サッカー界で圧倒的な存在感を誇るブラジル代表ネイマール。
世界中でファンに親しまれている「ネイマール」という名前ですが、実は彼には長い本名があり、その本名の正式名称や由来についても興味深いエピソードが数多く存在します。
この記事では、ネイマールの本名に関するあらゆる情報を網羅し、名前の意味や背景、ファンの間での話題などを分かりやすく解説します。
初めてネイマールの本名を知る方も、既に知っているけれど詳細をもっと知りたいという方も、ぜひ最後までご覧ください。
まず結論から述べると、ネイマールの本名は「ネイマール・ダ・シウバ・サントス・ジュニオール」(Neymar da Silva Santos Júnior)です。
日本語表記では「ネイマール・ダ・シウバ・サントス・ジュニオール」となり、名前の最後に「ジュニオール(Júnior)」が付いているのが特徴です。この「ジュニオール」は英語の「Jr.(ジュニア)」と同様、父親と同じ名前を持つ息子につけられる世代継承の称号です。
つまり、ネイマールは父親と同じ名前を受け継いだため「ジュニオール」と呼ばれているのです。
ネイマールは1992年生まれのブラジル人サッカー選手で、FCバルセロナ、パリサンジェルマン、サウジアラビアのアル・ヒラルなどで活躍をした世界的スターです。そのプロフィール欄にも「本名: Neymar da Silva Santos Júnior(ネイマール・ダ・シウバ・サントス・ジュニオール)」と明記されています。
普段は下の名前の「ネイマール」だけで呼ばれることがほとんどですが、公的な場面や正式な記録ではこのフルネームが使われます。
なお、「ネイマール・ダ・シウバ・サントス・ジュニオール」という名前には、ブラジルやポルトガルの名前の構造が反映されています。
ブラジルでは一般に複数の姓を持ち、父方と母方両方の姓を組み合わせる習慣があります。ネイマールの場合、「ダ・シウバ」(da Silva)が母方の姓、「サントス」(Santos)が父方の姓であり、最後に「ジュニオール」が付くことで「父親と同名の息子」であることを示しています。
このような名前の付け方はポルトガル語圏独特のもので、本人のファーストネーム(ネイマール)に続いて両親由来の姓、さらにジュニオール等の世代表記が並ぶ形式です。
「ネイマール」が名前で「ダ・シウバ・サントス」が苗字ということになります。
ネイマールの名前に「Jr.(ジュニオール)」がついている理由は前述の通り、父親の名前もネイマールであるためです。ネイマールの父親は元サッカー選手で、フルネームをネイマール・ダ・シウバ・サントス(Sr.)といい、息子と同名です。
したがって息子には「ジュニオール」が付けられ、周囲からはネイマールJr.と呼ばれるようになりました。実際、ブラジルでは父と息子が同じ名前というケースは珍しくなく、ネイマール親子の場合もその伝統に倣ったものと言えます。
家庭内や親しい間柄では、紛らわしさを避けるために息子のネイマールを「ジュニオール」やその愛称「ジュニーニョ(Juninho)」と呼ぶことも多いそうです。
さらに幼い頃からの親友や親戚の子供たちの間では、「ジュニーニョ」を省略して「ジュ(Ju)」と呼ぶこともあったとのことです。
一方、父親のネイマールはポルトガル語で「お父さんネイマール」を意味する「ネイマール・パイ(Neymar Pai、Paiは父親の意)」や、敬称を付けて「セウ・ネイマール(Sr. Neymar)」などと呼ばれています。
このように、親子で同じ名前を持つ場合は周囲での呼び分けにも工夫が凝らされているのです。
では、「ネイマール(Neymar)」という名前自体の意味や由来は何なのでしょうか。
実は「ネイマール」という名前はブラジルでは非常に珍しく、ネイマール選手が登場するまで一般的にはほとんど聞かれない名前でした。
ブラジルのサンパウロ州当局の記録によれば、ネイマール選手が生まれた1992年から約17年間、一人も「ネイマール」と名付けられた子供はいなかったそうです。
それほどまでに珍しい名前を彼の両親(特に父親)はあえて息子に与えたことになります。
名前の由来については諸説ありますが、興味深い説の一つに「ネイマール」という言葉自体の意味があります。ポルトガル語の名前事典によれば、「ネイマール」は「新しい海」を意味すると紹介されることがあります。
この解釈では、「ネイマール」という名前はフランス語起源の要素とポルトガル語を組み合わせて作られた造語とされています。「ネイ (Ney)」が古フランス語由来で「新しい」という意味を持ち、「マール (mar)」はラテン系言語で「海」を意味することから、二つを合わせて「新しい海(novo mar)」という意味になるというのです。
