こんな疑問を持つ方へ
- メッシほどの選手が、なぜ欧州を離れてアメリカに渡ったのか気になる
- サウジアラビアの巨額オファーを断ったと聞いたけれど、本当の理由を知りたい
- アメリカに行ってから、メッシは実際に活躍できているのか知りたい
メッシはなぜアメリカに渡ったのか。世界最高の選手がまだ欧州でプレーできる年齢で、あえて米国のMLS(メジャーリーグサッカー)を選んだ決断には、当時多くのファンが驚きました。この記事では、移籍の経緯と3つの理由、契約の仕組み、そして移籍後の歩みまでを、確認できる事実に基づいて整理します。
メッシがアメリカに移籍したのはなぜ?結論と3つの理由
リオネル・メッシがアメリカのインテル・マイアミ移籍を明らかにしたのは、2023年6月のことです。パリ・サンジェルマン(PSG)との契約満了を控えたメッシには、古巣バルセロナへの復帰、サウジアラビア行き、そしてアメリカ行きという複数の選択肢がありました。その中でメッシが選んだのは、欧州のトップリーグでも、桁違いの年俸でもなく、アメリカでした。
本人がスペイン紙のインタビューで語った内容や各種報道を整理すると、決断の背景は大きく3つにまとめられます。
この記事の結論:メッシがアメリカを選んだのは、(1)家族との生活を最優先できる環境だったこと、(2)金銭よりも新しい挑戦に価値を見いだしたこと、(3)年俸にとどまらない事業パートナーとしての独自契約が用意されたこと、の3つが重なったためです。
理由1:家族との生活を最優先した
メッシは移籍決断を明かしたインタビューで、家族と日常を楽しみながらサッカーと向き合いたいという趣旨を繰り返し語っています。バルセロナからPSGへ移った2021年の移籍は、クラブの財政問題によって望まずに実現したもので、メッシ自身が後に「パリに行くことは望んでいなかった」と振り返ったことも報じられました。
マイアミはスペイン語が広く通じる都市で、中南米にルーツを持つ住民が多く、アルゼンチン出身のメッシ一家にとって生活の壁が小さい土地です。メッシは現役時代の早い段階からマイアミに不動産を持っていたことでも知られ、家族が安心して暮らせる環境という点で、マイアミは他の選択肢にはない魅力を持っていました。ワールドカップ優勝という選手として最大の目標を達成した後だからこそ、キャリアの評価軸が「どこで勝つか」から「どう生きるか」へ移っていたと言えます。
理由2:お金では測れない「新しい挑戦」を選んだ
当時のメッシには、サウジアラビアのクラブから途方もない金額のオファーが届いていたと広く報じられていました。金額の報道には幅がありますが、複数のメディアが総額1000億円を大きく超える規模と伝えており、条件面だけならサウジ行きが圧倒的でした。
それでもメッシはアメリカを選びました。MLSは成長途上のリーグであり、そこに世界最高の選手が加わることは、リーグの歴史を変える挑戦になります。欧州で勝ち尽くした選手が、次の目標として「新しい市場でサッカーの価値を広げる役割」を選んだという構図です。実際、メッシの加入後にMLSやインテル・マイアミの注目度が急上昇したことは、後述する通り数字にも表れています。
理由3:選手の枠を超えた「事業パートナー」としての契約
インテル・マイアミがメッシに用意したのは、単なる高年俸ではありませんでした。米メディアの報道によると、メッシの契約には、MLSの試合を全世界に配信するAppleの視聴サービスや、用具スポンサーであるアディダスとの収益分配(レベニューシェア)、さらに将来的にクラブの共同オーナーになる道筋まで含まれていたとされています。
つまりメッシは「雇われる選手」ではなく、リーグとクラブの成長で自らも利益を得る「事業パートナー」としてアメリカに迎えられたのです。引退後まで見据えた生涯設計として、この仕組みは他国のオファーにはない独自の価値でした。この契約構造については、後の章で詳しく解説します。
バルセロナでもサウジでもなかった理由を整理する
メッシのアメリカ行きを理解するには、「なぜ他の選択肢が選ばれなかったのか」を知ることが欠かせません。まず、移籍に至るまでの流れを時系列で押さえておきましょう。
アメリカ移籍までの流れ(2021年〜2023年)
メッシは13歳でバルセロナの下部組織に入り、20年以上を同クラブで過ごしました。転機は2021年夏です。バルセロナはメッシとの再契約で合意していたものの、深刻な財政難とラ・リーガの人件費規制によって契約を登録できず、メッシは涙の記者会見とともにクラブを去り、PSGへ移籍しました。
