- 日本代表が「勝って当然」と思われた試合で負けたのは、どの試合?
- 痛い負けはホームとアウェー、親善試合と予選のどちらで多い?
- どの監督の時代に多かった?反対に大金星はどれくらいある?
日本代表の歴代で一番の「痛い負け」は、2005年5月27日のキリンカップ、UAE戦(0-1)でした。フットボール戦士が国際Aマッチ約5万試合から計算したレーティングでは、試合前の日本の勝つ見込みは94%ありました。2位は2021年9月のW杯最終予選のオマーン戦(88%)、3位は2005年7月の東アジア選手権の北朝鮮戦(88%)です。
この記事では、日本代表の全793試合で試合前の「勝つ見込み」を計算し、見込みが75%以上だったのに負けた20試合を「痛い負け」として数えました。場所別・大会別・監督別の傾向と、反対に日本が番狂わせを起こした試合も紹介します。
日本代表の痛い負けランキング1位は2005年のUAE戦(勝つ見込み94%)
ランキングの1位は、2005年のキリンカップでUAEに0-1で負けた試合です。当時のレーティングは日本がUAEを約370点上回り、ホームの有利も加えると、日本の勝つ見込みは94%でした。日本の全793試合の中で、これより見込みが高かった負けはありません。
上位10のうち3試合は、ジーコ監督の時代の2005年5〜7月に集中しています。上位10のうち7試合はホームでの負けです。
11位から20位は次のとおりです。古い試合では、1958年のアジア競技大会や、マレーシアで開かれたムルデカ大会の負けも入っています。
| 順位 | 日付 | 相手・スコア | 勝つ見込み | 場所 | 大会 |
|---|---|---|---|---|---|
| 11 | 2022/6/14 | チュニジア 0-3 | 81% | ホーム | キリンカップ |
| 12 | 1978/7/23 | シンガポール 1-2 | 81% | 中立 | ムルデカ大会 |
| 13 | 2001/10/4 | セネガル 0-2 | 81% | 中立 | 親善試合 |
| 14 | 2006/5/9 | ブルガリア 1-2 | 80% | ホーム | キリンカップ |
| 15 | 1998/3/7 | 中国 0-2 | 79% | ホーム | ダイナスティカップ |
| 16 | 2011/11/15 | 北朝鮮 0-1 | 79% | アウェー | W杯予選 |
| 17 | 2015/8/2 | 北朝鮮 1-2 | 77% | 中立 | 東アジアカップ |
| 18 | 2013/3/26 | ヨルダン 1-2 | 76% | アウェー | W杯予選 |
| 19 | 2002/6/18 | トルコ 0-1 | 76% | ホーム | W杯本大会 |
| 20 | 1973/5/22 | 香港 0-1 | 75% | 中立 | W杯予選 |
※勝つ見込みが同じ%の試合は、小数点以下で順位をつけています。
上位の試合はどんな負けだった?
