Jリーグの試合数は少ない?欧州主要リーグと比較してみた

「Jリーグって試合数が少なくない?」——サッカーを観始めたばかりのファンから、長年応援しているサポーターまで、一度は感じたことがある疑問ではないでしょうか。プロ野球のように毎日のように試合があるわけでもなく、欧州サッカーとも少し感覚が違う。この記事では、Jリーグの試合数が少なく感じる理由の本質から、欧州主要リーグとの徹底比較、カップ戦を含めた年間総試合数の実態、そして2026〜27シーズンから始まる秋春制移行による変化まで、データをもとに丁寧に解説します。


まず結論——J1リーグの試合数は欧州主要リーグと同水準

「Jリーグは試合数が少ない」という印象を持っている方も多いのですが、実は2024年シーズンからJ1リーグは1クラブあたり年間38試合となり、プレミアリーグ・セリエA・ラ・リーガと同じ試合数になっています。

世界主要リーグとJ1リーグの試合数比較(リーグ戦のみ)

リーグ クラブ数 1クラブの試合数 総試合数 シーズン形式
J1リーグ(2024年〜) 20 38試合 380試合 春秋制(2〜12月)
プレミアリーグ(イングランド) 20 38試合 380試合 秋春制(8〜5月)
セリエA(イタリア) 20 38試合 380試合 秋春制(8〜5月)
ラ・リーガ(スペイン) 20 38試合 380試合 秋春制(8〜5月)
ブンデスリーガ(ドイツ) 18 34試合 306試合 秋春制(8〜5月)
リーグ・アン(フランス) 18 34試合 306試合 秋春制(8〜5月)

2024年以前のJ1(18クラブ)は1クラブ34試合でブンデスリーガと同じ水準でした。2024年から20クラブに拡大したことで、プレミアリーグやセリエAと並ぶ38試合に増加しています。「Jリーグは試合数が少ない」というイメージは、18クラブ時代(34試合)の印象が残っていることと、プロ野球との比較から来ていることが大きいです。


試合数の仕組みを解説——なぜ「(クラブ数−1)×2」なのか

Jリーグの試合数はシンプルな計算式で決まります。

1クラブの年間試合数 =(クラブ数 − 1)× 2

ホーム&アウェイ方式による2回戦総当たり制

J1が20クラブなら「(20−1)×2 = 38試合」となります。Jリーグでは各クラブが、自チームのホームスタジアムで開催する「ホームゲーム」と、相手チームのスタジアムに乗り込む「アウェイゲーム」の2種類を、すべての対戦相手と1回ずつ行います。これが「ホーム&アウェイの2回戦総当たり」です。

「では試合数を増やすために3回戦総当たりにすればいいのでは?」と思う方もいるでしょう。しかし計算してみると現実が見えてきます。3回戦総当たりにした場合、試合数は「(20−1)×3 = 57試合」になります。これはプロ野球の143試合と比べてもかなり多く、週2試合ペースで9ヶ月間戦い続けることになり、選手の体力的・日程的に現実的ではありません。

「試合数を増やせない」理由を数字で確認

現在(2回戦総当たり) (20−1)×2 = 38試合(現実的な上限水準)
仮に3回戦総当たりにしたら (20−1)×3 = 57試合(カップ戦・代表戦なしでも不可能な水準)
プロ野球との比較(参考) 1チームあたり年間143試合(6球団×24回の総当たり。クラブ数が少ないため可能)

プロ野球が年間143試合も戦えるのは、1リーグがわずか6球団という少ないクラブ数だからです。6球団なら1球団ごとの相手は5球団で済み、何度でも総当たりを繰り返せます。一方、Jリーグは1部だけで20クラブ、全カテゴリーで60クラブと規模が全く違います。野球とサッカーで試合数が大きく異なるのは「競技の違い」だけでなく、「リーグの参加クラブ数の構造的な違い」によるものです。


