こんな疑問を持つ方へ
- エムバペの本名(フルネーム)を正確に知りたい
- 「ロタン」という名前を見かけたけれど、どういう意味なのか気になる
- 「エムバペ」「ムバッペ」「エンバペ」のどれが正しい読み方なのか知りたい
エムバペの本名は「キリアン・エムバペ・ロタン(Kylian Mbappé Lottin)」です。普段の報道ではほとんど登場しない「ロタン」の正体、名前ひとつひとつに刻まれた家族のルーツ、そして日本で読み方が分かれ続ける理由まで、この記事では名前にまつわる疑問をまとめて解決します。
エムバペの本名は「キリアン・エムバペ・ロタン」
フランス代表のエースとして知られるエムバペの本名は、キリアン・エムバペ・ロタン(Kylian Mbappé Lottin)です。「キリアン」がファーストネーム(名)、「エムバペ・ロタン」が姓にあたります。つまり「ロタン」は芸名やミドルネームのような飾りではなく、正式な姓の一部です。
まずは本名を含めた基本プロフィールを整理しておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本名 | キリアン・エムバペ・ロタン(Kylian Mbappé Lottin) |
| 生年月日 | 1998年12月20日 |
| 出身地 | フランス・パリ(パリ郊外のボンディで育つ) |
| 身長 | 178cm |
| ポジション | フォワード(FW) |
| 所属クラブ | レアル・マドリード(2024年に加入、2025-26シーズンの背番号は10) |
| 代表 | フランス代表(キャプテン) |
「ロタン」はなぜ普段使われないのか
試合中継やユニフォームの表記は「MBAPPE」だけで、「ロタン(Lottin)」の文字を見かける機会はほとんどありません。これは、エムバペ自身が選手活動において「エムバペ」のみを通称として使っているためです。フランスでは、複数の要素からなる姓を持つ人が日常生活で一部だけを名乗ることは珍しくなく、エムバペもこのスタイルをとっています。
実際、ワールドカップなどの国際大会の公式登録名も「Kylian MBAPPE」であり、契約や公的な書類の場面を除けば「ロタン」が表に出ることはまれです。だからこそ、Wikipediaや選手名鑑でフルネームを目にした人が「ロタンって何?」と検索する、という現象が起きているわけです。
「ロタン」という姓の背景
Lottin(ロタン)という姓は、姓氏研究のデータベースではフランスやベルギーで古くから見られる姓とされ、ゲルマン系の人名「ロタール(Lothar)」に由来するという説が紹介されています。一方で、父ウィルフリエドさんの故郷であるカメルーンの沿岸部にも、ヨーロッパ由来の姓を受け継ぐ家系が多く存在します。カメルーンは歴史的にドイツやフランスの統治を経験しており、現地の姓とヨーロッパ系の姓が組み合わさった複合姓は珍しくありません。「エムバペ・ロタン」という組み合わせも、そうした歴史的背景の中で受け継がれてきた姓と考えられます。
・本名は「キリアン・エムバペ・ロタン」で、「ロタン」は正式な姓の一部
・選手としては「エムバペ」のみを通称として使用
・「ロタン」はフランスやベルギーで見られる姓で、家系を通じて受け継がれたもの
名前に込められた意味とルーツ
エムバペの本名を「キリアン」「エムバペ」「ロタン」の3つに分解すると、それぞれ異なる土地の物語が見えてきます。彼の名前は、ヨーロッパとアフリカが交差するフランスという国の姿を映す鏡のようなものです。
「キリアン」はアイルランドの聖人に由来する名前
