- Jリーグのクラブで働くスタッフ(フロント職員)の年収はいくら?
- J1とJ3では給料や人数にどれくらい差がある?
- どんな仕事があって、どうすれば働ける?
Jリーグのクラブで働くスタッフの年収は、1人あたり約350万〜490万円が目安です。Jリーグが公表した資料で、フロントの人件費を人数で割ると、J1は約489万円、J2は約415万円、J3は約351万円でした。この記事では、その数字の中身と、2026年9月にクラブ公式サイトに出ている求人の給料、フットボール戦士が2025年度の経営情報から集計したデータ、仕事内容となり方を紹介します。
Jリーグクラブスタッフの年収は1人あたり約350万〜490万円
この数字は、Jリーグが2025年11月に公表した「Jリーグ クラブ経営ガイド2025」に載っています。2024年度の決算でフロントにかかった人件費を、2025年4月時点のフロントの人数で割ったものです。人数に選手と監督・コーチは入っていません。
ただし、一人ひとりの年収そのものではありません。人件費には社長などの役員報酬や、アルバイトの給料(雑給)も含まれます。クラブが職員1人あたりに払っているお金の目安と考えてください。
リーグが上がるほど、1人あたりの額も人数も増えます。J1のフロントは平均78.8人で、J3の29.3人の2.7倍です。同じJ1でも、172人のクラブもあれば27人のクラブもあります。
2026年の求人に出ている給料の例
クラブ公式の採用ページで月給を出している求人は、月20万〜35万円が中心でした。2026年9月25日時点で掲載されていた主な求人は次のとおりです。
| クラブ(2025年の所属) | 職種 | 月給 | 賞与など |
|---|---|---|---|
| サガン鳥栖(J2) | パートナー営業(正社員) | 28万〜35万円(30時間分の残業代込み) | 年1回・月給1か月分(標準評価の想定) |
| カマタマーレ讃岐(J3) | 営業・マーケティング・経理財務(正社員) | 25万円〜(30時間分の残業代込み) | 想定年収350万〜500万円・賞与年2回(業績による) |
| セレッソ大阪(J1) | 運営・営業(期間の定めなし) | 20万円以上 | 賞与年2回・昇給年1回 |
| いわきFC(J2) | フロントスタッフ総合職(正社員) | 20万円〜 | 記載なし |
※各クラブの公式採用ページ(2026年9月25日確認)をもとにフットボール戦士が作成。募集は終わることがあります。
サガン鳥栖の2026年の求人(ID 26-01)を年収にすると、月給12か月分とボーナス1か月分で約364万〜455万円です(フットボール戦士の計算)。前の章の1人あたりの目安とほぼ同じ水準です。
一方で、アルビレックス新潟や東京ヴェルディ、ツエーゲン金沢の求人は「経験・能力を考慮の上、決定」「当社規定による」などとして、金額を書いていません。働き方の条件では、年間休日はセレッソ大阪が123日、カマタマーレ讃岐が111日で、アルビレックス新潟にも111日と書いた求人がありました。サガン鳥栖は、試合の日は試合開始の5時間前から終了の2時間後ごろまでが勤務時間になると書いています。
売上が大きいクラブほどフロントの費用も大きい【独自集計】
フットボール戦士が2025年度の経営情報を集計すると、売上高の大きいクラブほど、フロントの給料を含む費用も大きいことがわかりました。53クラブの売上高と販管費の相関係数は0.94で、ほぼ比例しています。
販管費とは、クラブを動かすための事務や営業の費用です。Jリーグの資料では、役員報酬・社員給与・雑給などの人件費、広告宣伝費、減価償却費などが入ると説明されています。J1の2024年度の販管費は平均12.61億円で、そのうちフロントの人件費は平均3.86億円でした。販管費のおよそ3割がフロントの給料という目安になります。
| 2025年度の平均 | J1(18クラブ) | J2(19クラブ) | J3(16クラブ) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 65.14億円 | 23.34億円 | 8.82億円 |
| 販管費 | 15.16億円 | 5.47億円 | 2.32億円 |
| 販管費÷売上高 | 23.3% | 23.5% | 26.3% |
| 販管費が最も大きいクラブ | 浦和 32.77億円 | 大宮 13.14億円 | 松本 5.13億円 |
※集計方法:Jリーグ「2025年度クラブ経営情報開示資料」の開示対象53クラブ(3月・6月決算の柏・湘南・札幌・鳥取・讃岐・高知・北九州を除く)について、「クラブ決算一覧」のクラブ別の売上高と販管費を読み、リーグ別に合計してクラブ数で割りました。所属は2025シーズン。岡山は5か月決算のまま含めています。平均はJリーグ公表の平均と一致しています。
どのリーグでも、売上高の4分の1ほどが販管費に使われています。J1のクラブは売上の規模が大きいぶん、フロントの人数も給料の総額も大きくなります。
Jリーグクラブの仕事内容:部門ごとの人数
Jリーグのクラブの仕事は、大きく6つの部門に分かれます。Jリーグのクラブ経営ガイドは、クラブの組織を事業・運営・フットボール・マーケティング・管理・サステナビリティの部門で整理しています。J1で一番人数が多いのは、スポンサー営業やグッズを担当する事業部門です。