実際にポルトガル語圏の名前解説でも、Neymarは「novo mar(新しい海)」を意味する名前として紹介されています。
もっとも、ネイマール本人の両親がそこまで意味を考えて名付けたかどうかは定かではありません。
父親も「ネイマール」という同じ名前であることから、父親自身が何らかの想いを込めて名付けられていた可能性もあります。例えば、ネイマールの父親世代(1960年代生まれ)に「ネイ」という名前が存在したのか、あるいは両親が響きの良さで名付けたのかなど推測はありますが、詳細は伝えられていません。
ただ一つ言えるのは、ネイマールという名前は彼が登場するまでほとんど例のないユニークな名前だったということです。
その珍しさゆえ、ネイマールがプロとして台頭するまではブラジルで子供に「ネイマール」と名付ける人は皆無でした。しかし、この名前は後述するように彼の活躍によって一躍有名になり、多くの人々に名付けのインスピレーションを与える存在となっていきます。
ネイマールは10代でプロデビューし、瞬く間にブラジル国内でスター選手となりましたが、国際的に有名になり始めたのは2010年代に入ってからです。
彼の本名「ネイマール・ダ・シウバ・サントス・ジュニオール」が世界中のサッカーファンに認知されるようになった背景には、いくつかの出来事や状況があります。
ネイマールが欧州の強豪クラブでプレーするようになると、テレビやニュースで取り上げられる機会が飛躍的に増えました。
2013年にFCバルセロナへ移籍し、その後2017年にはパリ・サンジェルマン(PSG)へ移籍しましたが、こうした大型移籍の際の公式発表ではフルネームが用いられます。
例えば、バルセロナ加入時のニュースリリースや、PSGでの入団記者会見では「ネイマール・ダ・シウバ・サントス・ジュニオール」という本名が正式に紹介され、多くのメディアがその名前を報じました。
2017年、フランスの強豪パリ・サンジェルマンに移籍した際、ネイマールは自身の名前「NEYMAR JR」と背番号10の入ったユニフォームを掲げて入団会見に臨みました。
このようにヨーロッパのクラブでもユニフォームには「Neymar Jr」と表記されており、ファンやメディアにとって「ネイマールJr」の名前が一層印象付けられる結果となりました。
欧州では多くの選手がユニフォームに苗字(姓)を入れますが、ネイマールの場合はファーストネーム+Jrを使用している点が特徴的で、ブラジル人選手らしいスタイルと言えます。
さらに、2014年のブラジルW杯や2018年のロシアW杯など大舞台で活躍する中で、実況アナウンサーや解説者がネイマールのフルネームに触れる場面もありました。
特に初見のファンにとって「なぜユニフォームにJrが付いているのか?」という疑問から、本名や父親の存在に興味を持つ人も増えました。結果として、プロフィールを調べる人が増え、ネイマールの本名は広く知れ渡っていったのです。
ブラジル国内では彼がサントスFCで活躍していた頃から既に有名人でしたが、上述のように当初から「ネイマール」の名前で親しまれていたため、一般的なファンにはフルネームはあまり意識されていませんでした。
しかし、2011年にサントスを南米制覇(リベルタドーレス杯優勝)に導くと国内外のメディアがこぞって特集を組み、その中で「Neymar da Silva Santos Júnior」というフルネームが紹介されるようになりました。
また、ネイマールの名前が広く知られるようになったもう一つの理由として、SNSやインターネット上での情報拡散が挙げられます。彼のプレー動画がYouTubeで話題になったり、TwitterやFacebookで彼に関する投稿が増える中で、プロフィール情報として本名が共有される機会も増えました。
特に「ジュニオール」の由来(父親と同名であること)はネタとしても面白い話題であり、多くのファンがそのトリビアを語り合いました。
このようにして、ネイマールの本名は自然な形でファンコミュニティに浸透していったのです。
今では「ネイマール・ジュニオール」という名前を聞けば、「ああ、ネイマールのお父さんもネイマールって名前なんだよね」とすぐ理解できるサッカーファンも多いでしょう。
ネイマールの名前に関しては、本人や周囲からいくつか興味深いエピソードが語られています。その中でも特によく知られているものを紹介しましょう。
前述の通り、ネイマールは親子で同名であるため、家族や身近な人々の間では「ジュニオール」や「ジュニーニョ」と呼ばれることが多いそうです。
