- サッカー日本代表の史上最大の大勝と大敗は、どの試合?
- モンゴル戦の14-0は、本当に歴代で一番の大勝?
- 最近の日本代表は、大差で負けることがなくなった?
サッカー日本代表の史上最大の大勝は、2021年3月30日のW杯予選・モンゴル戦の14-0です。最大の大敗は、日本が初めて国際試合を戦った1917年の極東選手権・フィリピン戦の2-15でした。
この記事では、1917年から2026年9月28日のベネズエラ戦までの日本代表の791試合を、フットボール戦士が得点差で並べ直しました。大勝と大敗のランキングに加えて、年代による変化や、大勝が生まれやすい試合の種類も見ていきます。
日本代表の最大の大勝は?2021年のモンゴル戦14-0
得点差が一番大きい勝ちは、2021年3月30日のモンゴル戦の14-0です。カタールW杯のアジア2次予選で、会場は千葉のフクダ電子アリーナでした。記録の上ではモンゴルのホームゲームで、FIFAの試合記録も「モンゴル 0-14 日本」です。大迫勇也選手のハットトリックなどで、前半だけで5点を奪いました(日本経済新聞)。
2位は10-0の3試合です。1997年のフランスW杯予選ではマカオに2回(オマーンのマスカットと東京)、2021年のカタールW杯予選ではミャンマー(千葉)に10-0で勝ちました。7点差以上の勝ちは全部で11試合あり、そのうち8試合がW杯予選です。
ただし、日本代表の記録では1960年代の五輪予選も代表の試合に数えることが多く、その場合の最多得点は1967年9月27日のメキシコ五輪予選・フィリピン戦の15-0です。モンゴル戦の14点は、それに次ぐ歴代2位の得点だと報じられました(フットボールチャンネル、2021年3月30日)。今回のデータには五輪予選が入っていないので、14-0が1位になります。
最大の大敗は?1917年のフィリピン戦2-15
得点差が一番大きい負けは、1917年5月10日のフィリピン戦の2-15です。東京で開かれた第3回極東選手権で、日本は東京高等師範学校のチームが代表として出場しました。前日の5月9日には中華民国にも0-5で負けています。日本の国際試合は、この大会の2連敗から始まりました。
2位は1934年の極東選手権(マニラ)の、オランダ領東インド(現在のインドネシア)戦の1-7です。3位は5点差の負けが2試合あり、1917年の中華民国戦と2001年3月24日のフランス戦(0-5)でした。フランス戦はパリ郊外のサンドニで行われた親善試合で、前年の欧州選手権を制したフランスに大差で敗れました。
4点差以上の負けは全部で19試合です。1992年以降に限ると7試合で、相手はアルゼンチン、ブラジル(3回)、パラグアイ、フランス、チリでした。アジアの国に4点差以上で負けたのは、1978年の韓国戦(0-4)が最後です。
| 大会 | 最大の勝ち | 最大の負け |
|---|---|---|
| W杯本大会(29試合) | 2026年 チュニジア 4-0 | 2006年 ブラジル 1-4 2014年 コロンビア 1-4 |
| W杯予選(153試合) | 2021年 モンゴル 14-0 | 1954年 韓国 1-5 |
| アジアカップ本大会(53試合) | 2000年 ウズベキスタン 8-1 | 1988年 カタール 0-3 |
| コンフェデ杯(16試合) | 2001年 カナダ 3-0 | 1995年 アルゼンチン 1-5 |
| コパ・アメリカ(6試合) | 勝ちなし | 1999年 パラグアイ 0-4 2019年 チリ 0-4 |
※フットボール戦士の集計。W杯本大会の最大の負けは、同じ3点差の2試合を並べています。
大勝・大敗は年代でどう変わった?4点差負けは2019年が最後
4点差以上の負けは、1939年までの21試合で7回ありました。3試合に1回は大差で負けていた計算です。1992年以降は520試合で7回(1.3%)まで減りました。
最後に4点差以上で負けたのは、2019年6月17日のコパ・アメリカ・チリ戦(0-4)です。この大会の日本は招待参加で、東京五輪世代の若手を中心にしたメンバーで臨んでいました。そこから2026年9月のベネズエラ戦までの92試合、4点差以上の負けは1度もありません。3点差の負けも、2019年11月のベネズエラ戦(1-4)と2022年6月のチュニジア戦(0-3)の2試合だけです。
反対に、4点差以上の勝ちは増えています。2020年代は81試合で16回あり、約5試合に1回(19.8%)は4点差以上で勝っています。2010年代の11.0%の約1.8倍です。監督別に見ると、森保一監督は109試合で19回(17.4%)。20試合以上指揮した1992年以降の監督では、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督(38試合で8回・21.1%)に次ぐ割合でした。
大勝はどんな試合で生まれる?W杯予選が38%
4点差以上の勝ち82試合のうち、一番多いのはW杯予選の31試合(38%)です。1992年以降に限ると、4点差以上の勝ち59試合のうち32試合(54.2%)が、W杯予選かアジアカップ予選でした。
W杯予選で大勝が多いのは、アジアの予選の序盤で、FIFAランキングの低い国と同じグループに入るためです。1992年以降のW杯予選119試合では、4点差以上の勝ちが28試合(23.5%)ありました。4試合に1試合ほどは4点差以上がついた計算です。