Jリーグ試合数の歴史的推移——増えてきた軌跡

「Jリーグの試合数が少ない」という印象は、1993年の創設当時から現在に至るまでのクラブ数の変化が関係しています。

J1クラブ数 1クラブの試合数 主な出来事・補足
1993年 10 36試合 Jリーグ開幕(2ステージ制)。各ステージ(9−1)×2=18試合×2
1994年 12 44試合 2クラブ追加で44試合に増加
1995年 14 52試合 Jリーグ史上最多試合数。過密日程が問題に
1999〜2004年 16 30試合 Jリーグ史上最少試合数。J1・J2の2部制導入
2005〜2023年 18 34試合 長期間の安定。※2021年は20クラブ特例で38試合
2024年〜 20 38試合 20クラブ制に正式移行。欧州主要5大リーグ並みの試合数へ

試合数の歴史を見ると、2005〜2023年は34試合が長く続いており、この「34試合」の印象が強い方も多いでしょう。しかし2024年から20クラブ制に拡大し38試合となった現在は、世界最高峰のリーグと同等の試合数になっています。


リーグ戦だけじゃない——カップ戦を含めた年間総試合数の実態

「J1リーグは38試合でも少ない気がする」と感じる方がいるかもしれません。しかし実際のところ、Jリーグクラブが1年間で戦う試合はリーグ戦だけではありません。複数のカップ戦や国際大会を加えると、状況が大きく変わります。

Jリーグに関係する主な大会

  1. J1リーグ:38試合(1クラブあたり)
  2. ルヴァンカップ:グループ〜決勝まで最大7〜9試合
  3. 天皇杯:最大で4〜6試合(ベスト8〜優勝)
  4. ACL(アジア・CL):出場クラブは最大16試合以上
  5. 富士フイルム スーパーカップ:1試合(条件次第)

カップ戦まで含めると?

  • リーグ戦のみ参加のクラブ:約40〜45試合
  • ルヴァン杯でベスト4以上:約47〜50試合
  • ACL出場+決勝まで勝ち進む:55〜60試合以上
  • 欧州の強豪クラブもCL含め50〜60試合超が一般的

リーグ戦+ルヴァンカップ+天皇杯の3大会を合わせると、多くのJ1クラブが年間45〜55試合を戦います。さらにACLに出場して勝ち進むと60試合を超えることもあります。これはプレミアリーグのクラブがCL・FAカップ・カラバオカップを合わせて50〜60試合超になるのと同様の構図です。「試合数が少ない」というのは、リーグ戦の試合数だけを見た場合の印象であり、実際の年間試合数は決して少なくありません。


プロ野球と比べると少なく見える理由——構造の違い

日本国内で「Jリーグは試合数が少ない」と感じる最大の原因は、プロ野球との比較です。プロ野球は1チームあたり年間143試合を戦います。Jリーグのリーグ戦38試合と比べると約3.8倍の差があり、体感的に「サッカーは試合が少ない」という印象が生まれます。

比較項目 プロ野球(NPB) J1リーグ なぜ違うのか
リーグのチーム数 6球団(1リーグ) 20クラブ クラブ数が多いほど相手が増え、消化しきれない
1チームあたりの試合数 143試合 38試合 野球は6球団を何度も繰り返せる。サッカーは20クラブと公平に戦う
試合の頻度 ほぼ毎日 週1〜2回 サッカーは激しい運動量のため中2〜3日の休息が必要
1試合の消耗度 比較的低め 非常に高い サッカーは90分間走り続ける。平均走行距離は10〜13km/試合
シーズン期間 3〜10月(約8ヶ月) 2〜12月(約10ヶ月) J1はむしろシーズンが長い

野球のスポーツとしての特性(投球・守備・打席の交代制)と、サッカーの特性(フル回転で走り続ける90分間)の違いも大きく影響します。サッカー選手は1試合で平均10〜13kmを走るとされており、毎日試合を行うことは体力的に不可能です。試合と試合の間に中2〜3日以上の回復期間が必要なことを考えると、38試合というのは選手の健康を守りながら消化できるほぼ上限の水準といえます。


試合数が少ないと感じる「体感的な理由」——放送とスケジュールの構造

数字の上では決して少なくないJ1の試合数。それでも「少ない」と感じる背景には、単純な試合数以外の要因もあります。

① 週1試合が基本

J1は基本的に週末(土・日)の週1試合。平日開催は限られているため、試合間隔が長く感じる。欧州リーグも同様だが、CLやELがある週は週2試合のためファンにとって「試合が多い」と感じやすい

