エムバペの最高速度は時速何キロ?44.7kmの真相と最新記録を解説

こんな疑問を持つ方へ

  • エムバペの最高速度は結局、時速何キロなのか知りたい
  • 「時速44.7km」「ボルトより速い」という話は本当なのか気になる
  • 他の俊足選手や日本人選手と比べてどれくらい速いのかイメージしたい

エムバペの最高速度は、信頼できる計測データでは時速38kmとされています。一方でSNSなどには「時速44.7km」という数字も広まっており、どちらが正しいのか迷った方も多いはずです。この記事では、確認できる記録だけを整理し、数字が食い違う理由や他選手との比較まで解説します。

エムバペの最高速度は時速38km|記録の全体像

キリアン・エムバペ選手(レアル・マドリード所属、フランス代表)のキャリアを通じた最高速度として広く認められているのは、時速38.0kmです。これは2019年、パリ・サンジェルマン(PSG)在籍時のリーグ・アン、モナコ戦のスプリントで計測された数値です。イングランドのスカウト団体PFSAが公表している世界の俊足選手ランキングでも、エムバペはこの時速38.0kmで第1位に位置づけられています。

時速38kmと言われてもピンと来ないかもしれませんが、これは100mをおよそ9.5秒で駆け抜けるペースに相当します(あくまで瞬間的な速度であり、100mをこのタイムで走れるという意味ではありません)。原動機付自転車の法定速度が時速30kmですから、ピッチ上のエムバペは原付を追い抜くスピードで走っている計算になります。しかもサッカー選手はスパイクを履き、ボールや相手の位置を確認しながら芝の上を走るのですから、この数値がいかに異常かがわかります。

確認できる主なスピード記録一覧

エムバペのスピードは、大会や計測システムによって複数の記録が残っています。確認できる代表的なものを整理すると次のとおりです。

記録 最高速度 状況
キャリア最速記録 時速38.0km 2019年 リーグ・アン モナコ戦(PSG在籍時)
EURO2024 時速36.5km 大会トラッキングデータで全選手中1位
2022年カタールW杯 時速35km前後 FIFAの大会計測データ
2025-26シーズン ラ・リーガ 時速35km前後 シーズンのリーグ最速クラスの数値

このように「エムバペの最高速度」といっても幅があります。キャリア最速の時速38kmは何年かに一度出るかどうかの極限値であり、大会や1シーズンの中では時速35〜36.5km前後がエムバペのトップスピードの現実的なラインだと理解しておくと、数字のニュースを見たときに混乱しません。

「時速44.7km」という数字の真相

検索すると必ず出てくるのが「エムバペの最高速度は時速44.7km」「ボルトを超えた」という情報です。結論から言うと、この数字がエムバペの走行速度として公式に計測された事実は確認できません。

時速44.72kmとは、ウサイン・ボルトが2009年に100m走の世界記録(9秒58)を出した際に計測された「ボルトの瞬間最高速度」です。エムバペのスプリントが話題になった際、この2つの数字が混同されたまま拡散されたと考えられます。選手のGPS計測機器を手がけるSTATSports社も、エムバペの最高速度はおよそ時速38kmであり、ボルトの時速44.72kmとは大きな開きがあると明確に説明しています。

ポイント:時速44.7kmはボルトの最高速度。エムバペの正しいキャリア最速記録は時速38.0kmです。「ボルト超え」が完全なデマかというとそうでもなく、後述するとおり「ボルトの平均速度」との比較では興味深い事実があります。

大会別に見るエムバペのスピード記録

エムバペのスピードが世界的な話題になった場面を、大会ごとに振り返ります。数字の背景にあるプレーを知ると、記録の見え方が変わってきます。

2018年ロシアW杯:伝説となったアルゼンチン戦の独走

エムバペの名を世界に轟かせたのが、2018年ロシアW杯決勝トーナメント1回戦のアルゼンチン戦です。当時19歳のエムバペは自陣からおよそ70mを独走し、アルゼンチン守備陣が誰一人追いつけないままPKを獲得。この試合で2ゴールを挙げ、フランスの優勝への流れを作りました。W杯の決勝トーナメントで1試合2得点を10代で記録したのは、あのペレ以来のことです。

なおこの独走時の速度については報道によって数値に幅があり、統一された公式記録として断定できる数字は確認できませんでした。それでも「W杯の大舞台で、世界最高峰の守備陣が背中すら追えなかった」という事実そのものが、エムバペのスピードを何よりも物語っています。