PSGでは2季連続でリーグ・アン優勝を経験し、2022年12月にはアルゼンチン代表としてワールドカップ・カタール大会で悲願の初優勝(アルゼンチンとしては3度目)を達成します。しかしパリでの生活には最後まで馴染めなかったと伝えられ、2023年6月末の契約満了とともにPSGを退団。その直前の2023年6月上旬、スペイン紙のインタビューでインテル・マイアミ行きの決断を自ら明かし、同年7月に正式加入しました。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2021年8月 | バルセロナが財政難とリーグ規制で再契約を登録できず、メッシはPSGへ移籍 |
| 2022年12月 | ワールドカップ・カタール大会でアルゼンチンが優勝。メッシは大会MVP |
| 2023年6月 | PSGとの契約満了。バルセロナ復帰・サウジ行きではなくインテル・マイアミ行きを表明 |
| 2023年7月 | インテル・マイアミに正式加入し、アメリカでのキャリアが始まる |
この流れを踏まえたうえで、2023年当時の選択肢を一つずつ見ていきます。
バルセロナ復帰が実現しなかった事情
ファンが最も期待していたのは、メッシが少年時代から所属した古巣バルセロナへの復帰でした。メッシ本人も復帰を望んでいたと語っています。しかし、バルセロナは深刻な財政難を抱えており、スペインのラ・リーガには、クラブの収支状況に応じて選手に支払える人件費の上限を定める厳しいルールがあります。2021年にメッシがバルセロナを離れざるを得なかったのも、まさにこのルールと財政難が原因でした。
2023年の時点でも、バルセロナがメッシと再契約するには大幅な人件費削減が必要で、復帰の確約はできない状態でした。メッシは移籍決断のインタビューで、自分の将来を再び他者の判断に委ねて待ち続けることは避けたかったという趣旨を語っています。バルセロナはメッシの決断後、「決断を理解し尊重する」という声明を発表しました。復帰は「拒否された」のではなく、「確実な形で実現できる保証がなかった」というのが実情です。
サウジアラビアの巨額オファーを断った背景
2023年前後のサウジアラビアは、クリスティアーノ・ロナウドの加入を皮切りに、国を挙げて自国リーグへスター選手を集めていました。メッシに対しても、サウジのクラブが史上最大級の条件を提示したと各国メディアが報じています。
メッシがこれを選ばなかった理由として、本人は「お金が目的ならサウジや他の場所に行くこともできた」という趣旨を語っており、金銭が最優先ではなかったことを明言しています。メッシは当時サウジアラビアの観光大使を務めるなど同国と良好な関係にあったと報じられており、条件面の交渉も現実に行われていたとされますが、それでも最終的な答えは変わりませんでした。家族の生活環境、競技面での張り合い、そして前述の事業パートナーとしての将来性を総合すると、メッシにとってアメリカの方が合理的な選択だったわけです。
3つの選択肢の比較
当時の選択肢を整理すると、次のようになります。
| 選択肢 | 条件・魅力 | 選ばれなかった/選ばれた理由 |
|---|---|---|
| バルセロナ復帰 | 思い入れのある古巣。本人も復帰を希望していた | クラブの財政難とリーグの人件費規制により、復帰できる確約がなかった |
| サウジアラビア | 史上最大級と報じられた年俸。国を挙げた誘致 | 金銭は最優先ではないと本人が明言。家族の生活環境も決め手にならなかった |
| インテル・マイアミ | 家族が暮らしやすい都市。収益分配や共同オーナーへの道を含む独自の契約 | 生活・挑戦・事業性の3拍子がそろい、メッシ自身が「マイアミに行くと決めた」と表明 |
契約の中身:年俸とApple・アディダスをめぐる異例のスキーム
メッシのアメリカ移籍を語るうえで欠かせないのが、契約の特殊な構造です。表向きの年俸だけを見ると、サウジのオファーとは比較にならないのに、なぜメッシは納得したのか。その答えがここにあります。
MLSでの年俸はいくらか
MLSは選手会が全選手の給与を公表する珍しいリーグです。その公式データによると、加入当初のメッシの年間保証報酬は約2040万ドルで、当時のMLS史上最高額でした。2025年10月の契約延長を経て、2026年に公表された保証報酬は約2830万ドルに増額され、引き続きリーグ全体で断トツの1位です。