② 代表ウィークによる中断

年に複数回ある「インターナショナルマッチウィーク」にはJリーグの試合が中断される。この数週間の空白期間がサポーターに「試合が少ない」と感じさせる原因の一つ

③ 春秋制のオフシーズン

Jリーグは2〜12月開催で、12月〜2月の約2ヶ月間はオフ。この冬のシーズンオフに欧州サッカーが継続開催されているため、「Jリーグは試合が少ない」と感じやすい

④ 放送・配信機会の差

プレミアリーグは年中放送されており、年始年末も試合がある。Jリーグは試合がない時期にもプレミアが放送されるため、相対的に「Jは少ない」という印象を持ちやすい


J2・J3の試合数——じつはJ2が最も試合数が多い

Jリーグは1部(J1)だけではありません。J2・J3まで含めると試合数の全体像が見えてきます。

Jリーグ各カテゴリーの試合数(2024年シーズン)

リーグ クラブ数 1クラブの試合数 リーグ全体の総試合数
J1リーグ 20 38試合 380試合
J2リーグ 20 38試合 380試合
J3リーグ 20 38試合 380試合
J1〜J3合計 60 1,140試合以上(カップ戦等除く)

2024年からJ1・J2・J3がすべて20クラブになり、各カテゴリーの試合数が統一されました。Jリーグ全体ではリーグ戦だけで年間1,140試合以上が行われており、ルヴァンカップや天皇杯を加えると年間試合数は1,400〜1,500試合規模に達します。1993年のJリーグ創設時(10クラブ)と比べると規模は飛躍的に拡大しています。


秋春制で何が変わる?——2026〜27シーズンからの大改革

2023年12月、Jリーグは2026〜27シーズンから秋春制に移行することを全会一致で決議しました。これは30年以上続いた「春秋制(2〜12月)」からの大転換です。

比較項目 現行:春秋制(〜2025年) 新制度:秋春制(2026〜27年〜)
開幕時期 2月第3週頃 8月第1週頃
閉幕時期 12月第1週頃 翌年5月最終週頃
シーズンオフ 12月〜2月(約2ヶ月) 6〜7月(約2ヶ月)
中断期間 なし(冬が試合) ウィンターブレーク
12月2週〜2月3週(約2ヶ月)
年間リーグ試合数 38試合(J1) 38試合(変わらない)
欧州シーズンとの同期 ズレあり ほぼ同期(移籍市場対応)
猛暑対策 6〜8月も試合開催 6〜7月がオフ(猛暑を回避)

重要なのは、秋春制に移行してもJ1リーグの年間試合数は38試合のままで変わらない点です。変わるのは「いつ試合をするか」というタイミングです。猛暑の夏(6〜7月)がシーズンオフになり、ウィンターブレーク(12〜2月)に中断期間が設けられます。ただし、秋春制ではウィンターブレーク前後で合計4ヶ月の「試合がない期間」が生まれるため、サポーターにとって「試合が少ない時期が増えた」と感じる場面も出てくることが指摘されています。

秋春制のメリット

秋春制移行の最大の狙いは、欧州のシーズンカレンダーに合わせることで日本サッカーの国際競争力を高めることです。SPAIA.jpの分析によれば、3つの大きなメリットが期待されています。まず、秋春制に移行したACLとシーズンが一致し、万全の体制でアジアの頂点を目指せます。次に、欧州の移籍マーケット(夏が最大)に合わせてシーズンオフになるため、移籍金収益が拡大する可能性があります。そして夏の猛暑(6〜9月)に試合が減ることで、選手のコンディションが保たれ、プレーの質が向上します。

秋春制のデメリット・懸念点

一方で課題も残ります。降雪地域(北海道・東北・北信越など)の13クラブは冬季に本拠地での試合開催が困難になります。Jリーグは100億円規模の支援を準備しているとされていますが、雪国クラブへのアウェー連戦や移動負担の増加は避けられません。また、秋春制ではウィンターブレーク期間中(約2ヶ月)に試合が行われないため、ファン・サポーターにとって「空白の時間」が生じることも懸念されています。