カタールW杯とEURO2024での計測値

FIFAがトラッキングデータを公開した2022年カタールW杯では、エムバペは時速35km前後を記録し、大会屈指のスピードスターであることを改めて示しました。この大会でエムバペは8得点で得点王に輝き、決勝のアルゼンチン戦ではW杯決勝史上2人目となるハットトリックを達成しています。

続くEURO2024(ドイツ大会)では、大会のトラッキングデータで時速36.5kmを計測し、出場全選手の中で最速でした。キャリア最速の時速38kmには届かないものの、20代半ばを過ぎても主要大会で「その大会の最速」を取り続けている点は特筆に値します。そして2026年の北中米W杯にも、フランス代表のキャプテンかつ背番号10として出場しています。

なぜ計測する大会によって数値が変わるのか

「結局どの数字が本当なのか」と感じた方のために、数値がばらつく理由を説明します。主な要因は3つあります。

第一に、計測システムの違いです。リーグや大会ごとに光学トラッキング、GPS、映像解析など異なる技術が使われており、同じ走りでも数値に差が出ます。実際、ラ・リーガとチャンピオンズリーグでは同じシーズンのエムバペの最速値が異なって記録されています。第二に、試合展開の問題です。トップスピードは長い距離を全力で走れる状況(カウンターや裏抜け)でしか出ないため、相手が引いて守る試合ではそもそも計測のチャンスがありません。第三に、選手のコンディションや年齢による変動です。つまり「エムバペの最高速度=時速38km」はキャリアのベスト記録であり、毎試合出せる数値ではない、と整理するのが正確です。

エムバペと世界の俊足選手・ボルトを比較

時速38kmという数字の凄さは、他の選手と並べるとより鮮明になります。

世界の最速級プレーヤーとの比較

PFSAのランキングや各リーグの公表データをもとに、世界の俊足選手の最高速度を比較したのが次の表です。

選手名 最高速度 備考
エムバペ 時速38.00km 2019年リーグ・アンで計測。世界最速級
ミッキー・ファン・デ・フェン 時速37.38km プレミアリーグ最速記録(トッテナムのDF)
カイル・ウォーカー 時速37.31km 2022-23シーズンのプレミアリーグで計測
ハーランド 時速36.9km 2024-25シーズンのチャンピオンズリーグで計測
アルフォンソ・デイビス 時速36.51km ブンデスリーガで計測(バイエルンのDF)
アクラフ・ハキミ 時速36.48km 世界最速級の右サイドバック

注目すべきは、比較対象の多くがディフェンダーやウインガーなど「走ることが仕事」のポジションである点です。エムバペはゴールを奪うセンターフォワード級の選手でありながら、純粋なスピード勝負でも世界の頂点に立っています。スピードとゴールという2つの武器が同居しているからこそ、守備側はラインを下げざるを得ず、それがチーム全体の攻撃を助けるという構図が生まれます。

ウサイン・ボルトとの比較でわかる「本当の距離感」

次に、人類最速のウサイン・ボルトと数字を並べてみます。

項目 エムバペ ボルト(100m世界記録時)
瞬間最高速度 時速38.0km 時速44.72km
100m平均速度 ―(公式記録なし) 時速37.58km(9秒58)
走行環境 芝・スパイク・ボールや敵味方の状況判断あり 陸上トラック・専用シューズ・直線全力疾走

瞬間最高速度では時速44.72km対38.0kmで、ボルトが明確に上です。「エムバペはボルトより速い」は誤りと言ってよいでしょう。ただし興味深いのは、ボルトが世界記録を出したときの100m全体の平均速度が時速37.58kmだったという点です。エムバペの最高速度38.0kmは、この「平均」をわずかに上回ります。つまりエムバペは一瞬とはいえ、世界記録ペースのボルトと並走できる速度域に達していたことになります。陸上競技とは条件がまったく異なるとはいえ、芝の上のフットボーラーとしては規格外であることは間違いありません。

日本人最速級の選手と比べると

日本の読者に身近な比較として、日本人屈指のスピードスターである前田大然選手を挙げます。前田選手は時速36.9kmを記録したと報じられたことがあり、これは世界基準でもトップクラスの数値です。またJ1リーグの公式スタッツでは、シーズンのトップスピード上位は時速35km台で争われるのが通例です。エムバペのキャリア最速38.0kmは、その水準をさらに1段階上回る領域にあります。逆に言えば、時速36km台の前田選手が欧州でも「速すぎる」と評価されている事実から、38kmという数字の異次元ぶりを逆算できるでしょう。

