- サッカー日本代表は、ホームとアウェーで成績がどれくらい違う?
- 「アウェーは難しい」「中東アウェーは鬼門」は数字でも本当?
- 最近の日本代表は、アウェーでも勝てるようになった?
サッカー日本代表の勝率は、1992年以降でホーム(日本国内)が62.2%、アウェー(相手の国)が50.5%です。差は11.7ポイントで、ホームのほうが勝っていますが、世界の国際試合の平均的な差(24.9ポイント)の半分以下でした。
この記事では、1992年から2026年9月28日のベネズエラ戦までの日本代表の520試合を、フットボール戦士が会場別に集計しました。同じ相手とホームとアウェーで1試合ずつ戦った予選だけで比べ直した結果や、アウェーで苦しんできた地域、年代による変化も見ていきます。
日本代表のホームとアウェーの成績は?勝率62.2%と50.5%
1992年以降の520試合のうち、ホームは254試合で158勝55分41敗(勝率62.2%)、アウェーは103試合で52勝18分33敗(勝率50.5%)でした。W杯本大会やアジアカップ本大会など、どちらの国でもない第三国で戦う中立地の試合は163試合で75勝43分45敗(勝率46.0%)です。
1試合あたりの得点と失点も、ホームのほうが良い数字です。ホームは得点2.13・失点0.75、アウェーは得点1.48・失点0.95でした。
中立地の勝率がアウェーより低いのは、中立地の試合にW杯本大会(25試合で6勝7分12敗)のような強い相手との試合が多く含まれるためです。会場だけでなく、どんな相手と戦ったかが勝率に強く影響します。
1917年の最初の国際試合からの全期間で見ると、ホームの勝率は58.3%(307試合)、アウェーは39.1%(184試合)で、差は19.2ポイントになります。ただ、1992年より前は、日本がまだアジアでも勝ちきれなかった時代です。今の日本代表を考えるには、1992年以降の数字のほうが参考になります。
世界の国際試合と比べると?ホームとアウェーの差は半分以下
サッカーの国際試合では、ホームのチームが有利なのが普通です。フットボール戦士が1990年代〜2020年代の国際Aマッチ(中立地を除く23,220試合)を集計すると、ホームのチームの勝ちが50.7%、アウェーのチームの勝ちが25.8%でした。ホームのほうが勝率は24.9ポイント高く、約2倍です。
日本代表は、ホーム62.2%とアウェー50.5%で、差は11.7ポイントでした。世界の平均よりホームとアウェーの差が小さく、アウェーでも半分の試合に勝っています。
ただし、この差の小ささは、試合の組み方にも左右されています。日本のホームの試合には、強い国を招く親善試合が多く、アウェーの試合の多くはアジアの予選だからです。大会の種類別に分けると、次のようになります。
| 試合の種類(1992年以降) | ホーム | アウェー | 中立地 |
|---|---|---|---|
| 親善試合(キリンカップを含む) | 158試合 勝率57.6% | 37試合 勝率29.7% | 33試合 勝率36.4% |
| W杯予選 | 58試合 勝率75.9% | 43試合 勝率62.8% | 18試合 勝率77.8% |
| アジアカップ本大会 | 5試合 勝率60.0% | 3試合 勝率100% | 41試合 勝率65.9% |
| W杯本大会 | 4試合 勝率50.0% | なし | 25試合 勝率24.0% |
※フットボール戦士の集計。引き分けにはPK戦で決着した試合も含みます。W杯本大会のホームは2002年日韓大会の日本開催の4試合です。
アウェーの親善試合は37試合で11勝8分18敗(勝率29.7%)と、負け越しています。ヨーロッパや南米の強豪を相手に、敵地で戦う試合が多いためです。反対に、アウェーのW杯予選は43試合で27勝8分8敗(勝率62.8%)と勝ち越しています。「アウェーでも勝てている」というよりは、「アウェーの試合の多くがアジアの予選」という面があります。
同じ相手と比べると?予選の47組で分かった「アウェーで減るのは得点」
相手の強さをそろえるため、同じ予選の同じ相手と、ホームとアウェーで1試合ずつ戦った組だけを取り出しました。1992年以降のW杯予選とアジアカップ予選で47組あります。
勝率はホームが70.2%(33勝10分4敗)、アウェーが63.8%(30勝8分9敗)でした。同じ相手でも、アウェーでは負けが4試合から9試合に増えています。
いちばん違ったのは得点です。1試合の得点はホームの2.85点に対して、アウェーは1.79点でした。失点はホーム0.53点、アウェー0.51点でほとんど変わりません。この47組で見る限り、アウェーでは守備が崩れるのではなく、点が取りにくくなっていることが分かります。
47組の結果を1組ずつ比べると、ホームのほうが結果が良かった組が14、アウェーのほうが良かった組が10、同じ結果だった組が23でした。差はありますが、アウェーだから大きく崩れるというほどの差ではありません。
アウェーで苦しいのはどこ?中東は24試合で7敗
1992年以降のアウェーの試合を、開催国の地域ごとに分けました。8試合以上ある地域で勝率が高かったのは、東南アジア(13試合で10勝・76.9%)、東アジア(18試合で12勝・66.7%)、中央・南アジア(9試合で6勝3分・負けなし)です。
中東でのアウェーは24試合で13勝4分7敗(勝率54.2%)でした。勝ち越してはいるものの、アジアのほかの地域より負けが多くなっています。同じ相手とホームとアウェーで戦った予選の47組で、日本がアウェーで負けた9試合のうち6試合は中東(イラン、サウジアラビア3試合、バーレーン、ヨルダン)でした。
なかでもサウジアラビアでのアウェーは4試合で1勝3敗です。負けた3試合(2006年、2017年、2021年)はすべて0-1でした。4試合目の2024年10月のW杯最終予選で2-0と勝ち、JFA(日本サッカー協会)は試合レポートで「鬼門のジッダでサウジアラビアに初勝利」と伝えています。
