こんな疑問を持つ方へ
- 「なんでマリノスってこんなに弱くなったの?2022年に優勝したのに…」
- 「監督が1シーズンで3回も変わるって何があったの?」
- 「ブラジル人トリオが抜けたのが理由?他にも原因はあるの?」
- 「史上最低の15位で終わったけど、今後マリノスは立て直せるの?」
- 「Jリーグ創設以来、一度もJ2に落ちていないのにこんなに危なかったのはなぜ?」
横浜F・マリノスが弱い——そんな言葉が多く聞かれるようになったのは2025シーズン以降のことです。2022年にリーグ優勝を果たし、2023年は2位。強豪の看板を掲げていたはずのマリノスが、2025シーズンはJリーグ創設以来最低となる15位という成績でシーズンを終えました。1シーズンに3人の監督が指揮を執り、一時はJ2降格圏に長く沈む危機的状況に——。なぜマリノスはこれほど弱くなってしまったのか。その背景を、監督問題・選手流出・戦術崩壊という3つの軸から徹底解説します。
まず整理——横浜Fマリノスの成績推移
「マリノスが弱い」と感じるようになった経緯を理解するため、まず近年の成績推移を確認しましょう。
横浜F・マリノス J1リーグ 年度別順位推移
| シーズン | J1順位 | 備考 |
|---|---|---|
| 2019年 | 1位(優勝) | ポステコグルー監督。15年ぶりリーグ制覇 |
| 2020年 | 9位 | コロナ禍の特殊シーズン |
| 2021年 | 2位 | |
| 2022年 | 1位(優勝) | マスカット監督。2度目の黄金期 |
| 2023年 | 2位 | |
| 2024年 | 9位 | キューウェル監督→ヨン・ヨンソン監督に交代。低迷の始まり |
| 2025年 | 15位 | Jリーグ創設以来最低順位。監督3人体制、J2降格圏に長く沈む |
※Football LAB・Wikipedia等の情報をもとに作成
2022年の優勝から3年で、Jリーグ創設以来の最低順位へ——。この急転落がいかに異常な事態であるかが数字から見えてきます。特に2025シーズンの12勝7分19敗という成績は、「強豪マリノス」のイメージとはかけ離れたものでした。
理由①:1シーズン3人の監督交代——迷走し続けた指揮系統
2025シーズンのマリノスが弱い最大の理由の一つは、監督人事の大失敗です。シーズン開幕から終幕まで、3人の異なる監督がチームを率いるという異例の事態となりました。
2025シーズン 監督交代の流れ
| 期間 | 監督 | 結果・経緯 |
|---|---|---|
| 開幕〜4月18日 | スティーブ・ホーランド(英国人・元イングランド代表Aコーチ) | 11試合で1勝5分5敗の勝ち点8。降格圏の18位タイに低迷。西野SDが「選任は失敗だったと言わざるを得ない」と認め解任 |
| 5月5日〜6月19日 | パトリック・キスノーボ(豪州人・ヘッドコーチから昇格) | 就任後も改善せず。クラブ史上ワースト7連敗を更新。天皇杯でJFLのラインメール青森に0-2の屈辱。6月に解任 |
| 6月24日〜 | 大島秀夫(日本人・元横浜FM選手・ヘッドコーチから昇格) | ブラジル人3トップ全員放出し戦術をシフトチェンジ。8勝2分7敗でV字回復。2試合残してJ1残留確定 |
ホーランド監督は欧州最高峰の実績を持つが、Jリーグのチームを率いた経験がなく、守備重視の戦術が選手に浸透しきらなかったといわれています。キスノーボ監督も状況を好転させられず、外部の新監督候補との交渉が破談。大島秀夫が就任することになります。西野努SDは「いまの結果を見れば、ホーランド監督とキスノーボ監督の選任は失敗だったと言わざるを得ない」とコメントし、クラブ上層部の責任も問われた一年となりました。
理由②:ブラジル人トリオの解体——攻撃の核が消えた
マリノスの弱さを語る上で避けて通れないのが、攻撃の主力選手の大量流出です。2024シーズンから2025シーズンにかけて、チームの攻撃を支えてきたブラジル人スター選手たちが相次いで離脱しました。
主力ブラジル人選手の離脱(2024〜2025年)
| 選手名 | 離脱時期 | 主な実績・影響 |
|---|---|---|
| アンデルソン・ロペス | 2024年夏 | J1で2年連続得点王を獲得した絶対的エースFW。離脱後は得点力が激減 |
| エウベル | 2025年夏 | 左サイドからの突破とゴールでチームを牽引。黄金期の象徴的な存在 |
| ヤン・マテウス | 2025年夏 | 右サイドを切り裂く快速WG。3人全員が同時に去るブラジル人トリオの完全解体 |
2025シーズンのマリノスは、2024シーズンにJ1ワースト4位となる62失点という守備崩壊を受け、新監督・ホーランド体制で守備の立て直しを最優先にしました。攻撃への投資が後回しになり、序盤戦での得点力不足が深刻化。失点は抑えられても得点が取れず、ジリジリと順位が落ちていきました。元守護神・朴一圭は「攻撃よりも、自分たちが攻撃しているときの守備の立ち位置に課題がある」と語り、攻守にわたる組織崩壊を示唆しました。
理由③:走力・フィジカルの著しい低下——走れないチーム
戦術や選手の問題と並んで、2025シーズンのマリノスが弱かった具体的な原因のひとつが「走れていない」という問題です。元守護神の朴一圭は「正直、まったく足りないですね」と走力不足を厳しく指摘しました。