AFCアジアカップ公式チャンネル「#AsianQualifiers – Group B | Japan 0 – 1 Oman」(2021年9月公開)。2位のオマーン戦のハイライトです。
1位・4位:2005年のキリンカップで2連敗
2005年のキリンカップは、日本・ペルー・UAEの3か国で行われました。日本は5月22日に新潟でペルーに0-1、27日に国立競技場でUAEに0-1と、2試合とも1点差で負けています。ペルーとUAEは引き分けたため、日本は3チームの中で最下位でした。
2位:2021年オマーン戦はW杯最終予選の初戦
カタールW杯のアジア最終予選の初戦で、会場は大阪の吹田でした。0-0のまま進んだ88分、右からのクロスを途中出場のイサム・アル・サビに押し込まれて失点しています(Jリーグ公式)。南野拓実は左太ももの痛みで先発から外れていました。
フットボール戦士の戦績データでは、日本はそれまでオマーンに12試合9勝3分で負けがなく、この試合が初めての負けでした。森保一監督は試合後「私自身の責任」と話しています(テレビ東京)。
3位:2005年北朝鮮戦は東アジア選手権の初戦
韓国の大田で行われた東アジア選手権の初戦で、北朝鮮に0-1で負けました。日本はその後、中国と2-2で引き分け、韓国に1-0で勝って2位で大会を終えています。優勝は中国でした。
5位・6位:ウズベキスタン戦とブルガリア戦
2012年2月のウズベキスタン戦は、ブラジルW杯アジア3次予選の最終戦です。日本はすでに最終予選への進出を決めていましたが、豊田で0-1で負け、組2位での通過になりました(AFP)。ウズベキスタンにはそれまで8試合で負けがありませんでした。
2013年5月のブルガリア戦はキリンチャレンジカップで、同じ豊田でフリーキックとオウンゴールから0-2で負けました(スポルティーバ)。3月のW杯予選ヨルダン戦(1-2)に続く連敗です。
20試合の痛い負けには、はっきりした共通点があります。16試合が1点差の負けで、日本が1点も取れなかった試合が13試合ありました。大差で崩されたというより、点が取れないまま1点に泣いた試合が大半です。
ただし、レーティングは出場したメンバーや、その試合の重みを知りません。すでに予選突破を決めていた試合や、新しい選手を試した親善試合も、同じ計算で「勝つ見込み」を出しています。
ホームなら安心?場所別の痛い負けの割合はほぼ同じ
痛い負け20試合のうち11試合はホームでした。ただ、これはホームで「勝って当然」の試合をたくさん戦っているからです。勝つ見込みが75%以上の試合はホームで151試合あり、負けた割合は7.3%でした。アウェーは26試合で7.7%、中立地は72試合で9.7%です。
勝つ見込みには、すでにホームの有利の分を足してあります。そのうえで比べると、どの場所でも見込みの高い試合を落とす割合は1割未満で、大きな差はありませんでした。
親善試合・予選・本大会で違いはある?
痛い負けの数は、親善試合(キリンカップを含む)6試合、W杯などの予選6試合、W杯・アジアカップなどの本大会2試合、その他の大会6試合でした。割合で一番低いのは予選の6.1%、高いのは東アジア選手権やアジア競技大会などの「その他の大会」の15.0%です。
予選の6試合のうち2試合は、W杯最終予選の初戦でした。2016年9月のロシアW杯最終予選の初戦では、埼玉でUAEに1-2で逆転負け(勝つ見込み83%・7位)。本田圭佑のヘディングで先制しましたが、UAEのアハメド・ハリルにフリーキックとPKで2点を奪われました(Jリーグ公式)。その次の大会の最終予選も、初戦でオマーンに負けています。
本大会の2試合は、2002年日韓W杯の決勝トーナメント1回戦トルコ戦(0-1・76%)と、2024年1月のアジアカップのイラク戦(1-2・83%)です。トルコ戦は雨の宮城スタジアムで、前半12分の失点を返せませんでした(JFA)。
監督別では?ジーコ・ザッケローニ時代に4回、森保監督は60試合で3回
1992年以降の痛い負けは16試合です。監督別ではジーコ監督(34試合中4敗・11.8%)とザッケローニ監督(23試合中4敗・17.4%)が4回ずつで最多でした。年代別でも2000年代と2010年代が6試合ずつで、この2人の時代に集まっています。
森保一監督は、勝つ見込み75%以上の試合が60試合と1992年以降の監督で一番多く、負けたのは3試合(5.0%)でした。岡田武史監督(2回目)は22試合、オシム監督は10試合で一度も痛い負けがありません。トルシエ監督は11試合中2敗(18.2%)ですが、試合数が少ないので割合は大きく動きます。
森保監督の3試合は、2021年のオマーン戦、2022年6月のキリンカップのチュニジア戦(0-3・81%)、そして2024年1月のアジアカップのイラク戦です。
AFCアジアカップ公式チャンネル「#AsianCup2023 | Group D : Iraq 2 – 1 Japan」(2024年1月公開)。9位のイラク戦のハイライトです。
イラク戦はグループステージの第2戦で、アイメン・フセインに前半2点を決められ、遠藤航が後半アディショナルタイムに1点を返すのがやっとでした。日本はイラクにそれまで12試合7勝3分2敗で、負けたのは1982年以来でした(フットボール戦士の戦績データ)。日本はグループ2位で突破しましたが、準々決勝でイランに1-2で敗れています。
反対に番狂わせを起こした試合は?スペイン戦は勝つ見込み22%
反対に、日本の勝つ見込みが25%以下だったのに勝った「大金星」は、全期間で11試合ありました。痛い負け(20試合)の半分ほどです。1992年以降では8試合で、2022年W杯のスペイン戦(2-1・22%)、2026年3月にウェンブリーで三笘薫のゴールで勝ったイングランド戦(1-0・23%)、2018年W杯のコロンビア戦(2-1・23%)などが入ります。1992年以降で一番見込みが低かった勝ちは、2004年のチェコ戦(1-0・20%)でした。
1992年以降の8試合は、すべてアウェーか中立地での勝利です。もともと日本の見込みが25%以下になる試合は1992年以降で38試合しかなく、そのうちホームは5試合だけでした。強い相手とは、相手の国や第三国で戦うことが多いためです。
データについて:勝つ見込みはどう計算した?