大勝の相手で一番多いのは香港の6試合で、タイの5試合、インドとミャンマーの4試合が続きます。2024年9月5日には、北中米W杯の最終予選の初戦で中国に7-0で勝ちました。最終予選は2次予選より強い国が集まる段階なので、この差は珍しい大差です。
大きな大会では?W杯で一番の大勝は2026年のチュニジア戦4-0
W杯本大会の勝ちで得点差が一番大きいのは、2026年6月20日の北中米W杯・チュニジア戦の4-0です。日本がW杯の1試合で4点を取ったのは、この試合が初めてでした。鎌田大地選手が前半4分に先制し、上田綺世選手が2得点、伊東純也選手も1得点を挙げました(スポーツナビ)。それまでの最大差は、2002年日韓大会のチュニジア戦(2-0)と、2010年南アフリカ大会のデンマーク戦(3-1)の2点差です。
W杯本大会の負けで得点差が一番大きいのは、2006年ドイツ大会のブラジル戦と、2014年ブラジル大会のコロンビア戦の1-4です。W杯本大会では、4点差以上の勝ちも負けも、このチュニジア戦の1試合しかありません。強い国どうしが集まる大会では、大差はめったにつかないことが分かります。
ブラジルとは15試合で1勝2分12敗で、4点差の負けが3回あります。2025年10月14日の親善試合(東京)で、3-2で初めて勝ちました。2026年W杯では1-2で敗れています。
データについて
集計に使ったのは、各国代表の国際試合の結果をまとめた公開データ(martj42/international_results・CC0)をもとにした、フットボール戦士のサッカー日本代表 戦績・招集データベースです。対象は日本代表(男子)の1917年5月9日から2026年9月28日までの791試合です。
元の公開データには、日本代表の国際Aマッチではない試合や重複も入っています。データベースでは、1917年5月7日のフィリピン戦2-15(5月10日の極東選手権の試合の重複。1917年の日本の国際試合は極東選手権の2試合だけ)と、1942年8月に新京(今の中国・長春)で行われた大会の3試合(モンゴル戦12-0など)、1997年5月の東アジア競技大会の4試合(グアム戦12-0など)と、非公開の練習試合だった2024年1月9日のヨルダン戦(6-1)を除き、元のデータに無かった2023年10月17日のチュニジア戦(2-0・JFA公式サイトで確認)を足して、791試合にしています。サッカーの記録を集める団体RSSSFの記録をもとにした報道では、日本代表で11点以上を取った試合は1967年のフィリピン戦(五輪予選)だけとされていて、この2つの12-0は代表の国際Aマッチに数えられていないためです。12-0の試合と同じ大会の残りの試合も、まとめて外しました。
元のデータには五輪とその予選が入っていないので、1960年代の五輪予選の試合(1967年のフィリピン戦15-0など)は集計に含まれていません。PK戦で決着した試合は引き分けとして数えています。この記事の比較は、得点差の大きい試合がいつ・どんな大会で多いかを示すもので、大差がついた原因を調べたものではありません。
よくある質問
A. 2021年3月30日のW杯予選・モンゴル戦の14-0です。ただし、1960年代の五輪予選まで入れると、1967年のフィリピン戦の15-0が最多得点の試合になります。
A. 1917年5月10日の極東選手権・フィリピン戦の2-15です。日本が初めて国際試合を戦った大会でした。1992年以降では、2001年のフランス戦の0-5が最大です。
A. 2019年6月17日のコパ・アメリカ・チリ戦(0-4)です。そこから2026年9月28日までの92試合では、4点差以上の負けはありません。
A. 2026年6月20日の北中米W杯・チュニジア戦の4-0です。日本がW杯の1試合で4点を取ったのは初めてでした。
A. W杯予選です。4点差以上の勝ち82試合のうち31試合(38%)がW杯予選でした。1992年以降のW杯予選では、4試合に1試合ほどが4点差以上の勝ちです。
まとめ:日本代表の大勝は増え、大敗は7年以上ない
- 最大の大勝は2021年のモンゴル戦14-0。2位は10-0の3試合(1997年のマカオ戦2回、2021年のミャンマー戦)
- 最大の大敗は1917年のフィリピン戦2-15。1992年以降の最大は2001年のフランス戦0-5
- 4点差以上の負けは2019年6月のチリ戦が最後で、その後の92試合は1度もない
- 4点差以上の勝ちは2020年代に約5試合に1回(19.8%)まで増えた
- 大勝の38%はW杯予選。W杯本大会の最大の勝ちは2026年のチュニジア戦4-0
日本代表の大差の試合を並べると、大敗は100年前の極東選手権に集中していて、今は大差で勝つ試合が増えていることが分かります。ただ、大勝の多くはアジアの予選の序盤で、W杯本大会のような強い国との試合では、まだ大差はほとんどつきません。次にどんな大差の記録が生まれるか、W杯予選とW杯本大会で見比べてみるのも面白いはずです。
※この記事の情報は2026年10月1日時点のものです。試合のデータはフットボール戦士の日本代表 戦績・招集データベース(2026年10月1日修正版)をもとにしています。
フットボール戦士 
