- 大岩剛監督の戦術・フォーメーションは?4バックと3バックのどっち?
- どんなサッカーをする、どんな監督なの?守備的?
- 次の日本代表(2027年3月〜)ではどんなシステムになりそう?
大岩剛監督の基本は4バックです。鹿島アントラーズでは4-4-2、U-23・U-21日本代表ではアンカーを1人置く4-3-3で戦い、3バックはほとんど使っていません。目指しているのは、前線から積極的にボールを奪いに行くサッカーです。
この記事では、実際に使ってきた並び、本人がインタビューで語った考え方、報道や識者の分析を分けて整理します。さらに、大岩監督のチームの失点の少なさを、フットボール戦士が試合結果から集計しました。
大岩剛のフォーメーションは?鹿島は4-4-2、U-23・U-21は4-3-3
大岩監督が使ってきたフォーメーションは、チームによって2つに分かれます。どちらもディフェンスラインは4人の「4バック」です。
| チーム | 期間 | 基本の形 | 分かっていること |
|---|---|---|---|
| 鹿島アントラーズ | 2017年5月〜2019年 | 4-4-2 | 公式戦143試合のうち141試合を4-4-2で開始 |
| U-23日本代表(パリ五輪世代) | 2022年〜2024年 | 4-3-3 | アンカーは主将の藤田譲瑠チマ |
| ロス五輪を目指すチーム | パリ五輪後〜2026年 | 4-3-3 | 2026年1月のU23アジアカップ、9〜10月のアジア大会も4-3-3 |
※鹿島の数字はフットボールチャンネル(2026年10月5日)が海外のデータサイト「Transfermarkt」の記録から数えたもの。代表チームの形はゲキサカ(2026年1月10日)とフットボールチャンネルの報道によります。
鹿島の4-4-2は、2トップと2人のボランチを置く、クラブ伝統の形です。フットボールチャンネルの集計では、2007年からJ1を3連覇したオリヴェイラ監督の時代は記録の残る試合の約95%が4-4-2でした。大岩監督は約99%で、恩師以上にこの形を貫いたことになります。
一方、世代別の日本代表では4-3-3に変えました。中盤を「アンカー1人+インサイドハーフ2人」の三角形にする形です。ゲキサカによると、パリ五輪のチームでは藤田譲瑠チマがアンカーとして中央にとどまり、ロス五輪を目指すチームでも同じ役割の選手を置いています。
大岩剛はどんなサッカー?前から奪いに行き、相手陣内で戦う
テレビ朝日スポーツ公式「パリ五輪へ!大岩剛 U23代表監督 × 内田篤人 大先輩に聞く!」(2024年4月公開)。動画のタイトルにある「攻撃でも守備でもボールを奪いに行く」が、大岩監督のサッカーの軸です。
大岩監督のサッカーを一言でいうと、「前からボールを奪いに行き、相手を押し込んで戦う」スタイルです。これは記者や識者の見立てではなく、本人がインタビューではっきり語っています。
Number Web のインタビュー(2026年9月20日)で、大岩監督は高い位置からのハイプレスを理想の形に挙げました。これまでの日本は、引いて粘り強く守り、少ないカウンターで1点を取って勝つ試合が多かった。これからは強豪が相手でも前から奪いに行き、押し込むことが求められる、という考えです。
前に出れば背後に広いスペースができ、そこを突かれる危険も大きくなります。大岩監督はこのリスクも認めたうえで、前に出る道を選んでいます。同じインタビューでは、システムで「攻撃的か守備的か」を語る見方に対し、「本質は『ピッチのどこで何をするか』です。」とも話しています。
パリ五輪のスペイン戦で見えた「理想」と「足りないもの」
理想に近い形が出たのが、2024年パリ五輪の準々決勝スペイン戦です。Number Web によると、前半45分はスペインをほぼ押し込みました。しかし後半に失点を重ね、0-3で敗れています。大岩監督は、足りないものを突きつけられたとしつつ、強豪国をハーフコートに閉じ込めることは以前の日本にはできなかったと振り返っています。
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パリ五輪のチームについては、日本サッカー協会の山本昌邦ナショナルチームダイレクターも時事通信の取材(2024年12月30日)で、前線からのプレスとセットプレーを強みに挙げました。目指す方向について、スポーツナビの識者座談会(2026年8月8日)は「スペインのようなポゼッションサッカー」と紹介しています。
3バックは使う?鹿島でも代表でも、ほぼ4バックだけ
「大岩剛 3バック」「大岩剛 4バック」と調べる人が知りたいのは、森保ジャパンの3バックを続けるのかどうかでしょう。これまでの采配を見る限り、大岩監督は4バックの監督です。
鹿島での3年間、4-4-2以外で試合に入ったのは143試合中2試合だけでした。フットボールチャンネル(2026年10月5日)は、U-21日本代表が2026年のアジア大会でも全6試合を4-3-3で戦ったと伝えています。
例外として目立つのが、鹿島での最後の試合になった2020年1月1日の天皇杯決勝です。3-4-3の神戸に前半で2点を奪われ、後半から相手と同じ3-4-3に変えました。ゲキサカによると、大岩監督はほとんど試していない並びだったと明かし、「立ち位置を変えて、サイドに人を増やして、サイドで数的優位をつくるという形で得点を狙った」と説明しています。試合は0-2のまま終わりました。
