サッカーボールの適正な硬さとは?FIFAやJFAが定める空気圧とは

サッカーをするうえで重要な要素のひとつが、意外と見落とされがちな「サッカーボールの硬さ」です。ボールが硬すぎたり、逆に柔らかすぎたりすると、シュートやパスの感覚に影響が出るだけでなく、怪我のリスクやプレーの質にも大きく関わってきます。特に、ジュニアや初心者が使う際には、最適な硬さを保つことで足への負担を減らし、正しいボールコントロールを身につけやすくなります。

本記事では、サッカーボールの硬さにまつわる基礎知識や、適切な空気圧の調整方法、ボールの選び方・メンテナンスのポイントなどを徹底的に解説。公式規格で定められた目安から、実際の現場でのメンテナンス術まで幅広くカバーし、あなたのサッカーライフをより安全かつ快適にするヒントをお届けします。

FIFA及びJFAが定めるサッカーボールの適切な硬さ(空気圧)とは?

サッカーボールは、国際サッカー連盟(FIFA)や日本サッカー協会(JFA)が定める公式規格に基づいて製造されます。公式試合では、この規格を満たしたボールを使用することが義務付けられており、硬さ(空気圧)やサイズ、重量、周囲(円周)などに一定の基準があります。ここでは、代表的な規格や硬さの目安について詳しく見ていきましょう。

FIFA及びJFAが定めるサッカーボールに関する競技規則

JFAの公式サイトには以下のようなサッカー競技規則の記述があります。

ボールは、次のものとする。
・球形である。
・適切な材質でできている。
・外周は、68cm(27インチ)以上、70cm(28インチ)以下。
・重さは、試合開始時に 410g(14オンス)以上、450g(16オンス)以下。
・空気圧は、海面の高さの気圧で、0.6~1.1気圧(600~1100g/cm2:8.5~15.6ポンド/平方インチ)。
FIFAや各大陸連盟の主催下で行われる公式競技会の試合で使用されるすべてのボールは、「FIFAクオリティプログラム-サッカーボール」の要件を満たし、そのマークのいずれかをつけていなければならない。

引用元:JFA.jpサッカー競技規則

これらをまとめると以下のようになります。

サイズ(外周)の規定
  • 5号球(一般向け・公式戦用):68㎝以上、70cm以下
  • 4号球(小学生・ジュニア用):63.5㎝以上、66cm以下
  • 3号球(幼児~低学年向け):58㎝以上~60cm以下
重量の規定
  • 5号球(一般向け・公式戦用):410g以上、450g以下
空気圧(硬さ)の規定
  • 0.6~1.1気圧(600~1100g/cm2:8.5~15.6ポンド/平方インチ)

サッカーボールの硬さを測る3つの方法

上記で解説した通り、サッカーボールの硬さはFIFA及びJFAの規定で0.6~1.1気圧が適切です。しかし、実際に「どうやってサッカーボールの硬さを測ればいいの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。ここでは、サッカーボールの硬さを確認する主な方法と、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

①空気圧ゲージ付きのボールポンプを使う

スフィーダ空気入れ

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最も一般的で手軽な方法が、空気圧ゲージ(圧力計)が付いたボールポンプを使用する方法です。ポンプで空気を入れながら数値をリアルタイムで確認できるため、初心者から上級者まで幅広く利用されています。

ボールに空気を入れる・抜く作業をしながら同時に数値が測れます。

推奨空気圧(通常0.6~1.1気圧程度)の範囲に収まるよう微調整しながら、ポンプをゆっくりと押し空気を入れましょう。

②デジタル式の圧力計を使う

ボール専用圧力計

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より正確な測定を求める場合は、デジタル式の圧力計がおすすめです。高性能なものは数値を正確に測定でき、試合前など精密な管理が必要なシーンでも役立ちます。

数値がデジタル表示されるため一目でわかりやすいだけでなく、小数点以下まで計測できるモデルもあり、精密な管理が可能です。

デジタル表示された数値を確認し、0.6~1.1気圧になるよう必要に応じてポンプや空気抜きで調整しましょう。

③手や感覚で大まかにチェックする

空気圧ゲージが手元にない場合は、手や感覚によるチェックも可能です。しかしこの方法は主観による誤差が大きく、正確性にはやや欠けるため、最終的にはゲージで測ることをおすすめします。

