こんな疑問を持つ方へ
- 買って半年も経たないのに、表面がめくれてボロボロになってきた
- チームメイトのボールはきれいなのに、自分のボールだけ傷むのが早い
- まだ蹴れるけれど、この状態で使い続けていいのか判断がつかない
- 空気がすぐ抜ける。これは修理できるのか、寿命なのか知りたい
- 次に買うときは、長持ちするボールを選びたい
サッカーボールがボロボロになる原因は、じつは「乱暴に扱ったから」だけではありません。使う地面、空気圧、保管場所、そして素材そのものの経年変化まで、劣化のスイッチはいくつもあります。この記事では、劣化を5つの症状に分けて原因を特定し、直せるもの・直せないものを切り分けたうえで、次の一手までを整理します。
サッカーボールがボロボロになる5つの症状と原因
ひとくちに「ボロボロ」と言っても、起きている現象はまったく別物です。表面がめくれているのか、縫い目が割れているのか、空気が抜けているのか。原因が違えば、対処法も、そのまま使い続けてよいかどうかの判断も変わります。
まずは手元のボールがどのタイプかを見極めてください。以下の5つのどれかに、ほぼ当てはまるはずです。
| 症状 | 主な原因 | 対処の可否 |
|---|---|---|
| 表面がめくれる・削れる | 硬い路面での摩耗 | 回復は不可。進行を遅らせるのみ |
| 縫い目が裂ける・糸が切れる | 空気圧の入れすぎ、経年、砂の噛み込み | 軽度なら延命可。裂けが広がると寿命 |
| 空気がすぐ抜ける | バルブの損傷、チューブの素材特性、表皮の穴 | バルブ起因なら修理できる場合あり |
| 表面がベタつく・粉を吹く | ポリウレタンの加水分解 | 不可。素材そのものの変化 |
| 丸くない・いびつに歪む | 内部構造の破損、高温下での変形 | 不可。プレー用としては引退 |
症状1:表面がめくれる・削れる(摩耗)
もっとも多いのがこのタイプです。ボールの表皮は、蹴られるたびに地面とこすれています。とくにアスファルトやコンクリートは、砂のような細かい粒が路面に固定された巨大なヤスリのようなもので、一蹴りごとに表皮の表面を薄く削り取っていきます。
削れが進むと、表皮のコーティング層が破れ、そこから端がめくれ上がります。いったんめくれが始まると、めくれた部分が地面に引っかかってさらに剥がれるという悪循環に入り、そこからは一気に見た目が悪化します。「先週まで普通だったのに、急にボロボロになった」と感じるのは、この段階に入ったからです。
ワンポイント
めくれを見つけたら、その日のうちに硬い路面での使用をやめるだけで、進行速度は大きく変わります。剥がれかけの部分が「引っかかり」になる前に、使用場所を土や芝に移してください。
症状2:縫い目が裂ける・糸が切れる
手縫いやミシン縫いで作られたボールは、パネルとパネルを糸でつなぎ合わせています。この糸が切れたり、縫い目の生地が裂けたりすると、そこから内部のチューブがのぞくことがあります。
縫い目のトラブルで見落とされがちなのが、縫い目に入り込んだ砂や小石です。ミカサは縫いボールの手入れとして「使用後は、縫い目に入ったゴミや砂を、ブラシ等でとってください」と案内しています。放置された砂粒は、ボールが変形するたびに糸をこすり続けるため、内側から糸を切っていくことになります。
もうひとつの原因が空気の入れすぎです。適正を超えた空気圧はパネルを外へ押し広げる力になり、縫い目に常時、想定以上のテンションをかけ続けます。モルテンも、過度な空気充填はボールの変形や破裂、縫製の劣化を早める可能性があると注意を促しています。
症状3:空気がすぐ抜ける
「入れても翌週にはへこんでいる」というケースです。モルテンは、空気が抜けやすくなる原因として次の3つを挙げています。
- チューブの素材特性:ラテックスチューブ(天然ゴム)を使ったボールは、柔らかい蹴り心地の反面、空気の透過性が高く抜けやすい
- バルブの損傷:空気針の抜き差しでバルブが傷つき、そこから漏れる
- 表皮の損傷:表面のひび割れや裂けから漏れる
重要なのは、1番目は故障ではなく仕様だという点です。芝生用として作られたボールにはラテックスチューブが採用されていることが多く、ある程度抜けるのは正常な挙動です。一方、2番目のバルブ起因であれば、修理で直る可能性があります。この違いについては後の章で詳しく扱います。