ファーストネームの「キリアン(Kylian)」は、7世紀のアイルランド出身の聖人キリアン(Kilian)に由来するとされています。もとをたどればアイルランド語の「cillín(小さな教会)」から来ているという説が有力で、Cillian、Kilian、Killianなど複数のつづりが存在します。聖キリアンは現在のドイツ・ヴュルツブルクで殉教した聖人として知られており、その名がフランスでも人名として広まりました。フランスでは「Kylian」というつづりが現代的な形として定着し、エムバペの活躍とともに人気の名前になっています。
「エムバペ」はカメルーンにルーツを持つ姓
姓の「エムバペ(Mbappé)」は、父ウィルフリエドさんの故郷カメルーンに由来します。姓氏データベースによると、Mbappéという姓はカメルーンの沿岸部(リトラル州)に集中しており、まさに父の出身地域と重なります。現地の言語では「集める」「結びつける」といった意味に由来するという説も紹介されています。
冒頭の「Mb」という子音の組み合わせは、カメルーンを含む中部アフリカのバントゥー系言語に広く見られる特徴です。この「Mb」が日本語にも英語にもない音であることが、後述する「読み方問題」の根本的な原因になっています。
なお、カメルーンのサッカー史には、1950〜60年代に活躍し「元帥(マレシャル)」の異名をとった名選手サミュエル・エムバペ・レッペがいます。同じ姓を持つ偉大な先人がいたことも、サッカーファンには興味深い偶然といえるでしょう。
家族構成:名前のルーツを支える国際色豊かな一家
エムバペの名前のルーツを理解するうえで、家族構成は欠かせません。
| 家族 | 名前 | プロフィール |
|---|---|---|
| 父 | ウィルフリエド・エムバペ | カメルーン出身。サッカー指導者としてキリアンの育成に深く関わった |
| 母 | ファイザ・ラマリ | アルジェリア系(カビール人)のルーツを持つ元ハンドボール選手。息子の代理人も務める |
| 弟 | エタン・エムバペ | 2006年12月29日生まれのミッドフィールダー。兄と同じくプロの道へ進み、リーグ・アンのリールでプレー |
| 義理の兄 | ジレス・ケンボ・エココ | エムバペ家が養子として迎えた元プロサッカー選手 |
父はカメルーン、母はアルジェリアにルーツを持ち、エムバペ自身はパリで生まれ、移民が多く暮らす郊外の町ボンディで育ちました。アイルランド起源の名、カメルーン由来の姓、そしてフランスでの誕生。彼のフルネームには、一家が歩んできた歴史がそのまま刻み込まれているのです。
「エムバペ」「ムバッペ」「エンバペ」どれが正しい?読み方問題を整理
本名とセットで必ず話題になるのが、日本語表記のゆれです。「エムバペ」「ムバッペ」「エンバペ」「ンバペ」と、メディアによって表記が異なり、混乱した経験のある人も多いはずです。結論からいえば、日本語には存在しない音のため「完全に正しい唯一のカタカナ表記」は存在しません。ただし、判断材料になる事実はいくつかあります。
フランス語では「Mバペ」に近い発音
フランス語でMbappéを発音すると、「ム」と「エム」の中間のような弱い子音に続けて「バペ」と発音され、全体として「(エ)ンバペ」に近い音になります。日本語の「ム」のようにはっきり母音を伴う音ではないため、「ムバッペ」と書くと実際の発音からはやや離れます。逆に「エムバペ」と書くと「エ」を強く読みすぎてしまう問題があり、どの表記も一長一短なのです。
「Mb」はアフリカ系の姓に多い音
先ほど触れたとおり、「Mb」で始まる姓はカメルーンなど中部アフリカの言語に広く見られます。この地域の言語では、MやNが単独で音節のように機能する「成節子音」という仕組みがあり、現地の発音では「ンバペ」に近くなるとされます。つまり、フランス語圏・アフリカ・日本語のどのフィルターを通すかによって、聞こえ方も表記も変わってしまうわけです。
本人が「最も近い」と認めた発音は?