ネイマール本人もブラジル国内のインタビューなどで「身内からはジュニーニョと呼ばれているよ」といったコメントをしたことがあります。
幼少期からのあだ名がそのままスーパースターになった今でも使われ続けているというのは、少し微笑ましいですね。
一方で、父親のネイマールSr.は息子のキャリア形成に深く関わっています。父は元プロ選手とはいえ息子ほどの大成はしませんでしたが、その経験を活かして息子の代理人兼アドバイザーとしてサポートしています。
ネイマールの大きな移籍やスポンサー契約の裏には常に父親の存在があり、メディアから「ネイマールSr.は息子のビジネスを操る黒幕だ」などと報じられたこともあるほどです(例:パリ移籍時の交渉でも父親が重要な役割を果たしたとされています)。
このように父と子が二人三脚で歩む関係性は、名前を受け継いだこととも無関係ではないでしょう。ネイマール本人も「父は僕の人生で一番のコーチであり、尊敬する存在だ」と度々語っており、そこには自らと同じ名前を持つ父への誇りも感じられます。
興味深いことに、ネイマールは自身の息子には「ネイマール」という名前を付けませんでした。ネイマールには2011年に誕生した息子がいますが、彼は「ダヴィ・ルッカ(Davi Lucca)」と名付けられています。
ネイマールJr.が父親から名前を受け継いだのとは対照的に、ネイマールは自分の息子には全く別の名前を選んだわけです。
このことについて本人が詳細にコメントしたことはありませんが、「息子には息子だけの人生があるように、名前も新しいものにしたかったのではないか」と推測する声もあります。
いずれにせよ、「ダヴィ・ルッカ」という名付けはブラジルでも大きな話題となり、ブラジルでは2011年以降にダヴィ・ルッカと名付けられた子供が急増しています。
事実、1990〜2011年までブラジル国内で「ダヴィ・ルッカ」と命名された例はわずか5人しかいませんでしたが、ネイマールが息子にこの名を与えた2011年8月以降、一気に1,177人もの子供が「ダヴィ・ルッカ」と名付けられたとのデータもあります。
ネイマール自身の名前だけでなく、息子の名前までトレンドを生み出してしまうあたり、彼の影響力の大きさを物語っています。
なお、ネイマールは自身の体に関するエピソードとして名前のタトゥーも話題になります。
首の後ろ側には息子の名前「Davi Lucca」のタトゥーを入れており、父親としての愛情を示しています。また、ネイマールという名前そのものではありませんが、彼には妹の名前「Rafaella(ハファエラ)」のタトゥーも腕に入っており、家族を大切にする一面がうかがえます。
こうした家族愛の強さも、もしかすると自身が父から名前を受け継いだことと無縁ではないのかもしれません。
ネイマールのサッカー選手としての経歴と、彼の名前にはいくつかの興味深い関連性があります。ここでは、ネイマールのキャリアにおける名前の役割や影響について見ていきましょう。
ブラジル出身のサッカー選手には、ネイマールのようにファーストネーム(下の名前)やニックネームで呼ばれる伝統があります。
ブラジルでは人名が長くなる傾向があり、子供の頃から覚えやすいようファーストネームや愛称で呼び合う風習が根付いており、大人になってプロ選手になってからもそのまま登録名としてファーストネームを使うことが多いのです。
これは個性を尊重するブラジルの文化によるもので、例えば日本で有名なサッカー選手・三浦知良さん(カズ)をブラジル風にユニフォーム表記すると「KING(キング)」になる、という例も引き合いに出されるほどです。
ネイマールもこのブラジル流の文化の中で育ち、プロデビュー時からユニフォームには「Neymar」とファーストネームが表示されていました。
当時所属していたサントスFCでも背中には「NEYMAR」の文字が輝き、ブラジル代表として初招集された際も同様でした。
彼がファーストネームのみで世界的スターになったことは、「ペレ」「ジーコ」「ロナウジーニョ」など下の名前やニックネームで呼ばれる往年のブラジルの名選手たちに続く伝統でもあり、ブラジル国内では「また一人、名前だけで通じるスターが現れた」と語られました。
さらにネイマールの場合、先述のようにジュニオール(Jr.)を付けた形でのファーストネームというユニークさも相まって、その名前は一種のブランドとなっています。
事実、ネイマールは自身の公式サイトやSNSのアカウント名、さらにはチャリティー基金の名称にも「Neymar Jr」を用いており、これ自体が彼のアイデンティティとなっています。