ボールを両手で軽く押してみて、適度な弾力を感じられるかを確認しましょう。一般的な5号球の場合、両手でぐっと押し込んで1~2cmほど凹む程度が目安です。

また、腰や胸の高さからボールを落とした時の跳ね返り具合を観察するのも有効です。地面の環境によって変動はしますが、適正空気圧であれば、おおよそ膝~腰の高さ程度まで跳ね返ってくるのが目安です。

サッカーボールの硬さ(空気圧)が重要である6つの理由

①プレーのパフォーマンスに大きく影響する

ボールが硬すぎると、シュートやパスの際に反発が強くなり、タッチやコントロールが難しくなります。逆に柔らかすぎるボールは、飛距離やスピードが出にくく、パスを回す際にも重い感覚になります。

適正な空気圧のボールは、地面や相手プレーヤーに当たったときに想定どおりの弾み方をしやすくなります。これにより、ドリブルやトラップなどの精度が上がり、より安定したプレーが可能です。

②怪我のリスクを軽減する

硬すぎるボールは、キック時やヘディング時の衝撃が大きく、足や頭に負担がかかります。特に、成長期の子どもやヘディングの機会が多いポジションの選手にとって、過度に硬いボールは怪我の原因になることもあります。

適正な硬さ(空気圧)を保つことで、筋肉や関節への負担が軽減され、怪我を予防する確率が高くなります。柔らかすぎるボールも、蹴りにくさから無理なフォームを取りやすくなるため、注意が必要です。

③学習効率や上達度にも影響する

空気圧が極端に低いボールばかり使っていると、正確なキックフォームやボールコントロールの感覚が培いにくい場合があります。規格内の適正硬度を維持することで、試合に通用する技術を身につけやすくなるのです。

適正な硬さのボールは、ドリブルやパス時のフィーリングが安定し、練習の成果を最大限に引き出しやすくなります。効率よく上達を目指すなら、ボールの硬さ管理は欠かせません。

④試合や練習を公平に行うことができる

公式戦では、FIFAやJFAなどの競技規則を満たしたボールが使われます。空気圧やサイズが一定に保たれることで、両チームとも同じ条件で試合を行えるため、競技性と公平性が担保されます。

規格を厳守することで、「硬すぎるボール」「柔らかすぎるボール」によるトラブルが減り、選手がプレーに集中しやすくなるのも大きなメリットです。

⑤チーム全体のパフォーマンスが安定する

適正硬度を守ったボールを使うことで、キック時の飛距離やバウンドの高さが予測しやすくなります。チーム練習で統一された条件でプレーすることで、試合の状況でも同じ感覚を発揮しやすくなるでしょう。

バウンドや弾性が安定することで、ドリブル練習やパス練習の精度が高まり、練習メニューの成果が出やすくなります。結果的にチーム全体のパフォーマンスが底上げされる効果も期待できます。

⑥試合でもいつも通りのプレーができるという精神的な安心感が得られる

「このボールはちょっと硬すぎるかも……」という不安を抱えながらプレーするのと、適正硬度で安心してプレーするのでは、集中力やパフォーマンス面で大きな差が出ます。

試合でも練習でも同じ硬さのボールを使用することで、試合中の精神的な不安が減り、試合でもいつも通りのパフォーマンスが発揮できるようになります。

硬さ・空気圧を考慮したサッカーボール選びのポイント

サッカーボールを選ぶ際、サイズやデザインだけでなく「硬さ・空気圧」も重要な要素です。空気圧が適切でないと、パスやシュートのコントロール、さらには怪我のリスクにまで影響が及びます。ここでは、硬さや空気圧を基準にボールを選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説します。

①試合用と練習用でボールを分けて選ぶ

試合用ボール

試合に使用されるボールは、上記で紹介したようにFIFAやJFAなどが定めた規格の範囲内(周囲、重量、空気圧)で作られているボールを選ぶようにしましょう。プロや公式大会では、規格を厳密にチェックしてから試合に臨むため、空気圧にも注意が必要です。

練習用ボール

練習では、ボールが地面や周囲の障害物と何度も衝突します。丈夫な素材で作られた練習用ボールを選べば、長期間使い続けられるでしょう。

また、多くの練習時間を硬いボールで過ごすと、足や頭に負担がかかりやすくなるため、試合用より少し空気圧を低めに設定するケースもあります。特にキッズやジュニア世代には重要なポイントです。ただし、試合球とあまりにも硬さが異なり過ぎないようにしましょう。

