
サッカーの試合中、スローインの場面で「あ、足が出てた!反則じゃないの?」と感じたことはありませんか?少年サッカーの親御さんや、草サッカーのプレイヤー、審判を始めたばかりの方から「スローインの足のルールがよくわからない」という声をよく耳にします。
結論から言うと、スローインで足がタッチラインを完全に越えてフィールド内に入ってしまった場合は反則(ファウルスロー)になります。ただし「どこまでがOKで、どこからがNGなのか」という境界線が少しわかりにくいのも事実です。
この記事では、サッカーの競技規則に基づいたスローインの足のルールを、具体的な例を交えながらわかりやすく解説します。選手・保護者・指導者・審判初心者の方まで、ぜひ参考にしてください。
そもそもスローインとは?
スローインとは、ボールがタッチライン(コートの長方形の長辺)を越えて外に出たとき、最後にボールに触れた選手の相手チームの選手がボールを手でフィールド内に投げ入れるプレーのことです。
通常のサッカーでは、ゴールキーパー以外の選手がボールを手で扱うことは禁止されていますが、スローインは例外的に手が使える唯一の場面です。スローインを行う選手は「スローワー」と呼ばれ、ゴールキーパーを含む相手チームのどの選手でも行うことができます。

スローインを行う際の足の位置については、サッカーの競技規則(いわゆるFIFAルール)に明確な記載があります。その内容を正確に理解しておきましょう。
競技規則の原文に基づく足のルール
競技規則には次のように定められています。
「ボールが手から離れるまで、両足ともその一部をタッチライン上またはタッチラインの外のグラウンドにつける」
この一文が、スローインの足のルールのすべてです。ポイントを整理すると以下のようになります。
- タッチラインの外(フィールドの外側)に足をつける:OK
- タッチラインの上(ラインを踏む):OK
- 片足でも完全にタッチラインを越えてフィールド内に入る:NG(ファウルスロー)
つまり、足の一部でもラインに触れていれば合法ということになります。スパイクのつま先だけがライン上に残っていても、それはセーフです。逆に、足全体がラインより内側(フィールド側)に入ってしまうとアウトになります。
足の向きや位置はどこでもいい?
意外と知られていないルールとして、両足が前後にずれていても、左右に開いていても問題ありません。足をそろえる必要はなく、投げやすい構えで行って構いません。ただし、投げ終わるまで両足ともグラウンドにつけておく必要があります。
また、フィールドの外であれば、ラインを踏んでいなくても反則にはなりません。タッチラインより外側であれば足の位置は自由です。
ジャンプしながら投げるのはNG
「両足ともグラウンドにつける」というルールは、裏を返せばジャンプしながら投げることを禁止しています。ボールをリリースする瞬間に片足でも浮いてしまうとファウルスローになります。また、膝をついた状態や座った状態での投げ入れも反則です。
反対に言えば、つま先立ちになっていても、かかとが浮いていても、足の裏の一部が地面についていればOKです。

スローインの反則(ファウルスロー)は、足の位置以外にもさまざまな種類があります。試合中に見落としがちなNG例を一覧で確認しておきましょう。
❌ 足に関するNG例
- 片足が完全にタッチラインを越えてフィールド内に入った状態で投げる
- ボールをリリースする瞬間に片足または両足が地面から離れている(ジャンプ投げ)
- 膝や座った状態で投げる
❌ 手・腕に関するNG例
- 片手だけでボールを投げる(必ず両手で投げなければならない)
- 頭の上を通さずに投げる(バスケのパスやシュートのような投げ方はNG)
❌ 体の向きに関するNG例
- 上半身や腕をひねってボールを投げる方向と体の向きが異なる(スローインは体の向きとボールを投げる方向が同じでなければならない)
❌ 投げる場所に関するNG例
- ボールが出た地点から明らかに離れた場所から投げる(故意に前進して利得を狙う行為は反則とみなされる場合がある)
- 投げたボールがフィールドに入らず外で落ちる(有効な投げ入れにならない)
❌ 相手選手の妨害に関するルール
スローインを行う際、相手チームの選手はスローワーから2メートル以上離れなければなりません。2メートルより近づくと妨害行為とみなされ反則となり、場合によってはイエローカードが提示されることもあります。