マリノスの走力データ比較(2025シーズン敗戦試合)
| 対戦相手 | 指標 | マリノス | 相手チーム |
|---|---|---|---|
| 湘南ベルマーレ戦 | 総走行距離 | 113.773km | 115.221km |
| スプリント数 | 107回 | 143回 | |
| 京都サンガ戦(0-3完敗) | 総走行距離 | 105.051km | 111.182km |
| スプリント数 | 113回 | 153回 |
※Real Sports「J1最下位に沈む名門に何が起きた?」の報道をもとに作成
マリノスが勝利した3試合はいずれも総走行距離で相手を上回っていたというデータは、「走れれば勝てる」という単純な相関ではないにせよ、チームの機能不全を如実に示しています。切り替えの遅さやポジショニングの問題を含め、ピッチ内の意識における根本的な問題があったことは否定できません。
理由④:ACLとの両立失敗——過密日程が招いた消耗
2024シーズンに準優勝を果たしたACL(アジアチャンピオンズリーグ)が、かえってリーグ戦の足を引っ張るという皮肉な結果をもたらしました。ACLはアジア各国のクラブを相手に戦う長丁場の国際大会であり、日程・移動・体力の消耗という面でリーグ戦への影響は甚大です。過密日程と海外遠征による疲弊がリーグ戦のパフォーマンスに直撃し、「ACLと国内リーグの両立は難しい」という指摘は多くの専門家も共有していました。特にホーランド監督体制では守備を優先し守る戦術にシフトしたため、ACL向けの戦い方とリーグ戦向けの戦い方の乖離が生じ、チームとしての一体感も失われていきました。
Xの声——マリノスサポーターと一般ファンのリアルな声
X上で見られたリアルな声(テーマ別)
監督交代時のサポーターの本音
「まずは降格圏から抜け出そう。キスノーボ監督頼みます」「見たいのは『J1残留』という結果だけです。期待するとしんどいので頑張ってもらえれば良いかな〜位にしか思っていません」「こんな順位にいるチームではない!信じるしかないので、チームを見直して総合力で戦ってほしい!」
チームの問題に対する厳しい声
「しっかり寄せる、早く戻る、切り替えを早くする、致命的なミスを減らす。そういう基本的なところをまずは重点的にやってもらいたいです」「守備体制がこのままだと一抹の不安が…。守備コーチを迎え入れてほしかった」
J2降格危機への恐怖
「マジで頼む。降格圏から1日も早く脱出。そして、できれば中位ぐらいまで…」「Jリーグ創設以来J2に落ちたことないのに2025年に初めてという可能性が本当にあると思うと怖い」「降格したらキャプテンの喜田みたいにクラブ愛で残留する選手以外は全員移籍するだろうな」
大島監督就任後の希望
「ここから巻き返しだ!」「良い時も悪い時も知っていてクラブ愛がある人に頼んでほしかった。大島さんなら信頼できる」「戦術の方向性がはっきりして選手が迷わなくなった感じがする。少し安心した」
※X上のサポーターの声を参考に、代表的な意見をテーマ別にまとめたものです
大島監督のV字回復——何が変わったのか
「マリノスが弱い」という状況を一変させたのが、6月下旬に就任した大島秀夫監督です。Football Channel等の報道によれば、大島監督体制では以下の転換が図られました。
大島体制での主な変化と成果(公式情報・報道をもとに作成)
| 戦術転換 | 従来のボールを繋いで崩すスタイルから、縦に走らせてロングボールを蹴る現実的な戦い方にシフト |
| ブラジル人3トップの放出 | 黄金期を支えたエウベル・ヤン・マテウスを放出。チームの方向性を大転換 |
| 新加入選手の即戦力化 | 谷村海那・ジョルディ・クルークスを的確に組み込み、クルークスの高精度クロスを谷村やデイビッドが合わせる得点パターンを確立 |
| 守備の安定 | キニョーネスと角田のCBコンビが定着し守備面が大きく改善 |
| 成績 | 第23節・横浜FC戦からの13試合で7勝1分5敗と勝ち越し。2試合残してJ1残留確定 |
「マリノス 弱い」の本質——まとめ
横浜F・マリノスが弱い理由まとめ
| 監督人事の迷走 | 1シーズンで3人の監督。西野SDが「選任は失敗だった」と認める異常事態 |
| ブラジル人トリオ解体 | アンデルソン・ロペス・エウベル・ヤン・マテウスが相次いで離脱。攻撃力が激減 |
| 走力・フィジカルの低下 | 対戦相手に走力で後れを取るケースが頻出。スプリント数で40回近く差をつけられる試合も |
| ACLとの両立失敗 | 過密日程と海外遠征による疲弊がリーグ戦のパフォーマンスに直撃 |
| 選手とスタッフの軋轢 | ホーランド監督の戦術に選手が反発したとの報道も。チームの一体感が失われた |
| 最終結果 | Jリーグ創設以来最低の15位(12勝7分19敗)。大島監督体制でJ1残留は確保 |
ただし、最終的には大島監督のもとで残留を確定させたことが、ひとつの光明でした。2022年の優勝メンバーを支えた戦術や選手構成は大きく変化しましたが、現実的な戦い方で生き残ったマリノス。「J1通算550勝」という歴史的記録もこの苦しいシーズン中に達成しています。Jリーグ創設以来、一度もJ2に降格したことのないクラブとしての誇りは守り抜かれました。今後のマリノスが再び強さを取り戻せるかどうかは、2026シーズン以降の補強・監督選定・育成戦略にかかっています。
フットボール戦士 