症状4:表面がベタつく・粉を吹く(加水分解)
これは、使っていないボールにも起きるという点で厄介な劣化です。多くのサッカーボールの表皮にはポリウレタンが使われており、この素材は空気中の水分と反応して分子構造が壊れていきます。これが加水分解です。
モルテンは公式の手入れ解説の中で、ポリウレタン素材は2〜5年で劣化(加水分解)が始まる場合があると明記しています。押し入れの奥にしまい込んでいたボールを久しぶりに出したら、表面がベタベタしていた、白い粉が手についた、というのはこの現象です。
対策は「使わないこと」ではなく、むしろ逆です。モルテンは長期保管時の対策として、通気性の良い場所での保管と、定期的に風通しのよい場所で陰干しすることを勧めています。密閉された高温多湿の環境こそが、加水分解を最も加速させます。
見落としがちな保管場所
モルテンは「高温多湿、特に夏場の車のトランクなどに保管すると変形したり劣化が早まったりします」と注意しています。車に積みっぱなしにしているボールは、シーズンをひとつ越えるだけで別物になっていることがあります。
症状5:丸くない・いびつに歪む
空気を適正に入れているのに真ん丸にならない、特定の部分だけ膨らむ、といった状態です。内部のチューブや補強層が部分的に損傷しているか、高温環境で変形したまま固定されてしまったケースが考えられます。
この段階になると、蹴ったときの軌道が読めなくなります。プレー用のボールとしては引退させ、後述する「第二の役割」に回すか、処分を検討するタイミングです。
劣化スピードを決める4つの要因
同じ日に買った同じボールでも、傷み方には大きな差が出ます。保護者向けのQ&Aサイトなどでは「チームのほかの子のボールはきれいなのに、うちの子のボールだけ早くボロボロになる」という相談が見られますが、その差を生んでいるのは、たいてい次の4つのどれかです。
| 要因 | 影響の大きさ | 今日から変えられるか |
|---|---|---|
| 使用する地面 | 非常に大きい | 変えられる |
| ボールの製法・素材 | 大きい | 次の購入時 |
| 空気圧の管理 | 中程度だが軽視されがち | 変えられる |
| 保管環境 | 中程度(長期では大きい) | 変えられる |
要因1:使用する地面がすべてを決める
ボールの寿命に最も直結するのが路面です。同じ回数だけ蹴っても、天然芝とアスファルトでは表皮が受けるダメージがまったく違います。
| 路面 | 表皮へのダメージ | 注意点 |
|---|---|---|
| 天然芝 | 小さい | 濡れやすいので乾燥のケアが必要 |
| 人工芝 | 小〜中 | 充填ゴムや砂が縫い目に入りやすい |
| 土・クレー | 中 | 砂の噛み込みと汚れの蓄積 |
| アスファルト・コンクリート | 非常に大きい | 表皮の摩耗が一気に進む |
自主練で壁当てをしている子どものボールが極端に早く傷むのは、この路面差が理由です。技術向上のために毎日壁当てをすること自体はとても良い習慣ですが、そこに試合用のボールを持ち出していると、試合本番までにボールが持ちません。
解決策はシンプルで、「試合・チーム練習用」と「自主練用」でボールを分けることです。良いボールを1つ長く使うより、役割の違う2つを併用するほうが、結果的に費用も、ボールの状態も安定します。
要因2:製法と素材の違い
サッカーボールの作り方は大きく3種類あり、それぞれ耐久性の傾向が異なります。
| 製法 | 特徴 | 傷みやすいポイント |
|---|---|---|
| 手縫い | 縫い目が深く、耐久性に定評 | 縫い糸・縫い目 |
| ミシン縫い | 量産性が高く価格を抑えやすい | 縫い糸・縫い目 |
| 熱接合(貼り) | 縫い目がなく真球性・低吸水に優れる | 接着部・表皮の摩耗 |
熱接合のボールは縫い目という弱点がないぶん、雨の日に水を吸いにくく、どこを蹴っても感触が一定という利点があります。一方で、表皮そのものが摩耗すれば当然傷みます。「熱接合だから何をしても平気」ということではありません。
また、表皮の仕上げも耐久性に効いてきます。モルテンのペレーダ4000は、撥水素材を組み込んだ特殊表皮を採用し、特殊表面コーティングでロゴをカバーする構造になっています。ロゴが早々に擦り切れて見た目が悪くなる、という劣化の入口をひとつ塞いでいるわけです。