実際の求人でも、仕事は細かく分かれています。アルビレックス新潟は、法人営業、グッズの商品企画、経理マネージャー、法務担当、後援会事務局、スクールのコーチを別々に募集していました。東京ヴェルディの応募フォームでは、営業、チケット・ファンクラブ、イベント運営、売店、広報、ITサポート、経理、施設管理などから希望を選べます。
スポンサー営業は、企業と協賛の契約を結び、試合の日のイベントなどで企業をPRする仕事です。運営部門は、試合の日の会場の準備や警備、施設の管理を担当します。フットボール部門には、選手の獲得を考える強化担当や、ユースなどアカデミーの担当者が入ります。
監督・コーチ・GMの年収は公表されていない
監督やコーチ、GM(ゼネラルマネージャー)の年収は、どのクラブも公表していません。監督・コーチなどチームスタッフの報酬は、選手の年俸と合わせた「トップチーム人件費」として開示されています。2025年度のトップチーム人件費はJ1の平均で22.85億円ですが、このうち監督やコーチの分がいくらかはわかりません。
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上はセレッソ大阪公式のInstagramで、2026年7月3日にパブロ・マチン氏の監督就任を伝えた投稿です。監督の就任はこのように発表されますが、年俸の額は公表されていません。
GMや強化部長は、クラブ経営ガイドが示す組織の例ではフットボール部門に入ります。こうした役職の報酬も個別には開示されていません。「監督の年収は◯億円」といった数字を見かけても、クラブの公式発表でなければ推定と考えてください。
Jリーグクラブスタッフになるには:求人の探し方と求められる経験
クラブの求人は、Jリーグの採用サイトの「クラブ情報」から探すのが確実です。2026年9月25日時点で、60クラブの採用ページ(またはクラブ公式サイト)へのリンクがまとまっています。セレッソ大阪が「時期によっては募集をしていない」と書いているように、募集はいつも出ているとは限りません。気になるクラブは時々確認しましょう。
求人の応募資格を見ると、社会人としての経験を求めるものが目立ちます。サガン鳥栖のパートナー営業は法人営業の経験2年以上、カマタマーレ讃岐は社会人経験3年以上、東京ヴェルディは社会人経験1年以上と普通免許が条件でした。アルビレックス新潟の経理マネージャーは、経理の実務経験5年程度以上と簿記の資格を求めています。
サッカー業界の経験がなくても応募できる求人はあります。いわきFCは対象を「スポーツビジネスの経験がある、もしくは興味のある方」としていました。まずは試合運営のアルバイトで現場を知る方法もあります。ジェフユナイテッド千葉のショップスタッフは、時給1,030円からで募集していました。
経営の仕事を目指すなら、公益財団法人スポーツヒューマンキャピタル(SHC)の講座もあります。SHCは、2015年に始まったJクラブの経営人材を育てるプロジェクト「Jリーグヒューマンキャピタル(JHC)」が前身です。クラブ経営ガイドによると、SHCの修了生のうち300人以上がスポーツ界で働いています。
よくある質問
A. 平均年収という形での公式の数字はありません。Jリーグのクラブ経営ガイドでフロントの人件費を人数で割った額は、J1で約489万円、J2で約415万円、J3で約351万円です。役員報酬やアルバイトの給料も含んだ目安です。
A. 浦和レッズは社員の年収を公表していません。2025年度の浦和の販管費は32.77億円で、開示された53クラブの中で最も大きい額でした。
A. 公表されていません。GMや強化部長の報酬は、クラブの決算でも個別には開示されていません。
A. 2026年9月にクラブ公式サイトで確認した求人では、月20万〜35万円が中心でした。サガン鳥栖のパートナー営業は月28万〜35万円、カマタマーレ讃岐は想定年収350万〜500万円です。
A. 2025年4月時点のフロントの平均人数は、J1が78.8人、J2が45.5人、J3が29.3人です。J1はJ3の2.7倍の人数です。
まとめ:Jリーグクラブスタッフの年収は1人あたり約350万〜490万円
- フロント1人あたりの人件費は、J1約489万円・J2約415万円・J3約351万円(2024年度の人件費÷2025年4月の人数)
- 2026年9月のクラブ公式の求人では、月給20万〜35万円が中心
- 2025年度の53クラブを集計すると、売上高と販管費の相関係数は0.94
- 仕事は事業・運営・フットボール・マーケティング・管理・サステナビリティの部門に分かれる
- 監督・コーチ・GMの年収は公表されていない
Jリーグのクラブスタッフの給料は、クラブの売上の大きさに比例しています。J1の大きなクラブほど人数も多く、仕事も細かく分かれています。まずはJリーグの採用サイトから、気になるクラブの求人をのぞいてみてください。
※この記事の情報は2026年9月25日時点のものです。出典:Jリーグ「2025年度クラブ経営情報開示資料」(2026年5月26日・7月24日更新)、「2025年度クラブ決算一覧」、「Jリーグ クラブ経営ガイド2025」(2025年11月14日)、Jリーグ採用サイト「クラブ情報」、サガン鳥栖・カマタマーレ讃岐・セレッソ大阪・いわきFC・アルビレックス新潟・東京ヴェルディ・ツエーゲン金沢・ジェフユナイテッド千葉の公式採用ページ(2026年9月25日確認)、スポーツヒューマンキャピタル公式サイト。
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