例えば彼が設立した社会貢献団体は「Instituto Projeto Neymar Jr(インスティトゥト・プロジェクト・ネイマール・ジュニオール)」と名付けられており、自身の名を冠して活動することでブランド力を生かし多くの支援を集めています。
こうした点からも、ネイマールにとって名前はサッカー以上に重要な「資産」であり、キャリアを支える一つの柱となっているのです。
もう一つ、ネイマールの経歴と名前の関わりで見逃せないのが、精神的な支えとしての「父の名前」です。
ネイマールは10代で脚光を浴び、その後も順風満帆にスター街道を歩んできたように見えますが、実際には多くのプレッシャーや困難にも直面してきました。
特に2014年W杯での負傷離脱や、巨額移籍金による批判、度重なる負傷など、心が折れそうになる瞬間もあったと想像されます。そんな中で、彼を支えた存在の一つが父親であり、ひいては自らの名前に込められた父との絆だったのではないでしょうか。
インタビューなどでもネイマールは「父はいつも電話で励ましてくれる」「僕の相談相手だ」と語っています。
自身が試合で結果を出せないときや非難を浴びたとき、父親は「ネイマール」という共通の名前を持つ者同士、同じ目線でアドバイスしてくれたことでしょう。
例えば「ジュニオール、お前ならできる」という言葉には、他の誰の言葉よりも重みがあったに違いありません。ネイマールにとって「ネイマール」という名前は単なる個人名を超え、父子二人三脚の証でもあるのです。
この強い絆が、バルセロナやパリといった環境の変化にも負けず活躍を続ける原動力の一つになっていると言えるでしょう。
ネイマールのように「登録名=ファーストネームや愛称」というケースは、特にブラジルのサッカー選手に数多く見られます。ここで、ネイマール以外の有名選手の本名と通称をいくつか比較してみましょう。
本名はエドソン・アランテス・ド・ナシメント。幼少期に好きだった地元のGK「ビレ」の名前をうまく発音できず周囲にからかわれ、「ペレ」と呼ばれ始めたのがニックネームの由来です。本名の「エドソン」は発明王トーマス・エジソンにちなむ命名でしたが、彼自身は世界的にニックネームの「ペレ」で知られる存在となりました。
本名はリカルド・イゼクソン・ドス・サントス・レイチ。弟が幼い頃に「リカルド」をうまく発音できず「カカ」と呼んでいたことに由来します。本人にとっては意味のないあだ名でしたが、その響きの良さから世界中で愛称「カカ」として親しまれました。ただし、「カカ」はイタリア語などでは発音によっては「うんち」を意味してしまうため、移籍時に懸念されたという裏話もあります。
本名はジヴァニウド・ヴィエイラ・ジ・ソウザ。緑色の怪力ヒーロー「超人ハルク」にちなんだニックネームで、ブラジル代表でもユニフォームにはこの「Hulk(フッキ)」が表記されました。怪物的なフィジカルからそう呼ばれたとも言われます。
本名はロナウド・デ・アシス・モレイラ。ブラジル代表に既にスターのロナウド(Ronaldo)がいたため、若い彼は「ロナウジーニョ(小さなロナウド)」と呼ばれました。さらに「ガウーショ(田舎者)」を付けて「ロナウジーニョ・ガウーショ」とも呼ばれましたが、欧州では短縮してロナウジーニョが定着しました。
本名はアルトゥール・アントゥネス・コインブラ。細身だったことからポルトガル語で「やせっぽち」を意味する「ジーコ」と呼ばれるようになったと言われます。ブラジルでは愛称がそのまま英雄の代名詞となった好例です。
以上のように、ブラジルのサッカー選手には本名よりもニックネームやファーストネームで世に知られるケースが多々あります。
ネイマールもその一人ではありますが、彼の場合はニックネームではなく実名そのもので勝負している点が少し異色です。
PeléやKakáのように全く別の呼び名を使っているわけではなく、両親に授けられた名前「ネイマール」をそのまま世界中に知らしめた点で、ある意味本名を最大限に輝かせた存在と言えるでしょう。
また、ブラジル以外の国では名字(姓)で呼ばれることが一般的です。例えばアルゼンチンのリオネル・メッシは「メッシ」と姓で呼ばれ、ポルトガルのクリスティアーノ・ロナウドも「ロナウド」と名字がクローズアップされます(クリスティアーノの場合、名字の一部がロナウドなので若干特例ですが)。
そうした中で、ネイマールやブラジルの選手たちは名前自体が一つのブランドとなっており、ファーストネームだけで識別・称賛されるのはスーパースターの証とも言えるでしょう。