要因3:空気圧の管理
空気圧は、ボールの寿命とプレーの質の両方に効いてきます。サッカー競技規則(2025/26)の第2条では、ボールの空気圧は海面の高さの気圧で0.6〜1.1気圧(600〜1100g/cm2、8.5〜15.6ポンド/平方インチ)と定められています。円周は68cm以上70cm以下、重量は試合開始時に410g以上450g以下です。
ただし実際の運用では、規則の幅よりもそのボールに印刷されている適正内圧を守るのが正解です。ミカサは「空気注入口のまわりに適正内圧が印刷されていますので、圧力を調整し空気を入れましょう」と案内しています。バルブの近くを見れば、そのボール固有の推奨値が書かれています。
入れすぎは縫い目に負担をかけ、入れなさすぎは表皮にシワを作りながら地面と接触する面積を増やします。どちらも劣化を早める方向に働きます。感覚だけで「だいたいこのくらい」と入れているなら、空気圧計付きのポンプを一度使ってみると、自分の感覚とのズレに驚くはずです。
感覚頼みの空気入れを卒業する
空気圧計が一体になったハンドポンプなら、毎回同じ硬さを再現できます。縫い目への過剰な負担も、シワによる摩耗も、これひとつで避けられます。
要因4:保管環境
ボールが最も長く過ごすのは、実はグラウンドではなく保管場所です。メーカー各社が共通して挙げる保管のNG条件は、次の3つです。
- 直射日光が当たる場所
- 高温になる場所(夏場の車内・トランクなど)
- 湿気がこもる場所
また、ミカサは貼りボール・縫いボールについて空気を入れた状態で保管するよう案内しています。空気を抜いたまま長期間置くとシワの原因になるためです。ただしゴムボールは例外で、「空気は使用前に注入し、使用後は必ず空気を抜いて下さい」と、真逆の指示が出ています。手持ちのボールの種類を取り違えないよう注意してください。
ボロボロのボールを使い続けるとどうなるか
「まだ蹴れるから」と使い続けたときに何が起きるのか。見た目の問題だけではありません。
キックの精度が身につかなくなる
表皮がまだらに削れたボールは、空気抵抗の受け方が場所によって変わります。真ん中を正確に捉えたつもりでも、想定と違う回転がかかり、狙ったところに飛びません。
怖いのは、その原因を本人が自分のフォームのせいだと勘違いすることです。ボールが原因のブレを修正しようとしてキックを変えてしまうと、正常なボールに持ち替えたときに逆に蹴れなくなります。成長期の選手ほど、この影響は無視できません。
ケガと衛生面のリスク
剥がれた表皮の縁は、意外と硬く尖ります。ヘディングや素手でのキャッチで擦り傷を作ることがあります。また、縫い目に土や砂が詰まったまま放置されたボールは、その汚れが擦過傷に入り込む可能性もあります。使用後にブラシで縫い目のゴミを落とす習慣は、ボールのためだけでなく使う人のためでもあります。
試合では使えない
公式戦では、そもそも状態の悪いボールは使用できません。日本サッカー協会のサッカーボール等の検定制度ガイドラインは、「競技の公正及び競技者が安全・安心してプレーをすることを目的」として定められており、検定に合格したボールには協会所定の検定マークが付与されます。加盟登録団体が参加する国内競技会では、この検定球の使用が義務付けられています。
つまり、検定マークがあるボールであっても、劣化して規格を満たさなくなれば試合球としては失格です。「試合当日、審判のチェックで弾かれた」という事態を避けるためにも、シーズン前の点検は必要です。
買い替えか、まだ使えるか。判断チェックリスト
感情ではなく状態で判断できるよう、基準を整理します。以下のいずれかに当てはまるなら、プレー用としては引退のサインです。
| チェック項目 | 判断 |
|---|---|
| 表皮がめくれ、内部の層が見えている | 買い替え |
| 縫い目が裂け、隙間が開いている | 買い替え |
| 表面がベタつく、白い粉が手につく | 買い替え(加水分解) |
| 空気を入れても丸くならない | 買い替え |
| 数日で明らかにへこむ | まず修理を検討 |
| ロゴが薄い、汚れが目立つだけ | 継続使用可 |
| 表面に浅いキズがある程度 | 継続使用可 |