つまり3バックは「負けている試合で流れを変える手」として使ったことがある程度で、基本の形にしたことはありません。3バックと4バックの違いそのものは、下の記事で図にしています。
どんな監督?特徴は「役割をはっきり示す」チームづくり
「どんな監督か」を本人の言葉から見ると、一番の特徴は「タスク(役割)の明確化」です。Number Web のインタビューで、大岩監督は選手に「あれもできる、これもできる」を求めるのではなく、一番輝けるポジションで一番得意な役割をやり切らせるべきだと話しています。
きっかけは、2022年11月、U-21日本代表の欧州遠征でスペインと戦い、セビージャで敗れた試合でした。好結果が続いていても、世界トップ級が相手だと有能な選手を並べるだけでは通用しない。そこで、ポジションごとに求める役割をはっきり示す形に整理したといいます。
役割がはっきりすると、選手同士にも共通の基準ができます。例えばセンターバックがサイドバックの役割を理解していれば、その出来をお互いに評価できるという考えです。荒木遼太郎については、再びチームに戻ってきたときに『10番のポジションはこれが求められる』と役割をはっきり示したことで、すぐにフィットできたと振り返っています。
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もう一つの特徴は、大胆なメンバーの入れ替え
采配の面で目立つのは、試合ごとに先発を大きく入れ替えることです。パリ五輪でも「誰が出ても同じように戦えるチーム」を発足当初から作り、先発を入れ替えながら戦いました(時事通信・2024年12月30日)。この方針は2026年のアジア大会でさらにはっきりします(後の節で詳しく扱います)。
守備は堅い?データで見る大岩チームの失点
Yahoo!知恵袋の「どんなスタイルの監督?」という質問(2026年7月23日)には、守備の選手だった経歴から「守備の堅さが特徴」という回答がついていました。実際の数字で確かめてみます。
世代別の日本代表で戦った公式大会は34試合あり、失点は16、1試合あたり0.47でした。23試合(68%)は無失点です。どの大会も1試合の失点が1点を下回っており、守備が崩れた大会はありません。
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一方、鹿島のJ1では「リーグで最も堅い」とまではいえません。開幕から指揮した2シーズンの失点は、2018年が39で18クラブ中6番目、2019年が30で4番目の少なさでした。どちらもJ1の平均よりは少ないものの、最少ではありません(2018年の最少は川崎フロンターレの27、2019年はセレッソ大阪の25)。
世代別代表の相手は多くがアジアの同世代のチームなので、0.47という数字をそのままA代表に当てはめることはできません。それでも、前から奪いに行くスタイルでありながら失点が少ないことは、大岩監督のチームの特徴といえます。
2026年アジア大会の采配は?強みとアンカーの課題
「大岩剛 采配」と検索されるようになったのは、2026年9〜10月に愛知・名古屋で開かれたアジア大会がきっかけです。U-21日本代表は決勝で韓国に0-1で敗れ、3大会続けて決勝で韓国に負けての銀メダルでした。
この大会で大岩監督は、準々決勝から準決勝で先発11人全員を、準決勝から決勝で10人を入れ替えました(スポルティーバ・2026年10月5日)。大岩監督は「経験を積むためにやっていないし、勝つためにやる。」と説明しています。同じ記事によると、優勝した韓国は8人が全5試合に先発しており、起用の考え方は正反対でした。
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評価:「及第点」と「采配に疑問」
評価は分かれています。スポルティーバの浅田真樹氏は、先発を大きく入れ替えても機能し、韓国以外には負けなかったとして「及第点」と評価しました。決勝でも相手にほとんどサッカーをさせなかったとしています。
一方、フットボールチャンネルは決勝当日(10月3日)の採点で大岩監督に5.0をつけ、「采配に疑問」と見出しを立てました。中島洋太朗の評価では「やはりもう1列前で見たかった」と、起用した位置に疑問を示しています。
課題として挙げられたのがアンカーです。フットボールチャンネル(10月5日)によると、大岩監督は中島洋太朗・石渡ネルソン・保田堅心の3人を試合ごとにアンカーに起用しましたが、記事は「最後まで適任者がいなかったように見える」と指摘しました。グループリーグでは相手が引いて守ったので目立たなかったものの、準々決勝の北朝鮮戦から相手の圧力が強まり、こぼれ球を拾われたという分析です。
大岩監督自身は決勝のあと、「戦うことは大前提であって、我々のスタイルはしっかり出せた試合だったかなと思います」と話しています(FOOTBALL ZONE・10月3日)。
A代表ではどうなる?森保ジャパンの3バックから4バックへ
FOOTBALL ZONE「【戦術解剖】大岩ジャパンの真骨頂『4-3-3』は日本にハマるのか?」(2026年8月公開)。解説者の林陵平氏が戦術ボードで4-3-3の強みと難しさを説明しています。