ネイマールという名前は、彼個人のアイデンティティであると同時に、サッカー界やファンの間で一つの現象を生み出しています。その代表的な例が、子供の名付けと話題性です。
ネイマールの活躍は、ブラジル国内で子供の名前のトレンドに直接影響を与えました。ブラジル・サンパウロ州の統計によれば、ネイマールが台頭した2009年以降、「ネイマール」と命名される新生児が急増しています。
具体的には、以下のような数字が報告されています。
- 2009年: ネイマールがプロデビューすると、この年に24人の赤ちゃんが「ネイマール」と命名される
- 2010年: 翌年はさらに増えて67人に
- 2011年: ネイマールがリベルタドーレス杯制覇など大活躍した年には133人とピークに達する
- 2012年: 100人
- 2013年: 35人
- 2014年: W杯イヤーでもあったが9月までで19人
累計すると、2009年から2014年9月までの約5年半で、サンパウロ州だけでも378人もの子どもが「ネイマール」と名付けられた計算になります。
これは彼がプロデビューする以前には皆無だったことを考えると驚異的な増加です。まさにネイマール旋風が名付けにも及んだ形と言えるでしょう。
さらにこの現象はブラジル国外にも波及しました。例えばお隣のボリビアでは元々「ネイマール」という名前が一定数存在していたらしいのですが、ネイマール選手の人気で拍車がかかり、生まれる男の子の5人に1人が「ネイマール」と名付けられている地域もあると報じられました。
ボリビアの首都ラパスでは市職員が「17年後には成人男性のほとんどの名前がネイマールになっているのでは」と冗談交じりにコメントしたというエピソードもあるほどです。
このように、ネイマールの名前は単なる個人名を超えて社会現象化しました。
同様の例としては、アルゼンチンでリオネル・メッシ選手にちなんで子供に「メッシ」と名付けた親が現れ話題になったケースもあります(ただし「メッシ」は姓なので異例ですが)。
いずれにせよ、有名サッカー選手の名前を子供につけたいと願う親心は万国共通のようで、ネイマールは21世紀においてその代表格となった存在と言えます。
ネイマールという名前は、その響きのユニークさやJr.の付加も相まって、SNS上でもしばしば話題になります。
彼がゴールを決めれば「Neymar!!!」と全世界のファンが叫び、巧みなドリブルが披露されれば「魔法のようだ、さすがNeymar」と賞賛されます。
一方で試合中の派手なリアクション(いわゆるネイマール・ロールと揶揄された転倒劇)などが起これば、それをネタにしたミームやハッシュタグ(例: #NeymarRolling)が飛び交うなど、良くも悪くもその名前は拡散力を持っています。
また、ネイマールの名前は企業にとってもマーケティング上の大きな資源です。多くのスポンサー企業が彼と契約し、「Neymar」という名前やロゴを用いた商品・広告展開を行っています。
例えばスポーツブランドはネイマールモデルのスパイクを発売し、その商品名に「NJR」(Neymar Jrの頭文字)を冠しています。こうしたグッズは世界中で人気を博し、ネイマールの名前自体が商品価値を生み出していることが分かります。
最後に、ネイマールという名前自体が持つ語感の良さも見逃せません。
2音節で覚えやすく、各国の言語でも発音しやすい「ネイマール」は、国際舞台でスターになる上で有利に働いた側面もあるでしょう。
例えばこれが非常に発音の難しい名前だった場合、ここまで親しまれる存在になっていたかは分かりません。そうした意味では、両親が与えてくれた「ネイマール」という名前そのものが彼の武器であり、世界中の人々に愛される大きな要因の一つになったのかもしれません。
ネイマールの本名「ネイマール・ダ・シウバ・サントス・ジュニオール」には、父から子へ受け継がれた誇りと、新時代のスターとしての輝きが凝縮されています。名前の意味として解釈される「新しい海」のごとく、彼はサッカー界に新風を巻き起こし、次々と新たな歴史を作ってきました。
その一方で、「ジュニオール」という言葉が示すように父親からの愛情と支援を一身に受け、家族の名前を背負って戦ってきた背景もあります。
サッカーファンにとって、ネイマールという名前は単に一人の選手を指すだけでなく、ブラジルサッカーの伝統と革新を象徴する言葉になりました。
本名の由来を知れば、彼のプレーを見る目にも少し違った深みが加わるかもしれません。「ネイマール」という名前にまつわるストーリーを知った今、ぜひ次の試合ではその名前がコールされる瞬間に思いを馳せてみてください。きっと、ネイマールという存在がより一層身近で特別なものに感じられることでしょう。