迷いやすいのが「空気が抜ける」ケースです。ここだけは、買い替える前に確認すべきことがあります。
まだ直せる場合の対処法
空気漏れはバルブが原因のことが多い
空気漏れの原因の多くは、バルブの損傷です。そして、その損傷を作っているのは空気を入れる側の作法であることが少なくありません。
メーカー各社が口をそろえて指摘するのが、潤滑剤の使用です。モルテンは「空気針は必ず潤滑剤(なければ石鹸水など)をつけてから、バルブに差し込みます」とし、「何もつけずに差し込むと、針がバルブを傷つけ、空気漏れの原因となる」と説明しています。ミカサも同様に、専用の潤滑剤を必ずつけるよう案内しています。
さらに、水で代用するのは避けてください。モルテンは「水は空気針が錆びる要因となるので避けてください」と明記しています。錆びた針は表面がざらつき、バルブをより傷つけます。
正しい空気の入れ方(3つのポイント)
- 空気針に潤滑剤を必ずつける(なければ石鹸水。水はNG)
- 針はゆっくり垂直に抜き差しする
- 勢いよく差し込んで、裏側のチューブまで貫通させない
メーカーの検査・修理サービスを使う
バルブ起因の空気漏れであれば、メーカーの修理で復活する可能性があります。
モルテンは公式オンラインショップおよび楽天のモルテン公式オンラインショップで「ボールのパンク検査依頼」を受け付けています。ミカサはバルブ交換について、専用の取替具と潤滑剤を使う手順を公開したうえで、自分で交換するのが難しい場合は「交換作業を中止し、ボールをご購入頂いたお店を通じて、ミカサへ修理依頼(有料)に出してください」と案内しています。
「ボールは壊れたら捨てるもの」と思い込んでいる人が多いのですが、公式に修理の窓口が用意されているという事実は、もっと知られていい情報です。愛着のあるボールや、まだ表皮がきれいなボールなら、問い合わせてみる価値があります。
自分で直す場合の注意点
市販のバルブ交換具を使えば自分で作業することもできますが、失敗すると内部のチューブを傷つけて完全に再起不能になります。表皮がすでに摩耗しているボールに手間と費用をかけるより、買い替えたほうが結果的に安く済むケースは多いという点も、冷静に見ておいてください。
やってはいけない手入れ
- ベンジンや溶剤で表皮を拭く(モルテン・ミカサとも明確に禁止)
- ドライヤーなどで強制的に乾かす(接着剤の剥がれや変色の原因)
- 天然皮革のボールを中性洗剤で拭く(人工皮革はOK、天然皮革はNG)
ボロボロにしないための手入れと保管術
ここからは予防の話です。特別な道具がなくても、習慣を変えるだけでボールの持ちは変わります。
使用後30秒でできること
ミカサとモルテンが案内している基本の手入れは、驚くほど簡単です。
- 縫いボールなら、縫い目に入ったゴミや砂をブラシで落とす
- 柔らかい布で表面を拭く
- 落ちにくい汚れは、水を含ませた布で拭く
- それでも落ちない場合、人工皮革なら水で薄めた中性洗剤を軽く含ませた布で拭き、洗剤を十分に拭き取る
この4ステップだけで、砂による内側からの糸切れと、汚れの固着による表皮の劣化をかなり防げます。練習から帰ってバッグに放り込む前の30秒で終わる作業です。
濡れたときの正しい乾かし方
雨の日の練習後が、実は最大の分岐点です。正しい手順は次のとおりです。
- 乾いた布を当てて、軽く水分を吸い取る
- 風通しの良い日陰で自然乾燥させる
- ドライヤーなどによる強制乾燥は避ける
ドライヤーがNGな理由は、熱によって接着剤が剥がれたり、表皮が変色したりするためです。「早く乾かしたい」という善意が、パネルの浮きという最悪の劣化を招きます。濡れたまま袋に入れて放置するのも当然NGで、こちらは加水分解を加速させます。
ボールを「休ませる」という考え方
モルテンの手入れ解説には、少し変わった一文があります。「ボールもたまにはお休みさせてください」というものです。複数のボールを交互に使うことが推奨されているのです。
これは根性論ではなく合理的な話で、連続使用で熱と水分を受け続けた表皮や接着層に、乾いて落ち着く時間を与える意味があります。前述した「試合用と自主練用を分ける」という運用は、この推奨とも一致します。
正しい手入れは、専用クリーナーで一段上がる