エムバペの速さの本質はトップスピードより「加速力」

ここまで最高速度の数字を見てきましたが、実はエムバペの怖さの本質は最高速度そのものではない、という点にも触れておきます。

0からトップスピードまでが速い

サッカーでは100mを走り切る場面はほとんどなく、勝負は最初の10〜30mで決まります。エムバペは静止状態からトップスピード付近まで到達するまでの加速が極めて速いタイプで、この「出足」の鋭さこそが、狭いスペースでもディフェンダーを置き去りにできる理由です。トップスピードが近い選手同士でも、そこに到達するまでの時間が違えば勝負になりません。相手守備者の立場からすると、並走できる速度に達する前に既に置いていかれているわけです。

さらにエムバペは、トップスピードに近い状態でもボールコントロールやシュートの精度が落ちにくいという特長があります。速く走れるだけの選手は世界に大勢いますが、その速度域で正確なプレーを実行できる選手はごくわずかです。

スピードが生んだ実績

この速さを武器に、エムバペは実績を積み上げてきました。2018年ロシアW杯では19歳でフランスの優勝に貢献し大会最優秀若手選手に選出、2022年カタールW杯では得点王、2024年夏にレアル・マドリードへ完全移籍すると、加入1年目の2024-25シーズンにはラ・リーガで31得点を挙げて得点王(ピチーチ賞)とヨーロッパ・ゴールデンシューズ(欧州リーグ通算得点王)を獲得しました。レアル・マドリードの選手としてのゴールデンシューズ受賞は、ウーゴ・サンチェス、クリスティアーノ・ロナウドに続く3人目です。2025-26シーズンからはクラブでも背番号10を背負っています。スピードという才能を、結果に変換し続けているのがエムバペという選手です。

エムバペの最高速度に関するよくある質問

Q. エムバペの最高速度は結局、時速何キロですか?

A. 信頼できる計測で確認されているキャリア最速は時速38.0kmです(2019年リーグ・アンのモナコ戦)。大会単位ではEURO2024の時速36.5kmが大会全選手中1位、直近のリーグ戦では時速35km前後がシーズン最速クラスの数値として記録されています。

Q. エムバペはウサイン・ボルトより速いのですか?

A. 瞬間最高速度ではボルトの時速44.72kmに対しエムバペは時速38.0kmで、ボルトのほうが明確に速いです。ただしエムバペの最高速度は、ボルトが100m世界記録を出した際の「平均速度」(時速37.58km)をわずかに上回っており、芝の上でこの速度に達すること自体が驚異的だと言えます。

Q. エムバペの100m走のタイムは何秒ですか?

A. エムバペが陸上競技として100mを走った公式記録は確認できません。ネット上で見かける「10秒台で走れる」といったタイムは、試合中の速度データからの推定にすぎない点に注意が必要です。サッカーのスプリントと陸上の100m走では、スタート技術や走行距離の条件が大きく異なります。

Q. サッカー界でエムバペより速い選手はいますか?

A. 近年の主要リーグの計測では、エムバペの時速38.0kmを上回る記録は確認されていません。プレミアリーグ最速記録はファン・デ・フェンの時速37.38kmです。ただしリーグごとに計測方式が異なるため、厳密な横並び比較には一定の幅があると考えるのが妥当です。

Q. エムバペの所属クラブと背番号は?

A. 2024年夏からスペインのレアル・マドリードに所属しています。加入1年目の2024-25シーズンは背番号9、2025-26シーズンからは背番号10を着用しています。フランス代表でもキャプテンとして背番号10を背負っています。

まとめ:エムバペの最高速度は時速38km、その価値は数字以上

最後に、この記事の要点を整理します。エムバペのキャリア最速記録は時速38.0kmで、2019年のリーグ・アンで計測されたものです。広く出回っている「時速44.7km」はボルトの最高速度との混同による誤情報で、エムバペの記録ではありません。大会や計測方式によって数値は変わり、EURO2024では時速36.5kmで大会最速、カタールW杯やラ・リーガでは時速35km前後が実戦でのトップラインです。ボルトの瞬間最高速度には及ばないものの、世界記録時のボルトの平均速度を上回る領域に芝の上で到達しており、さらに真の武器はトップスピードまでの加速力にあります。次にエムバペの独走シーンを目にしたときは、「あの一瞬、時速38kmの世界に近づいているかもしれない」という視点で観てみてください。数字を知ることで、あのスプリントの凄みがもう一段深く味わえるはずです。