DAZN Japan「【サウジアラビア×日本|ハイライト】日本が“鬼門突破”で3連勝!…」(2024年10月公開)。ジッダでのW杯最終予選、サウジアラビア0-2日本(得点は鎌田大地、小川航基)。
勝率がもっと低いのは、アジアの外です。オーストラリアでのアウェーは9試合で3勝2分4敗(33.3%)、ヨーロッパでのアウェーは24試合で7勝5分12敗(29.2%)でした。南北アメリカでは4試合すべて負けています。中東で負けが多いのは、気候や移動、スタジアムの雰囲気などが理由に挙げられることがありますが、このデータだけではどれが原因かは分けられません。
最近はアウェーでも勝てる?2020年代はアウェー勝率80.0%
年代別に見ると、アウェーの勝率は1990年代が33.3%、2000年代が48.8%、2010年代が48.3%と5割に届かない時期が続き、2020年代は80.0%(15試合で12勝3敗)に上がりました。2020年代だけは、アウェーの勝率がホーム(75.0%)を上回っています。
森保一監督のもとでのアウェーは19試合で15勝4敗(勝率78.9%)で、1992年以降の監督(アウェー10試合以上)の中で最も高い数字です。2026年3月には、スコットランドに1-0、イングランドのウェンブリー・スタジアムでも1-0で勝ちました。報道によると、日本代表がイングランドに勝ったのはこれが初めてです。
JFA公式チャンネル(JFATV)「【ハイライト】日本代表vsイングランド代表|2026 3.31 ウェンブリー・スタジアム」(2026年3月公開)。三笘薫のゴールで1-0。
一方で、2020年代のアウェー15試合にはアジアの予選が多く含まれます。最後にアウェーで負けたのは2025年9月のアメリカ戦(0-2)で、この記事の集計時点(2026年9月28日)のアウェーの連続無敗は2試合です。ホームは2023年3月のコロンビア戦(1-2)を最後に負けがなく、20試合続けて負けていません。
データについて
集計に使ったのは、各国代表の国際試合の結果をまとめた公開データ(martj42/international_results・CC0)をもとにした、フットボール戦士のサッカー日本代表 戦績・招集データベースです。対象は日本代表(男子)の1992年から2026年9月28日までの520試合で、全期間の数字は1917年からの791試合です。元の公開データにある重複1試合(1917年5月7日のフィリピン戦)と、国際Aマッチに数えられていない大会の7試合(1942年8月に新京で行われた大会の3試合と、1997年5月の東アジア競技大会の4試合)と、非公開の練習試合だった2024年1月9日のヨルダン戦は除いています(2026年10月1日に更新)。
元のデータにまだ入っていない2023年10月のチュニジア戦(国内)、2025年7月のE-1選手権3試合(韓国開催)、2026年9月のウルグアイ戦・ベネズエラ戦(どちらも国内)は、JFA公式サイト・報道・Jリーグ公式サイトの結果で確かめて追加しました。ホームは日本国内、アウェーは相手の国、中立地はどちらでもない国での試合です。PK戦で決着した試合は引き分けとして数えています。
世界の国際Aマッチの数字は、同じ公開データから、中立地の試合を除いてフットボール戦士が年代別に集計したものです(数字で見るサッカーのルール)。この記事の比較は「差がある」ことまでを示すもので、差の原因(移動、気候、観客など)を分けて調べたものではありません。
よくある質問
A. 1992年以降の集計で、ホームは勝率62.2%(254試合)、アウェーは50.5%(103試合)です。差は11.7ポイントでした。
A. 世界の国際Aマッチの平均(ホーム50.7%・アウェー25.8%)と比べると、ホームとアウェーの差は小さいほうです。同じ相手と戦った予選47組でも、アウェーの勝率は63.8%ありました。ただし、アウェーの親善試合は勝率29.7%と負け越しています。
A. 中東でのアウェーは24試合で13勝4分7敗(勝率54.2%)で、アジアのほかの地域より負けが多くなっています。特にサウジアラビアでは4試合1勝3敗で、2024年10月に初めて勝ちました。
A. 同じ相手と戦った予選47組では、1試合の得点がホーム2.85点からアウェー1.79点に減りました。失点はホーム0.53点、アウェー0.51点でほぼ同じでした。
A. 2025年9月のアメリカ戦(0-2)です(2026年9月28日時点)。その後、2026年3月にスコットランドとイングランドにアウェーで勝っています。
まとめ:日本代表はホームが有利、ただし差は世界の平均の半分以下
- 1992年以降の勝率はホーム62.2%、アウェー50.5%、中立地46.0%
- 世界の国際Aマッチはホーム50.7%・アウェー25.8%。日本はホームとアウェーの差が小さい
- 同じ相手と戦った予選47組では、アウェーで減ったのは得点(2.85点→1.79点)で、失点はほぼ同じ
- 中東でのアウェーは24試合で7敗。サウジアラビアでは4試合1勝3敗
- 2020年代はアウェー勝率80.0%で、森保監督のアウェーは19試合15勝
日本代表の成績は、ホームのほうが良いものの、アウェーでも大きく崩れてはいません。アウェーの勝率を左右しているのは、会場そのものより、どの地域でどんな相手と戦うかです。W杯予選の中東アウェーや、ヨーロッパの強豪との親善試合の結果を見るときは、この記事の数字を目安にしてみてください。
※この記事の情報は2026年9月30日時点のものです(2026年10月1日更新)。試合数・勝率は2026年9月28日のベネズエラ戦までのフットボール戦士の集計です。
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