人工皮革用のボールクリーナーは、汚れを落としながら表皮を保護します。乾拭きだけでは取れない汚れの固着を防ぎ、めくれの起点を作りません。素材に合ったものを選ぶのがポイントです。
買い替えるときのボール選び
ボロボロになったボールを見送ったら、次は「同じ失敗を繰り返さない選び方」です。
まずは号数を確認する
モルテンが公開している号数の目安は次のとおりです。
| 号数 | 直径 | 重量 | 対象 |
|---|---|---|---|
| 3号球 | 約19.0cm | 約310g | 幼児・小学生低学年 |
| 4号球 | 約20.5cm | 約370g | 小学生 |
| 5号球 | 約22.0cm | 約430g | 中学生以上 |
検定球かどうかを確認する
チームでの使用や公式戦を想定するなら、検定マークの有無は必須の確認事項です。前述のとおり、加盟登録団体が参加する国内競技会では検定球の使用が義務付けられています。なお、FIFAの承認を受けたボールを国内競技会で使う場合には、FIFA承認と検定マークを併記しなければならないと定められています。
「デザインが気に入ったから」という理由でレプリカや観賞用のボールを買ってしまい、試合で使えなかったという失敗は、意外なほどよく起きます。
グレードによる耐久性の違い
耐久性を左右するのは価格そのものではなく、構造です。参考として、モルテンの定番シリーズ「ペレーダ」(第6世代)のラインアップを比較します。
| モデル | 製法・特徴 | 耐久性 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ペレーダ5000 | 熱接合(アセンテック)、超低吸水、FIFA基準適合 | 最上位 | 試合中心、雨天でも質を落としたくない |
| ペレーダ4000 | 縫製、特殊フォーム入り、撥水表皮、高耐摩耗 | 高い | 部活・クラブの練習と試合を1球でこなす |
| ペレーダ3000 | 縫製、高空気保持率チューブ、エントリーモデル | 標準 | これから始める、予備の1球が欲しい |
注目したいのは、4000が5000と並んで耐久性の評価を得ている点です。モルテン公式の性能比較でも、蹴り心地や低吸水性では5000が上位ですが、耐久性については4000も同等の評価がついています。「一番高いものでなければ長持ちしない」わけではないということです。
硬い路面での練習が多く、とにかく傷みにくさを重視するなら、4000クラスが現実的な最適解になりやすいと言えます。
傷みにくさで選ぶなら、この一球
高耐摩耗の特殊表皮と撥水素材を組み合わせたスタンダードモデル。JFA検定球なので、練習からそのまま公式戦に持ち込めます。買い替えのたびに悩みたくない人向けです。
2球体制という選択肢
ここまで読んで「自主練用にもう1球あったほうがいい」と感じた方には、エントリーモデルを組み合わせる方法をおすすめします。良いボールを壁当てで消耗させるより、役割を分けたほうがトータルコストは下がります。
自主練用のセカンドボールに
検定球でありながら手に取りやすい価格帯。壁当てやリフティング用に回して、メインのボールを試合まで温存する使い方ができます。
役目を終えたボールの活かし方と処分方法
プレー用として引退したボールにも、まだ使い道があります。
役割を変えて使い続ける
表皮が傷んでいても、丸みと空気保持が残っているなら、次のような用途では十分に働きます。
- 壁当て・リフティング専用ボール
- 体幹トレーニングやコーディネーション練習の補助具
- 足元でのボールタッチ確認用(屋内の柔らかい床で)
逆に、表皮の縁が尖っていたり、いびつに変形しているボールは、この用途にも向きません。ケガの原因になるためです。
寄付するという選択
まだ使える状態であれば、不要になったスポーツ用品を集めて活用する団体に寄付する方法があります。海外の子どもたちへの支援として、使わなくなったサッカー用品の寄付を受け付けている団体もあります。
ただし、受け入れ可否の基準や送料の負担は団体ごとに異なります。「ボロボロだから捨てるしかない」と思っていたボールでも、空気が入り、表皮に大きな破れがなければ受け入れてもらえることがあるので、条件を確認してみてください。
処分するときは空気を抜く
処分する場合、一般的にはサッカーボールは可燃ごみとして扱われることが多く、空気を抜いてつぶした状態にすると袋に収まりやすくなります。空気入れの針をバルブに差し込めば簡単に空気を抜けます。