②プレーヤーの年齢・レベルに合わせて選ぶ

キッズ・ジュニア向け

小学生以下が使う4号球、幼児~低学年向けの3号球は、身体が未発達な段階で使用するため、硬すぎると怪我につながることもあります。柔らかめをキープし、衝撃を緩和しやすい空気圧に調整すると安心です。

空気圧の数値だけにとらわれず、実際に蹴ってみた感覚で適正硬度を見極めると、キッズの足に優しく怪我を減らせます。

中学生以上・上級者向け

中学生以上や社会人プレーヤーは、公式戦でも使用される5号球が基本となります。推奨空気圧は0.6~1.1気圧ほどが目安ですが、メーカーや個人の好みで微調整することも多いです。

適正硬度を守ることで、シュートの飛距離やバウンドの安定性が増し、練習効率や試合でのパフォーマンスが向上しやすくなります。

③ボールの素材で選ぶ

人工皮革は耐水性・耐久性が高いモデルが多く、練習用に向いています。価格帯も幅広く、初心者から上級者まで選択肢が豊富です。

一方で、本革は高級感があり、ボールタッチが良いとされていますが、水分を含むと重くなりやすいのがデメリットです。今はトッププロレベルでも人工皮革を使用することが多いです。

④縫い目の構造で選ぶ

手縫いのボールは弾力や耐久性に優れており、公式球や高級モデルに多いです。機械縫いはコストパフォーマンスに優れ、練習用ボールに多く見られます。

一方で、熱圧着(サーマルボンディング)は縫い目がなく、表面が滑らかで均一な反発力を得られます。試合用ボールにも採用されることが多く、雨天時の水分吸収が少ないのも特徴です。

サッカーボールの寿命を延ばす5つのメンテナンス

サッカーボールは、選手の足元で激しい動きに耐えながら使われる消耗品です。しかし、日頃のメンテナンスをしっかり行うだけで寿命を延ばし、快適なコンディションを長く保つことが可能です。ここでは、ボールを長持ちさせるための具体的なメンテナンスのポイントを解説します。

①正しい空気圧を維持する

サッカーボールの硬さを保つ上で重要なのが、空気圧の定期的なチェックです。適正値から大きく外れた状態を続けると、外皮や縫い目に無理な力がかかり、破損や変形の原因になります。

練習や試合で頻繁に使用する場合は、最低でも週に1回は空気圧を計測しましょう。特に公式戦や重要な試合で使用する場合、空気圧ゲージを使って必ず測定するようにすると安心です。

空気を入れ過ぎることによるデメリット
空気を入れすぎると、外皮やパネルへの負荷が大きくなります。長期間の使用で縫い目がほつれたり、破損の原因になります。

空気を入れなさ過ぎることよるデメリット
ボールの形状が崩れやすく、蹴ったときの衝撃が偏ることで変形や素材の痛みを招く場合があります。適正空気圧をキープすることこそが、ボールを長持ちさせる秘訣です。

②ボール表面の汚れはその日のうちに落とす

土や芝生が付いた状態を放置すると、汚れがしみ込んだり、表面が劣化しやすくなります。面倒でも、プレー後にサッとひと拭きして汚れを落とすだけで、ボールのダメージを軽減できます。

乾いた布ややわらかいブラシで大まかな泥や砂を落とし、ぬるま湯に薄めた中性洗剤を使い、柔らかいスポンジや布で優しく拭きましょう。

ただし、漂白剤や強力な洗剤を使うと、外皮のコーティングや素材が傷む原因になります。また、固いブラシで強くこすると、表面に傷がついてしまうこともあるので注意しましょう。

③直射日光を避けて保管する

サッカーボールは、高温や直射日光に長時間さらされることで、外皮や接着部分が劣化しやすくなります。特に、車の中や直射日光が当たるベランダなどに放置すると、表面がひび割れたり、素材が硬化したりする恐れがあります。

風通しの良い室内やシェルターのある場所で保管をするようにしましょう。

④バルブ部分のメンテナンスをする

バルブは空気の出し入れをする大切な部分であり、砂やホコリが詰まって劣化しやすい箇所です。バルブが劣化すると空気が漏れやすくなり、せっかく調整した空気圧も長持ちしません。