さらに、インテル・マイアミの共同オーナーであるホルヘ・マス氏は、スポンサー収入などを含めたメッシの年間収入が7000万〜8000万ドル規模に達するとメディアに語っています。クラブから受け取る給与はあくまで収入の一部に過ぎないのです。
Apple・アディダスとのレベニューシェア
MLSは2023年から、Appleと10年間・総額25億ドル規模と報じられる大型放映契約を結び、全試合を「MLSシーズンパス」として世界配信しています。米メディアの報道によると、メッシの契約にはこのシーズンパスの新規契約収入の一部がメッシに分配される仕組みが含まれているとされています。メッシが加入して視聴者が増えるほど、メッシ自身の収入も増える構造です。
同様に、MLSのオフィシャルサプライヤーであり、メッシと生涯契約を結んでいるアディダスとの間でも、関連収益の分配が報じられました。リーグ・配信社・スポンサーが一体となってメッシを迎える、前例のない座組みだったと言えます。
将来のクラブ共同オーナーへの道
報道では、引退後にメッシがインテル・マイアミの株式(オーナー権)の一部を取得できるオプションも契約に含まれるとされています。前例となるのが、元イングランド代表のデイビッド・ベッカムです。ベッカムは2007年にMLSへ移籍した際、将来のクラブ保有権を契約に盛り込み、それを行使して誕生させたクラブこそがインテル・マイアミでした。メッシはそのベッカムの道を、さらに大きなスケールでなぞっていることになります。
| 契約の構成要素 | 内容 |
|---|---|
| クラブからの年俸 | 年間保証報酬は加入当初で約2040万ドル、2026年公表分で約2830万ドル(いずれもMLS選手会公表) |
| Appleとの収益分配 | MLSシーズンパスの契約収入の一部を受け取る仕組みと報道 |
| アディダスとの収益分配 | 関連収益の分配契約があると報道 |
| 共同オーナーへの道 | 引退後にクラブ株式を取得できるオプションがあると報道 |
そもそもMLSとはどんなリーグなのか
「なぜアメリカのリーグが世界最高の選手を獲得できたのか」を理解するには、MLSの仕組みを知っておく必要があります。
サラリーキャップと特別指定選手枠
MLSには、チーム間の戦力均衡を保つため、選手の人件費総額に上限を設けるサラリーキャップ制度があります。ただし例外として、上限の枠外で高額な選手を一定数だけ契約できる「特別指定選手(デジグネイテッド・プレーヤー)」という制度が存在します。この制度は2007年、ベッカムをロサンゼルス・ギャラクシーに迎えるために作られたため、通称「ベッカム・ルール」と呼ばれます。メッシもこの枠を使ってインテル・マイアミと契約しました。
MLSのシーズンと大会の仕組み
MLSのシーズンは欧州と異なり、おおむね2月末から始まり、秋にレギュラーシーズンを終える「春秋制」で行われます。レギュラーシーズン1位のチームには「サポーターズ・シールド」が贈られ、その後に上位チームによるプレーオフが行われて、決勝戦「MLSカップ」の勝者がシーズン王者となります。北米のプロスポーツらしく、リーグ戦の順位よりもプレーオフ制覇が最大の栄誉とされる文化です。
また、夏にはMLSとメキシコ1部リーグのクラブが対戦する国際大会「リーグスカップ」も開催されます。後述の通り、メッシがアメリカで最初に掲げたタイトルはこの大会でした。こうした仕組みを知っておくと、メッシとインテル・マイアミが何を成し遂げてきたのかがぐっと分かりやすくなります。
ベッカムが作った前例と「スターがリーグを育てる」文化
ベッカムの移籍は当時、キャリア晩年の選手が”腰掛け”で行くのではないかと懐疑的に見られましたが、結果的にMLSの観客動員と知名度を大きく引き上げ、リーグ拡大の起爆剤になりました。アメリカには、スター選手の力でリーグそのものを成長させるという発想が根付いており、クラブ・リーグ・放映パートナーが一体でスターを迎える体制が整っています。メッシの獲得は、この仕組みの集大成でした。
アメリカに渡ったメッシは実際どうなったのか
「環境を落とした選手は衰える」という見方を、メッシは結果で覆し続けました。移籍後の歩みを年ごとに整理します。