ただし、ごみの分別ルールは自治体によって異なります。素材やサイズによって扱いが変わることもあるため、必ずお住まいの自治体のルールを確認してから出してください。
よくある質問
Q. 表面が少し剥がれているボールでも、公式戦で使えますか。
A. 検定球であることに加えて、規格を満たした状態であることが前提になります。サッカー競技規則では円周68〜70cm、試合開始時の重量410〜450g、空気圧0.6〜1.1気圧(海面の高さの気圧で)と定められており、劣化によってこれらを満たさなくなったボールは試合球として適しません。最終的な使用可否は試合の主審が判断します。剥がれが目立つボールは、試合用とは別に用意しておくのが安心です。
Q. 剥がれた表面を接着剤で補修してもいいですか。
A. メーカーが公式に案内している方法ではないため、推奨できません。ボールの表皮は複数の層が重なった構造で、市販の接着剤が層の内部でどう作用するかは想定されていません。硬化した接着剤が新たな凹凸を作り、蹴り心地をさらに損なうこともあります。バルブ起因の空気漏れであれば、モルテンのパンク検査依頼やミカサへの修理依頼といった公式の窓口があるので、そちらを利用するのが確実です。
Q. 泥だらけのボールを水洗いしても大丈夫ですか。
A. 丸洗いよりも、拭き取りが基本です。人工皮革のボールであれば、水を含ませた布や、水で薄めた中性洗剤を軽く含ませた布で汚れを拭き取り、洗剤分を十分に拭き取ってください。天然皮革のボールには中性洗剤を使ってはいけません。また、ベンジンや溶剤はどの素材でも使用禁止です。濡れた後は乾いた布で水分を吸い取り、風通しの良い日陰で自然乾燥させます。ドライヤーによる強制乾燥は接着剤の剥がれや変色につながります。
Q. 使わないときは空気を抜いておくべきですか。
A. ボールの種類によって逆になります。貼りボールや縫いボールは、空気を入れた状態で保管するのが基本です。空気を抜いたまま置くとシワの原因になります。一方でゴムボールは、使用前に空気を入れ、使用後は必ず空気を抜くようミカサが案内しています。手持ちのボールがどのタイプかを確認してから判断してください。
Q. 何年も物置に入れていたボールがベタベタします。元に戻せますか。
A. ポリウレタン素材の加水分解が進んだ状態で、元の状態に戻すことはできません。モルテンは、ポリウレタン素材が2〜5年で劣化(加水分解)を始める場合があるとしています。予防策としては、長期保管であっても通気性の良い場所に置き、定期的に風通しのよい場所で陰干しすることです。密閉した袋や高温になる場所での保管が、最も劣化を早めます。
まとめ
サッカーボールがボロボロになる原因と、その後の判断について整理します。
- 劣化は「摩耗」「縫い目の破損」「空気漏れ」「加水分解」「変形」の5種類に分けられ、それぞれ原因も対処法も異なる
- 寿命を最も左右するのは路面。アスファルトでの自主練は、試合用ボールとは別の1球で行うのが合理的
- 空気圧はボールに印刷された適正内圧に従う。入れすぎは縫い目を、入れなさすぎは表皮を痛める
- 空気針には必ず潤滑剤を。水は針を錆びさせるため使わない
- 加水分解は使わなくても進む。通気性の良い場所での保管と定期的な陰干しが有効
- バルブ起因の空気漏れは、メーカーの検査・修理サービスで直る可能性がある
- ベンジンや溶剤での拭き取り、ドライヤーでの強制乾燥、天然皮革への中性洗剤はいずれも避ける
- 公式戦では検定マーク付きのボールが必要。規格を満たさなくなった劣化球は試合球に適さない
- 役目を終えたボールは、自主練用に回す、寄付する、空気を抜いて自治体のルールに従って処分する、という選択肢がある
ボールが早く傷むことに悩んでいた方も、原因の多くが「使い方の丁寧さ」ではなく「路面・空気圧・保管」という具体的な条件にあるとわかれば、対策は立てられます。今日から変えられるのは路面と保管、そして空気の入れ方です。次の1球を長く使うために、まずはこの3つから見直してみてください。
次のボールを、もっと長く使うために
傷みにくい検定球と、適正な空気圧を保つポンプ。この2つがそろえば、ボールの寿命は目に見えて変わります。
フットボール戦士 