Q&A——Jリーグの試合数についてよくある疑問

Q. J1リーグの1シーズンの試合数は何試合ですか?

A. 2024年シーズン以降は1クラブあたり38試合(リーグ戦のみ)です。20クラブが参加しており、ホーム&アウェイの2回戦総当たりで(20−1)×2=38試合となります。リーグ全体では380試合が行われます。2023年まではJ1が18クラブで34試合でしたが、クラブ数の拡大に伴い増加しました。

Q. なぜJリーグはプロ野球より試合数が少ないのですか?

A. 主に2つの理由があります。①クラブ数の構造的な違い——野球は1リーグ6球団(少ない)、J1は20クラブ(多い)。クラブ数が多いと相手の数が多くなり、1総当たりでも大量の試合になります。②競技特性の違い——サッカーは90分間走り続ける非常に負荷の高いスポーツで、試合後の回復に中2〜3日が必要です。野球と同じ頻度で試合を行うことは選手の健康上不可能です。

Q. J1リーグの試合数をもっと増やすことはできますか?

A. 現実的には難しいです。3回戦総当たりにした場合、57試合(約1.5倍)になりますが、ルヴァンカップや天皇杯、ACLも加わると年間70〜80試合以上になる可能性があり、選手の体力的・日程的に消化不可能な水準です。欧州でも最も過密といわれるプレミアリーグでも50〜60試合が限界とされています。クラブ数を減らせば1クラブの試合数は増やせますが、それはJリーグの「地域密着・全国展開」という理念とも相反するため、現実的ではありません。

Q. 2026年から秋春制になると試合数は変わりますか?

A. リーグ戦の試合数は変わりません。2026〜27シーズン以降もJ1は38試合のままです。変わるのは開催時期(8月開幕・翌5月閉幕)とウィンターブレーク(12〜2月の約2ヶ月中断)の設置です。ただし移行直前の2026年前期は「0.5シーズン」として東西2グループ制による特別大会が開催される予定で、この期間は通常より少ない試合数となります。

Q. カップ戦も含めると年間何試合くらいになりますか?

A. クラブの成績によって変わりますが、リーグ戦のみのクラブで約40〜45試合、ルヴァンカップ・天皇杯を含めると約47〜55試合が一般的です。さらにACL(アジアチャンピオンズリーグ)に出場して決勝まで勝ち進むと60試合を超えることもあります。「試合数が少ない」と感じるのはリーグ戦のみに着目した場合であり、カップ戦を含めた年間総試合数は欧州の強豪クラブと同水準です。


まとめ——Jリーグの試合数は少ない?正確な答え

この記事のポイントまとめ

J1の試合数は欧州と同水準 2024年から20クラブ×38試合。プレミア・セリエA・ラリーガと同じ
試合数の仕組みは単純 (クラブ数−1)×2。20クラブなら(20−1)×2=38試合
カップ戦を含めると多い ルヴァン杯・天皇杯・ACLを加えると年間47〜60試合以上になるクラブも
野球より少ない理由は構造的 野球は6球団(少ない)・サッカーは20クラブ(多い)。競技特性の消耗度も全く異なる
2026〜27年から秋春制へ 試合数は変わらないが開催時期が変更。8月開幕・翌5月閉幕、ウィンターブレーク設置
「少ない」と感じる本当の理由 野球との比較・代表ウィークの中断・冬のオフシーズン・放送機会の差などの「体感的要因」

「Jリーグは試合数が少ない」という感覚は、プロ野球との比較や、以前の18クラブ制(34試合)時代の印象から来ている部分が大きいです。2024年以降のJ1は欧州の主要リーグと同じ38試合で戦っており、カップ戦を加えた年間総試合数は欧州のクラブと遜色ありません。試合数を無限に増やすことは選手の健康や日程の物理的限界から難しく、38試合という現在の水準はその中で最適化されたものです。2026〜27年の秋春制移行でJリーグはさらなる国際競争力強化を目指します。応援するクラブの試合を1試合でも多く楽しんでください。

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