日本のサッカーメディアが本人に直接確認した際には、「エンバペ」が最も実際の発音に近いという回答を得ています。一方で、日本の新聞・テレビでは「エムバペ」表記が主流であり、「ムバッペ」を使い続けるメディアもあります。どれを使っても間違いとまでは言えませんが、「本人公認に最も近いのはエンバペ、日本で最も普及しているのはエムバペ」と覚えておくとすっきりします。
| 表記 | 特徴 |
|---|---|
| エムバペ | 日本の主要メディアで最も普及している表記 |
| エンバペ | 本人が「最も近い」と認めたとされる発音に基づく表記 |
| ムバッペ | 一部メディアが採用。英語圏の聞こえ方に近いとされる |
| ンバペ | アフリカの言語の発音に忠実だが、日本語では書き出しにくい |
愛称は「ドナテロ」ニックネームの由来も名前の一部
本名とあわせて知っておきたいのが、チームメイトから呼ばれる愛称です。エムバペのニックネームは、アニメ『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』のキャラクター「ドナテロ」。2017年にパリ・サンジェルマン(PSG)へ加入した際、チームメイトのプレスネル・キンペンベが「似ているから」という理由で名付けたものです。
普通なら怒ってもおかしくないあだ名ですが、エムバペ本人は後にクラブの動画などでこの愛称を受け入れていることを明かしており、ファンの間でも親しみを込めて使われています。世界最高峰のスターがカメのキャラクターの名で呼ばれている、というギャップも人気の理由のひとつです。
本名とあわせて知りたいエムバペの経歴と記録
最後に、「キリアン・エムバペ・ロタン」という名前がサッカー史に刻まれてきた足跡を、簡潔に振り返ります。
モナコ→PSG→レアル・マドリードという歩み
| 期間 | 所属 | 主なトピック |
|---|---|---|
| 2015〜2017年 | モナコ | 16歳でプロデビュー。2016-17シーズンにリーグ・アン優勝 |
| 2017〜2024年 | パリ・サンジェルマン | クラブ歴代最多の通算256ゴールを記録し、数々のタイトルを獲得 |
| 2024年〜 | レアル・マドリード | 2024年6月に加入が発表され、世界最高峰クラブの中心選手に |
フランス代表での歴史的記録
フランス代表では、2018年ワールドカップ優勝、2022年ワールドカップ決勝でのハットトリックなど、10代の頃から歴史的な活躍を重ねてきました。キャプテンも務め、2026年6月には代表通算得点でオリヴィエ・ジルーの記録(57得点)を上回り、フランス代表の歴代最多得点記録を更新。ワールドカップにおけるフランス人最多得点記録も、1958年大会のジュスト・フォンテーヌを超えて塗り替えています。「エムバペ・ロタン」の名は、すでにフランスサッカー史の中心に刻まれているのです。
よくある質問
キリアン・エムバペ・ロタン(Kylian Mbappé Lottin)です。「キリアン」が名、「エムバペ・ロタン」が姓で、選手としては「エムバペ」のみを使用しています。
いいえ、ミドルネームではなく正式な姓の一部です。ユニフォームや公式登録では「MBAPPE」だけが使われるため、普段は目にする機会がほとんどありません。
日本語には存在しない音のため、唯一の正解はありません。日本のメディアで最も普及しているのは「エムバペ」で、本人が実際の発音に最も近いと認めたとされるのは「エンバペ」です。
フランス国籍です。パリで生まれ、パリ郊外のボンディで育ちました。父はカメルーン出身、母はアルジェリア系のルーツを持ちます。
弟のエタンも兄と同じエムバペ家の姓を受け継いでいます。エタンは2006年生まれのミッドフィールダーで、兄と同じくプロサッカー選手としてリーグ・アンのリールでプレーしています。
まとめ:エムバペの本名は家族の歴史そのもの
エムバペの本名「キリアン・エムバペ・ロタン」について、要点を整理します。
・「キリアン」はアイルランドの聖人に由来するとされ、「エムバペ」は父の故郷カメルーンにルーツを持つ姓
・「Mb」は日本語にない音のため表記がゆれており、本人が最も近いと認めたのは「エンバペ」
・愛称は「ドナテロ」。PSG時代にチームメイトが名付けた
・その名はフランス代表歴代最多得点記録とともに、サッカー史に刻まれている
アイルランド、カメルーン、アルジェリア、そしてフランス。ひとつの名前の中に、これほど多くの土地の物語が詰まっている選手はそう多くありません。次にピッチで「MBAPPE」の背中を見かけたら、そこに書かれていない「ロタン」の存在と、名前に込められた家族の歴史を思い出してみてください。
フットボール戦士 