汚れが付着したまま放置するとバルブのゴムが傷みやすくなるため、ゴミや砂は定期的に除去するようにしましょう。

明らかにバルブから空気が漏れている場合は、交換可能なモデルであれば早めの交換が長寿命化につながります。

⑤定期的に回転させる

同じ部分が常に地面と接触している状態が続くと、その部分だけが過度に摩耗しやすくなります。長期保管時や移動時など、ボールの接地面を時々変えてあげると、特定のパネルや縫い目に負荷が集中するのを防げます。

サッカーボールの硬さに関するみんなの意見・口コミ

サッカーボールの硬さに関するFAQ

なぜサッカーボールの硬さ(空気圧)が重要なのですか?
ボールの硬さはプレーの正確性や安全性に直結するからです。硬すぎるとシュートやパスのコントロールが難しくなり、衝撃も大きく怪我のリスクが高まります。また、柔らかすぎると飛距離が出にくく、正しいキックフォームを身につけにくくなります。
サッカーボールの硬さはどのように測ればいいですか?
一番確実なのは「空気圧ゲージ」や「デジタル式圧力計」を使う方法です。空気圧ゲージ付きポンプなら、空気を入れながら硬さを同時にチェックできます。デジタル式圧力計はより正確な数値を把握したい場合におすすめです。
公式規格ではサッカーボールの空気圧はどのくらいとされていますか?
5号球でおおむね0.6~1.1気圧(約8.7~15.9psi)が目安です。公式戦ではこの規格内で調整し、試合前に空気圧を厳密にチェックすることが多いです。ただし、4号球や3号球など、年代やカテゴリーによっても推奨値が異なります。
試合用ボールと練習用ボールの空気圧は分けた方がいいですか?
状況に応じて使い分けることをおすすめします。試合用ボールは公式規格どおりやや高めの空気圧で、反発力が高くパフォーマンス優先するのに対し、練習用ボールは怪我を防ぐために少し柔らかめで、耐久性にも配慮したものが多いです。
硬さが適正でないボールを使い続けるとどうなりますか?
パフォーマンスが低下するだけでなく、怪我やフォーム不良の原因にもなります。過度に硬いボールは、足や頭への衝撃が強く、成長期の子どもには特にリスキーです。また、柔らかすぎるボールは蹴りにくく、技術習得の妨げになる場合があります。
ジュニア向けのボールはどのように選べばいいですか?
サイズ(4号球・3号球)に加え、空気圧をやや低めに設定して安全面を重視しましょう。体が未発達な子どもには、硬すぎないボールを選ぶことで衝撃を和らげ、怪我を防止できます。実際に蹴った時の感触も大切なので、試し蹴りできるなら積極的に行いましょう。
ボールの硬さを保つためのメンテナンス方法を教えてください。
まずはこまめな空気圧チェックと汚れ落としが基本です。週に1回や試合前に空気圧ゲージで測り、適正値をキープし、使用後は泥やホコリを落とし、よく乾かしてから直射日光を避けて保管するようにしましょう。
高温下や寒冷地でボールの硬さは変わりますか?
温度差で空気圧が変化するため、注意が必要です。高温になると内圧が上がりやすく、寒冷地では下がりやすい傾向にあります。季節や環境が変わるごとに空気圧をこまめに調整すると良いでしょう。
バルブから空気が漏れる場合はどうすればいいですか?
汚れの除去やバルブ交換を検討しましょう。砂やホコリが詰まっている場合は清掃するだけで改善することもあります。バルブが劣化しているなら早めの交換が長持ちの秘訣です。

まとめ

サッカーボールの硬さ(空気圧)は、プレーのパフォーマンスや安全性に直結する大切な要素です。公式規格や推奨値を意識して空気圧を管理すれば、シュートやパスの精度を高められるだけでなく、怪我のリスクも低減できます。特に成長期の子どもが使用するボールは、やや柔らかめに調整して身体への負担を減らすことが重要です。

さらに、適正硬度をキープするためには、使用後の汚れ落としや陰干しなどの日頃のメンテナンスが不可欠です。週に一度や試合前後の空気圧チェックを習慣化し、バルブの状態や保管場所にも気を配ることで、ボールを長期間快適に使い続けられます。

自分やチームのプレースタイル、年齢・レベルに合ったサッカーボールを選び、正しくメンテナンスしていくことで、より充実したサッカーライフを送れるはずです。ぜひ本記事を参考に、最適な硬さとケア方法を見直してみてください。

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