ファウルスローと判定された場合、どのように試合が再開されるのでしょうか?
ファウルスローの場合:同じ場所から相手チームのスローイン
スローインのルールに違反した場合は「ファウルスロー」となり、同じ場所から相手チームのスローインで試合が再開されます。フリーキックやペナルティキックになるわけではなく、スローインが相手に移るだけです。
少年サッカーや草サッカーでは、この処置を正確に理解していないケースも多く見られます。「反則だからフリーキックでしょ?」と思いがちですが、あくまで「相手チームのスローイン」で再開されるのが正しいルールです。
二度触り(ダブルタッチ)の場合:間接フリーキック
スローインを投げた選手が、誰も触れていないボールにそのまま続けて触れてしまう「二度触り(ダブルタッチ)」は反則となります。この場合は、その場所から相手チームの間接フリーキックで再開されます。
さらに、スローインを投げた後に自分でボールを手で触れてしまった場合はハンドの反則となり、直接フリーキック(ペナルティエリア内ならPK)となります。
スローインからは直接ゴールは認められない
意外と知られていないルールとして、スローインによって投げ入れられたボールが直接ゴールに入っても得点は認められません。相手ゴールに入った場合は相手チームのゴールキック、自分たちのゴールに入った場合は相手チームのコーナーキックで再開されます。

スローインのルールには、意外と誤解が多いものです。少年サッカーの保護者や草サッカーのプレイヤーがよく疑問に思うポイントをQ&A形式でまとめました。
Q1. 足がラインを踏んでいれば絶対にOKですか?
A. はい、ラインを踏んでいればOKです。タッチラインの上に足の一部がかかっていれば、足がラインをまたいでいる状態でも合法です。スパイクのつま先だけがラインに乗っていてもセーフです。ポイントは「足全体がフィールド内に完全に入っているかどうか」です。
Q2. 両足をそろえないといけませんか?
A. そろえる必要はありません。両足が前後にずれていても、左右に開いていても問題ありません。ただし、ボールをリリースするまで両足とも地面についていることが条件です。
Q3. つま先立ちで投げてもいいですか?
A. かかとが浮いていてもOKです。足の裏全体が地面についている必要はなく、つま先やかかとなど、足の一部が地面についていれば問題ありません。ただし、完全にジャンプしてボールをリリースするのはNGです。
Q4. スローインでオフサイドになることはありますか?
A. スローインを直接受けるときはオフサイドになりません。スローインにはオフサイドルールが適用されないため、スローインで直接ボールを受けた場合はオフサイドにはなりません。ただし、スローインでボールを受けた選手がパスを出した場合、そのパスを受ける選手にはオフサイドが適用されます。
Q5. ファウルスローはフリーキックになりますか?
A. フリーキックではなく、相手チームのスローインになります。ファウルスローの場合は、同じ場所から相手チームのスローインで再開されます。フリーキックやペナルティキックにはなりません。ただし、スローインの後に自分でボールを手で触れるとハンドの反則となり、直接フリーキックになる場合があります。
Q6. 相手がスローインの近くに立っていても問題ないですか?
A. スローワーから2メートル以上離れる必要があります。相手チームの選手がスローワーから2メートル以内に近づくと妨害行為として反則になります。イエローカードが提示されることもあるため、審判はしっかりと距離を確認する必要があります。
サッカーのスローインにおける足のルールを改めて整理すると、以下のようになります。
- タッチラインの外:OK
- タッチラインの上(ラインを踏む):OK
- 足の一部がラインにかかっている:OK
- 片足でも完全にフィールド内に入っている:NG(ファウルスロー)
- ジャンプしてボールをリリース:NG(ファウルスロー)
「足が出た=反則」というわけではなく、足がタッチラインを完全に越えてフィールド内に入ったときに初めて反則となります。この境界線を正確に理解しておくことで、試合中の判断が明確になります。
少年サッカーの現場では、スローインのルールが正確に理解されていないことで無用なトラブルが起きることもあります。選手本人だけでなく、指導者や保護者も正しいルールを把握しておくことが、公正なサッカーを楽しむための第一歩です。
審判を担当する方は、足の位置だけでなく、両手投げ・頭上通過・体の向き・投げる場所なども合わせてチェックするようにしましょう。スローインは一見シンプルなプレーに見えますが、意外と多くのルールが絡んでいる奥深いプレーなのです。
フットボール戦士 