2023年:加入直後にクラブ史上初タイトル
2023年7月に加入したメッシは、デビュー直後の大会「リーグスカップ」(MLSとメキシコリーグのクラブが対戦するカップ戦)で7試合10ゴールという圧巻の活躍を見せ、大会得点王と最優秀選手に選ばれました。インテル・マイアミはこの大会で優勝し、クラブ創設以来初めてのタイトルを獲得。さらに同年10月、メッシは主に前年のワールドカップ優勝が評価され、自身8度目のバロンドール(世界年間最優秀選手)を受賞しました。MLS所属選手の受賞は史上初です。
2024年:リーグ記録の勝ち点でシーズン王者に
2024年、インテル・マイアミはレギュラーシーズンを勝ち点74で終え、MLSの歴代最多勝ち点記録を更新して、シーズン1位に贈られるサポーターズ・シールドを初獲得しました。メッシ個人もこの年のリーグMVPに選出されています。
2025年:MLSカップ制覇と2年連続MVP
2024年のサポーターズ・シールド獲得が評価され、インテル・マイアミは2025年夏に開催されたFIFAクラブワールドカップに開催国枠で出場し、世界の強豪クラブと同じ舞台に立ちました。そして2025年はメッシのアメリカ生活の集大成のようなシーズンになりました。レギュラーシーズンで29ゴール19アシストを記録して初の得点王に輝き、2年連続でリーグMVPを受賞。そして12月のプレーオフ決勝「MLSカップ」でバンクーバー・ホワイトキャップスを3対1で下し、インテル・マイアミは悲願のリーグ王者に輝きました。メッシは決勝のMVPにも選ばれています。また同年10月には、2028年シーズンまでの契約延長が発表され、メッシがキャリアの最終盤をマイアミで過ごす意思が明確になりました。
2026年:新スタジアム開業とワールドカップ
2026年4月には、クラブの新本拠地「マイアミ・フリーダムパーク」が開業し、インテル・マイアミはマイアミ市内に建設された約2万5000人収容の専用スタジアムでプレーする新時代に入りました。そして同年夏、アメリカ・カナダ・メキシコの3か国共催で開催されたワールドカップで、メッシ擁するアルゼンチン代表は決勝まで勝ち進みます。決勝ではスペインに延長戦の末0対1で敗れて連覇はなりませんでしたが、39歳のメッシが本拠地アメリカで開催されたワールドカップの決勝の舞台に立ったこと自体が、移籍時には想像しにくかった物語の到達点でした。
| 年 | 主な出来事・成績 |
|---|---|
| 2023年 | 7月に加入。リーグスカップ優勝(クラブ初タイトル)、大会得点王・MVP。10月に8度目のバロンドール受賞 |
| 2024年 | 勝ち点74のMLS新記録でサポーターズ・シールド獲得。メッシがリーグMVP |
| 2025年 | 29ゴール19アシストで得点王、2年連続リーグMVP。MLSカップ初制覇、決勝MVP。2028年までの契約延長を発表 |
| 2026年 | 新スタジアム「マイアミ・フリーダムパーク」開業。ワールドカップ北中米大会でアルゼンチンは準優勝 |
メッシのアメリカ移籍がもたらした影響
「メッシ効果」で変わったMLSとクラブの価値
メッシの加入は、アメリカのサッカー市場を目に見えて変えました。インテル・マイアミの試合はホームでもアウェーでもチケットが高騰し、各地でスタジアムが埋まる現象が続きました。クラブの収益はメッシ加入前から数倍規模に拡大したと報じられ、2025年のMLSカップ決勝は米国でのサッカー視聴記録を塗り替えたと伝えられています。ユニフォームの売上や配信契約の加入者数など、あらゆる指標で「メッシ効果」という言葉が使われました。
移籍発表当時は、なぜ欧州の第一線を離れるのかと疑問視する声や、レベルの落ちるリーグへの移籍を惜しむ声も少なくありませんでした。しかし、その後のタイトル獲得や記録的な視聴者数が示す通り、移籍への評価は結果とともに大きく変わっていきました。世間の受け止め方そのものが、メッシ自身のプレーによって塗り替えられていった移籍だったと言えます。
日本のファンにとっての変化
日本のファンにとっても、この移籍は観戦環境を変えました。MLSの試合はAppleの配信サービス「MLSシーズンパス」を通じて日本を含む世界中で配信されており、時差はあるものの、メッシの試合をほぼ毎週視聴できる環境が生まれたのです。欧州から離れたことでメッシの露出が減るどころか、一つのサービスで全試合を追える体制が整ったのは、配信を軸に据えたこの移籍の狙いが機能した証拠と言えます。