大岩監督が日本代表を率いるのは、2027年1月のアジアカップのあと、2027年3月からです。A代表での形はまだ一度も示されていません。ここからは、分かっている事実と予想を分けて整理します。
事実として分かっているのは次の3つです。1つ目に、森保ジャパンはここ数年、3バックの3-4-2-1を基本にしてきました。2つ目に、2026年10月5日のニュージーランド戦(2-1)で、森保監督は約2年半ぶりに試合開始から4バックを使いました。サンケイスポーツは、スタンドで視察した大岩監督への「引き継ぎ」も意識した布陣だったと伝えています。
3つ目が本人の言葉です。大岩監督は Number Web のインタビューで「A代表ではまた別のアプローチが必要になってくると思っています」と話しました。一方で、目標から逆算して役割をはっきりさせる考え方は変わらないとしています。どのシステムを使うかは、まだ本人の口から語られていません。
識者の予想:4バックと4-3-3、課題はアンカー
| 誰が・どこで | 予想・意見 |
|---|---|
| 川端暁彦氏(スポーツナビ・8月8日) | とりあえず4-3-3がベース。ネックになるのはアンカー |
| 池田タツ氏(スポーツナビ・8月8日) | 4バックは崩さないはず。カギはサイドバック |
| 川端暁彦氏(GOAL・9月22日) | 大岩監督は4-3-3を必ず試すはず |
| フットボールチャンネル(9月29日) | 森保ジャパンはアジアカップで4バックを試すべき。大岩体制への移行の準備にもなる |
| 前園真聖氏(東スポWEB・10月8日) | 一つのシステムでは世界で戦えない。相手や状況で変える必要がある |
※日付はいずれも2026年。各記事の要点をフットボール戦士がまとめたもので、表現は原文と同じではありません。
識者の多くは「4バック、それも4-3-3が軸になる」と見ています。そのうえで共通して挙がる心配がアンカーです。川端氏は、日本には2人で組むボランチはいても、4バックの前に1人で立つアンカーをトップレベルで経験した選手が少ないと指摘しています。アジア大会で見えた課題と同じです。
フットボール戦士の見方としては、これまでの采配から4バックが基本になる可能性は高いと考えます。ただし、鹿島では4-4-2、代表では4-3-3と、チームによって形を変えてきた監督でもあります。A代表の選手に合わせて4-4-2などを選ぶことも考えられ、「必ず4-3-3」とまではいえません。
鹿島時代の教え子、鈴木優磨の名前も話題になっています。鹿島OBの岩政大樹氏はDAZNの番組で「大岩剛監督だし、(招集は)あるのかなと思っている」と話し、鹿島で上田綺世との相性が良かったことを理由に挙げました(Football Tribe・2026年10月8日)。あくまで岩政氏の見方で、招集が決まったわけではありません。
よくある質問
A. 4バックです。鹿島では公式戦143試合中141試合を4-4-2で始め、U-23・U-21日本代表では4-3-3を基本にしてきました。3バックを使ったのは、2020年1月1日の天皇杯決勝の後半くらいです。
A. 本人は、前線から積極的にボールを奪いに行くハイプレスを理想に挙げています。引いて守ってカウンターを狙う戦い方からの脱却を目指しているので、考え方は攻撃的です。そのうえで世代別代表の公式大会では1試合あたり0.47失点と、失点も少なく抑えています。
A. ディフェンスラインは同じ4人で、違いは中盤と前線です。4-4-2は中盤に4人が横に並び、前線が2人です。4-3-3は中盤の底にアンカー1人、その前にインサイドハーフ2人を置き、前線が3人になります。
A. 一番の違いはシステムです。森保ジャパンはここ数年3バックの3-4-2-1が基本でしたが、大岩監督は4バックで戦ってきました。五輪世代の監督とA代表監督を兼ねる形は、2018〜2021年の森保監督と同じです。
A. 2027年3月の国際試合期間(3月22〜30日)が最初の活動になる予定です。それまでは森保監督が2027年1月のアジアカップまで指揮します。
まとめ:大岩剛の戦術は「4バック+前から奪うサッカー」
- フォーメーションは4バック。鹿島では4-4-2(公式戦143試合中141試合)、U-23・U-21日本代表では4-3-3
- 3バックは基本の形にしたことがなく、使ったのは天皇杯決勝(2020年1月1日)の後半くらい
- 目指すのは前線からのハイプレスで相手を押し込むサッカー。本人がインタビューで明言
- 監督としての特徴は「役割の明確化」と、試合ごとの大胆な先発の入れ替え
- 世代別代表の公式大会は34試合で16失点(1試合0.47)。課題として挙がるのはアンカー
- A代表の形はまだ示されていないが、識者の多くは4バック・4-3-3を予想
大岩監督の戦術は、チームが変わっても「4バック」と「前から奪いに行く」という2つの軸がぶれていません。A代表でもこの軸を保つのか、森保ジャパンの3バックをどう引き継ぐのか。答えが見えるのは、2027年3月の初陣です。
※この記事の情報は2026年10月12日時点のものです。フォーメーションと試合の内容は各メディアの報道、失点の数字は各大会の公式記録とJリーグ公式データサイトの試合結果をもとにフットボール戦士が集計しました。
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