度は12クラブが債務超過になりました。Jリーグはこの間、債務超過と3期連続赤字をライセンスの判定に使わない特例を設け、2023年度にも同じ特例を適用しています(ゲキサカ 2023年5月26日)。

その後は2022年度6クラブ、2023年度7クラブ、2024年度4クラブと減り、2025年度は決算が開示された54クラブで0になりました。ただし、2024年度に債務超過だった鳥取は、6月決算への切り替えで2025年度の決算がまだ出ていません。

Jクラブの売上は増えている?J1の平均は20年で2倍超

J1・J2・J3の平均売上(億円)020406020052010201520202025J1 66.7J2 23.3J3 8.830.9J1の平均は2005年度30.9億円→2025年度66.7億円12か月でない決算のクラブは平均から外した
J1・J2・J3の平均売上(Jリーグ「クラブ決算一覧」をもとにフットボール戦士が集計。12か月でない決算のクラブは平均から外した)

赤字のクラブが毎年2〜4割ある一方で、Jクラブの売上そのものは大きく伸びています。J1の平均売上は2005年度の30.9億円から、2025年度は66.7億円になりました。2倍を超える伸びです。

J2の平均は23.3億円、J3の平均は8.8億円で、どちらも2025年度が集計した中で一番多い数字です。コロナの2020年度にJ1の平均は38.4億円まで下がりましたが、2022年度には49.6億円とコロナ前の水準に戻りました。

売上が増えても、選手の人件費などの支出が同じように増えれば、赤字のクラブは減りません。J1クラブの人件費がいくらかは、別の記事でランキングにしています。

データについて

この記事の数字は、Jリーグが公表している「クラブ決算一覧」(2005〜2025年度)を、フットボール戦士がクラブごと・年度ごとに入力して集計したものです。「赤字」は当期純利益がマイナスのクラブ、「債務超過」は純資産がマイナスのクラブとして数えました。

決算の年度は、Jリーグの決算一覧の区分に合わせています(2025年度の決算=2025シーズン)。3月決算のクラブは翌年3月までの決算が、その年度に入っています。2025年度は6月決算に切り替えたクラブがあるため、5か月の決算の岡山は数に入れ、平均売上からは外しました。未開示の6クラブは入っていません。

赤字や債務超過の理由はクラブによって違い、決算一覧の数字だけでは分かりません。この記事では、数字の移り変わりと、裏付けのある範囲(コロナ禍の入場料収入の減少)だけを書いています。クラブ別・年度別の全データは、フットボール戦士の「Jクラブ経営データベース」で見られます。

よくある質問

Q1. Jクラブの赤字は何クラブですか?

A. 2025年度は、決算が分かる54クラブのうち18クラブ(33.3%)が赤字でした。最も多かったのはコロナ禍の2020年度で、56クラブ中35クラブ(62.5%)です。

Q2. 赤字が多いのはJ1・J2・J3のどれですか?

A. 2014〜2025年度の合計では、J3が51.1%で一番多く、J1は30.8%、J2は27.0%でした。J3は2025年度の平均売上が8.8億円と、J1の約8分の1の規模です。

Q3. 2025年度に赤字だったJ1クラブはどこですか?

A. 神戸(7.3億円)、名古屋(6.8億円)、横浜FC(2.1億円)、鹿島(1.5億円)、浦和(1.0億円)の5クラブです。優勝した鹿島も赤字でした。

Q4. 赤字が続くとJリーグから降格しますか?

A. クラブライセンス制度では、債務超過と3期連続の赤字がライセンスを受けられなくなる財務の基準になっています。ただし、コロナ禍の2020・2021・2023年度は特例でこの判定に使われませんでした。2025年度に開示された54クラブには、債務超過のクラブはありませんでした。

Q5. Jクラブの売上は増えていますか?

A. 増えています。J1の平均売上は2005年度30.9億円から2025年度66.7億円に伸びました。入場料収入の合計も、2025年度は303億円で過去最多です。

まとめ:Jクラブの赤字は2020年度の35がピーク、2025年度は18

  • 2025年度に赤字だったJクラブは、決算が分かる54クラブ中18クラブ(33.3%)
  • 最も多かったのはコロナ禍の2020年度で56クラブ中35。入場料収入の合計が216億円→84億円に減った
  • 2014〜2025年度の赤字の割合は、J1 30.8%・J2 27.0%・J3 51.1%
  • 2025年度のJ1の赤字は神戸・名古屋・横浜FC・鹿島・浦和の5クラブ。優勝した鹿島も赤字
  • 債務超過は2021年度の12クラブから減り、2025年度は開示された54クラブで0

Jクラブの売上は20年で大きく伸びましたが、毎年2〜4割のクラブは赤字です。赤字は「その年度にお金を使った結果」のこともあり、数だけで良し悪しは決まりません。クラブの経営を見るときは、赤字かどうかに加えて、債務超過かどうかと売上の伸びもあわせて見ると、全体の姿がつかみやすくなります。

※この記事の情報は2026年10月20日時点のものです。2025年度の決算一覧は2026年7月24日更新版をもとにしています。未開示のクラブの決算が出たら数字が変わることがあります。