「サウジ型」と「アメリカ型」、スター獲得の2つのモデル
メッシの決断は、その後のサッカー界の勢力図を読み解くうえでも示唆に富んでいます。サウジアラビアが莫大な年俸を前面に出してスターを集める「資金型」のモデルだとすれば、アメリカが提示したのは、配信・スポンサー・クラブ経営への参画までを組み込んだ「事業共創型」のモデルでした。
ロナウドがサウジを選び、メッシがアメリカを選んだことで、欧州以外の2つの成長市場がそれぞれ異なる戦略でスターを迎える構図が鮮明になりました。どちらのモデルが持続的にリーグを成長させるのかは、今後のサッカービジネスを占う大きなテーマです。少なくともメッシに関して言えば、タイトルと記録的な注目度という結果を伴った点で、アメリカ側の狙いは実を結んだと評価できます。
2026年ワールドカップへの布石という側面
結果から振り返ると、メッシのアメリカ移籍は2026年ワールドカップ北中米大会への布石としても機能しました。開催国のリーグでプレーする世界最高の選手という存在は、大会への関心を高める最高の広告塔であり、リーグと米国サッカー界にとってメッシ獲得は大会前の最重要プロジェクトだったのです。メッシ自身も、時差や気候に慣れた環境で大会に臨むことができました。移籍・リーグ・代表の思惑が重なった、壮大な相乗効果だったと言えるでしょう。
よくある質問
本人が「お金が目的ならサウジなどに行くこともできた」という趣旨を語った通り、金銭が最優先ではなかったためです。家族が暮らしやすいマイアミの環境、成長中のリーグへの挑戦、そして収益分配や将来の共同オーナー権を含む事業パートナーとしての契約が決め手になったとされています。
バルセロナの財政難と、ラ・リーガの人件費上限規制により、復帰できる確約が得られなかったためです。メッシ本人は復帰を望んでいたと語りましたが、実現を待ち続けるより確実な道を選びました。バルセロナ側も決断を尊重する声明を出しています。
MLS選手会の公表データで、加入当初の年間保証報酬は約2040万ドル、契約延長後の2026年公表分では約2830万ドルです。これに加え、スポンサー収入や収益分配を含めた年間収入は7000万〜8000万ドル規模に達するとクラブ共同オーナーが語っています。
2025年10月に発表された契約延長により、メッシは2028年シーズンまでインテル・マイアミと契約しています。2028年シーズン終了時点でメッシは41歳になるため、この契約がキャリア最後の大型契約になる可能性が高いと見られています。
欧州5大リーグと比べれば実力差があるというのが一般的な評価ですが、サラリーキャップ制度による戦力均衡で接戦が多く、近年は若手の育成や欧州への選手輩出も進んでいます。メッシやベッカムのようなスターの加入を成長の推進力にしてきたリーグであり、2026年ワールドカップ開催を経てさらに拡大が続くと見られています。
まとめ:メッシのアメリカ移籍は「人生の設計」から選ばれた
- メッシがアメリカに渡った理由は、家族との生活を最優先したこと、金銭より新しい挑戦を選んだこと、そして事業パートナーとしての独自契約の3つに整理できる
- 望んでいたバルセロナ復帰は、クラブの財政難とリーグの人件費規制で確約が得られず断念。サウジの巨額オファーは金銭最優先ではないとして選ばなかった
- 契約にはAppleやアディダスとの収益分配、将来の共同オーナー権と報じられる仕組みが含まれ、年俸以外の価値が大きい
- 移籍後はリーグスカップ、サポーターズ・シールド、MLSカップと主要タイトルを次々に獲得し、2年連続リーグMVPなど個人成績でも結果を残した
- 2028年シーズンまでの契約延長により、メッシはキャリアの最終章をアメリカで過ごすことを自ら選んだ
メッシのアメリカ行きは、発表当時「都落ち」と見る声もありました。しかしその後の歩みを追えば、これは衰えた選手の逃避ではなく、選手として、家族の一員として、そして事業家として人生を設計した末の合理的な決断だったことがわかります。
キャリアの選択が年俸の額だけで決まらないこと、そして環境を変えることが新しい価値を生み出せることを、メッシはアメリカでのプレーを通じて証明し続けてきました。世界最高の選手が最後の舞台に選んだアメリカで、この先どんな景色を見せてくれるのか。その最終章は、まだ続いています。
フットボール戦士 