勝つ見込みは、国際Aマッチの公開データ(martj42/international_results・CC0)に入っている1872年から2026年10月6日までの49,941試合を、古い順にElo方式で計算した「フットボール戦士レーティング」から出しています。FIFAランキングとは別の、独自の指標です。日本の試合は、フットボール戦士の日本代表 戦績データと同じ793試合にそろえました。
試合前のレーティングの差(ホームのチームは100点を足す)から見込みを出し、試合後はW杯本大会ほど、また得点差が大きいほど点数が大きく動きます。PK戦は引き分けとして数えます。
「勝つ見込み」は、引き分けを半分の勝ちとして数えた期待値です。94%は「負ける確率が6%」という意味ではなく、引き分けも含めて「ほぼ勝てる」という目安です。見込み75%以上の249試合では、見込みの平均86.5%に対して実際の成績(勝ち1・引き分け0.5)は84.9%で、計算はおおむね当たっていました。
よくある質問
A. フットボール戦士の計算では、2005年5月27日のキリンカップのUAE戦(0-1)です。試合前の日本の勝つ見込みは94%でした。2位は2021年のW杯最終予選オマーン戦(88%)です。
A. 勝つ見込み75%以上で負けたW杯本大会の試合は、2002年日韓大会のトルコ戦(0-1・76%)の1試合だけです。2022年のコスタリカ戦(0-1)は見込みが64%で、今回の「痛い負け」には入りません。
A. 2021年のオマーン戦(88%)、2024年のイラク戦(83%)、2022年のチュニジア戦(81%)の3試合で、見込み75%以上の60試合で3敗(5.0%)です。
A. 数はホームが20試合中11試合で最多ですが、割合ではホーム7.3%、アウェー7.7%、中立地9.7%で大きな差はありません。
まとめ:痛い負けの多くは「点が取れずに1点差」
- 日本代表の痛い負けランキング1位は2005年のUAE戦(勝つ見込み94%)、2位は2021年のオマーン戦(88%)
- 勝つ見込み75%以上で負けた「痛い負け」は全793試合で20試合。16試合が1点差、13試合が無得点
- 数はホームが11試合で最多だが、負けた割合はホーム7.3%・アウェー7.7%・中立地9.7%でほぼ同じ
- 監督別ではジーコ監督とザッケローニ監督が4回ずつ。森保監督は60試合で3回(5.0%)
- 反対に見込み25%以下で勝った大金星は全期間で11試合。1992年以降はスペイン戦・イングランド戦など8試合
「勝って当然」の試合でも、日本代表は25試合に2試合ほどの割合で負けてきました。その多くは、点が取れないまま1点差で終わった試合です。
※この記事の情報は2026年10月9日時点のものです。試合結果は公開データ(martj42/international_results)の2026年10月6日までの記録をもとに、フットボール戦士がElo方式で計算・集計しました。勝つ見込みは試合前のレーティングから出した値で、出場メンバーや試合の重みは含みません。
フットボール戦士 
